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ANSYS - Wikipedia

ANSYS

米国べいこくのソフトウェア企業きぎょう

ANSYS(アンシス)は、有限ゆうげん要素ようそほうCAE中心ちゅうしんとする解析かいせきソフトウェアぐんである。[1][2][3]開発元かいはつもとはアメリカのANSYS Inc.。

概要がいよう

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John A. Swanson は、1970ねんSASI (Swanson Analysis Systems, Inc.)設立せつりつし、[4]翌年よくねんからANSYSの開発かいはつおよびリリースを開始かいしした。当時とうじはMSCソフトウェアのNastran市場いちば登場とうじょうし、[5][6]コンピュータによる構造こうぞう解析かいせき研究けんきゅうしゃだけでなく一般いっぱん企業きぎょうでの設計せっけいにも活用かつようはじめられた黎明れいめいであった。そこでANSYSはユーザインタフェース強化きょうか開発かいはつすることでNastranとの差別さべつはかった。

1983ねん電磁場でんじば解析かいせき対応たいおうしたANSYS/EMAG3D[7]をリリースすると、構造こうぞうだけでなく、構造こうぞうねつねつ電磁場でんじばなどのれんなり解析かいせきができるMultiphysicsパッケージをリリースした。[8][9]圧力あつりょくによる発熱はつねつ代表だいひょうされるように、実際じっさい設計せっけいでは複数ふくすうことなる条件じょうけんによる検討けんとう不可欠ふかけつであり、スムーズなれんなり解析かいせき可能かのうにしたこのパッケージは、ANSYSのヒット製品せいひんとなり、現在げんざいでも主力しゅりょく製品せいひんとなっている。

1990年代ねんだい以降いこう他社たしゃ買収ばいしゅうしたりパートナー製品せいひんによるラインナップ拡充かくじゅうすすめられたりした結果けっか今後こんご市場いちば成長せいちょう見込みこまれていた流体りゅうたい解析かいせき分野ぶんやでは、3合併がっぺい[10]おこない、社内しゃないでも独立どくりつしたひとつの分野ぶんやとしてあつかうにいたっている。またパートナー製品せいひんでは、陽解ようかいほうによる衝撃しょうげき解析かいせき急速きゅうそくにユーザをやしたLS-DYNAソルバーを使つかった解析かいせき可能かのうにするなど、ユーザからの要望ようぼうへの対応たいおうおこなっている。また、1994ねんには会社かいしゃめいをANSYSに変更へんこうしている。

さらに、特徴とくちょうであるユーザインタフェースの充実じゅうじつめんでは、Multiphysicsや複数ふくすうのソルバー環境かんきょうで、操作そうさ複雑ふくざつになったANSYSを、統合とうごうされた操作そうさ環境かんきょうですべて設定せってい可能かのうとなるインターフェースANSYS WorkBenchを開発かいはつしている。[11][12]これは、統合とうごうがたインターフェースでありながら、利用りよう環境かんきょうわせたカスタマイズや、ユーザによる開発かいはつ可能かのうにしている。一方いっぽうで、3次元じげんCADきゃど普及ふきゅうわせて、ANSYS DesignSpaceの名称めいしょうCADきゃど連携れんけいがたインターフェースをつCAEツールもリリースすることで、設計せっけいしゃのCAE導入どうにゅうくちとして機能きのうさせ、ANSYSユーザの拡大かくだいはかっている。[13]

日本にっぽんにおける状況じょうきょう

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日本にっぽんでは、サイバネットシステムがそう代理だいりてんとなり、販売はんばいおよび日本語にほんごばん整備せいびなどの製品せいひんマーケティングをおこなってきたが、2001ねんにアンシスジャパン(代表だいひょう山縣やまがたのべじゅ)を設立せつりつして、製品せいひん技術ぎじゅつかんする業務ぎょうむ一部いちぶ移管いかんした。[14][15]

2004ねんにはANSYSのCFX買収ばいしゅうともない、双方そうほう日本にっぽん法人ほうじんであるアンシスジャパンとCFXアジアパシフィックが統合とうごうされ、アンシス(代表だいひょう今野こんの正文まさふみ)となった(存続そんぞく会社かいしゃはCFXアジアパシフィック)。[14]

さらに、2008ねんにはANSYSによるFluent買収ばいしゅうともない、[15]両者りょうしゃ日本にっぽん法人ほうじんであるアンシスとFLUENTアジアパシフィックが統合とうごうされ、アンシス・ジャパン(代表だいひょう羽部はぶあつし)となった(存続そんぞく会社かいしゃはFLUENTアジアパシフィック)。Fluent日本にっぽん法人ほうじんでは販売はんばい管理かんり機能きのうっていたため、しん会社かいしゃではFluentの比重ひじゅうおおきくなっている。また、Fluentと研究けんきゅう開発かいはつにおいて密接みっせつ関係かんけいにあったSpeedoしゃのスイムスーツレーザー・レーサーが、2008ねん北京ぺきんオリンピックをはじめとする競技きょうぎかいおおきくげられたため、アンシス・ジャパンでは統合とうごう効果こうかとして、これをANSYSのプロモーションの前面ぜんめん活動かつどうおこなった。[16]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Stolarski, T., Nakasone, Y., & Yoshimoto, S. (2018). Engineering analysis with ANSYS software. Butterworth-Heinemann.
  2. ^ Madenci, E., & Guven, I. (2015). The finite element method and applications in engineering using ANSYS®. Springer.
  3. ^ Moaveni, S. (2011). Finite element analysis theory and application with ANSYS, 3/e. Pearson Education India.
  4. ^ semiengineering.com/entities/swanson-analysis-systems-inc/
  5. ^ MacNeal, R. H. (1970). The NASTRAN theoretical manual (Vol. 221). Scientific and Technical Information Office, National Aeronautics and Space Administration.
  6. ^ McCormick, C. W. (1970). The NASTRAN user's manual (Vol. 222). Scientific and Technical Information Office, National Aeronautics and Space Administration.
  7. ^ www.cybernet.co.jp/ansys/product/lineup/emag/
  8. ^ M. Sabliov, C., Salvi, D. A., & Boldor, D. (2006). High frequency electromagnetism, heat transfer and fluid flow coupling in ANSYS multiphysics. Journal of Microwave Power and Electromagnetic Energy, 41(4), 5-17.
  9. ^ Rao, A. (2003). Fluid—solid interaction analysis using ANSYS/multiphysics. In Computational Fluid and Solid Mechanics 2003 (pp. 1492-1496). Elsevier Science Ltd.
  10. ^ 1992ねんのFlotran、2003ねんのCFX、2006ねんのFluent
  11. ^ Chen, X., & Liu, Y. (2018). Finite element modeling and simulation with ANSYS Workbench. CRC Press.
  12. ^ Lee, H. H. (2020). Finite Element Simulations with ANSYS Workbench 2020. SDC Publications.
  13. ^ Kitto, K. L., & McKell, E. K. (2000, August). Enabling Collaborative Engineering With Ansys, Designspace And Other CAE Simulations In The New Millennium. In Proc. of the ANSYS Int. Conf.
  14. ^ a b www.cybernet.co.jp/ansys/product/lineup/cfx/
  15. ^ a b www.cybernet.co.jp/ansys/product/lineup/fluent/
  16. ^ ANSYS ADVANTAGE Volume II Issue 2 2008

外部がいぶリンク

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