この項目 こうもく では、ディスク装置 そうち について説明 せつめい しています。その他 た の用法 ようほう については「レイド 」をご覧 らん ください。
RAID (Redundant Arrays of Inexpensive Disks、または Redundant Arrays of Independent Disks、レイド )[1] は、複数 ふくすう 台 だい のハードディスク を組 く み合 あ わせることで仮想 かそう 的 てき な1台 だい のハードディスクとして運用 うんよう し冗長 じょうちょう 性 せい を向上 こうじょう させる技術 ぎじゅつ [2] 。ディスクアレイ の代表 だいひょう 的 てき な実装 じっそう 形態 けいたい で、主 おも に信頼 しんらい 性 せい ・可用性 かようせい の向上 こうじょう を目的 もくてき として用 もち いられるものである。バックアップ と混同 こんどう される場合 ばあい もあるが、RAIDはあくまでも運用 うんよう に対 たい しての冗長 じょうちょう 性 せい を確保 かくほ するものでありバックアップとは異 こと なる点 てん に注意 ちゅうい が必要 ひつよう 。
本 ほん 記事 きじ において、「装置 そうち 」という語句 ごく を用 もち いるが、これはRAIDが取 と り付 つ けられる機器 きき (サーバ・ワークステーション・パソコンなど)の総称 そうしょう を意味 いみ する。
1988年 ねん にカリフォルニア大学 だいがく バークレー校 こう のデイビッド・パターソン , Garth A. Gibson , Randy H. Katz による論文 ろんぶん 「A Case for Redundant Arrays of Inexpensive Disks (RAID)」において提唱 ていしょう された[3] 。
この論文 ろんぶん は、安価 あんか で低 てい 容量 ようりょう 、価格 かかく 相応 そうおう の信頼 しんらい 性 せい のハードディスクドライブ (Inexpensive Disk) を用 もち い、大 だい 容量 ようりょう で信頼 しんらい 性 せい の高 たか いストレージ(補助 ほじょ 記憶 きおく 装置 そうち )をいかに構築 こうちく すべきかを提案 ていあん したものである。論文 ろんぶん にはハードディスクの構成 こうせい によって、RAID 1からRAID 5までの5種類 しゅるい を定義 ていぎ している。
また、論文 ろんぶん では提案 ていあん されていないが、ストライピングのみの場合 ばあい も一般 いっぱん 的 てき にはRAIDの一種 いっしゅ とみなされ、これは冗長 じょうちょう 性 せい が確保 かくほ されないことからRAID 0と呼 よ ばれる[4] 。
はじめに定義 ていぎ された6種類 しゅるい のうち、RAID 2はほとんど利用 りよう されず、RAID 3,4もRAID全体 ぜんたい の中 なか では少数 しょうすう 派 は である[5] 。今日 きょう ではRAID 0・RAID 1・RAID 5、およびこれら3方式 ほうしき の組 く み合 あ わせが用 もち いられている。後 のち にRAID 5を拡張 かくちょう したRAID 6が定義 ていぎ され、RAID 5より耐 たい 障害 しょうがい 性 せい が必要 ひつよう な場面 ばめん で利用 りよう されている。
導入 どうにゅう を検討 けんとう するユーザにとっては、信頼 しんらい 性 せい ・ 速度 そくど ・ 予算 よさん (ハードディスクの利用 りよう 効率 こうりつ も含 ふく む)の内 うち どれを重視 じゅうし するかを考 かんが え、実情 じつじょう にあわせた導入 どうにゅう 方法 ほうほう を選択 せんたく することができる。3つを完全 かんぜん に満 み たすのは難 むずか しいが、2つを満 み たす現実 げんじつ 的 てき な方法 ほうほう は充分 じゅうぶん にある。
RAIDの構成 こうせい によっては、一部 いちぶ のハードディスクが故障 こしょう してもディスクアレイは稼動 かどう を継続 けいぞく できる。その場合 ばあい 、ディスクを稼働 かどう させたまま故障 こしょう したハードディスクを取 と り外 はず して代 か わりのハードディスクに交換 こうかん することにより装置 そうち を停止 ていし することなく運用 うんよう を続 つづ けることができる。このように装置 そうち が稼働 かどう 中 ちゅう に接続 せつぞく しなおして、即座 そくざ に利用 りよう できる機能 きのう を「ホットスワップ (活 かつ 線 せん 挿抜)」と呼 よ ぶ。ホットスワップ機能 きのう を使用 しよう するには装置 そうち 側 がわ でハードウェアとして対応 たいおう していることが前提 ぜんてい となる。サーバ用途 ようと など24時 じ 間 あいだ 連続 れんぞく 稼働 かどう が求 もと められる装置 そうち ではホットスワップ対応 たいおう が望 のぞ ましい。
RAIDは、大 だい 容量 ようりょう データの高速 こうそく 処理 しょり や耐 たい 障害 しょうがい 性 せい の向上 こうじょう を必須 ひっす 要件 ようけん とする大 だい 規模 きぼ な業務 ぎょうむ 用 よう サーバ やワークステーション 、特定 とくてい 目的 もくてき に製造 せいぞう されたコンピュータ機器 きき 等 とう に用 もち いられていたが、近年 きんねん 、小規模 しょうきぼ サーバやパソコン にも普及 ふきゅう しつつある[要 よう 出典 しゅってん ] 。
デジタルデータの重要 じゅうよう 性 せい が高 たか まっているため
HDD(ハードディスクドライブ)が大 だい 容量 ようりょう 化 か し、一般 いっぱん ユーザにとっても故障 こしょう 時 じ に失 うしな われるデータ量 りょう を無視 むし できなくなったため
HDDやRAID関連 かんれん 製品 せいひん も低 てい 価格 かかく 化 か 、RAID機能 きのう のチップセットへの内蔵 ないぞう (HDDさえあれば追加 ついか 投資 とうし 無 な しでRAIDが利用 りよう できる)が進 すす んでいるため
RAIDは複数 ふくすう のHDDを用 もち いて、ディスクアレイの可用性 かようせい を高 たか める技術 ぎじゅつ である。そのため、ファイルの誤 あやま 消去 しょうきょ など人為 じんい 的 てき なもの、コンピュータウイルス によるファイルの破壊 はかい 、ファイルシステム の不 ふ 整合 せいごう など、ソフトウェア的 てき な障害 しょうがい には対応 たいおう できない。またHDDが同 どう 時期 じき に複数 ふくすう 故障 こしょう する、リビルド時 じ に他 た のHDDが障害 しょうがい を起 お こす等 ひとし 、単体 たんたい のHDDに比 くら べれば非常 ひじょう に低 ひく いがディスクアレイも故障 こしょう の可能 かのう 性 せい を持 も つ。
バックアップ は、データを静的 せいてき な状態 じょうたい で、一定 いってい 期間 きかん 、複数 ふくすう 世代 せだい 、保存 ほぞん するものであり、RAIDとは役割 やくわり が異 こと なる。データはRAIDとバックアップの両者 りょうしゃ を組 く みあわせて運用 うんよう することにより、サービスの継続 けいぞく 性 せい を保証 ほしょう しつつ、高 たか い安全 あんぜん 性 せい を持 も って保全 ほぜん することができる。
RAIDを実装 じっそう する方法 ほうほう としては、ハードウェア で実現 じつげん する方法 ほうほう (ハードウェア方式 ほうしき )とソフトウェア で実現 じつげん する方法 ほうほう (ソフトウェア方式 ほうしき )がある。この2方式 ほうしき は明確 めいかく に分類 ぶんるい できるものではなく、中間 ちゅうかん 的 てき な方式 ほうしき がいくつか存在 そんざい する。
シリアルATA RAIDカード
この方式 ほうしき は、RAIDコントローラと呼 よ ばれるカードを装置 そうち に取 と り付 つ け、パリティ 演算 えんざん やディスクの管理 かんり などを任 まか せるものである。ドライバさえ用意 ようい すればハードウェア側 がわ のマシンパワーに影響 えいきょう を与 あた えず、カード自体 じたい に専用 せんよう のキャッシュメモリを搭載 とうさい している場合 ばあい はアクセスの高速 こうそく 化 か が見込 みこ める。一部 いちぶ のマザーボードにはRAIDコントローラをあらかじめ実装 じっそう している製品 せいひん がある[6] 。
純粋 じゅんすい なハードウェア方式 ほうしき では、ホストが僅 わず かな指示 しじ を送 おく るだけでRAIDコントローラが具体 ぐたい 的 てき な処理 しょり を全 すべ て行 おこな うため、CPUの負荷 ふか が低減 ていげん される[7] 。しかし、コントローラ毎 ごと に制御 せいぎょ 方法 ほうほう が異 こと なるため、OS側 がわ で各 かく RAIDコントローラカードへの対応 たいおう が必要 ひつよう であり、専用 せんよう のデバイスドライバが必要 ひつよう となる。
一方 いっぽう 、RAIDコントローラカードの中 なか には、RAID機能 きのう の大 だい 部分 ぶぶん をソフトウェアで実現 じつげん しているものもある[8] 。この場合 ばあい 、OS起動 きどう 前 まえ にある程度 ていど のRAID機能 きのう を使用 しよう 可能 かのう であるがCPUの負荷 ふか はソフトウェア方式 ほうしき と大差 たいさ が無 な く、ハードウェア方式 ほうしき に比 くら べて対応 たいおう OSが限定 げんてい されたり信頼 しんらい 性 せい に乏 とぼ しい場合 ばあい があり、ソフトウェア方式 ほうしき に分類 ぶんるい される。
複数 ふくすう のディスクを搭載 とうさい 出来 でき るケースにRAIDを搭載 とうさい したハードウェア。コンピュータやOS側 がわ からは単 たん なるSCSI やファイバーチャネル のドライブとして見 み えるため、特別 とくべつ なドライバが必要 ひつよう なく、CPUへの負荷 ふか が全 まった くない。ディスクアレイユニットを接続 せつぞく したい装置 そうち に必要 ひつよう な外部 がいぶ 接続 せつぞく インタフェースがすでにあれば装置 そうち の筐体 きょうたい を開 あ けることもなく、ケーブルをつなぐだけで使 つか えるようになる。
ソフトウェア方式 ほうしき は、OS自身 じしん が普通 ふつう のドライブコントローラ(IDE 、SCSI 、FC など)を通 とお して複数 ふくすう 台 だい のディスクを管理 かんり する。この方式 ほうしき はハードウェア方式 ほうしき と比較 ひかく し、CPUへの負荷 ふか が高 たか いが、特別 とくべつ なハードウェアを購入 こうにゅう する必要 ひつよう がなく導入 どうにゅう コストが低 ひく いという利点 りてん がある[7] 。しかしながらアクセスコントロールの大半 たいはん をOSやCPUに依存 いぞん するためマシンパワーを消費 しょうひ すること、物理 ぶつり 的 てき なキャッシュが存在 そんざい しないためハード的 てき な障害 しょうがい やソフトウェア側 がわ の障害 しょうがい 発生 はっせい に伴 ともな ってRAID情報 じょうほう に致命 ちめい 的 てき な問題 もんだい を引 ひ き起 お こす可能 かのう 性 せい がハードウェア方式 ほうしき に比 くら べて高 たか いという欠点 けってん が存在 そんざい する。
Windows は、RAID機能 きのう をサポートしている[9] 。Linux は、カーネル 2.4系 けい 以降 いこう にてRAID0/1/4/5/6をサポートしている[10] 。FreeBSD は、gmirrorというソフトウェアにてサポートしている[11] 。ファイルシステムのZFS はそれ自身 じしん にRAID機能 きのう をもち、RAID5またはRAID6相当 そうとう の機能 きのう としてそれぞれRAID-Z 、RAID-Z2が実装 じっそう されている。インテル のチップセット では、マトリックス・ストレージ・マネージャー機能 きのう によりRAID機能 きのう をサポートしている[12] 。これはソフトウェアというよりはファームウェアでのRAIDである。Adaptecの低 てい 価格 かかく RAIDボードでは、HostRAIDによりソフトウェアRAIDを行 おこな っている[13] 。
近年 きんねん 、サーバ向 む けチップセットだけでなくメインストリーム向 む けのチップセットでもRAIDコントローラ機能 きのう (0/1/0+1/5など)を集積 しゅうせき したものが広 ひろ く普及 ふきゅう しつつある。マトリックス・ストレージ・マネージャー機能 きのう はMUX(マルチプレクサ)/DEMUX(デマルチプレクサ)で構成 こうせい されており、CPUが発行 はっこう したディスクI/O操作 そうさ を複数 ふくすう のハードディスクへのディスクI/Oに分散 ぶんさん ・またディスクからの読 よ み出 だ しの多重 たじゅう 化 か を行 おこな う(パリティ演算 えんざん 機能 きのう を持 も つものと持 も たないものがある)。信頼 しんらい 性 せい はもとより、ディスクI/O速度 そくど を高速 こうそく 化 か する総合 そうごう アクセラレータ的 てき 要素 ようそ が強 つよ い。このため、ソフトウェア方式 ほうしき に分類 ぶんるい される場合 ばあい が多 おお い。[要 よう 出典 しゅってん ]
ハードディスクの必要 ひつよう 台数 だいすう が増 ふ えるため、特 とく にRAIDコントローラカードを用 もち いて装置 そうち 内部 ないぶ にハードディスクを取 と り付 つ けている場合 ばあい 、電源 でんげん がハードディスク台数 だいすう 分 ぶん の負担 ふたん に耐 た えられるか注意 ちゅうい すべきである。
ハードディスクは突入 とつにゅう 電流 でんりゅう 等 ひとし により起動 きどう 時 じ に最 もっと も電力 でんりょく を必要 ひつよう とするため、スタッガードスピンアップ(各 かく ディスクに時間 じかん 差 さ を置 お いて起動 きどう する)機能 きのう を搭載 とうさい しているRAIDコントローラもある[14] 。
RAID 5の問題 もんだい として有名 ゆうめい だが、複数 ふくすう のHDDを束 たば ねて1つのグループと見 み なす、すべてのRAIDシステムで起 お こりうる。
RAID 2以外 いがい のRAIDは読 よ み出 だ し時 じ のエラー検出 けんしゅつ をHDDのエラー検出 けんしゅつ に依存 いぞん しているので、RAIDシステムではエラー検出 けんしゅつ が出来 でき ない。
物理 ぶつり 的 てき な破損 はそん 等 とう でHDDから応答 おうとう が無 な かった場合 ばあい や読 よ み出 だ しエラーをHDDが返 かえ した場合 ばあい に限 かぎ り、RAIDシステムではエラーを検出 けんしゅつ できるが、正 まさ しく読 よ み出 だ せる場合 ばあい はエラー検出 けんしゅつ が出来 でき ない。
例 たと えば、2台 だい でのRAID 1の場合 ばあい 、RAIDコントローラからHDD AとHDD Bに同時 どうじ に書 か き込 こ みリクエストは発生 はっせい するが、HDDには書 か き込 こ み時 じ の処理 しょり のタイムラグがあるため、HDD Aには書 か き込 こ みが完了 かんりょう したがHDD Bには書 か き込 こ みが発生 はっせい していないと言 い うタイミングが存在 そんざい する(逆 ぎゃく もしかり)。
このタイミングで電源 でんげん 断 だん 等 とう により処理 しょり が中断 ちゅうだん した場合 ばあい 、HDD Aには新 あたら しく書 か き込 こ まれたデータ、HDD Bには上書 うわが きされる前 まえ の古 ふる いデータが記録 きろく されており、HDD AとHDD Bのミラーとして対 たい になるセクタの値 ね が同一 どういつ ではなくなる。
ブロックサイズが大 おお きい場合 ばあい は、ブロック自体 じたい が複数 ふくすう のセクタで構成 こうせい されているため、同 どう 一 いち HDDの中 なか でも、ブロックを構成 こうせい する一部 いちぶ のセクタのみ書 か き込 こ み完了 かんりょう しそれ以外 いがい は書 か き換 か えられていないということも発生 はっせい する。
このようにRAIDを構成 こうせい するグループのHDDのブロックすべてに書 か き込 こ めずに、穴 あな が開 ひら いたのように書 か き込 こ まれるためライトホールと呼 よ ばれる。
HDDレベルではどちらも正常 せいじょう なのでエラー無 な く読 よ み出 だ せるが、HDD毎 ごと に異 こと なる値 ね が読 よ み出 だ されるようになる。
これはRAIDレベルでは不 ふ 整合 せいごう を起 お こした状態 じょうたい となり、RAIDシステムではエラー検出 けんしゅつ 機能 きのう を持 も っていないために、エラーが起 お きている事 こと を検出 けんしゅつ することが出来 でき ない。
結果 けっか として、RAID 1の場合 ばあい は、読 よ み込 こ むHDDによって値 ね が変 か わる。上記 じょうき の例 れい ではHDD Bの書 か き込 こ みがされていないためにBから読 よ み出 だ された場合 ばあい やHDD Aが破損 はそん し、HDD BからHDD A'にリビルドされた際 さい にデータが壊 こわ れる。
RAID 3,4,5、6の場合 ばあい は、誤 あやま ったパリティによりデータが破壊 はかい される。
これらを、サイレントクラッシュ(正確 せいかく にはサイレントデータコラプション)と呼 よ ぶ。
バッテリバックアップされたNVRAMやフラッシュメモリ等 とう の不揮発 ふきはつ メモリを持 も っているハードウェアRAIDでは、
HDDから書 か き込 こ みの完了 かんりょう ・未 み 完了 かんりょう 等 とう のトランザクション管理 かんり をしているためこの問題 もんだい は発生 はっせい しないようになっているが、
ソフトウェアRAIDや、不揮発 ふきはつ メモリを持 も たない安価 あんか なハードウェアRAIDでは、この問題 もんだい が発生 はっせい する。
RAID 2はそれ自体 じたい がハミングコードによるエラー検出 けんしゅつ 機能 きのう を持 も っているので、この問題 もんだい は発生 はっせい しない。
RAID-Zもブロック単位 たんい での書 か き換 か えがCopyOnWriteにより保証 ほしょう される事 こと とチェックサムがあるためにこの問題 もんだい は発生 はっせい しない。
RAID 0からRAID 6まで7種類 しゅるい のうち、よく利用 りよう されるのはRAID 0・RAID 1・RAID 5・RAID 6で、RAIDコントローラやソフトウェアによって使用 しよう できるレベルが限定 げんてい されている場合 ばあい が多 おお い。
各 かく RAIDレベルを組 く み合 あ わせて信頼 しんらい 性 せい と速度 そくど を両立 りょうりつ させることができる。
サーバ用途 ようと としては、データの保全 ほぜん 性 せい を重視 じゅうし するためRAID 1またはRAID 5が主 おも に利用 りよう されている。サーバ台数 だいすう の限 かぎ られた環境 かんきょう で、一 いち 台 だい のサーバにかかる負担 ふたん が高 たか い場合 ばあい はこれらにRAID 0を組 く み込 こ んで高速 こうそく 化 か を狙 ねら うケースもある(もちろんサーバ自体 じたい を増設 ぞうせつ して、一 いち 台 だい あたりの負担 ふたん を軽減 けいげん することも検討 けんとう すべきであり、負荷 ふか の度合 どあ い・設置 せっち 場所 ばしょ の都合 つごう ・予算 よさん などを多角 たかく 的 てき に検討 けんとう する必要 ひつよう がある。単 たん にRAID 0をかぶせて高速 こうそく 化 か することだけに過度 かど の期待 きたい を寄 よ せるべきではない)。
RAIDの方式 ほうしき によらず、サーバ用途 ようと の場合 ばあい はトラブル発生 はっせい 時 じ に速 すみ やかなハードディスク交換 こうかん を実施 じっし できる態勢 たいせい を採 と るのが重要 じゅうよう であり、ホットスペアやホットスワップ対応 たいおう の製品 せいひん を用 もち いるのが望 のぞ ましい。
また、ある種 しゅ のアプリケーションは、制御 せいぎょ 情報 じょうほう はRAID 1またはRAID 5のファイルシステムに保存 ほぞん し、マルチメディアデータはRAID 0に保存 ほぞん するとともにテープや光 ひかり メディアにバックアップしている。
RAID 0の概念 がいねん 図 ず 。一 ひと つのファイルをA1からA8に分割 ぶんかつ して、これを複数 ふくすう のディスクに同時 どうじ に分散 ぶんさん して書 か き込 こ む。
RAID 0はデータを分割 ぶんかつ し、複数 ふくすう 台 だい のハードディスクに同時 どうじ に分散 ぶんさん して読 よ み書 か きする。高速 こうそく 化 か が可能 かのう となる。ストライピング とも呼 よ ぶ。冗長 じょうちょう 性 せい がなく耐 たい 障害 しょうがい 性 せい もないが、実装 じっそう 要素 ようそ (ハードウェアおよびソフトウェア)はRAIDのそれらを転用 てんよう できるため、他 た のRAIDモードとともに実装 じっそう しているコントローラが多 おお い。冗長 じょうちょう 性 せい を持 も たないことを明示 めいじ する意味 いみ で、無 む を表現 ひょうげん する数 かず であるゼロ が付 ふ される。最低 さいてい 2台 だい のドライブが必要 ひつよう である。
1台 だい のドライブが故障 こしょう しただけでアレイ全体 ぜんたい の故障 こしょう となるため、その故障 こしょう 率 りつ は単体 たんたい ドライブに比 くら べ高 たか い。例 たと えば、単位 たんい 時間 じかん あたりのドライブ故障 こしょう 率 りつ が1%の場合 ばあい 、2台 だい でRAID 0を構成 こうせい した場合 ばあい のアレイの故障 こしょう 率 りつ は約 やく 2% (1-0.99*0.99=0.0199) と約 やく 2倍 ばい に上昇 じょうしょう する。
単独 たんどく のRAID 0では速度 そくど は向上 こうじょう するものの故障 こしょう 率 りつ が増加 ぞうか することから、後述 こうじゅつ のRAID 1や5と組 く み合 あ わせて用 もち いられることも多 おお い。
長所 ちょうしょ
ドライブ数 すう が増 ふ えるほどシーケンシャル及 およ びランダムアクセス速度 そくど が上 あ がる。但 ただ し後者 こうしゃ の向上 こうじょう にはストライプサイズ(分割 ぶんかつ の粒 つぶ 度 ど )、セクタサイズ、クラスタサイズ、ブロックサイズ、先読 さきよ み深度 しんど などを適切 てきせつ に設定 せってい する事 こと が必要 ひつよう である。
短所 たんしょ
冗長 じょうちょう 性 せい が全 まった くない。
ドライブ数 すう が増 ふ えるほどアレイの故障 こしょう 率 りつ が上 あ がる。
適切 てきせつ なストライプサイズやコマンドキューの調整 ちょうせい が出来 でき ない場合 ばあい 、ランダムアクセス速度 そくど はあまり向上 こうじょう しないかドライブ数 すう の増加 ぞうか に伴 ともな い低下 ていか する可能 かのう 性 せい がある。
RAID 1の概念 がいねん 図 ず 。データをA1-4に分割 ぶんかつ して同 おな じデータを同時 どうじ に書 か き込 こ む。
RAID 1は複数 ふくすう 台 だい のハードディスクに、同時 どうじ に同 おな じ内容 ないよう を書 か き込 こ む。これをミラーリング と呼 よ ぶ。最 もっと もシンプルな方式 ほうしき であり、RAIDの弱点 じゃくてん であるコントローラの故障 こしょう にも対応 たいおう しやすい。最低 さいてい 2台 だい のドライブが必要 ひつよう である。
全 すべ てのディスクが同時 どうじ に故障 こしょう する可能 かのう 性 せい は低 ひく いため、システムの安定 あんてい 性 せい は高 たか い。
例 たと えば、単位 たんい 時間 じかん 当 あ たりのドライブの故障 こしょう 率 りつ を1%として2台 だい でRAID 1を構成 こうせい する場合 ばあい 、アレイの故障 こしょう 率 りつ は0.01% (0.01*0.01=0.0001) と1/100となる。
ただし、利用 りよう 可能 かのう な容量 ようりょう は単体 たんたい のハードディスク容量 ようりょう を超 こ えない。台数 だいすう が増 ふ えるほど容量 ようりょう 効率 こうりつ が悪 わる くなる。効率 こうりつ 重視 じゅうし ならばRAID 5の方 ほう がよい。
本来 ほんらい 読 よ み出 だ しは、一 ひと つのドライブからのみでそれ以外 いがい はバックアップである。全 すべ てのディスクから読 よ み出 だ せば、理論 りろん 上 じょう 、高速 こうそく に読 よ み出 だ せる。
初期 しょき のネットワークOSであるNetware 2.x、3.xは、上記 じょうき を取 と り入 い れており、コントローラが複数個 ふくすうこ ある場合 ばあい には、一方 いっぽう のディスクに書 か き込 こ みながら他方 たほう のディスクから読 よ み込 こ みを行 おこな うなどの負荷 ふか 分散 ぶんさん を行 おこな っていた[要 よう 出典 しゅってん ] 。従 したが って、ディスク間 あいだ で記録 きろく データに不一致 ふいっち が発生 はっせい する時間 じかん があり、ディスクの同期 どうき を完了 かんりょう させてから終了 しゅうりょう する必要 ひつよう があった。
しかし、常 つね に性能 せいのう を重視 じゅうし した実装 じっそう が行 おこな われている訳 わけ ではなく、Windows NTのソフトウェアRAID 1では、読 よ み込 こ みは常 つね にひとつのディスクからのみ行 おこな われる。Windows Server 2003は低 てい 負荷 ふか 時 じ には片方 かたがた から、高 こう 負荷 ふか 時 じ には負荷 ふか 分散 ぶんさん を行 おこな う[要 よう 出典 しゅってん ] 。
長所 ちょうしょ
OSやマザーボードに標準 ひょうじゅん 装備 そうび されている場合 ばあい 、RAIDハード/ソフトウェアを別途 べっと 用意 ようい せずとも使用 しよう できる。
ドライブ数 すう が増 ふ えるほど耐 たい 障害 しょうがい 性 せい が上 あ がる。
短所 たんしょ
容量 ようりょう の利用 りよう 効率 こうりつ が悪 わる い。N 台 だい のドライブとした時 とき 、容量 ようりょう 効率 こうりつ は1/Nとなる。
大 だい 容量 ようりょう 化 か を目的 もくてき としていない。
高速 こうそく 化 か は限定 げんてい 的 てき である。
RAID 01 (0+1) および RAID 10 (1+0)
編集 へんしゅう
RAID 0+1 (RAID 01)
RAID 1+0 (RAID 10)
RAID 0とRAID 1を組 く み合 あ わせた構成 こうせい を特別 とくべつ にRAID 0+1 (RAID 01) およびRAID 1+0 (RAID 10) と呼 よ ぶ。高速 こうそく 化 か 、大 だい 容量 ようりょう 化 か を目指 めざ したRAID 0と高信頼 こうしんらい 性 せい を求 もと めたRAID 1を組 く み合 あ わせることにより、速度 そくど 、容量 ようりょう 、耐 たい 障害 しょうがい 性 せい の向上 こうじょう を図 はか ることができる。最低 さいてい 4ドライブ必要 ひつよう である。
RAID 0とRAID 1は相性 あいしょう がよく、
RAID 1の特性 とくせい によりRAID 0の弱点 じゃくてん であったランダムアクセスも高速 こうそく 化 か できる。RAID 1を使用 しよう しているためコントローラの2重 じゅう 化 か にも対応 たいおう できるので、容量 ようりょう が必要 ひつよう でなおかつ強力 きょうりょく な耐 たい 障害 しょうがい 性 せい を求 もと める場合 ばあい に採用 さいよう されることが多 おお い。
RAID 0とRAID 1、どちらを下層 かそう で行 おこな うかにより名前 なまえ が変 か わる。0または1は、下層 かそう で行 おこな われる処理 しょり を先 さき に表記 ひょうき する。一見 いっけん どちらも同 おな じように見 み えるが耐 たい 障害 しょうがい 性 せい の面 めん で異 こと なる。
RAID 0+1 : ストライプされた領域 りょういき をミラーリング
RAID 1+0 : ミラーセットをストライプ
ドライブ故障 こしょう への耐 たい 性 せい はRAID 1+0のほうが優 すぐ れている。RAID 0+1ではRAID 1を構成 こうせい するRAID 0領域 りょういき のドライブそれぞれ1台 だい ずつが故障 こしょう した時点 じてん でデータが破壊 はかい されるが、RAID 1+0ではRAID 0を構成 こうせい するRAID 1セットの構成 こうせい ドライブ2台 だい がどちらも故障 こしょう しない限 かぎ りデータは破壊 はかい されない[15] 。台数 だいすう が増 ふ えれば増 ふ えるほどRAID 1+0のほうが耐 たい 障害 しょうがい 性 せい が上 あ がる[16] 。コントローラ故障 こしょう への耐 たい 性 せい はRAID 0+1が上回 うわまわ る局面 きょくめん も存在 そんざい しうるが[17] 、基本 きほん 的 てき にはRAID 1+0のほうが優 すぐ れていると考 かんが えてよい。
RAID 2の冗長 じょうちょう 化 か 機構 きこう はハミング符号 ふごう で、ストライプ単位 たんい は1ビットである[5] 。ハミングコードによるビット単位 たんい のデータ修復 しゅうふく が常 つね に必要 ひつよう なほどHDDの信頼 しんらい 性 せい は低 ひく くないので、RAID 2は実用 じつよう 性 せい がなく、製品 せいひん は市販 しはん されていない。
必要 ひつよう なドライブ数 すう は、ハミングコードの訂正 ていせい 可能 かのう ビット数 すう により異 こと なるため一意 いちい に記述 きじゅつ できないが、最低 さいてい で5台 だい のドライブを必要 ひつよう とする。
長所 ちょうしょ
全 ぜん RAIDレベルの中 なか で最高 さいこう の耐 たい 障害 しょうがい 性 せい を持 も つ。最小 さいしょう 構成 こうせい の5台 だい の場合 ばあい 、3台 だい のドライブの故障 こしょう にも耐 た えられる[5] 。
短所 たんしょ
ハミングコード計算 けいさん コストが莫大 ばくだい である[18] 。
ディスクの使用 しよう 効率 こうりつ が極 きわ めて悪 わる い。最小 さいしょう 構成 こうせい の5台 だい で利用 りよう 可能 かのう な容量 ようりょう は2台 だい 分 ぶん [18] 。7台 だい の場合 ばあい には4台 だい 分 ぶん 、15台 だい の場合 ばあい には11台 だい 分 ぶん 、31台 だい の場合 ばあい には26台 だい 分 ぶん となる。但 ただ し最小 さいしょう 構成 こうせい 時 じ を除 のぞ けばRAID 1よりも効率 こうりつ は良 よ い。
RAID 3: ビット/バイト単位 たんい での専用 せんよう パリティドライブ
編集 へんしゅう
RAID 3
RAID 3はRAID 2の誤 あやま り訂正 ていせい 符号 ふごう を排他 はいた 的 てき 論理 ろんり 和 わ によるパリティに変更 へんこう し、演算 えんざん コストを低減 ていげん したものである。
最低 さいてい 3ドライブで構成 こうせい され、1台 だい を誤 あやま り訂正 ていせい 符号 ふごう に割 わ り当 あて て、残 のこ りの複数 ふくすう 台 だい にデータを記録 きろく する。
ビデオ編集 へんしゅう 機器 きき においてはアクセスの殆 ほとん どがシーケンシャルアクセスであることから、現在 げんざい でもRAID 3が用 もち いられている場合 ばあい があるが、パソコンやサーバでRAID 3を用 もち いるメリットは存在 そんざい しない。
長所 ちょうしょ
パリティを訂正 ていせい 符号 ふごう として用 もち いているためRAID 2に比較 ひかく して計算 けいさん コストが低 ひく い。
構成 こうせい ドライブ数 すう -1個 いっこ の容量 ようりょう が確保 かくほ できるため、ディスク容量 ようりょう の無駄 むだ を最小限 さいしょうげん に押 お さえられる。
短所 たんしょ
ビット/バイト単位 たんい でアクセスを行 おこな うためI/Oの効率 こうりつ が悪 わる い。
パリティドライブが書 か き込 こ み処理 しょり 時 じ のボトルネックとなる。
RAID 4: ブロック単位 たんい での専用 せんよう パリティドライブ
編集 へんしゅう
RAID 4
RAID 4はRAID 3のI/O単位 たんい をブロックに拡大 かくだい し、I/O効率 こうりつ の改善 かいぜん を図 はか ったものである。最低 さいてい 3台 だい で構成 こうせい される。以下 いか の短所 たんしょ からRAID5へ移行 いこう され、RAID4は実質 じっしつ 的 てき に消滅 しょうめつ している。
長所 ちょうしょ
アクセス単位 たんい がブロックになっているため、RAID 3より高速 こうそく なI/Oが望 のぞ める。
短所 たんしょ
パリティドライブは書 か き込 こ み処理 しょり 時 じ に常時 じょうじ アクセスが行 おこな われるため負担 ふたん が集中 しゅうちゅう する。性能 せいのう 上 じょう のボトルネック となるだけでなく、消耗 しょうもう が激 はげ しく寿命 じゅみょう も低下 ていか する。(これに対 たい する解 かい がRAID5)
RAID 5: ブロック単位 たんい でのパリティ分散 ぶんさん 記録 きろく
編集 へんしゅう
RAID 5
RAID 5は水平 すいへい パリティを使用 しよう して複数 ふくすう のハードディスクに誤 あやま り訂正 ていせい 符号 ふごう データと共 とも に分散 ぶんさん させて記録 きろく することで、RAID 3、RAID 4のボトルネック を回避 かいひ している。最低 さいてい 3ドライブが必要 ひつよう である。RAID1やRAID1+0に比 くら べて使用 しよう 効率 こうりつ に優 すぐ れている。またRAID0のように複数 ふくすう のディスクに分散 ぶんさん しているため読 よ み出 だ し性能 せいのう が優 すぐ れている。一方 いっぽう で書 か き込 こ む場合 ばあい にはパリティブロック を作成 さくせい しなおすために、ディスクからの既存 きそん パリティ読 よ み出 だ しとパリティ演算 えんざん が伴 ともな うが、I/Oプロセッサを搭載 とうさい した高 こう 価格 かかく 帯 たい 製品 せいひん ではパリティを大 だい 容量 ようりょう キャッシュに保存 ほぞん しパリティ演算 えんざん をI/Oプロセッサや専用 せんよう 演算 えんざん 機 き にて行 おこな う事 こと で速度 そくど 低下 ていか を回避 かいひ している。
長所 ちょうしょ
ボトルネックとなる、RAID 3やRAID 4のような専用 せんよう のパリティドライブが存在 そんざい しない。
ドライブの台数 だいすう が増 ふ えるほど高速 こうそく 化 か を見込 みこ める。
1台 だい までのドライブが故障 こしょう してもデータを復旧 ふっきゅう できる
短所 たんしょ
パリティ演算 えんざん が必要 ひつよう なため、ソフトウェアRAIDに不向 ふむ き。ただしI/Oプロセッサを搭載 とうさい した高 こう 価格 かかく 帯 たい 製品 せいひん では大 だい 容量 ようりょう のキャッシュメモリ とI/Oプロセッサやパリティ演算 えんざん 機 き を搭載 とうさい することでRAID0並 な みに読 よ み書 か きともに高速 こうそく 化 か している製品 せいひん もある。
停電 ていでん やディスククラッシュにより部分 ぶぶん 的 てき に書 か き込 こ みが行 おこな われた状態 じょうたい での停止 ていし が発生 はっせい した場合 ばあい に検出 けんしゅつ 困難 こんなん な不 ふ 整合 せいごう が発生 はっせい するタイミングがあり、RAID 5書 か き込 こ みホールと呼 よ ばれる。ハードウェアRAIDではバッテリを搭載 とうさい するなどして電源 でんげん 異常 いじょう 時 じ の問題 もんだい を回避 かいひ するように構成 こうせい されている場合 ばあい が多 おお いが、ソフトウェアRAIDでは一般 いっぱん に対応 たいおう は困難 こんなん である(同様 どうよう の問題 もんだい はパリティ を用 もち いるRAID 4・RAID 6等 とう でも存在 そんざい する)。RAID-Zはソフトウェアによるこの問題 もんだい の解法 かいほう の一 ひと つ。
低 てい 価格 かかく 品 ひん や低 てい 性能 せいのう 品 ひん では(障害 しょうがい 発生 はっせい 後 ご の)復元 ふくげん 処理 しょり が遅 おそ い。
ドライブ1台 だい 故障 こしょう 時 じ にパリティからデータを再生 さいせい するため、性能 せいのう が低下 ていか する。
2つ以上 いじょう のドライブが同時 どうじ に故障 こしょう すると回復 かいふく できない(RAID6では3つ同時 どうじ 故障 こしょう で回復 かいふく 不能 ふのう )。
ドライブ1台 だい 故障 こしょう 時 じ はRAID 0並 な みに信頼 しんらい 性 せい が低 ひく い状態 じょうたい となる。特 とく に構成 こうせい 台数 だいすう が多 おお い場合 ばあい 、復元 ふくげん 作業 さぎょう 中 ちゅう にもう1台 だい が故障 こしょう し、回復 かいふく 不可能 ふかのう となってしまうケースがある(これに対 たい する解 かい がRAID 6)。
RAID 5においてパリティ はパリティ用 よう 領域 りょういき に使用 しよう されるディスク以外 いがい のXORで水平 すいへい 方向 ほうこう のパリティ (PH) をとる。水平 すいへい パリティはそれぞれのディスクに格納 かくのう され、1台 だい のディスク障害 しょうがい に耐 た えることができる。ディスク障害 しょうがい 時 じ は障害 しょうがい の発生 はっせい したディスクのXORによる再 さい 計算 けいさん で復元 ふくげん が可能 かのう である。
データ書 か き込 こ み時 じ におけるパリティ計算 けいさん 方法 ほうほう の一 いち 例 れい を下記 かき に掲載 けいさい する(An、BnはA1 B1 A2 B2 A3 B3の順 じゅん に並 なら んだデータブロック)。
A1/B1/PH1/
A2/PH2/B2/
PH3/A3/B3/
PH1=A1+B1
PH2=A2+B2
PH3=A3+B3
RAID 5に速度 そくど 面 めん 、耐 たい 障害 しょうがい 性 せい などでの不満 ふまん がある場合 ばあい 、RAID 0+1や1+0と同様 どうよう に、他 た のRAIDと組 く み合 あ わせることで弱点 じゃくてん をカバーできる。
RAID 5の速度 そくど を向上 こうじょう させたい場合 ばあい 、使 つか っている台数 だいすう と同数 どうすう のハードディスクを追加 ついか してRAID 0と組 く み合 あ わせるか、サーバを増設 ぞうせつ し負荷 ふか を分散 ぶんさん させるのが有効 ゆうこう である。RAID 5+0およびRAID 0+5を構成 こうせい する場合 ばあい は、最低 さいてい 6ドライブが必要 ひつよう である。
RAID 1+0や0+1と同様 どうよう 、RAID 5とRAID 0のどちらを先 さき に行 おこな うかで名前 なまえ が変 か わる。RAID 5のセットによるストライピングを行 おこな うRAID 5+0のほうが、次 つぎ の理由 りゆう で優 すぐ れているといえる。
ドライブ故障 こしょう への耐 たい 性 せい に優 すぐ れる[19] 。
読 よ み書 か きの高速 こうそく 性 せい を利点 りてん とするRAID 0を外側 そとがわ にすることで、書 か き込 こ み速度 そくど の向上 こうじょう 効果 こうか がより強 つよ く期待 きたい できる。
RAID 6を上回 うわまわ る強力 きょうりょく な耐 たい 障害 しょうがい 性 せい が要求 ようきゅう される場合 ばあい 、この組 く み合 あ わせが選択肢 せんたくし となる。RAID 5+0やRAID 0+5と同様 どうよう 、最低 さいてい 6ドライブを必要 ひつよう とする。
RAID 5+1、RAID 1+5とも3ドライブまでの同時 どうじ 故障 こしょう に耐 た えられるが、RAID 1+5のほうがより強 つよ い耐 たい 障害 しょうがい 性 せい を持 も つ[20] 。
メンテナンス性 せい にも優 すぐ れる。何 なん らかの理由 りゆう によりすべてのドライブを交換 こうかん する必要 ひつよう が生 しょう じた場合 ばあい 、ミラーの片方 かたがた のディスクを一 いち 度 ど に交換 こうかん し、リビルド後 ご に残 のこ りを交換 こうかん して再 さい リビルド、という簡便 かんべん な手順 てじゅん で、装置 そうち を止 と めることなく交換 こうかん を完了 かんりょう でき、またこの作業 さぎょう 中 ちゅう もRAID 5の耐 たい 障害 しょうがい 性 せい が残 のこ っている。
RAID 5によってRAID 5を組 く む、RAID 5+5も考 かんが えられる。この構成 こうせい には最低 さいてい 9ドライブを要 よう する。
RAID 5+1や1+5と同様 どうよう 、同時 どうじ に3ドライブまでの故障 こしょう に耐 た えられ、またディスク利用 りよう 効率 こうりつ でそれらを上回 うわまわ る。耐 たい 障害 しょうがい 性 せい ではRAID 5+1と1+5の中 なか 間 あいだ 程度 ていど になる[21] 。
同様 どうよう に、3次元 じげん 化 か したRAID 5+5+5、4次元 じげん 化 か したRAID 5+5+5+5なども考 かんが えられる。RAID 5+5+5は7台 だい 、RAID 5+5+5+5は15台 だい までの同時 どうじ 故障 こしょう に耐 た えられるが、必要 ひつよう となるドライブ数 すう およびディスク効率 こうりつ の面 めん から実用 じつよう 的 てき ではない[22] 。
RAID 6: ブロック単位 たんい ・複数 ふくすう パリティ分散 ぶんさん 記録 きろく
編集 へんしゅう
RAID 6
RAID 6は任意 にんい の2つのハードディスクに障害 しょうがい が発生 はっせい してもデータが復元 ふくげん できるRAIDである。冗長 じょうちょう データを2種類 しゅるい 作成 さくせい し2つのディスクに記録 きろく することで、2重 じゅう 障害 しょうがい に対応 たいおう でき、同時 どうじ に2ドライブが故障 こしょう しても復元 ふくげん できる。最低 さいてい 4ドライブを必要 ひつよう とする。1つの冗長 じょうちょう データはRAID5と同 おな じようにパリティ符号 ふごう を用 もち いる。もう1つの冗長 じょうちょう データは、異 こと なるアドレスのデータからパリティを生成 せいせい する方式 ほうしき (対角線 たいかくせん パリティ)や、異 こと なる係数 けいすう を乗算 じょうざん してから生成 せいせい する方式 ほうしき (P+Qパリティ)など、複数 ふくすう の実装 じっそう 形態 けいたい がある。RAID 1のミラーリングを3重 じゅう 化 か した場合 ばあい も2つのハードディスク障害 しょうがい に対応 たいおう できるが、これは通常 つうじょう RAID 6とは呼 よ ばない。
長所 ちょうしょ
RAID 5と同等 どうとう の長所 ちょうしょ を持 も つ。
RAID 3やRAID 4のように、ボトルネックとなる、専用 せんよう のパリティドライブが存在 そんざい しない。
ドライブの台数 だいすう が増 ふ えるほど高速 こうそく 化 か を見込 みこ める。
RAID 5よりさらに高 たか い耐 たい 障害 しょうがい 性 せい がある。ドライブ1台 だい 故障 こしょう 時 じ においてもRAID 5並 な みの信頼 しんらい 性 せい を保 たも っている。
短所 たんしょ
初期 しょき 投資 とうし が大 おお きい(ただし、長期 ちょうき 的 てき な運用 うんよう コストはRAID 5と大差 たいさ ない)。
二 に 重 じゅう にパリティを生成 せいせい するため、RAID 5よりもさらに書 か き込 こ み速度 そくど が低下 ていか する。
RAID 5と同様 どうよう 、ドライブ故障 こしょう 時 じ に性能 せいのう が低下 ていか する。
3つ以上 いじょう のドライブが同時 どうじ に故障 こしょう すると回復 かいふく できない。
EMC CLARiX/CLARiiON のRAID6では EVENODDアルゴリズムを使 つか って、X86プロセッサのXOR命令 めいれい でパリティの計算 けいさん 、データのリカバリをソフトウェアで行 おこな っている。
大 だい 規模 きぼ なシステムでは、RAID 6を用 もち いた多重 たじゅう RAIDも、RAID 5と同様 どうよう に考 かんが えられる。
RAID 6+0とRAID 0+6
RAID 6単体 たんたい と比較 ひかく してアクセスが高速 こうそく 化 か される。最小 さいしょう 8ドライブを要 よう し、2ドライブまでの故障 こしょう に耐 た えられる。
RAID 6+1とRAID 1+6
RAID 6単体 たんたい と比較 ひかく して耐 たい 障害 しょうがい 性 せい が強化 きょうか される。最小 さいしょう 8ドライブを要 よう し、5ドライブまでの故障 こしょう に耐 た えられる。
RAID 6+5とRAID 5+6
RAID 6単体 たんたい と比較 ひかく して耐 たい 障害 しょうがい 性 せい が強化 きょうか され、高 たか いディスク利用 りよう 効率 こうりつ も兼 か ね備 そな える。最小 さいしょう 12ドライブを要 よう し、5ドライブまでの故障 こしょう に耐 た えられる。
RAID 6+6
階層 かいそう 化 か されたRAID 6であり、最強 さいきょう の耐 たい 障害 しょうがい 性 せい を持 も つ。最小 さいしょう 16ドライブを要 よう し、8ドライブまでの故障 こしょう に耐 た えられる。堅牢 けんろう さが最 さい 重要 じゅうよう 視 し される用途 ようと に向 む く。
RAID 6ではRAID 5の水平 すいへい パリティ (PH) に加 くわ え、対角線 たいかくせん パリティ (PD) もパリティ として使用 しよう される。
水平 すいへい パリティとは異 こと なり対角線 たいかくせん パリティは専用 せんよう のディスクに格納 かくのう される。ディスク4台 だい でRAID6を構成 こうせい しているとき、対角線 たいかくせん パリティの配置 はいち と計算 けいさん は以下 いか の通 とお り。
PH1/B1 /C1 /PD1
A2 /PH2/C2 /PD2
A3 /B3 /PH3/PD3
PD1=PH1+C2+B3
PD2=B1+A2+PH3
PD3=C1+PH2+A3
PパリティはRAID5と同 おな じXOR によるパリティ であり、もう一 ひと つの冗長 じょうちょう データであるQパリティは重 おも みつきのガロア体 たい GF(2) における剰余 じょうよ 、つまり8ビットのCRC を用 もち いる。8ビットCRCの制限 せいげん により、この方式 ほうしき を用 もち いる限 かぎ りデータディスクは255台 だい (+冗長 じょうちょう ディスク2台 だい )までしかサポートできない。
規格 きかく のようなものがないため、生成 せいせい 多項式 たこうしき や重 おも みのつけかたが各社 かくしゃ で異 こと なる。また高速 こうそく 化 か やハードウェア的 てき な最適 さいてき 化 か のためにあらかじめ定数 ていすう をかけたテーブルが用意 ようい されているなど、単純 たんじゅん なCRCには見 み えない場合 ばあい もある。あるいは、これ以外 いがい の算出 さんしゅつ 方法 ほうほう を採 と っている場合 ばあい も有 あ り得 え る。
具体 ぐたい 的 てき な算出 さんしゅつ 方法 ほうほう は以下 いか の通 とお りである。
データディスクをA・B・C・Dとし、冗長 じょうちょう ディスクをP・Qとする。現実 げんじつ には冗長 じょうちょう ディスクは分散 ぶんさん されているが、便宜上 べんぎじょう こうしておく。
P=A+B+C+D (RAID5と同 おな じ)
Q=CRC(A+B*2+C*4+D*8)
ここで、AとはデータディスクAにある1バイトのデータであり、以下 いか B・C・D・P・Qそれぞれ、対応 たいおう する同 おな じ位置 いち にある1バイトのデータを示 しめ す。またCRC(x) は、値 ね xをビット列 びっとれつ とした時 とき のCRC符号 ふごう である。このCRCは、生成 せいせい 多項式 たこうしき が既 すんで 約 やく 性 せい を持 も つ(==原始 げんし 多項式 たこうしき である)必要 ひつよう がある。また上記 じょうき 加算 かさん (+) 及 およ び乗算 じょうざん (*) は、共 とも にガロア体 たい での加算 かさん 乗算 じょうざん である。
また回復 かいふく 方法 ほうほう は以下 いか の通 とお りである。
データディスクA・B・C・Dのいずれか一 ひと つが破損 はそん した場合 ばあい は、RAID5と同 おな じ。また冗長 じょうちょう ディスクP・Qのいずれか一 ひと つ乃至 ないし は二 ふた つが破損 はそん した場合 ばあい は、データディスクA・B・C・Dから再 さい 計算 けいさん する。
A・B・C・Dのいずれか一 ひと つとQが破損 はそん した場合 ばあい は、Pと正常 せいじょう なデータディスクとで破損 はそん したデーターディスクを(RAID5と同様 どうよう に)回復 かいふく し、Qを再 さい 計算 けいさん する。
A・B・C・Dのいずれか一 ひと つとPが破損 はそん した場合 ばあい は、Qから、破損 はそん したデータディスクの位置 いち に8ビットのバ ば ースト誤 すとあやま りがあったものとして消失 しょうしつ 訂正 ていせい することで回復 かいふく する。
A・B・C・Dのいずれか二 ふた つが破損 はそん した場合 ばあい は、PとQに関 かん する連立 れんりつ 方程式 ほうていしき を解 と いて回復 かいふく する。
例 たと えばB・Dが破損 はそん したとする。
P=A+B+C+D
P-(A+C)=B+D
P+A+C=B+D (加算 かさん と減算 げんざん は共 とも にXORで同一 どういつ なので)
Q=CRC(A+B*2+C*4+D*8)
Q=CRC(A+C*4)+CRC(B*2+D*8) (CRCは加算 かさん (XOR) に関 かん して分配 ぶんぱい 法則 ほうそく が成 な り立 た つ)
Q-CRC(A+C*4)=CRC(B*2+D*8)
Q+CRC(A+C*4)=CRC(B*2+D*8) (加算 かさん と減算 げんざん は共 とも にXORで同一 どういつ なので)
となるので、この連立 れんりつ 方程式 ほうていしき を解 と く。
P+A+C=B+D
P+A+C-B=D
P+A+C+B=D
これを代入 だいにゅう して
Q+CRC(A+C*4)=CRC(B*2+D*8)
Q+CRC(A+C*4)=CRC(B*2+(P+A+C+B)*8)
Q+CRC(A+C*4)=CRC(B*2+(P+A+C)*8+B*8)
Q+CRC(A+C*4)=CRC(B*2+B*8+(P+A+C)*8)
Q+CRC(A+C*4)=CRC(B*(2+8)+(P+A+C)*8)
Q+CRC(A+C*4)=CRC(B*10+(P+A+C)*8)
Q+CRC(A+C*4)=CRC(B*10+(P+A+C)*8)
Q+CRC(A+C*4)=CRC(B*10)+CRC((P+A+C)*8)
Q+CRC(A+C*4)-CRC((P+A+C)*8)=CRC(B*10)
Q+CRC(A+C*4)+CRC((P+A+C)*8)=CRC(B*10)
ここで、CRCの生成 せいせい 多項式 たこうしき は原始 げんし 多項式 たこうしき であるので、10と互 たが いに素 そ である。ここから中国 ちゅうごく の剰余 じょうよ 定理 ていり を利用 りよう してBを算出 さんしゅつ する。つまり左辺 さへん を10(二進法 にしんほう で1010)で割 わ る。
それを
P+A+C+B=D
に代入 だいにゅう して D を求 もと める。
RAID ZはRAID 5やRAID 6と似 に た機構 きこう を持 も ち、速度 そくど と耐 たい 障害 しょうがい 性 せい を向上 こうじょう させたもの。
Oracle 社 しゃ のSolaris やFreeBSD において、ZFS としてRAID Z1,Z2,Z3が実用 じつよう 化 か されている。
RAID 5やRAID 6ではパリティ更新 こうしん 時 じ に何 なん らかの障害 しょうがい が発生 はっせい するとデータとパリティが一致 いっち しなくなり、システム上 じょう では正常 せいじょう に見 み えても内部 ないぶ ではデータ破壊 はかい が進 すす んでいるという状態 じょうたい (サイレントクラッシュ)に陥 おちい るという致命 ちめい 的 てき な欠点 けってん がある。またストライプ幅 はば より小 ちい さいデータを書 か き込 こ む際 さい にも、全体 ぜんたい のデータとパリティを読 よ み込 こ んで再 さい 計算 けいさん をする必要 ひつよう があるため、パフォーマンスが著 いちじる しく低下 ていか するという弱点 じゃくてん も持 も っている。
RAID Zでは常 つね にストライプ全体 ぜんたい への書 か き込 こ みを行 おこな い、コピーオンライト と組 く み合 あ わせることでRAID 5やRAID 6が持 も つサイレントクラッシュの問題 もんだい を完全 かんぜん に回避 かいひ できる。
計算 けいさん 方法 ほうほう (RAID0, 1, 10, 5, 6)
編集 へんしゅう
RAID容量 ようりょう 計算 けいさん 式 しき
RAIDの名前 なまえ
RAIDの計算 けいさん 式 しき
RAIDの最低 さいてい 必要 ひつよう 台数 だいすう
RAID0
HDDの台数 だいすう xHDDの容量 ようりょう
2台 だい 以上 いじょう
RAID1
HDDの台数 だいすう xHDDの容量 ようりょう /2
2台 だい
RAID10
HDDの台数 だいすう xHDDの容量 ようりょう /2
2台 だい 以上 いじょう
RAID5
(HDDの台数 だいすう -1)xHDDの容量 ようりょう
3台 だい 以上 いじょう
RAID6
(HDDの台数 だいすう -2)xHDDの容量 ようりょう
4台 だい 以上 いじょう
Option Explicit
Dim ans, m, p
Dim raid0, raid1, raid1e, raid10, raid5, raid50, raid6, gb
m = InputBox("HDD(SSD)の容量 ようりょう を入力 にゅうりょく してください。(GB)", "入力 にゅうりょく ")
p = InputBox("HDDの本数 ほんすう を入力 にゅうりょく してください。", "入力 にゅうりょく ")
MsgBox("RAIDの容量 ようりょう を計算 けいさん できます。")
raid0 = Round(m * p)
raid1 = Round(m * p / 2)
raid1e = Round(m * p / 2)
raid10 = Round(m * p / 2)
raid5 = Round(m * p - m)
raid6 = Round(m * p - (m * 2))
gb = Round(m *p)
ans = "raid0:" & raid0 & "GB 1本 ほん から" & vbCr _
& "raid1:" & raid1 & "GB 2本 ほん から2本 ほん まで" & vbCr _
& "raid1E:" & raid1e & "GB 3本 ほん から" & vbCr _
& "raid10:" & raid10 & "GB 2本 ほん から 偶数 ぐうすう 本 ほん "&vbCr _
& "raid5:" & raid5 & "GB 3本 ほん から"&vbCr _
& "raid6:" & raid6 & "GB 4本 ほん から"&vbCr _
& "最大 さいだい 容量 ようりょう :" & gb & "GB"&vbCr _
& "HDDの容量 ようりょう :" & m & "GB"&vbCr _
& "HDDの本数 ほんすう :" & p & "本 ほん "
MsgBox ans, , "答 こた え"
プログラムをコピーペーストして拡張子 かくちょうし を(.vbs)して開 ひら くとRAID容量 ようりょう の計算 けいさん ができる。
このプログラムではRAID0,1,1e,10,5,6が計算 けいさん できる。
無効 むこう ディスクドライブ (DDD 、Defunct Disk Drive ) とは、RAIDを構成 こうせい するディスクにおいて何 なん らかの障害 しょうがい が発生 はっせい し、RAIDの構成 こうせい ディスクから外 はず されたディスクないしその状態 じょうたい を示 しめ す[23] 。
予備 よび ディスクドライブ (Spare Disk Drive ) (予備 よび ディスク)は、RAIDの構成 こうせい で普段 ふだん は使用 しよう されていないが、使用 しよう 中 ちゅう のいずれかのディスクに障害 しょうがい が発生 はっせい した時 とき にそのディスクを置 お き換 か えることに備 そな えて接続 せつぞく されているハードディスク装置 そうち である。ベンダーによって呼称 こしょう は異 こと なるが、ホットスペア に該当 がいとう するものである。
たとえば、全部 ぜんぶ で4台 だい のディスクのうち3台 だい でRAID 5を構成 こうせい するシステムを考 かんが える。RAID 5中 ちゅう のいずれか一 いち 台 だい のディスクが故障 こしょう すると、予備 よび ディスクで故障 こしょう ディスクを自動的 じどうてき に置 お き換 か えて元通 もとどお りRAID 5を構成 こうせい する。
これら4台 だい のディスクでRAID 6を構成 こうせい しても同 おな じ実効 じっこう ディスク容量 ようりょう が得 え られるが、それと比較 ひかく して予備 よび ディスクは以下 いか の利点 りてん ・欠点 けってん をもっている。
利点 りてん : RAID 5なのでRAID 6に比 くら べて書込 かきこ み速度 そくど が速 はや い。予備 よび ディスクは普段 ふだん は動作 どうさ していない(ただし通電 つうでん は継続 けいぞく )ので寿命 じゅみょう が長 なが くなることが期待 きたい される。
欠点 けってん : 予備 よび ディスクで故障 こしょう したディスクを置 お き換 か えてリシンク(resync、再 さい 同期 どうき )が終了 しゅうりょう するまでの間 あいだ (2013年 ねん の技術 ぎじゅつ で1TBあたり10分 ふん 以上 いじょう )はシステムは冗長 じょうちょう 性 せい を持 も っていないので、さらにもう一 いち 台 だい のディスクが故障 こしょう するとシステム全体 ぜんたい の情報 じょうほう が失 うしな われる。
また、4台 だい のディスクのうち3台 だい でRAID 1を構成 こうせい すると、上記 じょうき のリシンク中 ちゅう の冗長 じょうちょう 性 せい 欠如 けつじょ のリスクは大幅 おおはば に低減 ていげん する。
RAID中 ちゅう に組 く み込 こ まれたディスクはリアルタイム・オンラインで冗長 じょうちょう 性 せい を作 つく り出 だ しているのに対 たい して、予備 よび ディスクは実際 じっさい の故障 こしょう 発生 はっせい 時 じ にオフラインバッチ処理 しょり でまとめて冗長 じょうちょう 性 せい を作 つく り出 だ していると見 み ることもできる。
一般 いっぱん 的 てき に複数 ふくすう のディスクを構成 こうせい する際 さい にはRAIDが使用 しよう されるが、RAIDを使用 しよう しないディスク構成 こうせい も存在 そんざい する。
JBOD (Just a Bunch Of Disks) は複数 ふくすう の物理 ぶつり ディスクを一 ひと つのディスクとして扱 あつか いアクセスする[24] 。冗長 じょうちょう 性 せい はない。
スパニング (SPANNING) とも呼 よ ばれる[25] 。
^ 略称 りゃくしょう でない名称 めいしょう に関 かん しては諸説 しょせつ ある。後述 こうじゅつ のパターソンの論文 ろんぶん ではRedundant Arrays of Inexpensive Disksであるが、用語 ようご 辞典 じてん によってRedundant Array of Inexpensive Disksであったり、Redundant Arrays of Independent Disksであったりする。出典 しゅってん : カシオEX-word XD-SF6200収録 しゅうろく の日経 にっけい パソコン用語 ようご 事典 じてん 、NE最新 さいしん 略語 りゃくご 小 しょう 辞典 じてん
^ パターソン&ヘネシー (下 した )p.530
^ Patterson(1988)
^ パターソン&ヘネシー (下 した ) p.530
^ a b c “あまり使用 しよう されないRAIDレベル ”. 2018年 ねん 1月 がつ 7日 にち 閲覧 えつらん 。
^ “RAID – WHAT IS RAID? AND SETUP GUIDE FOR FIRST TIMERS ”. 2018年 ねん 1月 がつ 8日 にち 閲覧 えつらん 。
^ a b “ソフトウエアRAIDとハードウエアRAIDの違 ちが いは? ”. 2018年 ねん 1月 がつ 7日 にち 閲覧 えつらん 。
^ DELL製 せい 、PERC Sシリーズ等 とう
^ “ストライプ ボリューム (RAID 0) の作成 さくせい 方法 ほうほう ”. 2018年 ねん 1月 がつ 7日 にち 閲覧 えつらん 。
^ “The Software-RAID HOWTO ”. 2018年 ねん 1月 がつ 7日 にち 閲覧 えつらん 。
^ “FreeBSD Manual Pages ”. 2018年 ねん 1月 がつ 7日 にち 閲覧 えつらん 。
^ “Intel Matrix Storage Manager 8.x User's Manual ”. 2018年 ねん 1月 がつ 7日 にち 閲覧 えつらん 。
^ ハードウェアRAIDとHostRAIDの違 ちが いは何 なに ですか?(Adaptec Support Knowledgebase) [リンク切 き れ ]
^ “Enabling and Setting Up Staggered Spin-up ”. 2018年 ねん 1月 がつ 7日 にち 閲覧 えつらん 。
^ RAID 0+1とRAID 1+0をそれぞれ4台 だい のドライブで構成 こうせい し、ランダムに各 かく 2台 だい のドライブが故障 こしょう したと仮定 かてい すると、RAID 0+1が破壊 はかい される確 かく 率 りつ は2/3、RAID 1+0が破壊 はかい される確 かく 率 りつ は1/3である。
^ 同様 どうよう に16台 だい (8ストライプ・2ミラー)でRAID 0+1と1+0を組 く み、各 かく 2台 だい が故障 こしょう した場合 ばあい 、RAID 0+1が破壊 はかい される確 かく 率 りつ は8/15、RAID 1+0が破壊 はかい される確 かく 率 りつ は1/15となる。
^ 各 かく ストライプ、各 かく ミラーのコントローラがそれぞれ別 べつ となっている場合 ばあい 、RAID 1+0はコントローラが1つでも故障 こしょう すると破壊 はかい されるが、RAID 0+1はRAID 0領域 りょういき のコントローラ故障 こしょう に対 たい して、そのすべてが同時 どうじ に故障 こしょう しない限 かぎ り耐 た えられる。
^ a b “2.RAID 2とRAID 3、RAID 4とは ”. 2018年 ねん 1月 がつ 8日 にち 閲覧 えつらん 。
^ 8台 だい のドライブ(4台 だい 構成 こうせい RAID 5×2台 だい 構成 こうせい RAID 0)でRAID 0+5と5+0を組 く み、各 かく 2台 だい が故障 こしょう した場合 ばあい 、RAID 0+5が破壊 はかい される確 かく 率 りつ は6/7、RAID 5+0が破壊 はかい される確 かく 率 りつ は3/7。
^ 8台 だい のドライブ(4台 だい 構成 こうせい RAID 5×2台 だい 構成 こうせい RAID 1)でRAID 1+5と5+1を組 く み、各 かく 4台 だい が故障 こしょう した場合 ばあい 、RAID 1+5が破壊 はかい される確 かく 率 りつ は3/35、RAID 5+1が破壊 はかい される確 かく 率 りつ は18/35。
^ 16台 だい のドライブでRAID 1+5、5+1(8台 だい 構成 こうせい RAID 5×2台 だい 構成 こうせい RAID 1)およびRAID 5+5(4台 だい 構成 こうせい RAID 5×4台 だい 構成 こうせい RAID 5)を組 く んだ場合 ばあい 、RAID 1+5と5+1は7台 だい 分 ぶん 、5+5は9台 だい 分 ぶん の容量 ようりょう が利用 りよう 可能 かのう であり、それぞれランダムに4台 だい が故障 こしょう した場合 ばあい 、RAID 5+1は196/455、RAID 1+5は7/455、RAID 5+5は57/455の確 かく 率 りつ で破壊 はかい される。
^ RAID 6+6はRAID 5+5+5を上回 うわまわ る8台 だい までの故障 こしょう に耐 た えられ、また一般 いっぱん にディスク利用 りよう 効率 こうりつ でも優 すぐ れる。例 たと えば64台 だい のドライブを用 もち いた、4台 だい 構成 こうせい RAID 5×4台 だい 構成 こうせい RAID 5×4台 だい 構成 こうせい RAID 5によるRAID 5+5+5の利用 りよう 可能 かのう 容量 ようりょう は27台 だい 分 ぶん となるのに対 たい し、8台 だい 構成 こうせい RAID 6×8台 だい 構成 こうせい RAID 6によるRAID 6+6では36台 だい 分 ぶん の容量 ようりょう が利用 りよう 可能 かのう である。
^ “ServeRAID - Recovery Procedures for DDD Drives ”. 2018年 ねん 1月 がつ 7日 にち 閲覧 えつらん 。
^ “RAIDレベルを理解 りかい しよう (2/3) ”. 2018年 ねん 1月 がつ 7日 にち 閲覧 えつらん 。
^ “ハードディスクとRAIDの基礎 きそ を学 まな ぼう ”. 2018年 ねん 1月 がつ 7日 にち 閲覧 えつらん 。
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