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標準化 - Wikipedia

標準ひょうじゅん(ひょうじゅんか、英語えいごstandardization〈スタンダーディゼーション〉)という用語ようごは、文脈ぶんみゃくによって様々さまざま意味いみつ。「標準ひょうじゅん(standard)」という用語ようごには、相互そうご運用うんようのためのひろ合意ごういされたガイドラインという意味いみふくまれ、「標準ひょうじゅん」はそのような標準ひょうじゅん確立かくりつする過程かていすのが一般いっぱんてきである。

社会しゃかい科学かがく経済けいざいがくでは、「標準ひょうじゅん」のかんがかたゲーム理論りろん協調きょうちょう問題もんだい解法かいほうちかい。それぞれの利害りがい関係かんけいしゃがそれぞれになんらかの利益りえきつつ、全体ぜんたいとして一貫いっかんした決定けってい到達とうたつする。「標準ひょうじゅん」は、よりよい選択せんたくをし、その選択せんたく結果けっか標準ひょうじゅんとして批准ひじゅんする過程かていである。

なお、JISにおける「標準ひょうじゅん」の定義ていぎつぎのとおりである。
関係かんけいする人々ひとびとあいだ利益りえきまた利便りべん公正こうせいられるように、統一とういつし、単純たんじゅんはか目的もくてきで、もの(生産せいさん活動かつどう産出さんしゅつぶつおよびもの以外いがい組織そしき責任せきにん権限けんげん、システム、方法ほうほうなど)についてさだめた取決とりきめ。 」 (JIS Z 8002:2006)

用法ようほう

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工学こうがく産業さんぎょう分野ぶんやでは、標準ひょうじゅんとは市場いちばにある数々かずかず仕様しようなかから「標準ひょうじゅん」あるいは「規格きかく」(きかく)とされる技術ぎじゅつ仕様しよう確立かくりつする過程かていであり、市場いちば競争きょうそう原理げんり阻害そがいすることなく利益りえきをもたらすことが期待きたいされる。また、たとえば製紙せいしぎょうさかい消費しょうひしている森林しんりんのような貴重きちょう資源しげん有効ゆうこう利用りようはかるための機構きこうることもできる。たとえば、ヨーロッパでは電力でんりょくは230ボルト/50 Hz交流こうりゅうであり、ながさの物理ぶつり単位たんいメートルである。イギリスはビジネス用途ようとでのトル法とるほう使用しよう公式こうしき承認しょうにんしているが、一般いっぱんにはフィートインチがいまだに使つかわれている。

社会しゃかい科学かがくでは、標準ひょうじゅんとは様々さまざま標準ひょうじゅん確立かくりつし、人々ひとびとやその相互そうご作用さよう事件じけんなどをあつか効率こうりつ改善かいぜんする過程かてい意味いみする。たとえば、司法しほう手続てつづきの定式ていしき精神病せいしんびょう診断しんだん改善かいぜんなどがふくまれる。この意味いみでの標準ひょうじゅんは、社会しゃかい近代きんだい/官僚かんりょう/同質どうしつ/集中しゅうちゅうのようなだい規模きぼ社会しゃかいてき変化へんかとともに(あるいは同義どうぎとして)議論ぎろんされることがおおい。

ビジネスにおける情報じょうほう交換こうかんでは、標準ひょうじゅんとは特定とくてい文法ぶんぽう使つかった特定とくていビジネスプロセスのためのデータ交換こうかん標準ひょうじゅん開発かいはつする過程かていす。このような標準ひょうじゅん営利えいり標準ひょうじゅん団体だんたいUN/CEFACTW3COASISなど)が開発かいはつすることがおおい。

デ・ファクト標準ひょうじゅんとは、利便りべんせいのためにおおくのひと追随ついずいする標準ひょうじゅんであり、デ・ジュリ標準ひょうじゅんとは、契約けいやく条件じょうけんなど法的ほうてき理由りゆう使つかわれる標準ひょうじゅんである。政府せいふ機関きかんおおくの場合ばあい公的こうてき標準ひょうじゅん団体だんたい策定さくていした標準ひょうじゅんしたがわなければならない。特定とくてい市場いちば(あるいは特定とくてい企業きぎょう特定とくてい団体だんたい)ではそのような標準ひょうじゅん採用さいよう必須ひっす条件じょうけんとなることもある。これを業界ぎょうかい標準ひょうじゅんという。インターネットかんする技術ぎじゅつ仕様しようおおくはデ・ファクト標準ひょうじゅんである。「規格きかく」という用語ようごを ISO などの機関きかんのものとしておくため、W3Cは「勧告かんこく; Recommendations」という言葉ことば使つかい、IETFは "Request for Comments"(RFC)という言葉ことば使つかう。これらも実質じっしつてきには標準ひょうじゅんふくまれる。

標準ひょうじゅんには、オープンなものとプロプライエタリなものがある。

ISO の定義ていぎでは、「ISO規格きかくは、国際こくさいてき技術ぎじゅつ互換ごかんせい確立かくりつのためのフレームワークを提供ていきょうする技術ぎじゅつてき合意ごういである」としている。

その用法ようほう

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  • 生薬きぐすりにおける「標準ひょうじゅん」- 製剤せいざい材料ざいりょうとなるよう生薬きぐすり成分せいぶん濃縮のうしゅくすること。
  • 実験じっけんにおける「標準ひょうじゅん」- 正確せいかく再現さいげんせいのある測定そくてい方法ほうほう、あるいはそのアセスメントをす。
  • サプライチェーン・マネジメントにおける「標準ひょうじゅん」- プロセス、製品せいひん調達ちょうたつなどの共通きょうつうせい強化きょうかすること。それによって製造せいぞう調達ちょうたつ判断はんだんさきばしにできる。ぎゃく標準ひょうじゅん部品ぶひんおお使つかうと融通ゆうずうかなくなる。
  • しん制度せいど経済けいざいがくにおける「標準ひょうじゅん過程かてい」- "coordination dilemma" とばれる社会しゃかい問題もんだい契機けいきとして開始かいしされるプロセス。「標準ひょうじゅん」は協調きょうちょうゲームかいである。

標準ひょうじゅん団体だんたい

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国際こくさい標準ひょうじゅんは、ISOIECUPUITUなどの国際こくさいてき標準ひょうじゅん団体だんたい策定さくていし、保守ほしゅするものである。また、製造せいぞうぎょうにおける組立くみたてひん製造せいぞう品質ひんしつ国際こくさい標準ひょうじゅん団体だんたいとして、IPC (エレクトロニクス)があり、おおくの関連かんれん国際こくさい標準ひょうじゅん団体だんたい連携れんけいしている。地域ちいきてき標準ひょうじゅん団体だんたいとして、ヨーロッパではCENCENELECETSIなどがある。地域ちいきでも、アメリカ標準ひょうじゅん委員いいんかい (COPANT)、 太平洋たいへいよう地域ちいき標準ひょうじゅん会議かいぎ (PASC)、アフリカ標準ひょうじゅん機構きこう (ARSO)、アラブ産業さんぎょう開発かいはつ鉱業こうぎょう機関きかん (AIDMO)などがある。よりせま地域ちいき標準ひょうじゅん団体だんたいとしては、メルコスール標準ひょうじゅん団体だんたい (AMN)、カリブ共同きょうどうたい標準ひょうじゅん団体だんたい (CROSQ)、東南とうなんアジア諸国しょこく連合れんごう標準ひょうじゅん委員いいんかい (ACCSQ) などがある。さらに一般いっぱんに、こくごと(および産業さんぎょうごと)に国家こっか標準ひょうじゅん団体だんたい (National Standard Body: NSB) があり、各種かくしゅ国際こくさい標準ひょうじゅん団体だんたいくに代表だいひょうとして参加さんかしている。

NSBは公的こうてき機関きかん場合ばあいもあるし、特定とくてい業界ぎょうかい企業きぎょうあつまった業界ぎょうかい団体だんたい(このような団体だんたいはフォーラムやコンソーシアムを名乗なのることがおおく、このような団体だんたい策定さくていする標準ひょうじゅんはフォーラム標準ひょうじゅんやコンソーシアム標準ひょうじゅんばれることがおおい)の場合ばあいもあり、その中間ちゅうかんてきなもの(たとえば3GPPは、ETSIARIBATISなどの各国かっこく標準ひょうじゅん団体だんたいから構成こうせいされる標準ひょうじゅん団体だんたい標準ひょうじゅんプロジェクト)であるが、実際じっさいの3GPP標準ひょうじゅん会合かいごうには、エリクソンNTTドコモインテルなどの企業きぎょう当該とうがいこく標準ひょうじゅん団体だんたい代理人だいりにん (delegate) との立場たちば参加さんかしている)もある。NSBのれいでは、カナダ・メキシコ・アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのNSBはそれぞれ、SCC、DGN、ANSIである。SCCはカナダのしゅう営公しゃ、DGNはメキシコの政府せいふ機関きかん、ANSIは政府せいふ企業きぎょう共同きょうどう参加さんかする営利えいり組織そしきである。あるNSBが公的こうてき私的してきかの判断はんだんをするには、歴史れきしてき経緯けいいやそのくに経済けいざい状況じょうきょうなどを考慮こうりょする必要ひつようがある。

標準ひょうじゅんかんする統計とうけい

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日本にっぽんにおいては、統計とうけいほうもとづき基幹きかん統計とうけい実施じっしされ、政府せいふとして公式こうしきのデータの調査ちょうさ公表こうひょうおこなっている。政府せいふ統計とうけい整備せいびにより標準ひょうじゅん活動かつどうのレベルが評価ひょうかすることができることとなり重要じゅうよう役割やくわりになっている。しかしながら、企業きぎょうとう特許とっきょ活動かつどうかんする統計とうけい整備せいびされているが、標準ひょうじゅん活動かつどうかんする統計とうけい整備せいび不十分ふじゅうぶん状況じょうきょうである。

2008ねんより特許庁とっきょちょう実施じっしする承認しょうにん統計とうけい(2009年度ねんど以降いこう一般いっぱん統計とうけい調査ちょうさ)である、「知的ちてき財産ざいさん活動かつどう調査ちょうさ[1] [2]において特許とっきょ活動かつどう従事じゅうじするもののうち標準ひょうじゅん活動かつどうにも参画さんかくしているかず把握はあくするための項目こうもく追加ついかされる予定よていとなっており、標準ひょうじゅん活動かつどうかんする統計とうけい整備せいびはじまったところである。

出典しゅってん

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  1. ^ 知的ちてき財産ざいさん活動かつどう調査ちょうさ”. www.jpo.go.jp. 特許庁とっきょちょう (2023ねん2がつ20日はつか). 2023ねん7がつ6にち閲覧えつらん
  2. ^ 知的ちてき財産ざいさん活動かつどう調査ちょうさ”. www.e-stat.go.jp. 総務そうむしょう統計とうけいきょく; 統計とうけいセンター. 2023ねん7がつ6にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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