藤沢ふじさわ親雄ちかお

藤沢ふじさわ 親雄ちかお（ふじさわ ちかお、1893年ねん〈明治めいじ26年ねん〉9月18日にち - 1962年ねん〈昭和しょうわ37年ねん〉7月がつ23日にち）は、日本にっぽんの農のう商務しょうむ官僚かんりょう、政治せいじ学者がくしゃ、国家こっか主義しゅぎ者しゃ。エスペランティスト。ベルリン大学だいがく哲学てつがく博士はかせ。

藤沢ふじさわ 親雄ちかお

人物じんぶつ情報じょうほう
生誕せいたん	(1893-09-18) 1893年ねん9月18日にち 日本にっぽん東京とうきょう府ふ
死没しぼつ	2008年ねん1月がつ22日にち(2008-01-22)（80歳さい没ぼつ）
出身しゅっしん校こう	東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく・ベルリン大学だいがく
学問がくもん
研究けんきゅう分野ぶんや	政治せいじ学がく、法学ほうがく、思想しそう史し
研究けんきゅう機関きかん	東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく、九州きゅうしゅう帝国ていこく大学だいがく、北京ぺきん大学だいがく、日本にっぽん大学だいがく、国士舘大学こくしかんだいがく
学位がくい	哲学てつがく博士はかせ

経歴けいれき

1893年ねん、数学すうがく者しゃの藤沢ふじさわ利とし喜太郎きたろうの子ことして東京とうきょうに生うまれる。東京とうきょう開成かいせい中学校ちゅうがっこうを経へて、1911年ねん、第一高等学校だいちこうとうがっこう入学にゅうがく。1917年ねん、東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく法学部ほうがくぶ法律ほうりつ学科がっか卒業そつぎょう。

東大とうだい卒業そつぎょう後ごは農のう商務省しょうむしょうに入省にゅうしょう。1919年ねん、ジュネーヴの国際こくさい連盟れんめい会議かいぎに出席しゅっせきし、連盟れんめい事務じむ局員きょくいんを務つとめた。文部省もんぶしょう在外ざいがい研究けんきゅう員いんとしてベルリン大学だいがくに留学りゅうがくし、1923年ねんに哲学てつがく博士はかせを取得しゅとく。帰国きこく後ごは東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく講師こうしを経へて、1925年ねんより九州きゅうしゅう帝国ていこく大学だいがく法文学部ほうぶんがくぶ教授きょうじゅに就任しゅうにん。

1931年ねんに九大きゅうだいを辞職じしょくし、北京ぺきん大学だいがくに勤務きんむした。1934年ねんより文部省もんぶしょう国民こくみん精神せいしん文化ぶんか研究所けんきゅうじょ（精せい研けん）嘱託しょくたくとして同どう研究所けんきゅうじょの運営うんえいに当あたる。藤沢ふじさわは事実じじつ上じょうの精せい研けんトップであった。1935年ねん、大東だいとう文化ぶんか協会きょうかい理事りじ、大東だいとう文化ぶんか学院がくいん教授きょうじゅ。1938年ねん、日にち独どく同志どうし会かい思想しそう部長ぶちょうとしてドイツに赴おもむく。1942年ねん、大政たいせい翼賛よくさん会かい東亜とうあ局長きょくちょう。1943年ねん、国民こくみん精神せいしん文化ぶんか研究所けんきゅうじょを辞じし、陸軍りくぐん省しょうの委嘱いしょくにより北京ぺきんの燕つばめ京きょう大学だいがくに赴任ふにんした。

太平洋戦争たいへいようせんそう後こうは公職こうしょく追放ついほうの対象たいしょうとなり、戦後せんごは日本にっぽん大学だいがくと国士舘大学こくしかんだいがくで教鞭きょうべんを執とった。1955年ねん、日本にっぽん大学だいがく教授きょうじゅに就任しゅうにん。1958年ねん、日本にっぽん文化ぶんか連合れんごう会かいを結成けっせい。1961年ねん、国士舘大学こくしかんだいがく教授きょうじゅ。

研究けんきゅう内容ないよう・業績ぎょうせき

• エスペランティストであり、小坂こさか狷二、浅井あさい恵めぐみ倫りんと共ともに日本にっぽんエスペラント協会きょうかいを創立そうりつした。
• 国家こっか主義しゅぎ者しゃとしてファシズム、ナチズムの讃さん美び紹介しょうかいに努つとめた。また、皇国こうこく思想しそうを広ひろめるうちに、契ちぎり丹に古伝こでん、竹内たけうち文献ぶんけん、ムー大陸たいりくなどを評価ひょうかするようになった。

家族かぞく・親族しんぞく

• 父ちち：利り喜太郎きたろう（数学すうがく者しゃ、東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく教授きょうじゅ、帝国ていこく学士がくし院いん会員かいいん、貴族きぞく院いん議員ぎいん）
• 叔父おじ：周次しゅうじ（英文えいぶん学者がくしゃ、学習がくしゅう院いん名誉めいよ教授きょうじゅ）
• 叔父おじ：巌いわお（海軍かいぐん少将しょうしょう）
• 叔母おば：やす（南部なんぶ球だま吾われ夫人ふじん）
• 叔母おば：ソノ（山口やまぐち鋭するど之これ助すけ夫人ふじん）
• 弟おとうと：威雄たけお（官僚かんりょう、企画きかく院いん第だい七なな部長ぶちょう）

著書ちょしょ

単たん著ちょ

• 『外交がいこう史し講義こうぎ 近世きんせい帝國ていこく主義しゅぎ槪論 第だい1冊さつ』九州きゅうしゅう帝國ていこく大學だいがく法文學部ほうぶんがくぶ、1928年ねん
• 『共産きょうさん主義しゅぎ排撃はいげきの根拠こんきょ 国際こくさい主義しゅぎと「日本にっぽん」の新あたらしき解釈かいしゃく』タイムス出版しゅっぱん社しゃ、1929年ねん
• 『日本にっぽんの思想しそう的てき獨立どくりつへ』先進せんしん社しゃ、1932年ねん
• 『皇すめらぎ道どう政治せいじ學がく槪論』大東だいとう文化ぶんか協会きょうかい、1933年ねん
• 『西歐せいおう近代きんだい思想しそうと日本にっぽん國體こくたい』日本にっぽん文化ぶんか協会きょうかい、1934年ねん
• 『近代きんだい政治せいじ思想しそうと皇すめらぎ道どう』 青年せいねん教育きょういく普及ふきゅう会かい、1935年ねん
• 『自由じゆう主義しゅぎの批判ひはん』国民こくみん精神せいしん文化ぶんか研究所けんきゅうじょ、1935年ねん）
• 『政治せいじ指導原理しどうげんりとしての皇すめらぎ道どう』国民こくみん精神せいしん文化ぶんか研究所けんきゅうじょ〈国民こくみん精神せいしん文化ぶんか研究けんきゅう〉、1935年ねん
• 『國際こくさい思想しそうと國家こっか観念かんねんに就ひて』日本にっぽん外交がいこう協会きょうかい、1935年ねん
• 『皇すめらぎ道どうに依よる自由じゆう主義しゅぎ批判ひはん』海軍かいぐん省しょう教育きょういく局きょく〈思想しそう研究けんきゅう資料しりょう〉、1935年ねん
• 『帝國ていこく憲法けんぽうに就て』日本にっぽん文化ぶんか協会きょうかい出版しゅっぱん部ぶ 1936年ねん
• 『世界せかいの動うごきと日本にっぽん』国民こくみん精神せいしん文化ぶんか研究所けんきゅうじょ、1937年ねん
• 『日本にっぽん民族みんぞくの政治せいじ哲學てつがく』巌いわお松まつ堂どう、1937
• 『防共ぼうきょう協定きょうていの強化きょうかと國民こくみん精神せいしん總動員そうどういん』防共ぼうきょう協定きょうてい記念きねん會かい、1937年ねん11月
• 『新しん民主みんしゅ義よしの哲理てつり的てき基礎きそ』日本にっぽん外交がいこう協会きょうかい、1938年ねん
• 『大陸たいりく經綸けいりんの指導原理しどうげんり』第だい一いち出版しゅっぱん社しゃ、1938年ねん
• 『日本人にっぽんじん間あいだ學がく』第だい一いち出版しゅっぱん社しゃ、1938年ねん
• 『日本にっぽん學がくの理念りねん』作品社さくひんしゃ〈作品さくひん文庫ぶんこ〉、1939年ねん
• 『日本にっぽん政治せいじ學がくの基礎きそ理念りねん』国民こくみん精神せいしん文化ぶんか研究所けんきゅうじょ、1939年ねん
• 『日本にっぽんを中心ちゅうしんとする國際こくさい思想しそうの動向どうこう』金光かねみつ教きょう典籍てんせき出版しゅっぱん部ぶ〈時局じきょく叢書そうしょ〉、1939年ねん
• 『全体ぜんたい主義しゅぎと皇すめらぎ道どう』東洋とうよう図書としょ 1940年ねん
• 『伊太利いたりあの立場たちばと日本にっぽん』伊太利いたりあ大使館たいしかん情報じょうほう部ぶ、1941年ねん
• 『皇すめらぎ道どう世界せかい經綸けいりんの理念りねん』甲子きのえね社しゃ書房しょぼう、1941年ねん
• 『我わが國體こくたいと世界せかい新しん秩序ちつじょ』日本にっぽん放送ほうそう出版しゅっぱん協会きょうかい〈ラジオ新書しんしょ〉、1941年ねん
• 『戦時せんじ下かのナチス獨逸どいつ』アルス〈ナチス叢書そうしょ〉、1941年ねん
• 『日本にっぽん的てき思惟しいの諸しょ問題もんだい』人文書院じんぶんしょいん、1941年ねん
• 『日ひ滿まん関係かんけいに於おける皇すめらぎ道どうの顕現けんげん』皇すめらぎ道どう世界せかい政治せいじ研究所けんきゅうじょ、1942年ねん
• 『世紀せいきの預言よげん』偕成社かいせいしゃ、1942年ねん
• 『日ひ滿まん華はな一体化いったいか論ろん』 東亜とうあ新しん秩序ちつじょ研究けんきゅう会かい、1943年ねん
• 『國家こっかと青年せいねん』潮しお文ぶん閣かく〈青年せいねん文化ぶんか全集ぜんしゅう〉、1943年ねん
• 『神國しんこく日本にっぽんの使命しめい』巌いわお松まつ堂どう、1943年ねん
• 『日本にっぽん國家こっか學がく原理げんり』三省堂さんせいどう出版しゅっぱん、1944年ねん
• 『東洋とうよう政治せいじ哲学てつがくと新あたらしき世界せかい平和へいわ原理げんり』新生しんせい社しゃ、1957年ねん
• 『日本にっぽん民族みんぞく共同きょうどう体たいの自覚じかく的てき再建さいけん 神道しんとう指令しれいと現行げんこう憲法けんぽうとの関連かんれん性せいについて』日本にっぽん文化ぶんか連合れんごう会かい事務じむ局きょく、1959年ねん
• 『神道しんとうアッピールの旅たび 北きた南米なんべい知識ちしき層そうの反響はんきょう』神社じんじゃ本庁ほんちょう、1959年ねん
• 『創造そうぞう的てき日本学にほんがく』藤沢ふじさわ親雄ちかお遺稿いこう、附ふ諸家しょか追悼ついとう・随想ずいそう録ろく、小見おみ山登やまのぼり編へん、日本にっぽん文化ぶんか連合れんごう会かい、1964年ねん
• 『日本にっぽん的てき思惟しいの諸しょ問題もんだい』大空おおぞら社しゃ〈叢書そうしょ日本人にっぽんじん論ろん〉 1997年ねん

共編きょうへん著ちょ

• 『日本にっぽん國家こっか學がく』大串おおぐし兎うさぎ代だい夫おっと共著きょうちょ、高こう陽ひ書院しょいん、1937年ねん

翻訳ほんやく

• ミルコ・アルデマンニ (Mirko Ardemagni) 著ちょ『ファッシズムの理念りねんと日にち伊いの政治せいじ的てき提携ていけい』ストラミジヨーリ、1940年ねん

参考さんこう文献ぶんけん

• 今井いまい隆太りゅうた「国民こくみん精神せいしん文化ぶんか研究所けんきゅうじょにおける危機ききの学問がくもん的てき要請ようせいと応答おうとうの試こころみ：藤澤ふじさわ親雄ちかお・大串おおぐし兎うさぎ代だい夫おっと・作田さくた荘一しょういち・河村かわむら只雄ただお」『ソシオサイエンス』第だい 7巻かん、2001年ねん。

関連かんれん項目こうもく

• 国民こくみん精神せいしん文化ぶんか研究所けんきゅうじょ
• 日本にっぽんエスペラント協会きょうかい