衛生えいせい陶器とうき

衛生えいせい陶器とうき（えいせいとうき）は、浴室よくしつや便所べんじょなど主おもに水みず回まわりに用もちいられるセラミックス製せいの器具きぐの総称そうしょう。具体ぐたい的てきには洗面せんめん台だい、便器べんき、浴槽よくそう、ビデ、汚物おぶつ流ながしなどを指さす。

衛生えいせい陶器とうき製せいの和風わふう便器べんき

衛生えいせい陶器とうき製せい洗面せんめん台だい

アメリカで発明はつめいされたビトレアスチャイナ（vitreous china）という熔化質素しっそ地ちの製品せいひんが普及ふきゅうしているが、もとは多孔たこう性せいの陶器とうき質しつの素材そざいが使つかわれており「陶器とうき」の呼よび名なはその名残なごりである。

特徴とくちょう

吸水きゅうすい性せいがほとんどなく、汚よごれが付つきにくく洗浄せんじょうが容易ようい、表面ひょうめん硬度こうどが高たかく傷きずがつきにくいなどの長所ちょうしょがある反面はんめん、衝撃しょうげきや、熱湯ねっとうなどの高温こうおんにより破損はそんする場合ばあいもある。便器べんきなど複雑ふくざつな形状けいじょうの製品せいひんの製造せいぞうには、主おもに石膏せっこうや合成ごうせい樹脂じゅし製せいの鋳型いがたを用もちいた成形せいけい法ほうが用もちいられる。代替だいたい素材そざいとしては琺瑯ほうろうや合成ごうせい樹脂じゅし、ステンレス鋼こうなどがある。

歴史れきし

衛生えいせい陶器とうきは19世紀せいき中期ちゅうきにイギリスで開発かいはつされ、19世紀せいき後期こうきにかけてアメリカで技術ぎじゅつが確立かくりつされた。日本にっぽんでは幕末ばくまつに、以前いぜんの木製もくせい便器べんきを模もした陶製とうせい便器べんきの生産せいさんが始はじまった。

衛生えいせい陶器とうきは、明治めいじ時代じだい末期まっきごろに百ひゃく木き三さん郎ろうが英語えいごのsanitary waresを直訳ちょくやくして名付なづけるまで、名前なまえが無なく生産せいさんもされていなかった。その後ご、明治めいじ45年ねん1月（1912年ねん）に大倉おおくら孫まご兵衛ひょうえ、和親わしん父子ふしによって日本にっぽん陶器とうき合名ごうめい会社かいしゃ内うちに大倉おおくら製せい陶すえ研究所けんきゅうじょ（現げん・TOTO）が設立せつりつされ、製造せいぞう方法ほうほうが確立かくりつされた。さらに大正たいしょう3年ねん8月がつ（1914）には、製せい陶すえ研究所けんきゅうじょが大阪おおさかの浜田はまだ商店しょうてんへ水洗すいせん式しき小便しょうべん器きと大便だいべん器き、洗面せんめん器きを納入のうにゅうした。これは、本国ほんごく初はつの国産こくさん衛生えいせい陶器とうきだったといわれている。

衛生えいせい陶器とうきには陶器とうき質素しっそ地ちが使用しようされていたが、1920年代ねんだいにアメリカでビトレアスチャイナ（vitreous china）という熔化質素しっそ地ちが発明はつめいされ一般いっぱん的てきに利用りようされるようになった。日本にっぽんには昭和しょうわ初期しょき頃ごろに技術ぎじゅつ導入どうにゅうされ、日本にっぽん産業さんぎょう規格きかく（JIS A 5207）に品質ひんしつが規定きていされている。

外部がいぶリンク

• 便器べんきの歴史れきし - 日本にっぽん衛生えいせい設備せつび機器きき工業こうぎょう会かい - ウェイバックマシン（2012年ねん12月30日にちアーカイブ分ぶん）
• トイレ年表ねんぴょう トイレの歴史れきし - 一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん日本にっぽんレストルーム工業こうぎょう会かい
• THE MAKING（１２５）便器べんきができるまで