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白拍子 - Wikipedia

白拍子しらびょうし

平安へいあん時代じだい末期まっきから鎌倉かまくら時代じだい歌舞かぶ一種いっしゅおよびそれをえんずる芸人げいにん

白拍子しらびょうし(しらびょうし)は、平安へいあん時代じだい末期まっきから鎌倉かまくら時代ときよにかけてこった歌舞かぶ一種いっしゅおよびそれをえんずる芸人げいにん

肉筆にくひつ描写びょうしゃされた白拍子しらびょうし姿すがた静御前しずかごぜん葛飾かつしか北斎ほくさいふで北斎ほくさいかんぞう文政ぶんせい3ねん1820ねんごろ

おも男装だんそう遊女ゆうじょ子供こども今様いまよう朗詠ろうえいうたいながらったものをすが、男性だんせい白拍子しらびょうしもいた。拍子ひょうし(しらびょうし)ともき、この場合ばあい伴奏ばんそう即興そっきょうまいす。

起源きげん伝承でんしょう

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複数ふくすう白拍子しらびょうし登場とうじょうする鎌倉かまくら時代じだい前期ぜんき軍記物語ぐんきものがたり平家ひらか物語ものがたり』では、白拍子しらびょうし起源きげんについて「鳥羽とばいん時代じだいしま千歳ちとせ(せんさい)、和歌わかまえという2人ふたりいだしたのが白拍子しらびょうしこりである」としている[1]

また「はじめは水干すいかんにつけ、だて烏帽子えぼしをかぶり、しろさやまきをさしてったので、おとこまいんだ。途中とちゅう烏帽子えぼしかたなけて、水干すいかんだけをもちいるようになって白拍子しらびょうし名付なづけられた。」と解説かいせつしている[1]

白拍子しらびょうしは、男女だんじょわずにわれたものであったが、しゅとして女性じょせい子供こどもことおおかった。

ふるさかのぼると巫女ふじょによる巫女ふじょまい原点げんてんにあったともわれている。神事しんじにおいてふるくから男女だんじょみこまいことによってかみ憑依ひょういさせたさいに、場合ばあいによっては一時いちじてき異性いせいへの「変身へんしん作用さようがあるとしんじられていた。日本にっぽんたけたかしくまかさね征伐せいばつにおいて女装じょそうおこない、神功じんぐう皇后こうごうさんかん征伐せいばつさい男装だんそうおこなったという説話せつわかれらがみことしてかみ憑依ひょういさせたこと象徴しょうちょうであったという。

このうち、巫女ふじょ布教ふきょう行脚あんぎゃちゅうにおいてまい披露ひろうしていくなかで、次第しだい芸能げいのうしゅとしていく遊女ゆうじょへと転化てんかしていき、そのうちに遊女ゆうじょみこ以来いらい伝統でんとう影響えいきょうけて男装だんそうし、おとこまいけたもの一般いっぱん白拍子しらびょうしともうようになった。

しろ直垂ひたたれ水干すいかんだて烏帽子えぼししろ鞘巻さやまきかたなをさす(時代じだいくだるといろつきの衣装いしょうることもおおかった)という男装だんそううたまい披露ひろうした。伴奏ばんそうにはときにはふえなどをもちいた。

のちに、猿楽さるがくなどへと変貌へんぼうしていった。のちうた(そうが)やきょくまい(くせまい)などのこる素地そじともなった。またのべねんにもれられ、室町むろまち時代ときよ初期しょきまでのこった。

歴史れきしじょう白拍子しらびょうし

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白拍子しらびょうし女性じょせいたちは遊女ゆうじょとはいえ貴族きぞく屋敷やしき出入でいりすることもおおかったため、見識けんしきたかものおおく、平清盛たいらのきよもり愛妾あいしょうとなった祇王ふつ御前ごぜん源義経みなもとのよしつね愛妾あいしょうとなった静御前しずかごぜん後鳥羽上皇ごとばじょうこう愛妾あいしょうとなったかめきくなど、貴紳きしんあいされた白拍子しらびょうしおおい。また、微妙びみょういそ禅師ぜんじひとし歴史れきしのこ白拍子しらびょうしおおい。

ふつ御前ごぜんれいにとると、14さいのとき上京じょうきょうし、叔父おじ白河しらかわへいないのもとで白拍子しらびょうしとなり、その京都きょうとげ、当時とうじ権力けんりょくしゃであった平清盛たいらのきよもり屋敷やしきる。その当時とうじ白拍子しらびょうしおう清盛きよもり寵愛ちょうあいあつめていたのではらわれるが、おうさそいにより清盛きよもりまえ即興そっきょう今様いまようみ、それを自分じぶんうたいながらまいせ、一気いっき寵愛ちょうあいあつめた[2]。このときんだ今様いまようは、以下いかのようなものである。

きみはじめてるをりは  千代ちよぬべし姫小松ひめこまつ  御前ごぜんいけなる亀岡かめおかに 

づるこそあそぶめれ

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b 平家ひらか物語ものがたり』「祗王」のあきら
  2. ^ この物語ものがたり平家ひらか物語ものがたりだいいちかん 6「祗王」)に登場とうじょうする。

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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