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キロワット時 - Wikipedia

キロワット時きろわっとじ

KWHから転送てんそう

キロワット時きろわっとじ(キロワットじ、えい: kilowatt hour)は、仕事しごとねつりょう電力でんりょくりょうSI単位たんいであるワット[1]の1000ばいである。これにたいして、ワットびょう(W・s または Ws)はSI組立くみたて単位たんいである。

キロワット時きろわっとじ

電力でんりょくりょうけい
記号きごう kW・h(仕事しごと熱量ねつりょう)、kWh(電力でんりょくりょう
けい SI単位たんいSI併用へいよう単位たんい
りょう エネルギー仕事しごとねつりょう電力でんりょくりょう
SI 3.6 MJ
定義ていぎ 1時間じかんあたり1ワット仕事率しごとりつ仕事しごとの1000ばい
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単位たんい記号きごう

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日本にっぽん計量けいりょうほうでは、ワット、ワットびょう単位たんい記号きごうは、仕事しごと熱量ねつりょう電力でんりょくりょうとで使つかけられていてつぎのようになっていることに注意ちゅういする必要ひつようがある[ちゅう 1]

仕事しごと熱量ねつりょう

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仕事しごと熱量ねつりょうのワット記号きごうは、「W・h」である[2][3]せき記号きごうは「・」(中黒なかぐろ)であり、「⋅」(&とsdot;のわせ)ではない[ちゅう 2]キロワット時きろわっとじ記号きごうは、「kW・h」である。なおワットびょう記号きごうは、「W・s」である。

電力でんりょくりょう

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電力でんりょくりょうのワット記号きごうは、「Wh」である[4][5]。つまりせき記号きごう「・」をはさまない記号きごうとなっている(電力でんりょくりょうけい画像がぞうのとおり)。キロワット時きろわっとじ記号きごうは、「kWh」である。電力でんりょくりょうけい特定とくてい計量けいりょうひとつであり、記号きごうとして「kWh」をもちいなければ検査けんさ合格ごうかくできない。なおワットびょう記号きごうは、「Ws」である。

概要がいよう

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ワットは、仕事率しごとりつ電力でんりょく単位たんいであるワット (W) と、時間じかん単位たんいであるとき (h) からてた単位たんいである。すなわち1 ワットは、1 Wの仕事率しごとりつで1あいだつづけたときの仕事しごと、あるいは1 Wの電力でんりょくを1あいだ消費しょうひもしくは発電はつでんしたときの電力でんりょくりょうである。計量けいりょうほう定義ていぎでは、ジュール (J)またはワットびょうの3600ばいである[6]。したがって、1 kW・h または 1 kWh = 1000 × 1 J × 3600 s = 3.6 MJとなる。

英語えいごではキロワットアワー (kilowatt hour) という。英国えいこくふる表記ひょうきでは Board of Trade Unit (B.O.T.U.) である。

ただし、特定とくていの1あいだあたりの電力でんりょくりょうが1 kWhであっても、最初さいしょの30分間ふんかんに0.8 kWhであれば「30ふんあたりの電力でんりょくりょうが0.8 kWh」と表現ひょうげんする場合ばあいもある。これは最大さいだい需要じゅよう電力でんりょく単価たんかじょうじて電気でんき料金りょうきん算定さんていするさいもちいられ、0.8 kWhを2ばいしたうえ四捨五入ししゃごにゅうし、最大さいだい需要じゅよう電力でんりょく2 kWとするものである。

キロワット時きろわっとじは、電気でんきエネルギー(電力でんりょくりょう)の単位たんいとしてよくもちいられる。とき (h)がSI併用へいよう単位たんいであるため、キロワット時きろわっとじもSI併用へいよう単位たんいということになる。SIの「1物理ぶつりりょう1単位たんい」という理念りねんからすれば、エネルギーの単位たんいにはジュール(またはワットびょう)をもちいるべきである。日本にっぽん計量けいりょうほうでは仕事しごと熱量ねつりょう電力でんりょくりょう単位たんいとしてジュール(ワットびょう)とともにワット使用しようみとめている。

1000 kWh以上いじょう単位たんいとして、メガワット (MWh)」「ギガワット (GWh)」があるが、統計とうけいうえ電力でんりょくりょう単位たんいとして通常つうじょうキロワット時きろわっとじもちいており[7]だい規模きぼ発電はつでんしょ発電はつでんりょうは「おくキロワット時きろわっとじ」(= 100 GWh単位たんい)をもちいてあらわしている。

フィットネスやスポーツでは実際じっさい一時いちじあいだ出力しゅつりょく出来できたエネルギーをワットしめすFTP(Functional Threshold Power)がある。ただし、単位たんいたんにワットである。

ワット(Wh)は電力でんりょくりょうとしてはちいさいため、もちいられる場面ばめんはほとんどなかった。しかし、電気でんき自動車じどうしゃ一般いっぱんともない、効率こうりつ目安めやすとして、「Wh/km」という単位たんいしょもとひょうやカタログに表記ひょうきされるようになっている。1 km 走行そうこうしたとき、消費しょうひ電力でんりょくすくない車両しゃりょうのほうが Wh の数値すうちちいさくなる。内燃ないねん機関きかん自動車じどうしゃう「燃費ねんぴ」に相当そうとうする概念がいねんで、「でん」とばれることもある。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ ただし計量けいりょうほうは、その記号きごうについては「計量けいりょう単位たんい記号きごうによる表記ひょうきにおいて標準ひょうじゅんとなるべきもの」(計量けいりょうほうだい7じょう)としており、その記号きごう使用しようしないことについて罰則ばっそくともなうものではない(計量けいりょうほう#単位たんい記号きごう規範きはんせい)。
  2. ^ 計量けいりょう単位たんい規則きそくにおける記号きごうについては、その字体じたい書体しょたいまでも厳密げんみつ規定きていしていると解釈かいしゃくする必要ひつようはない可能かのうせいもある。その場合ばあい、「中黒なかぐろ以外いがい印字いんじ記号きごう許容きょようされる可能かのうせいがある。

出典しゅってん

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  1. ^ 計量けいりょうほう 別表べっぴょう1 仕事しごと熱量ねつりょう電力でんりょくりょうらん法令ほうれい検索けんさく 
  2. ^ 平成へいせい4ねん11月30にちづけ官報かんぽう号外ごうがいだい177ごう、p.4 上段じょうだんおよび下段げだん計量けいりょう単位たんい規則きそく通商産業省つうしょうさんぎょうしょうれいだい80ごう記号きごうひょう横書よこがき。
  3. ^ 計量けいりょう単位たんい規則きそく 別表べっぴょうだい2、仕事しごと熱量ねつりょう
  4. ^ 平成へいせい4ねん11月30にちづけ官報かんぽう号外ごうがいだい177ごう、p.4 下段げだん計量けいりょう単位たんい規則きそく通商産業省つうしょうさんぎょうしょうれいだい80ごう記号きごうひょう横書よこがき。
  5. ^ 計量けいりょう単位たんい規則きそく 別表べっぴょうだい2、電力でんりょくりょう
  6. ^ 計量けいりょう単位たんいれい 別表べっぴょうだい1 仕事しごと熱量ねつりょう電力でんりょくりょうらん「ジュール又るまたはワットびょうさんせんろくひゃくばい
  7. ^ たとえば、Energy Statistics Yearbook UNdata

関連かんれん項目こうもく

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エネルギーの単位たんい
ジュール
(J = kg·m2/s2)
キロワット時きろわっとじ
(kW·h)
電子でんしボルト
(eV)
重量じゅうりょうキログラムメートル
(kgf·m)
国際こくさい蒸気じょうきひょうカロリー
(calIT)
1 J = 1 2.778×10−7 6.242×1018 1.020×10−1 2.388×10−1
1 kW·h = 3.6×106 = 1 2.247×1025 3.671×105 8.598×105
1 eV = 1.602176634×10−19 4.450×10−26 = 1 1.634×10−20 3.827×10−20
1 kgf·m = 9.80665 2.724×10−6 6.121×1019 = 1 ≈ 2.342
1 calIT = 4.1868 1.163×10−6 2.613×1019 4.269×10−1 = 1