細ほそ氷ごおり(さいひょう)とは、大気たいき中なかの水蒸気すいじょうきが昇華しょうか(凝しこり華はな)してできた、ごく小ちいさな氷こおり晶あきら(氷こおりの結晶けっしょう)が降ふること。ダイヤモンドダストとして有名ゆうめいである。
よく晴はれた朝あさなど、気温きおんが氷点下ひょうてんか10℃以下いかの状態じょうたいのときに発生はっせいする。視程していは1km以上いじょうである。日光にっこうで輝かがやいて見みえることから、ダイヤモンドダストと呼よばれる。人工じんこう的てきに作つくることもできる[1]。
氷こおり晶あきらで光こうが反射はんしゃ、屈折くっせつすることで、太陽たいようや月つきの周囲しゅうい、ダイヤモンドダストが発生はっせいしている大気たいき中ちゅうに暈かさ、幻まぼろし日び、太陽たいよう柱ばしらなどの大気たいき光学こうがく現象げんしょうが現あらわれることがある。
日本にっぽんでは厳冬げんとう期きの北海道ほっかいどうの内陸ないりく部ぶ(旭川あさひかわ市しなど)での観察かんさつが典型てんけい的てき。ただしダイヤモンドダストは一般いっぱん的てきに極きわめて低温ていおんでないと発生はっせいしないとされているが、2005年ねん2月がつ9日にちのつくば市しの朝あさのような-2℃という温度おんどでも短時間たんじかんではあるが局所きょくしょ的てきに発生はっせいが観察かんさつされている。この際さいの湿しめ数かずはほぼ0℃であった。逆ぎゃくに-30℃の12月のロッキー山さん中なかの朝あさでも林はやしの中なかのみで観察かんさつされており風ふうの弱よわい局所きょくしょ的てき条件じょうけんが重要じゅうようである。3月の蔵王山ざおうざんの霧氷むひょう林はやしの中なか(-10℃程度ていど)の観察かんさつでは樹き高だかまで多量たりょうに認みとめられている。1月のモスクワ近郊きんこうの囲かこまれた中庭なかにわ(-10℃程度ていど)では温度おんど、風ふうが安定あんていしているため1時間じかん以上いじょうに渡わたって観察かんさつされた。2009年ねん1月がつ24日にち午前ごぜんに熊本くまもと県けんで観測かんそくされた(当日とうじつの阿蘇山あそさん上うえの最低さいてい気温きおんは、-11.4℃であった)。
よく似にた現象げんしょうに氷霧ひょうむ(こおりぎり)がある[2]。氷霧ひょうむは小ちいさな氷こおり晶あきらが大気たいき中ちゅうを浮遊ふゆうする現象げんしょうで、氷こおり晶あきらが降ふる細ほそ氷ごおりとは厳密げんみつには異ことなる。氷こおり晶あきらの大おおきさも、氷霧ひょうむより細ほそ氷ごおりのほうが大おおきいのが特徴とくちょうである。天気てんきの種類しゅるいとしては氷霧ひょうむは霧きりに含ふくまれるが、細ほそ氷ごおりは降水こうすい現象げんしょうなので雪ゆきに含ふくまれる。よって、空そらが晴はれている場合ばあいでも、細ほそ氷ごおりすなわちダイヤモンドダストが観測かんそくされれば、そのときの天気てんきは晴はれではなく、雪ゆきとして記録きろくされる。
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