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電子部品 - Wikipedia

電子でんし部品ぶひん

電子でんし回路かいろ部品ぶひん

電子でんし部品ぶひん(でんしぶひん、えい: electronic component)とは、電子でんし回路かいろ部品ぶひんのことである。

さまざまな電子でんし部品ぶひん

概説がいせつ

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いくつかの分類ぶんるいほうがあり、能動のうどう素子そし受動じゅどう素子そし、その、にける方法ほうほうなどがある。→#分類ぶんるいほう

電子でんし部品ぶひんつぎのようなてんさえると、よりうまく電子でんし回路かいろむことができる[1]

1.部品ぶひん種類しゅるい
どういち名称めいしょう部品ぶひんでも、様々さまざま種類しゅるいがあり、それぞれの特徴とくちょうり、使つかける。
2.規格きかく
かく部品ぶひんごとに考慮こうりょすべき規格きかくさだめられている。→#規格きかく
3.最大さいだいていかく
部品ぶひんごとに最大さいだいじょうかく使用しよう前提ぜんていとされている範囲はんい)があり、えると寿命じゅみょうちぢんだりそくこわれたりするので、適度てきど余裕よゆうたせる。
4.寸法すんぽう方法ほうほう
どう一種いっしゅ部品ぶひんでも、大型おおがた/小型こがたがある場合ばあい絶縁ぜつえん必要ひつよう場合ばあいもあり、特徴とくちょう使つかける。
5.発熱はつねつへの配慮はいりょ
電子でんし部品ぶひんおおくは発熱はつねつするので、とくだい電流でんりゅうあつか部品ぶひん放熱ほうねつのしくみを考慮こうりょする。

分類ぶんるいほう

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4つのタイプのトランジスタ
 
さまざまなダイオード
 
さん端子たんしレギュレータ
 
集積しゅうせき回路かいろ
 
さまざまなキャパシタ(コンデンサ)みぎ上茶かみちゃしょくセラミックコンデンサみぎ黒色こくしょく電解でんかいコンデンサ左上ひだりうえ多数たすうちいさいものは積層せきそうセラミックチップコンデンサ
 
抵抗ていこう
 
さまざまなLED
 
4電子でんし回路かいろようリレー
 
イメージセンサー

様々さまざま分類ぶんるいほうがある。

ひとつの分類ぶんるいほうは「素子そし (そし)」とばれるたん機能きのう部品ぶひんぐんと「その機構きこう部品ぶひん」などにだい分類ぶんるいし、 前者ぜんしゃの「素子そし」を、さらに非線形ひせんけい増幅ぞうふくなどの動作どうさをする素子そしである能動のうどう素子そし、および、そうした動作どうさをしない受動じゅどう素子そし下位かい分類ぶんるいする、という方法ほうほうである。


またつぎのような用語ようご分類ぶんるいする方法ほうほうもある[1]

  • 能動のうどう部品ぶひん

  能動のうどう素子そし単体たんたいおよび能動のうどう素子そしわせた部品ぶひんトランジスタICダイオードオペアンプなど)

  • 受動じゅどう部品ぶひん

  抵抗ていこうコイルコンデンサなど。

  • 補助ほじょ部品ぶひん

  素子そしあいだ)を接続せつぞく/切断せつだんしたり、固定こていするための部品ぶひんリレースイッチコネクタ基板きばん端子たんしせんざいなど)。

具体ぐたいてき電子でんし部品ぶひんれい

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能動のうどう素子そし

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受動じゅどう素子そし

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以下いか分類ぶんるいはあくまでいちれいである。

電子でんし部品ぶひんリードせんは、小型こがたのものをのぞいて、2.54mm (=0.1インチ<in>)単位たんい配置はいちされていることがおおい。これはヤード・ポンドほう (1in = 25.4mm)がひろ使つかわれているアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくおおくの部品ぶひん開発かいはつされたためで、それにわせて2.54mm間隔かんかく格子こうしじょうあなひらいているユニバーサル基板きばんあなあき基板きばん)なども販売はんばいされている。

抵抗ていこうなどは、規格きかく数字すうじ表示ひょうじするスペースがいため、カラーコードにより表示ひょうじする。抵抗ていこう#表示ひょうじ参照さんしょう

チップ部品ぶひん

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チップ抵抗ていこう

1980年代ねんだい以降いこうからは、能動のうどう部品ぶひんであるICのおおくがそれまでの挿入そうにゅう実装じっそう技術ぎじゅつ (THT; through hole technology) にわって表面ひょうめん実装じっそう技術ぎじゅつ (SMT; surface mount technology) を採用さいようしはじめ、同時どうじ受動じゅどう部品ぶひんでもそれまでの挿入そうにゅう実装じっそうようのリードせんばした形状けいじょうから微細びさいなチップ形状けいじょうにすることで表面ひょうめん実装じっそう対応たいおうするようになった。携帯けいたい電話でんわデジタルカメラなど、1990年代ねんだい以降いこう登場とうじょうした携帯けいたいがた電子でんし製品せいひんのほとんどは、うすいプリント基板きばんじょう微細びさい電子でんし部品ぶひん表面ひょうめん実装じっそうによって緻密ちみつ実装じっそうすることで小型こがた軽量けいりょう達成たっせいしている。

これらは「チップがた」とばれる非常ひじょうちいさい受動じゅどう部品ぶひん(チップ部品ぶひん)であり、チップ抵抗ていこう、チップコンデンサ、チップインダクタなどとばれ、おおきさにより、3216サイズ (3.2mm x 1.6mm)、2012(2125)サイズ (2.0mm x 1.25mm)、1608サイズ (1.6mm x 0.8mm)、1005サイズ (1.0mm x 0.5mm)、0603サイズ (0.6mm x 0.3mm)、0402サイズ (0.4mm x 0.2mm) などに分類ぶんるいされる。チップによって小型こがた軽量けいりょうだけでなく、無用むよう寄生きせい容量ようりょう抵抗ていこう、インダクタンスが最小さいしょうできることから特性とくせい向上こうじょうし、材料ざいりょう減少げんしょうからていコストが、構成こうせい単純たんじゅん軽量けいりょうから信頼しんらいせい向上こうじょうなどがはかれる[3]

非常ひじょう軽量けいりょうなため、条件じょうけん次第しだいでははんだけしても片側かたがわがることがある。片側かたがわがった素子そし墓石はかいしTombstone)に見立みたてて「トゥームストーン現象げんしょう[4]マンハッタンなら高層こうそうビルに見立みたてて「マンハッタン現象げんしょう」などと[5]

なお、欧米おうべいメーカーではインチのサイズ表記ひょうきもちいていることがおおく、その場合ばあい、ミリ表記ひょうきの1608はインチ表記ひょうきでは0603、ミリ表記ひょうきの1005はインチ表記ひょうきでは0402となるのでまぎらわしく注意ちゅうい必要ひつようである。

抵抗ていこうとコンデンサは、樹脂じゅしせいのエンボステープに1個いっこずつおさめられて1かん1まんほどのリールパッケージで生産せいさん現場げんば供給きょうきゅうされるか、しょう資源しげんしょうコストから110mm×12mm×36mmのバルクケースにバラバラのまま格納かくのうされて供給きょうきゅうされることが一般いっぱんてきである[6]。インダクタは、リールパッケージをもちいるのが一般いっぱんてきである[7]

需要じゅよう

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2018ねん時点じてんでは、(昨今さっこんの)電気でんき自動車じどうしゃ普及ふきゅうや、IoT/AI進展しんてんによりぜん世界せかいてき電子でんし部品ぶひん需要じゅようたかまっている[8]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b 後閑ごかん哲也てつや電子でんし工作こうさくもと技術評論社ぎじゅつひょうろんしゃ、2007、pp.30-32.
  2. ^ 回路かいろ基礎きそ回路かいろ構成こうせいするモノたち”. d-engineer.com. 2021ねん7がつ18にち閲覧えつらん
  3. ^ 相良さがら (2004)、1ぺーじ, 6-8ぺーじ
  4. ^ 実装じっそうさいにチップがのぼ現象げんしょう(ツームストーン現象げんしょう・マンハッタン現象げんしょう)のメカニズムとその予防よぼう対策たいさくポイントをおしえてください。 - 村田製作所むらたせいさくしょ
  5. ^ 積層せきそうセラミックチップコンデンサ - TDK
  6. ^ 相良さがら(2004)、70-72ぺーじ, 116-117ぺーじ
  7. ^ 相良さがら(2004)、142ぺーじ
  8. ^ 株式会社かぶしきがいしゃエクス コラム「電子でんし部品ぶひん調達ちょうたつ競争きょうそうを「EDI」でく!」 2018ねん3がつ7にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 相良さがら岩男いわおちょ、『チップがた電子でんし部品ぶひんのできるまで』、日刊工業新聞社にっかんこうぎょうしんぶんしゃ、2004ねん10がつ12にち初版しょはん1さつ発行はっこうISBN 4526053546

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク 

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回路かいろ基礎きそ回路かいろ構成こうせいするものたち』-ものづくりweb