この項目 こうもく では、標準 ひょうじゅん 化 か についての一般 いっぱん 的 てき な用法 ようほう について説明 せつめい しています。データなどのnormalization (ノーマライゼーション)については「正規 せいき 化 か 」を、確率 かくりつ 論 ろん や統計 とうけい 学 がく における標準 ひょうじゅん 化 か については「標準 ひょうじゅん 得点 とくてん 」をご覧 らん ください。
「標準 ひょうじゅん 」はこの項目 こうもく へ転送 てんそう されています。その他 た の用法 ようほう については「基準 きじゅん 」をご覧 らん ください。
標準 ひょうじゅん 化 か (ひょうじゅんか、英語 えいご :standardization 〈スタンダーディゼーション〉)という用語 ようご は、文脈 ぶんみゃく によって様々 さまざま な意味 いみ を持 も つ。「標準 ひょうじゅん (standard)」という用語 ようご には、相互 そうご 運用 うんよう のための広 ひろ く合意 ごうい されたガイドラインという意味 いみ が含 ふく まれ、「標準 ひょうじゅん 化 か 」はそのような標準 ひょうじゅん を確立 かくりつ する過程 かてい を指 さ すのが一般 いっぱん 的 てき である。
社会 しゃかい 科学 かがく や経済 けいざい 学 がく では、「標準 ひょうじゅん 化 か 」の考 かんが え方 かた はゲーム理論 りろん の協調 きょうちょう 問題 もんだい の解法 かいほう と近 ちか い。それぞれの利害 りがい 関係 かんけい 者 しゃ がそれぞれに何 なん らかの利益 りえき を得 え つつ、全体 ぜんたい として一貫 いっかん した決定 けってい に到達 とうたつ する。「標準 ひょうじゅん 化 か 」は、よりよい選択 せんたく をし、その選択 せんたく 結果 けっか を標準 ひょうじゅん として批准 ひじゅん する過程 かてい である。
なお、JIS における「標準 ひょうじゅん 」の定義 ていぎ は次 つぎ のとおりである。
「関係 かんけい する人々 ひとびと の間 あいだ で利益 りえき 又 また は利便 りべん が公正 こうせい に得 え られるように、統一 とういつ し、単純 たんじゅん 化 か を図 はか る目的 もくてき で、もの(生産 せいさん 活動 かつどう の産出 さんしゅつ 物 ぶつ )及 およ びもの以外 いがい (組織 そしき 、責任 せきにん 権限 けんげん 、システム、方法 ほうほう など)について定 さだ めた取決 とりき め。 」 (JIS Z 8002:2006)
工学 こうがく や産業 さんぎょう の分野 ぶんや では、標準 ひょうじゅん 化 か とは市場 いちば にある数々 かずかず の仕様 しよう の中 なか から「標準 ひょうじゅん 」あるいは「規格 きかく 」(きかく)とされる技術 ぎじゅつ 仕様 しよう を確立 かくりつ する過程 かてい であり、市場 いちば の競争 きょうそう 原理 げんり を阻害 そがい することなく利益 りえき をもたらすことが期待 きたい される。また、例 たと えば製紙 せいし 業 ぎょう 界 さかい が消費 しょうひ している森林 しんりん のような貴重 きちょう な資源 しげん の有効 ゆうこう 利用 りよう を図 はか るための機構 きこう と見 み ることもできる。例 たと えば、ヨーロッパでは電力 でんりょく は230ボルト /50 Hz の交流 こうりゅう であり、長 なが さの物理 ぶつり 単位 たんい はメートル である。イギリス はビジネス用途 ようと でのメ め ートル法 とるほう の使用 しよう を公式 こうしき に承認 しょうにん しているが、一般 いっぱん にはフィート とインチ がいまだに使 つか われている。
社会 しゃかい 科学 かがく では、標準 ひょうじゅん 化 か とは様々 さまざま な標準 ひょうじゅん を確立 かくりつ し、人々 ひとびと やその相互 そうご 作用 さよう や事件 じけん などを扱 あつか う効率 こうりつ を改善 かいぜん する過程 かてい を意味 いみ する。例 たと えば、司法 しほう 手続 てつづ きの定式 ていしき 化 か 、精神病 せいしんびょう 診断 しんだん の改善 かいぜん などが含 ふく まれる。この意味 いみ での標準 ひょうじゅん 化 か は、社会 しゃかい の近代 きんだい 化 か /官僚 かんりょう 化 か /同質 どうしつ 化 か /集中 しゅうちゅう 化 か のような大 だい 規模 きぼ な社会 しゃかい 的 てき 変化 へんか とともに(あるいは同義 どうぎ として)議論 ぎろん されることが多 おお い。
ビジネスにおける情報 じょうほう 交換 こうかん では、標準 ひょうじゅん 化 か とは特定 とくてい の文法 ぶんぽう を使 つか った特定 とくてい のビジネスプロセス のためのデータ交換 こうかん 標準 ひょうじゅん を開発 かいはつ する過程 かてい を指 さ す。このような標準 ひょうじゅん は非 ひ 営利 えいり の標準 ひょうじゅん 化 か 団体 だんたい (UN/CEFACT 、W3C 、OASIS など)が開発 かいはつ することが多 おお い。
デ・ファクト な標準 ひょうじゅん とは、利便 りべん 性 せい のために多 おお くの人 ひと が追随 ついずい する標準 ひょうじゅん であり、デ・ジュリ な標準 ひょうじゅん とは、契約 けいやく 条件 じょうけん など法的 ほうてき な理由 りゆう で使 つか われる標準 ひょうじゅん である。政府 せいふ 機関 きかん は多 おお くの場合 ばあい 、公的 こうてき な標準 ひょうじゅん 化 か 団体 だんたい が策定 さくてい した標準 ひょうじゅん に従 したが わなければならない。特定 とくてい の市場 いちば (あるいは特定 とくてい の企業 きぎょう 、特定 とくてい の団体 だんたい )ではそのような標準 ひょうじゅん の採用 さいよう が必須 ひっす 条件 じょうけん となることもある。これを業界 ぎょうかい 標準 ひょうじゅん という。インターネット に関 かん する技術 ぎじゅつ 仕様 しよう の多 おお くはデ・ファクト標準 ひょうじゅん である。「規格 きかく 」という用語 ようご を ISO などの機関 きかん のものとしておくため、W3C は「勧告 かんこく ; Recommendations」という言葉 ことば を使 つか い、IETF は "Request for Comments "(RFC)という言葉 ことば を使 つか う。これらも実質 じっしつ 的 てき には標準 ひょうじゅん に含 ふく まれる。
標準 ひょうじゅん には、オープン なものとプロプライエタリ なものがある。
ISO の定義 ていぎ では、「ISO規格 きかく は、国際 こくさい 的 てき な技術 ぎじゅつ の互換 ごかん 性 せい 確立 かくりつ のためのフレームワークを提供 ていきょう する技術 ぎじゅつ 的 てき 合意 ごうい である」としている。
生薬 きぐすり における「標準 ひょうじゅん 化 か 」- 製剤 せいざい の材料 ざいりょう となるよう生薬 きぐすり の成分 せいぶん を濃縮 のうしゅく すること。
実験 じっけん における「標準 ひょうじゅん 化 か 」- 正確 せいかく で再現 さいげん 性 せい のある測定 そくてい 方法 ほうほう 、あるいはそのアセスメントを指 さ す。
サプライチェーン・マネジメント における「標準 ひょうじゅん 化 か 」- プロセス、製品 せいひん 、調達 ちょうたつ などの共通 きょうつう 性 せい を強化 きょうか すること。それによって製造 せいぞう や調達 ちょうたつ の判断 はんだん を先 さき 延 の ばしにできる。逆 ぎゃく に非 ひ 標準 ひょうじゅん の部品 ぶひん を多 おお く使 つか うと融通 ゆうずう が利 き かなくなる。
新 しん 制度 せいど 派 は 経済 けいざい 学 がく における「標準 ひょうじゅん 化 か 過程 かてい 」- "coordination dilemma" と呼 よ ばれる社会 しゃかい 問題 もんだい を契機 けいき として開始 かいし されるプロセス。「標準 ひょうじゅん 」は協調 きょうちょう ゲーム の解 かい である。
国際 こくさい 標準 ひょうじゅん は、ISO 、IEC 、UPU 、ITU などの国際 こくさい 的 てき な標準 ひょうじゅん 化 か 団体 だんたい が策定 さくてい し、保守 ほしゅ するものである。また、製造 せいぞう 業 ぎょう における組立 くみたて 品 ひん ・製造 せいぞう 品質 ひんしつ の国際 こくさい 標準 ひょうじゅん 化 か 団体 だんたい として、IPC (エレクトロニクス) があり、多 おお くの関連 かんれん 国際 こくさい 標準 ひょうじゅん 団体 だんたい と連携 れんけい している。地域 ちいき 的 てき な標準 ひょうじゅん 化 か 団体 だんたい として、ヨーロッパではCEN 、CENELEC 、ETSI などがある。他 た の地域 ちいき でも、アメリカ標準 ひょうじゅん 化 か 委員 いいん 会 かい (COPANT)、 太平洋 たいへいよう 地域 ちいき 標準 ひょうじゅん 化 か 会議 かいぎ (PASC)、アフリカ標準 ひょうじゅん 化 か 機構 きこう (ARSO)、アラブ産業 さんぎょう 開発 かいはつ ・鉱業 こうぎょう 機関 きかん (AIDMO)などがある。より狭 せま い地域 ちいき の標準 ひょうじゅん 化 か 団体 だんたい としては、メルコスール の標準 ひょうじゅん 化 か 団体 だんたい (AMN)、カリブ共同 きょうどう 体 たい の標準 ひょうじゅん 化 か 団体 だんたい (CROSQ)、東南 とうなん アジア諸国 しょこく 連合 れんごう の標準 ひょうじゅん 化 か 委員 いいん 会 かい (ACCSQ) などがある。さらに一般 いっぱん に、国 こく ごと(および産業 さんぎょう ごと)に国家 こっか 標準 ひょうじゅん 化 か 団体 だんたい (National Standard Body: NSB) があり、各種 かくしゅ 国際 こくさい 標準 ひょうじゅん 化 か 団体 だんたい に国 くに の代表 だいひょう として参加 さんか している。
NSBは公的 こうてき 機関 きかん の場合 ばあい もあるし、特定 とくてい の業界 ぎょうかい の企業 きぎょう が集 あつ まった業界 ぎょうかい 団体 だんたい (このような団体 だんたい はフォーラムやコンソーシアムを名乗 なの ることが多 おお く、このような団体 だんたい が策定 さくてい する標準 ひょうじゅん はフォーラム標準 ひょうじゅん やコンソーシアム標準 ひょうじゅん と呼 よ ばれることが多 おお い)の場合 ばあい もあり、その中間 ちゅうかん 的 てき なもの(例 たと えば3GPP は、ETSI 、ARIB 、ATIS などの各国 かっこく の標準 ひょうじゅん 化 か 団体 だんたい から構成 こうせい される標準 ひょうじゅん 化 か 団体 だんたい (標準 ひょうじゅん 化 か プロジェクト)であるが、実際 じっさい の3GPP標準 ひょうじゅん 化 か 会合 かいごう には、エリクソン やNTTドコモ 、インテル などの企業 きぎょう が当該 とうがい 国 こく の標準 ひょうじゅん 化 か 団体 だんたい の代理人 だいりにん (delegate) との立場 たちば で参加 さんか している)もある。NSBの例 れい では、カナダ・メキシコ・アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく のNSBはそれぞれ、SCC、DGN、ANSI である。SCCはカナダの州 しゅう 営公社 しゃ 、DGNはメキシコの政府 せいふ 機関 きかん 、ANSIは政府 せいふ と企業 きぎょう が共同 きょうどう で参加 さんか する非 ひ 営利 えいり 組織 そしき である。あるNSBが公的 こうてき か私的 してき かの判断 はんだん をするには、歴史 れきし 的 てき 経緯 けいい やその国 くに の経済 けいざい 状況 じょうきょう などを考慮 こうりょ する必要 ひつよう がある。
日本 にっぽん においては、統計 とうけい 法 ほう に基 もと づき基幹 きかん 統計 とうけい が実施 じっし され、政府 せいふ として公式 こうしき のデータの調査 ちょうさ 公表 こうひょう を行 おこな っている。政府 せいふ 統計 とうけい の整備 せいび により標準 ひょうじゅん 化 か 活動 かつどう のレベルが評価 ひょうか することができることとなり重要 じゅうよう な役割 やくわり を担 にな っている。しかしながら、企業 きぎょう 等 とう の特許 とっきょ 活動 かつどう に関 かん する統計 とうけい は整備 せいび されているが、標準 ひょうじゅん 化 か 活動 かつどう に関 かん する統計 とうけい の整備 せいび は不十分 ふじゅうぶん な状況 じょうきょう である。
2008年 ねん 度 ど より特許庁 とっきょちょう の実施 じっし する承認 しょうにん 統計 とうけい (2009年度 ねんど 以降 いこう は一般 いっぱん 統計 とうけい 調査 ちょうさ )である、「知的 ちてき 財産 ざいさん 活動 かつどう 調査 ちょうさ 」[ 1]
[ 2] において特許 とっきょ 活動 かつどう に従事 じゅうじ する者 もの のうち標準 ひょうじゅん 化 か 活動 かつどう にも参画 さんかく している数 かず を把握 はあく するための項目 こうもく が追加 ついか される予定 よてい となっており、標準 ひょうじゅん 化 か 活動 かつどう に関 かん する統計 とうけい の整備 せいび が始 はじ まったところである。