許可きょか

（きょか）とは、行政ぎょうせい法学ほうがく上うえ、本来ほんらい誰だれでも享受きょうじゅできる個人こじんの自由じゆうを、公共こうきょうの福祉ふくしの観点かんてんから一旦いったん禁止きんししておき、個別こべつの申請しんせいに基もとづいて特定とくていの場合ばあいに解除かいじょする行政ぎょうせい行為こういである。禁止きんしの解除かいじょであると言いわれる。

本来ほんらいならば個人こじんが自由じゆうに保有ほゆうしていない特別とくべつの能力のうりょくや権利けんりを国くにが私人しじんに対たいして与あたえる行政ぎょうせい行為こういは特許とっきょという。

許可きょかしたこと証明しょうめいする書面しょめんを「許可きょか書しょ」・「許可きょか証しょう」などと呼よぶ。

概要がいよう

伝統でんとう的てき通説つうせつは、許可きょかを法律ほうりつ行為こうい的てき行政ぎょうせい行為こういについての分類ぶんるい概念がいねんとして理解りかいするが、近時きんじの有ゆう力説りきせつは、許可きょかは法律ほうりつ効果こうかの内容ないように着目ちゃくもくした分類ぶんるい概念がいねんであるから、準じゅん法律ほうりつ行為こうい的てき行政ぎょうせい行為こういについての分類ぶんるい概念がいねんでもあるとしている。

許可きょかされた地位ちいは、要件ようけんが設備せつび等とう物的ぶってき要件ようけんである場合ばあいは、相続そうぞくの対象たいしょうとなる。

裁量さいりょうにより許可きょかを拒こばむことが出来できないのが原則げんそくであり、出願しゅつがんが競合きょうごうする場合ばあいは先さきに出願しゅつがんした者ものを優先ゆうせんする先さき願ねがい主義しゅぎが執とられる。

法人ほうじんの設立せつりつでは、公益こうえき法人ほうじん制度せいど改革かいかく以前いぜんの旧きゅう民法みんぽう34条じょうに基もとづく社団しゃだん法人ほうじん、財団ざいだん法人ほうじんの設立せつりつは、許可きょか主義しゅぎをとっており、設立せつりつには許可きょかを必要ひつようとした。その場合ばあいの許可きょかは、主務しゅむ官庁かんちょうの自由じゆう裁量さいりょう行為こういであるとされていた。なお、改革かいかく以後いごは、一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん、一般いっぱん財団ざいだん法人ほうじんの設立せつりつは、準則じゅんそく主義しゅぎに基もとづいて登記とうきによって設立せつりつされる。また、公益こうえきを目的もくてきとする法人ほうじんである特定とくてい非ひ営利えいり活動かつどう法人ほうじんは、認証にんしょうによって設立せつりつされる。