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高速フーリエ変換 - Wikipedia

高速こうそくフーリエ変換へんかん

IFFTから転送てんそう

高速こうそくフーリエ変換へんかん(こうそくフーリエへんかん、えい: fast Fourier transform, FFT)は、離散りさんフーリエ変換へんかんえい: discrete Fourier transform, DFT)を計算けいさん機上きじょう高速こうそく計算けいさんするアルゴリズムである。高速こうそくフーリエ変換へんかんぎゃく変換へんかんぎゃく高速こうそくフーリエ変換へんかんえい: inverse fast Fourier transform, IFFT)とぶ。

概要がいよう

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複素ふくそ関数かんすう f(x)離散りさんフーリエ変換へんかんである複素ふくそ関数かんすう F(t)以下いか定義ていぎされる。

 

このとき、{x = 0, 1, 2, ..., N − 1}標本ひょうほんてんう。

これを直接ちょくせつ計算けいさんしたときの時間じかん計算けいさんりょうは、ランダウの記号きごうもちいて表現ひょうげんすると O(N2) である。

高速こうそくフーリエ変換へんかんは、この結果けっかを、次数じすうNが2の累乗るいじょうのときに O(N log N)計算けいさんりょうるアルゴリズムである。より一般いっぱんてきには、次数じすうN = ∏ ni素因数そいんすう分解ぶんかいできるとき、O(Nni)計算けいさんりょうとなる。次数じすう2累乗るいじょうのときがもっと高速こうそく計算けいさんでき、アルゴリズムも単純たんじゅんになるので、0 めで次数じすう調整ちょうせいすることもある。

高速こうそくフーリエ変換へんかん使つかって、たた積分せきぶんなどの計算けいさん高速こうそくもとめることができる。これも計算けいさんりょうO(N2) から O(N log N) までとせる。

現在げんざいは、初期しょき手法しゅほう[1] をより高速こうそくしたアルゴリズムが使用しようされている。

ぎゃく変換へんかん

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ぎゃく変換へんかんせい変換へんかんおなじとかんがえていが、指数しすう符号ふごうぎゃくであり、係数けいすう 1/Nかる。

高速こうそくフーリエ変換へんかんのプログラムちゅう、どの符号ふごう逆転ぎゃくてんするかを一々いちいち分岐ぶんきさせると、分岐ぶんき判定はんてい時間じかんがかかり、パフォーマンスがちる。一方いっぽうせい変換へんかんのプログラムと、ぎゃく変換へんかんのプログラムを両方りょうほう用意よういしておくこともかんがえられるが、共通きょうつう部分ぶぶんおおいため、無駄むだおおくなる。このため、複素ふくそ共役きょうやく使つかったつぎのような方法ほうほうかんがえられる。

離散りさんフーリエ変換へんかん

 

定義ていぎしたとき、ぎゃく変換へんかん

 

となる。

このため、F(t)離散りさんフーリエぎゃく変換へんかんもとめるには、

(1) 複素ふくそ共役きょうやくり、F(t)もとめる、
(2) F(t)せい変換へんかん離散りさんフーリエ変換へんかん高速こうそくフーリエ変換へんかんおこなう、
(3) その結果けっか複素ふくそ共役きょうやくり、N

とすればく、せい変換へんかん高速こうそくフーリエ変換へんかんのプログラムがあれば、ぎゃく変換へんかん容易よういつくることができる。

アルゴリズム

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クーリー–テューキーがたFFTアルゴリズム

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クーリー–テューキーがたアルゴリズムは、代表だいひょうてき高速こうそくフーリエ変換へんかん (FFT) アルゴリズムである。

分割ぶんかつ統治とうちほう使つかったアルゴリズムで、N = N1 N2 のサイズの変換へんかんを、よりちいさいサイズである N1, N2 のサイズの変換へんかん分割ぶんかつしていくことで高速こうそくはかっている。

もっともよくられたクーリー–テューキーがたアルゴリズムは、ステップごとに変換へんかんのサイズをサイズ N/2 の2つの変換へんかん分割ぶんかつするので、2累乗るいじょう次数じすう限定げんていされる。しかし、一般いっぱんてきには次数じすう2累乗るいじょうにはならないので、素因数そいんすう偶数ぐうすう奇数きすうとで別々べつべつのアルゴリズムに分岐ぶんきする。

伝統でんとうてきなFFTの処理しょり実装じっそうおおくは、再帰さいきてき処理しょりを、系統けいとうだった再帰さいきをしないアルゴリズムにより実現じつげんしている。

クーリー–テューキーがたアルゴリズムは変換へんかんをよりちいさい変換へんかん分解ぶんかいしていくので、後述こうじゅつのようなほか離散りさんフーリエ係数けいすうのアルゴリズムと任意にんいわせることができる。とりわけ、N ≤ 8 あたりまで分解ぶんかいすると、固定こてい次数じすう高速こうそくなアルゴリズムにえることがおおい。

原理げんり簡単かんたん説明せつめい

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データすう12の離散りさんフーリエ変換へんかんしき時計とけいした図形ずけいは1の12じょうひとつをあらわしている。時計とけいはりきといろは1の12じょうへんかくあらわす。このあらわされる行列ぎょうれつをデータれつにかけることで離散りさんフーリエ変換へんかんられる。うえあらわされるようなれつならえをおこなうことで、もと行列ぎょうれつのパターンはデータすう6の離散りさんフーリエ変換へんかんのパターンに分解ぶんかいできる。このかえしにより最終さいしゅうてきにはデータすう3のフーリエ変換へんかん帰着きちゃくされる。
 
データすう100の離散りさんフーリエ変換へんかんしきいろは1の100じょうへんかくあらわす。バタフライ演算えんざんによりもと行列ぎょうれつのパターンは最終さいしゅうてきにデータすう5の離散りさんフーリエ変換へんかんのパターンに分解ぶんかいされる。
 
FFTのバタフライ演算えんざん

離散りさんフーリエ係数けいすうは、1原始げんし N の1つ WN = e−2πぱいi/N使つかうと、つぎのようにあらわせる。

 

たとえば、N = 4 のとき、  とすれば、離散りさんフーリエ係数けいすう行列ぎょうれつもちいて表現ひょうげんすると(W = W4略記りゃっき

 

となる。入力にゅうりょくれつ xk添字そえじの偶奇でけて、以下いかのように変形へんけいする。

 

( )

すると、サイズ 2 のFFTの演算えんざん結果けっかもちいて表現ひょうげんでき、サイズの分割ぶんかつができる。

 

また、この分割ぶんかつ手順てじゅんにするとちょうのようなになることから、バタフライ演算えんざんともばれる。

バタフライ演算えんざんは、計算けいさん機上きじょうではビット反転はんてん実現じつげんされる。DSPなかには、このバタフライ演算えんざんのプログラムを容易よういにするため、ビット反転はんてんアドレッシングそなえているものがある。

原理げんり説明せつめい

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FFTの原理げんりは、N = PQ として、N 離散りさんフーリエ変換へんかんを、P 離散りさんフーリエ変換へんかんQ 離散りさんフーリエ変換へんかん分解ぶんかいすることである[2]

N 離散りさんフーリエ変換へんかん

 

を、n = 0, 1, ..., N − 1 について計算けいさんすることをかんがえる。n, kつぎのようにえる。ただし 0 ≤ nN − 1 また 0 ≤ kN − 1 である。

 

すると

 

ここで、

 

くと、

 

となる。すなわち、F(n) = F(sQ + r)計算けいさんは、つぎの2ステップになる。

ステップ1
p = 0, 1, ..., P − 1r = 0, 1, ..., Q − 1 について
 
計算けいさんする。これは、Qつぎ離散りさんフーリエ変換へんかん
 
実行じっこうと、回転かいてん因子いんし exp(−2πぱいipr/PQ)ざんを、すべての p, rくみPQ = N とおり)にたいしておこなうこととることができる。
ステップ2
s = 0, 1, ..., P − 1r = 0, 1, ..., Q − 1 について
 
計算けいさんする。ここで、右辺うへんr固定こていすれば、P つぎ離散りさんフーリエ変換へんかんである。

ステップ1、2は、N = PQ つぎ離散りさんフーリエ変換へんかんを、Q つぎ離散りさんフーリエ変換へんかん回転かいてん因子いんしざん実行じっこうにより、Q くみ (r = 0, 1, ..., Q − 1) の P 離散りさんフーリエ変換へんかん分解ぶんかいしたとることができる。

N 離散りさんフーリエ変換へんかん問題もんだい ⇒ Q 離散りさんフーリエ変換へんかん実施じっし ⇒ N/Q 離散りさんフーリエ変換へんかん問題もんだい帰着きちゃく

とくに、Q2または4場合ばあいは、Q離散りさんフーリエ変換へんかん非常ひじょう簡単かんたん計算けいさんになる。

  • Q = 2場合ばあいは、exp(−2πぱいirq/Q)1−1 なので、Q 離散りさんフーリエ変換へんかん符号ふごう逆転ぎゃくてんざんだけで計算けいさんできる。
  • Q = 4場合ばあいは、exp(−2πぱいirq/Q)1, −1, i, i のいずれかなので、Q 離散りさんフーリエ変換へんかん計算けいさんは、符号ふごう逆転ぎゃくてんきょ交換こうかんざんだけで計算けいさんできる。

Q = 2Q = 4場合ばあいのこの部分ぶぶんQ離散りさんフーリエ変換へんかんのことを、バタフライ演算えんざんう。

また、N = Qk (P = Qk − 1) の場合ばあいには、うえかえすことができ、Q つぎ離散りさんフーリエ変換へんかん回転かいてん因子いんしざんかえすことだけで次数じすうげられ、最終さいしゅうてきに1離散りさんフーリエ変換へんかんなにもしないこととおなじ)にまでげると、F(t)もとめることができる。
このため、2累乗るいじょうあるいは4累乗るいじょう離散りさんフーリエ変換へんかんは、両方りょうほう性質せいしつ利用りようでき、非常ひじょう簡単かんたん計算けいさんできる。

また、Q = 2Q = 4場合ばあいにおいて、計算けいさん終了しゅうりょうするまでになんかいの「ざん」が必要ひつようかをかんがえる。符号ふごう逆転ぎゃくてんきょ交換こうかんは「ざん」としてかぞえなければ、回転かいてん因子いんしざんのみが「ざん」である。N = Qk次数じすうを1とすためにNかいの「ざん」が必要ひつようであり、次数じすうkから0とすにはそれをkかいかえ必要ひつようがあるため、「ざん」のかずNk = N logQ N となる。高速こうそくフーリエ変換へんかん計算けいさんにおいて時間じかんがかかるのは「ざん」の部分ぶぶんであるため、これが「高速こうそくフーリエ変換へんかんでは計算けいさん速度そくどO(N log N) になる」ことの根拠こんきょになっている。

ビットの反転はんてん

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上記じょうき説明せつめいで、 場合ばあいN = Qk のデータ から、N = Qk 計算けいさん結果けっか

 

計算けいさんする場合ばあいに、メモリの節約せつやくのため、0 ≤ qQ − 10 ≤ rQ − 1利用りようし、計算けいさん結果けっか  もとデータ  のあった場所ばしょ格納かくのうすることがおおい。これがつぎ次数じすう Qk − 1 でもかえされるため、 とすると、つぎ次数じすう計算けいさん結果けっか  のあった場所ばしょ格納かくのうされる。かえせば、 とすると、計算けいさん結果けっか  のあった場所ばしょ格納かくのうされる。

一方いっぽう

 

を、r固定こていs変数へんすうとした Qk − 1 離散りさんフーリエ変換へんかんなして、 とすると、

 

となる。えせば、

 

となるが、左辺さへんについて

 

より sk = 0, また右辺うへんについて

 

より pk = 0。このため、

 

これは   のあった場所ばしょ格納かくのうされている。

このように、もとめるかい    のあった場所ばしょ格納かくのうされていることを、ビット反転はんてんう。これは、Q すすむほう表示ひょうじした場合ばあい  となるのにたいし、 ぎゃくからんだ となるためである。

プログラムのれい

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以下いかは、高速こうそくフーリエ変換へんかんのプログラムを Q = 4場合ばあいMicrosoft Visual Basic文法ぶんぽうもちいていたれいである。

Const pi As Double = 3.14159265358979   '円周えんしゅうりつ
Dim Ndeg As Long '4^deg
Dim Pdeg As Long '4^(deg-i)
Dim CR() As Double   '入力にゅうりょく実数じっすう
Dim CI() As Double   '入力にゅうりょく虚数きょすう
Dim FR() As Double   '出力しゅつりょく実数じっすう
Dim FI() As Double   '出力しゅつりょく虚数きょすう

deg=5 '任意にんい設定せってい。5ならN=4^5=1024で計算けいさん
Ndeg=4^deg
ReDim CR(Ndeg - 1) As Double '入力にゅうりょく実数じっすう
ReDim CI(Ndeg - 1) As Double '入力にゅうりょく虚数きょすう
ReDim FR(Ndeg - 1) As Double '出力しゅつりょく実数じっすう
ReDim FI(Ndeg - 1) As Double '出力しゅつりょく虚数きょすう
'ここで、変換へんかんされる関数かんすうをCR(0)からCR(Ndeg-1)に、きょをCI(0)からCI(Ndeg-1)に入力にゅうりょくしておくこと

'フーリエ変換へんかん
For i = 1 To deg
 Pdeg = 4 ^ (deg - i)
 For j0 = 0 To 4 ^ (i - 1) - 1
  For j1 = 0 To Pdeg - 1
   j = j1 + j0 * Pdeg * 4
   'バタフライ演算えんざん(Q=4)
   w1 = CR(j) + CR(j + Pdeg) + CR(j + 2 * Pdeg) + CR(j + 3 * Pdeg)
   w2 = CI(j) + CI(j + Pdeg) + CI(j + 2 * Pdeg) + CI(j + 3 * Pdeg)
   w3 = CR(j) + CI(j + Pdeg) - CR(j + 2 * Pdeg) - CI(j + 3 * Pdeg)
   w4 = CI(j) - CR(j + Pdeg) - CI(j + 2 * Pdeg) + CR(j + 3 * Pdeg)
   w5 = CR(j) - CR(j + Pdeg) + CR(j + 2 * Pdeg) - CR(j + 3 * Pdeg)
   w6 = CI(j) - CI(j + Pdeg) + CI(j + 2 * Pdeg) - CI(j + 3 * Pdeg)
   w7 = CR(j) - CI(j + Pdeg) - CR(j + 2 * Pdeg) + CI(j + 3 * Pdeg)
   w8 = CI(j) + CR(j + Pdeg) - CI(j + 2 * Pdeg) - CR(j + 3 * Pdeg)
   CR(j) = w1
   CI(j) = w2
   CR(j + Pdeg) = w3
   CI(j + Pdeg) = w4
   CR(j + 2 * Pdeg) = w5
   CI(j + 2 * Pdeg) = w6
   CR(j + 3 * Pdeg) = w7
   CI(j + 3 * Pdeg) = w8
   '回転かいてん因子いんし
   For k = 0 To 3
    w1 = Cos(2 * pi * j * k / Pdeg / 4)
    w2 = -Sin(2 * pi * j * k / Pdeg / 4)
    w3 = CR(j + k * Pdeg) * w1 - CI(j + k * Pdeg) * w2
    w4 = CR(j + k * Pdeg) * w2 + CI(j + k * Pdeg) * w1
    CR(j + k * Pdeg) = w3
    CI(j + k * Pdeg) = w4
   Next k
  Next j1
 Next j0
Next i
'ビット反転はんてん
For i = 0 To Ndeg - 1
 k = i
 k1 = 0
 For j = 1 To deg
  k1 = k1 + (k - Int(k / 4) * 4) * 4 ^ (deg - j)
  k = Int(k / 4)
 Next j
 FR(i) = CR(k1)
 FI(i)=CI(k1)
Next i

このれいでは、最深さいしん (For kNext kあいだ部分ぶぶん)のかえ回数かいすうNdeg log4 Ndeg となっている。

そののアルゴリズム

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実数じっすうおよび対称たいしょうてき入力にゅうりょくへの最適さいてき

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おおくの応用おうようにおいて、FFTにたいする入力にゅうりょくデータは実数じっすうれつ(じつ入力にゅうりょく)であり、このとき変換へんかんされた出力しゅつりょくれつつぎ対称たいしょうせいたす(   複素ふくそ共役きょうやく):

 

そこで、おおくの効率こうりつてきなFFTアルゴリズム[3]入力にゅうりょくデータが実数じっすうであることを前提ぜんてい設計せっけいされている。

入力にゅうりょくデータが実数じっすう場合ばあい効率こうりつ手段しゅだんとしては、つぎのようなものがある。

  • クーリー-テューキーがたアルゴリズムなど典型てんけいてきなアルゴリズムを利用りようして、時間じかんとメモリーの両方りょうほうのコストを低減ていげんする。
  • 入力にゅうりょくデータが偶数ぐうすうながさのフーリエ係数けいすうはその半分はんぶんながさの複素ふくそフーリエ係数けいすうとして表現ひょうげんできる(出力しゅつりょく実数じっすう/虚数きょすう成分せいぶんは、それぞれ入力にゅうりょくの偶関すう/関数かんすう成分せいぶん対応たいおうする)ことを利用りようする。

かつては実数じっすう入力にゅうりょくデータにたいするフーリエ係数けいすうもとめるのには、実数じっすう計算けいさんだけでおこなえる離散りさんハートリー変換へんかん英語えいごばん (discrete Hartley transform, DHT)をもちいると効率こうりつてきであろうとおもわれていた。しかしそのに、最適さいてきされた離散りさんフーリエ変換へんかん (discrete Fourier transform, DFT) アルゴリズムのほうが、離散りさんハートリー変換へんかんアルゴリズムにくらべて必要ひつよう演算えんざん回数かいすうすくないということが判明はんめいした。また当初とうしょは、実数じっすう入力にゅうりょくたいしてブルーン (Bruun) FFT アルゴリズムは有利ゆうりであるとわれていたが、そのそうではないことがわかった。

また、偶奇の対称たいしょうせいじつ入力にゅうりょく場合ばあいには、DFTはDCTDST英語えいごばんとなるので、演算えんざん記憶きおくかんしてほぼ2ばい効率こうりつられる。よって、そのような場合ばあいにはDFTのアルゴリズムをそのまま適用てきようするよりも、DCTやDSTを適用てきようしてフーリエ係数けいすうもとめるほう効率こうりつてきである。

応用おうよう

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高速こうそくフーリエ変換へんかんといえば一般いっぱんてきには1965ねんジェイムズ・クーリー英語えいごばん (J. W. Cooley) とジョン・テューキー (J. W. Tukey) が発見はっけんした[1] とされているクーリー–テューキーがたFFTアルゴリズム英語えいごばん[7]どう時期じき高橋たかはし秀俊ひでとしがクーリーとテューキーとはまった独立どくりつにフーリエ変換へんかん高速こうそくおこなうためのアルゴリズムを考案こうあんしていた[8]。しかし、1805ねんころすでガウス同様どうようのアルゴリズムを独自どくじ発見はっけんしていた[9]ほんページの外部がいぶリンクさきおな文章ぶんしょうPDFへのリンクがある)。ガウスの論文ろんぶん以降いこう地球ちきゅう物理ぶつりがく気候きこう潮位ちょうい解析かいせきなどの分野ぶんやなどで測定そくていたいする調和ちょうわ解析かいせきおこなわれていたので、計算けいさんじょう工夫くふう必要ひつようとする応用おうよう分野ぶんやがれていたようである(たとえば、Robart L. Nowack: "Development of the FFT and Applications in Geophysics", in Proceedings of the Cornelius Lanczos International Centenary Conference,SIAM, ISBN 978-0898713398 (1994), pp.395--397、のなかでは Danielson and Lanczos(1942ねん)などの先行せんこうれいをあげている。和書わしょでも沼倉ぬまくら三郎さぶろう:「測定そくてい計算けいさんほう」、森北もりきた出版しゅっぱん、(1956ねん)には,一般いっぱん合成ごうせいすうNにたいしてではないがひと計算けいさんおこな場合ばあいにある程度ていどおおきさの合成ごうせいすうNにたいしてどのように計算けいさんすればよいかについての説明せつめいをみることができる)。 以下いか書籍しょせきにも、天体てんたい観測かんそく軌道きどう補間ほかんのためにガウスが高速こうそくフーリエ変換へんかん利用りようしたことがかれている。

  • Elena Prestini:"The Evolution of Applied Harmonic Analysis", Springer, ISBN 978-0-8176-4125-2 (2004)のSec.3.10 'Gauss and the asteroids: history of the FFT'.

特定とくていのデバイスに限定げんていしていない汎用はんよう実装じっそう

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ハードウェアベンダーによる、特定とくていのデバイスけの実装じっそう

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参考さんこう文献ぶんけん

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  1. ^ a b J. W. Cooley and J. W. Tukey: Math. of Comput. 19 (1965) 297.
  2. ^ 高橋たかはし秀俊ひでとし高速こうそくフーリエ変換へんかん(FFT)について」『情報処理じょうほうしょりだい14かんだい8ごう情報処理じょうほうしょり学会がっかい、1973ねん8がつCRID 1050564287833399424 
  3. ^ たとえば、(Sorensen, H V and Jones, D and Heideman, Michael and Burrus, C (1987). “Real-valued fast Fourier transform algorithms”. IEEE Transactions on acoustics, speech, and signal processing (IEEE) 35 (6): 849-863. doi:10.1109/TASSP.1987.1165220. https://doi.org/10.1109/TASSP.1987.1165220. 
  4. ^ FFT spectrum analyzer
  5. ^ 惑星わくせい大気たいき観測かんそく「SPART」
  6. ^ 空間くうかんFFT電波でんぱ干渉かんしょうけいによる電波でんぱ天体てんたい高速こうそく撮像さつぞう
  7. ^ IEEE Archives: History of FFT with Cooley and Tukey.
  8. ^ 東京大学とうきょうだいがく大型おおがた計算けいさんセンターニュース』だい2かんSupplement 2、1970ねん 
  9. ^ Carl Friedrich Gauss, "Nachlass: Theoria interpolationis methodo nova tractata", Werke band 3, 265–327 (Konigliche Gesellschaft der Wissenschaften, Gottingen, 1866). See also M. T. Heideman, D. H. Johnson, and C. S. Burrus, "Gauss and the history of the fast Fourier transform", IEEE ASSP Magazine 1 (4), 14–21 (1984).
  10. ^ vDSP - Accelerate - Apple Developer Documentation”. 2024ねん5がつ25にち閲覧えつらん
  11. ^ AOCL-FFTW (Fastest Fourier Transform in the West)”. AMD. 2024ねん5がつ25にち閲覧えつらん
  12. ^ Arm Performance Libraries”. 2024ねん5がつ25にち閲覧えつらん
  13. ^ cuFFT”. NVIDIA Developer. 2024ねん5がつ25にち閲覧えつらん
  14. ^ NEC Corporation of America”. mathkeisan.com. 2024ねん5がつ25にち閲覧えつらん
  15. ^ AMD. “rocFFT documentation — rocFFT Documentation”. rocm.docs.amd.com. 2024ねん5がつ25にち閲覧えつらん

関連かんれん記事きじ

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学習がくしゅうよう図書としょ

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今後こんご記述きじゅつ追加ついか予定よてい

  • Henri J. Nussbaumer: "Fast Fourier Transform and Convolution Algorithms",2nd Ed.,Springer-Verlag, ISBN 978-3-540-11825-1 (1982ねん).
  • E.Oran Brigham:「高速こうそくフーリエ変換へんかん」、科学かがく技術ぎじゅつ出版しゅっぱんしゃ (1985ねん).
  • Henri J. Nussbaumer:「高速こうそくフーリエ変換へんかんのアルゴリズム」、科学かがく技術ぎじゅつ出版しゅっぱんしゃISBN 978-4876530069 (1989ねん).
  • William L. Briggs and Van Emden Henson: "The DFT: An Owners' Manual for the Discrete Fourier Transform", SIAM, ISBN 978-0-898713-42-8 (1995ねん).
  • Eleanor Chu and Alan George: "Inside the FFT Black Box: Serial and Parallel Fast Fourier Transform Algorithms", CRC Press, ISBN 978-0849302701 (1999).
  • Gerlind Plonka, Daniel Potts, Gabriele Steidl and Manfred Tasche: "Numerical Fourier Analysis", Birkhaeuser, ISBN 978-3030043056 (2019ねん2がつ).
  • たにはぎたかし嗣:「高速こうそくアルゴリズムと並列へいれつ信号しんごう処理しょり」、コロナしゃISBN 4-339-01124-X(2000ねん7がつ26にち)。
  • Daisuke Takahashi: "Fast Fourier Transform Algorithms for Parallel Computers", Springer, ISBN 978-9811399671 (2020).

外部がいぶリンク

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