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Houdini - Wikipedia

Houdini(フーディニ)は、3DCGソフトウェアひとつである。カナダトロントのSide Effects Softwareしゃによって開発かいはつ販売はんばいされている。もともとはPRISMSというソフトの改変かいへんによって開発かいはつされた。Houdini Apprenticeとばれるバージョンは、商用しょうようであれば無料むりょうでダウンロードし使用しようできる。

Houdini
開発元かいはつもと Side Effects Software
最新さいしんばん
18.5.351 / 2020ねん10がつ17にち
対応たいおうOS Windows, macOS, Linux
種別しゅべつ 3DCGソフトウェア
ライセンス プロプライエタリ
公式こうしきサイト www.sidefx.com/ja
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概要がいよう

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Houdiniは統合とうごうがた3DCGソフトウェアと比較ひかくして破壊はかいてきモデリング機能きのうおとるものの、高度こうど各種かくしゅ物理ぶつり現象げんしょうのシミュレーション機能きのうがあるため映画えいがテレビCMVFX制作せいさく多用たようされている。また、高度こうどなプロシージャルモデリングが可能かのうであり、ゲーム業界ぎょうかいでも普及ふきゅうすすんでいる[1]

キャラクターアニメーションまわりも筋肉きんにくシミュレーション[2]群集ぐんしゅうシミュレーション[3]などの高度こうど機能きのう搭載とうさいしている。

オペレータ (演算えんざん)

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Houdiniのプロシージャルな性質せいしつは、そのオペレータ (演算えんざん) ぐんられる。一般いっぱんてきにデジタルアセットはオペレータ(またはOP) のシーケンスを接続せつぞくすることで構築こうちくされる。このプロシージャルせいには以下いかのようないくつかの利点りてん存在そんざいする: のパッケージにくらべて比較的ひかくてきとてもすくないステップでこう精細せいさい幾何きかがくてきな、また有機ゆうきてきなオブジェクトを構築こうちく可能かのう非線形ひせんけい開発かいはつ可能かのうにし促進そくしんさせる、あたらしいオペレータが既存きそんのオペレータにもとづいて作成さくせい可能かのうであり、のパッケージでカスタマイズのために使つかわれているプロシージャルなスクリプト作成さくせい柔軟じゅうなん代替だいたいぶつとなる。Houdiniはこのプロシージャルなパラダイムテクスチャシェーダパーティクル、「チャンネルデータ」(アニメーション駆動くどうようデータ)、レンダリングコンポジットいたところ使用しようしている。

Houdiniのオペレータベースの構造こうぞういくつかの主要しゅようなグループにかれている:

  • OBJ – 変形へんけい情報じょうほうわたすノード (伝統でんとうてきにSOPもふくまれている)
  • SOP – Surface Operators – プロシージャルモデリングけ。
  • POP – Particle Operators – パーティクル・システム操作そうさ使つかわれる。
  • CHOP – Channel Operators – プロシージャルアニメーションおよびオーディオ操作そうさけ。
  • COP – Composite Operators – 映像えいぞうのコンポジットをおこなうのに使つかわれる。
  • DOP – Dynamic Operators – 流体りゅうたい、クロス、剛体ごうたい相互そうご作用さようなどの動的どうてきシミュレーションけ。
  • SHOP – Shading Operator – いくつかのことなるレンダラーの多数たすうことなるシェーディングがた表現ひょうげんけ。
  • ROP – Render Operators – ことなるレンダーパスおよびレンダー依存いぞん関係かんけい表現ひょうげんするネットワークの構築こうちくけ。
  • VOP – VEX operators – 高度こうど最適さいてきされたSIMDアーキテクチャーを使用しようして上記じょうきかたのノードを構築こうちくすることけ。
  • TOP - Task Operators[4]
  • LOP - Lighting Operators - キャラクター、小道具こどうぐ照明しょうめい、レンダリングを記述きじゅつするUniversal Scene Description生成せいせいけ。

レンダラーには独自どくじレンダラーのMantraおよびKarmaが搭載とうさいされている。

Mantraはレイトレースレンダリングとマイクロポリゴンレンダリングの両方りょうほうのレンダリング手法しゅほう対応たいおうしたレンダラーであった[5]。Houdini 18以降いこうおおきな開発かいはつ終了しゅうりょうしており、今後こんごはバグ修正しゅうせいのみおこなわれる予定よてい[6]

シェーディングモデルは物理ぶつりベースシェーディング物理ぶつりベースシェーディングの両方りょうほう対応たいおうしていた[5]

Mantraは以下いかのサードパーティーせいレンダラーとのあいだ一部いちぶ互換ごかんせい存在そんざいする:

  • mental ray - mental rayの記述きじゅつファイル形式けいしき .mi からOTL形式けいしきへの変換へんかんおこなうためのmidsがHoudiniに付属ふぞくしている[7]
  • RenderMan互換ごかんレンダラー - RenderMan互換ごかんレンダラーで使つかわれているシーン形式けいしき RIB のみに対応たいおう[8]
    • RenderMan - RenderManのシェーダーバイナリ形式けいしき .slo からOTL形式けいしきへと変換へんかんおこなうためのslo2otl.py (きゅうrmands) がHoudiniに付属ふぞくしている[9][10]
    • 3Delight - 3Delightのシェーダーバイナリ形式けいしき .sdl からOTL形式けいしきへと変換へんかんおこなうためのsdl2otl.pyがHoudiniに付属ふぞくしている[10]

KarmaはSideFX Solarisで使つかうことができるあらたなパストレースレンダラーである。CPUのみのCPUばんとCPU/GPUハイブリッドのXPUばんがある[11]。XPUばんはまだαあるふぁ段階だんかいであり、対応たいおうGPUがNVIDIAのみのうえ対応たいおう機能きのうおおのこっている[11]

Houdini GLはSideFX Solarisで使つかうことができるOpenGLベースのリアルタイムレンダラーである。

外部がいぶレンダラー

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その、Houdiniでは内部ないぶレンダラーのMantraおよびKarmaだけでなく、以下いか外部がいぶレンダラーを使用しようすることもできる。

現行げんこう
ベータばん
廃止はいし
  • appleseed (houseed)

バージョン履歴りれき

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バージョンめい リリース おもしん機能きのう OSシステム Houdini FXばん価格かかく (USD) 備考びこう
Houdini 1.0 1996ねん10がつ2にち IRIX $ 9,500 SIGGRAPH 1996
Houdini 2.0 1997ねん8がつ5にち IRIX
Houdini 2.5 1998ねん3がつ28にち Windows NT対応たいおう IRIX, Windows NT
Houdini 3.0 1999ねん10がつ2にち IRIX, Windows NT
Houdini 4.0 2000ねん7がつ24にち Linux対応たいおう IRIX, Windows NT, Linux $ 17,000
Houdini 5.0 2002ねん3がつ12にち IRIX, Windows NT, Linux $ 16,000
Houdini 5.5 2002ねん5がつ14にち IRIX, Windows NT, Linux $ 16,000
Houdini 6.0 2003ねん5がつ8にち IRIX, Windows NT, Linux
Houdini 6.5 2004ねん4がつ16にち[よう検証けんしょう] IRIX, Windows NT, Linux
Houdini 7.0 2004ねん9がつ20日はつか IRIX対応たいおう Windows NT, Linux
Houdini 8.0 2005ねん10がつ6にち Windows NT, Linux $ 17,000
Houdini 9.0 2007ねん9がつ20日はつか しんUI Windows NT, Linux
Houdini 9.1 2008ねん1がつ30にち Windows NT, Linux
Houdini 9.5 2008ねん7がつ17にち OSX対応たいおう Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 10.0 2009ねん4がつ16にち Pyro FX Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 11.0 2010ねん7がつ27にち Flip Fluids Windows NT, Linux, MacOS $6,695
Houdini 12.0 2012ねん3がつ1にち Bullet RBD Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 12.1 2012ねん8がつ7にち Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 12.5 2013ねん3がつ14にち VDB対応たいおう、Polysoups、Wrangle Nodes Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 13.0 2013ねん10がつ31にち FEMソルバー、Packed Primitives Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 14.0 2015ねん1がつ15にち PBD Grain Solver、Crowd Tools Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 15.0 2015ねん10がつ15にち Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 15.5 2016ねん5がつ19にち Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 16.0 2017ねん2がつ21にち あたらしいNetwork Editor、Node Shapes Windows NT, Linux, MacOS $6,995
Houdini 16.5 2017ねん11月7にち Windows NT, Linux, MacOS $6,995
Houdini 17.0 2018ねん10がつ10日とおか Vellum Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 17.5 2019ねん3がつ13にち Procedural Dependency Graph (PDG) Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 18.0 2019ねん11月27にち Solaris Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 18.5 2020ねん10がつ17にち KineFX Windows NT, Linux, MacOS

導入どうにゅう事例じれい

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ハリウッドでは『X-MEN2』や『エルムがい悪夢あくむ』、『特攻とっこう野郎やろうAチーム THE MOVIE』、『トロン: レガシー』、『カーズ2』などの映画えいが使用しようされている。

日本にっぽん国内こくないでも映画えいがTHE LAST MESSAGE うみざる』や『SP 革命かくめいへん』、ジブリ作品さくひんギブリーズ』(カレーの場面ばめんでの蒸気じょうきエフェクト)、大友おおとも克洋かつひろ作品さくひんスチームボーイ』などで使用しようされている。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ プロシージャルコンテンツ生成せいせい可能かのうせいくゲーム業界ぎょうかい~Tokyo Houdini Meetup Vol.1レポート Born Digital 2018ねん1がつ18にち
  2. ^ Muscles Side Effects Software
  3. ^ Crowd basics Side Effects Software
  4. ^ https://vimeo.com/322225534
  5. ^ a b Understanding mantra rendering Side Effects Software
  6. ^ SideFX ships Houdini 18 CG Channel 2019ねん11月27にち
  7. ^ 『Houdini On the Spot: Power User Tips and Techniques』 P.154 Craig Zerouni 2007ねん8がつ20日はつか ISBN 978-0240808628
  8. ^ Delayed Read Archive VOP node Side Effects Software
  9. ^ 『Houdini On the Spot: Power User Tips and Techniques』 P.169 Craig Zerouni 2007ねん8がつ20日はつか ISBN 978-0240808628
  10. ^ a b Rendering with RenderMan Side Effects Software
  11. ^ a b Karma Renderer FAQs Side Effects Software

外部がいぶリンク

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