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選択的セロトニン再取り込み阻害薬 - Wikipedia

選択せんたくてきセロトニンさい阻害そがいやく

こううつやくひと
SSRIから転送てんそう

選択せんたくてきセロトニンさい阻害そがいやく(せんたくてきセロトニンさいとりこみそがいやく、英語えいご: Selective Serotonin Reuptake Inhibitors, SSRI)とは、こううつやく一種いっしゅシナプスにおけるセロトニンさい吸収きゅうしゅう作用さようすることでうつ症状しょうじょう病気びょうきとしての不安ふあん改善かいぜん目指めざくすり。2009ねん5がつ現在げんざい日本にっぽん国内こくないで100まんにん以上いじょう使用しようしていると推定すいていされている[1]

1)シナプスしき
2)SSRIの作用さようしき

旧来きゅうらいさんたまきけいこううつやく副作用ふくさようがあり、医者いしゃまたは患者かんじゃによっては敬遠けいえんされていたことから、副作用ふくさようすくなく・より選択せんたくてき作用さようすることを目的もくてきとして開発かいはつされた。きも毒性どくせいしん血管けっかん副作用ふくさようや、鎮静ちんせい作用さよう口渇こうかつ便秘べんぴなど、こうコリン作用さよう原因げんいんおもわれる副作用ふくさよう減少げんしょうしたが、セロトニン症候群しょうこうぐん賦活ふかつ症候群しょうこうぐんSSRI離脱りだつ症候群しょうこうぐん中断ちゅうだん症候群しょうこうぐん)など、従来じゅうらいこううつざいではあまり報告ほうこくのなかった副作用ふくさよう発生はっせいしている。

選択せんたくてき」とは、神経しんけい伝達でんたつ物質ぶっしつくらべ、セロトニンのさい阻害そがい作用さようのみで、アセチルコリン受容じゅようたいなどは阻害そがいしないこと、ノルアドレナリンたいセロトニン、およドーパミンたいセロトニンおおきいことを意味いみする[2]

作用さようじょ

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シナプスまえニューロンから放出ほうしゅつされた神経しんけい伝達でんたつ物質ぶっしつセロトニンはシナプスニューロンにあるセロトニン受容じゅようたい作用さようする。シナプス間隙かんげきまったセロトニンは、セロトニントランスポーターによりさいみ(吸収きゅうしゅう)され、さい利用りようされる。うつ状態じょうたいにあるひとはシナプスにおけるセロトニンの濃度のうど低下ていかし、セロトニン受容じゅようたいにセロトニンが作用さようしにくい状態じょうたいとなっているという仮説かせつモノアミン仮説かせつ)がある(1参照さんしょう)。SSRIはセロトニンを放出ほうしゅつするシナプスのセロトニントランスポーターに選択せんたくてき作用さようし、セロトニンさいみを阻害そがいする(2)。このことによって結果けっかてきにセロトニン濃度のうどがある程度ていどたか維持いじされる。

こううつやく販売はんばいしゃ自社じしゃ製品せいひん宣伝せんでんするために、セロトニンの欠乏けつぼうによってうつびょうこされており、選択せんたくてきセロトニンさい阻害そがいざい(SSRI)が、この欠乏けつぼう正常せいじょうするとして宣伝せんでんしているが、これは監督かんとくちょうによる製品せいひん情報じょうほう査読さどく論文ろんぶんによって裏付うらづけられていない比喩ひゆてき説明せつめいである[3]

現在げんざい(2012ねん)、日本にっぽん発売はつばいされているSSRIはフルボキサミンパロキセチンセルトラリンエスシタロプラムの4種類しゅるいである。なおベンゾジアゼピンけいこう不安ふあんやくなどとちがいそれぞれ化学かがく構造こうぞうおおきくことなる。化学かがく構造こうぞう以外いがいにも、セロトニンさい阻害そがい作用さよう選択せんたくせい各種かくしゅ受容じゅようたい親和しんわせいのプロフィール、薬物やくぶつ代謝たいしゃ血液けつえきちゅう蛋白たんぱく結合けつごう副作用ふくさようプロフィールなどもことなっており、臨床りんしょうじょう使用しようほうことなるとされる[4]

医療いりょう用途ようと

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うつびょう

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2つの臨床りんしょう試験しけんのメタ分析ぶんせきによって、うつびょう症例しょうれいだい部分ぶぶんめる軽症けいしょうから中等ちゅうとうのうつびょうたいするSSRIの効果こうかは、偽薬ぎやく比較ひかくしてわずかかあるいはまったくない一方いっぽうで、重度じゅうどのうつびょうでのSSRIの効果こうか臨床りんしょうてき有意ゆういだということが見出みいだされた[5][6]だい世代せだいこううつやくは、有効ゆうこう/無効むこうひとしいようにえる[7]

2008ねん認可にんかされている4つのあたらしいこううつやくの、アメリカ食品しょくひん医薬品いやくひんきょく(FDA)に提出ていしゅつされた35の臨床りんしょう試験しけん結合けつごうしたメタ分析ぶんせきひろ報道ほうどうされた(SSRIのパロキセチンとフルオキセチン日本にっぽんでは認可にんか)、SSRIこううつやくネファゾドン英語えいごばん日本にっぽんでは認可にんか)、またSNRIのベンラファキシンふくむ)。具体ぐたいてきには、軽症けいしょうのうつびょうたいして効果こうかりょう英語えいご: effect size非常ひじょうちいさく、しかし重症じゅうしょうともなって増加ぞうかし、非常ひじょう重度じゅうどのうつびょうたいしては「臨床りんしょうてき有意ゆうい」にたっした。重症じゅうしょう効果こうかあいだ関係かんけいは、医薬品いやくひん効果こうか増加ぞうかよりも、重度じゅうどのうつの患者かんじゃでの偽薬ぎやく効果こうかによる緩和かんわ起因きいんしたとかんがえられる[6][8][9][10][11][12]。この研究けんきゅうにおける統計とうけいじょう基盤きばん疑問ぎもんする研究けんきゅうしゃもいたが、ぜん結果けっか結合けつごうしてデータをさい分析ぶんせきしても、NICEの「臨床りんしょうてき有意ゆうい」な閾値を下回したまわることが見出みいだされた(ただし、パロキセチンとベンラファキシン(日本にっぽんでは開発かいはつ中止ちゅうし)はこの閾値を上回うわまわった)[13][14]

2010ねんのレビューも、軽症けいしょうから中等ちゅうとうのうつびょうではSSRIの効果こうかは、偽薬ぎやく比較ひかくして非常ひじょうちいさいかまったくない一方いっぽうで、非常ひじょう重度じゅうどのうつびょうにおいては臨床りんしょうてき有意ゆういであるとする結論けつろんいたった[5][15]

こうした研究けんきゅう結果けっかけて、日本にっぽんうつびょう学会がっかいによる2012ねん診療しんりょうガイドラインでは、軽症けいしょうのうつびょうたいしては、かならずしもこううつやくだいいち選択せんたくではないとされている[16]

問題もんだいてん

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副作用ふくさようやリスク

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2004ねんカーディフ大学だいがくデイヴィッド・ヒーリーによれば、「選択せんたくてき」は薬理やくり学者がくしゃ臨床りんしょうにとって意味いみことなり、薬理やくり学者がくしゃにとってはノルアドレナリンけい以外いがいすべてののうシステムに作用さようるもので、臨床りんしょうのういち箇所かしょにだけ作用さようするとかんがえているとしたら勘違かんちがいであるとべている[17]

SSRIの有効ゆうこうせいについてはほぼ評価ひょうか確立かくりつしていたが、2000年代ねんだい後半こうはんには「プラセボよりは有効ゆうこうだが、従来じゅうらいかんがえられていたほどの効果こうかではない」としてさい検討けんとうおこなわれてきた[18]。SSRIの多用たようでうつ症状しょうじょう改善かいぜんするりつが3わりほどある一方いっぽう悪化あっかするれいが3わりというように、SSRIの反応はんのうせいには個人こじんがあることが指摘してきされている[19]不安ふあん恐怖きょうふかんたかめる受容じゅようたいはたらきをおさえ、よくうつしょうじょう改善かいぜんさせるSSRIだが、ひとによっては衝動しょうどうせいおさえる受容じゅようたいはたらきもにぶくなるといわれている。恐怖きょうふかんがなくなり、さらに衝動しょうどうせいたかまることにより、攻撃こうげきてき行動こうどうられるのではとかんがえられている[20]

SSRIは新薬しんやくである、神経症しんけいしょうからうつびょうまで幅広はばひろ作用さようする、さんたまきけいよんたまきけいなど従来じゅうらいこううつやくくら副作用ふくさようすくないなどの背景はいけいから、だいいち選択せんたくやくとしてえら医療いりょう機関きかんおおく、多用たようされる傾向けいこうにあるが、個人こじんによってはつよ副作用ふくさようることもある。とくに、はじめにより服用ふくようぎゃく効果こうかになることもありる。服用ふくようにおいては、はじめ・げんやくぜっやく依存いぞんふくめ、リスクと効果こうか見極みきわめつつ、個々ここ体質たいしつふく慎重しんちょうになされなければならない[21]

副作用ふくさようとして、食欲しょくよく不振ふしん増加ぞうか体重たいじゅう増加ぞうかまたは減少げんしょう性欲せいよく異常いじょうなどが比較的ひかくてきおおくみられる。とくにセロトニンのさい吸収きゅうしゅう阻害そがい作用さようつよくなるにしたがってせい機能きのう副作用ふくさよう増加ぞうかする。こううつやくなかではSSRIは取扱とりあつかいらくであるが、双極そうきょくせい障害しょうがいそううつびょうでは、躁転のリスクがあり、単独たんどくでの使用しよう推奨すいしょうされていない[22]

きゅう服薬ふくやくめると、めまい、頭痛ずつう幻聴げんちょうなど気分きぶん体調たいちょうわるくなることがあるので、じゅうあつし副作用ふくさようきた場合ばあい躁転した場合ばあいのぞいて、勝手かって服用ふくようをやめてはいけない。(これらの症状しょうじょう一過いっかせいであり、依存いぞん中毒ちゅうどくではない)このことは、どうざい添付てんぷ文書ぶんしょにも明記めいきされており、投薬とうやくりょう増減ぞうげんには慎重しんちょう判断はんだん必要ひつようである。

賦活ふかつ症候群しょうこうぐん(アクチベーションシンドローム)という中枢ちゅうすう神経しんけい刺激しげき症状しょうじょうていすることがあり、注意ちゅうい必要ひつようである。症状しょうじょうとしては、不安ふあん焦燥しょうそうかん衝動しょうどうせい不眠ふみん自殺じさつ企図きとなどがある。これらの症状しょうじょうにも個人こじんがあり、かならずしもSSRIのみのこううつやくあらわれるものではない[19]

18さい以下いか若年じゃくねんしゃ投与とうよする場合ばあいには、自殺じさつ念慮ねんりょ自殺じさつ企図きと凶暴きょうぼう増加ぞうか報告ほうこくされている。このがい作用さようはSSRIの適応てきおうであるうつびょう不安ふあん障害しょうがいなどの病態びょうたい進展しんてんとの区別くべつむずかしいことから、その認識にんしきおくれたが、プラセボ(偽薬ぎやく)を対照たいしょうとしてもちいるランダム比較ひかく臨床りんしょう試験しけん成績せいせきからその存在そんざい明確めいかくになった[23]

2009ねん偽薬ぎやく効果こうか研究けんきゅうするハル大学だいがくアービング・カーシュ博士はかせは、アメリカ食品しょくひん医薬品いやくひんきょく(FDA)は、2006ねん最新さいしんのデータ解析かいせきで「プラシーボくらべて、SSRIは24さいまでのうつびょう患者かんじゃ自殺じさつ志向しこう自殺じさつ行動こうどうのリスクを2ばいたかめる」と結論けつろんくだしたとべている。24さい以上いじょうおなじだとおもわれるが、このデータ解析かいせきからはまだ結論けつろんていない[24]。しかし、米国べいこくではFDAの警告けいこく以降いこう若年じゃくねんしゃ自殺じさつ死者ししゃすう増加ぞうかしている。FDA警告けいこく結果けっか若年じゃくねんしゃこううつやく治療ちりょうすくなくなり、結果けっかとして自殺じさつしゃえたとすればかえって問題もんだいである[25]

また、近年きんねんではSSRIの長期ちょうき服用ふくよう前頭葉ぜんとうよう類似るいじ症候群しょうこうぐん(frontal lobe-like syndrome)がこるという研究けんきゅうがなされている。米国べいこく精神せいしん、Dr.J.ZajeckaはSSRIを長期ちょうき使用しようした場合ばあい無気力むきりょく関心かんしん疲労ひろうかん精神せいしんてきにぶかんじがのこ状態じょうたいおちいることがあるとした。 これらの症状しょうじょうは、SSRIの長期間ちょうきかん使用しようにより、前頭葉ぜんとうよう脳幹のうかんノルアドレナリンドーパミン活性かっせい低下ていかこるとかんがえられている[26]。これらの症状しょうじょうたら処方しょほう変更へんこう推奨すいしょうされる。セルトラリンは、よわドーパミンさい阻害そがい作用さようともなうため、前頭葉ぜんとうよう類似るいじ症候群しょうこうぐんこりにくいとされているが、これも個人こじんがある[19]

男女だんじょともSSRI処方しょほうりょうえると、自殺じさつりつ低下ていかする。若年じゃくねんしゃへの投与とうよ減少げんしょうにより、若年じゃくねんしゃ自殺じさつりつ増加ぞうかしている。睡眠すいみん障害しょうがいにより自殺じさつりつ上昇じょうしょうする。不安ふあん障害しょうがい併存へいそんにより自殺じさつりつ上昇じょうしょうする。アルコールや物質ぶっしつ依存いぞんにより自殺じさつりつ上昇じょうしょうする。このように渡邊わたなべ衡一ろうべている[27]

社会しゃかいとSSRI

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1999ねんきたコロンバイン高校こうこうじゅう乱射らんしゃ事件じけんでは、犯人はんにんである少年しょうねんにんのうち、一人ひとり血液けつえき検査けんさから大量たいりょうフルボキサミン服用ふくようしていたことが確定かくていしており、もう一人ひとり服用ふくようしていた可能かのうせいきわめて濃厚のうこうわれる。事件じけん被害ひがいしゃ一人ひとりは、二人ふたり凶行きょうこうはしらせた原因げんいんはSSRIにあるとして、製作せいさくもとである会社かいしゃ告訴こくそしたが、裁判さいばんによって退しりぞけられた[28]

2001ねん8がつ米国べいこくではカリフォルニア患者かんじゃ35にんが、パロキセチンじゅうあつし離脱りだつ反応はんのうで、製造元せいぞうもと英国えいこくグラクソ・スミスクラインしゃ相手あいて集団しゅうだん訴訟そしょう提訴ていそした。この離脱りだつ反応はんのう英国えいこくでも問題もんだいとなり、同社どうしゃは2003ねん6がつ添付てんぷ文書ぶんしょでの離脱りだつ反応はんのうしょうじるリスク予測よそくを、0.2%から一挙いっきょに25%に修正しゅうせいした。 FDAは、2003ねん6がつパロキセチンを18さい以下いか使用しようしないよう勧告かんこく、2004ねん10がつには、ぜんこううつざい添付てんぷ文書ぶんしょに18さい以下いかでの自殺じさつ傾向けいこうのリスクについて、もっときびしい「黒枠くろわく警告けいこく」をおこなうよう指示しじした。 日本にっぽん厚労省こうろうしょうは、欧米おうべいうごきをけて、2003ねん8がつパロキセチンを18さい以下いかだいうつびょうせい障害しょうがいには禁忌きんきとするよう添付てんぷ文書ぶんしょ改訂かいていした[23]

2012ねん7がつ2にち英国えいこくグラクソ・スミスクラインパロキセチンなどの違法いほう販売はんばい促進そくしんみとめ、30おくドルという製薬せいやく業界ぎょうかい史上しじょう最高さいこうがく支払しはらいに合意ごういしたことを、べい司法省しほうしょう発表はっぴょうした[29][30]

日本にっぽんにおいては、服用ふくよう突然とつぜん他人たにん暴力ぼうりょくるうなど攻撃こうげきせいしたり激高げっこうするなど副作用ふくさよううたがわれる症例しょうれいが、2008ねんあきまでの4ねんはん医薬品いやくひん医療いりょう機器きき総合そうごう機構きこうに42けんせられており、使用しようさい注意ちゅういうながしているが、SSRIの副作用ふくさよう海外かいがいでも報告ほうこくされており、氷山ひょうざん一角いっかくであるとされる[31]

2009ねん6月1にち放送ほうそうされた『クローズアップ現代げんだい こううつやく死角しかく転換てんかんせまられるうつびょう治療ちりょう~』[32]で、SSRIの不適切ふてきせつ投与とうよにより傷害しょうがい行為こうい強盗ごうとう)におよんだ患者かんじゃが、医療いりょう鑑定かんていで「SSRIの影響えいきょうがある」とみとめられた事例じれい報告ほうこくされた。これは薬害やくがいであるが、SSRIの知識ちしきとぼしい医師いしが、SSRI服薬ふくやくりょう急激きゅうげき増減ぞうげん危険きけんであることをらずに、患者かんじゃ体調たいちょう報告ほうこくにあわせて頻繁ひんぱん投薬とうやくりょう増減ぞうげんかえしていたこともいち要因よういんであるとされた。また、このくすりパニック障害しょうがい服用ふくようした場合ばあいはじめてからきちんとした効果こうかるまでに週間しゅうかん前後ぜんこう時間じかん必要ひつようとするので注意ちゅうい必要ひつようである。また、服用ふくようによって、ぎゃく精神せいしんのバランスをくず可能かのうせいもあるので、経過けいか観察かんさつには注意ちゅういようする。

うつびょうが20世紀せいきになって増加ぞうかしているが、SSRIの普及ふきゅういつにする。SSRIという薬価やっかたかいうつびょうくすり販売はんばいされると世界せかい各国かっこく軒並のきなみうつびょう患者かんじゃえ、その背景はいけいには製薬せいやく会社かいしゃ病気びょうき喧伝けんでんキャンペーンが影響えいきょうしている。SSRIの導入どうにゅう、6年間ねんかんでうつびょう患者かんじゃが2ばいえるという経験けいけんそくがある[33]

2013ねん日本にっぽん厚生こうせい労働省ろうどうしょうは、だいうつびょうせい障害しょうがいたいし、18さい未満みまん投与とうよしても効果こうか確認かくにんできなかったとして、添付てんぷ文書ぶんしょ改訂かいていし。医師いし慎重しんちょう投与とうよもとめるよう日本にっぽん製薬せいやく団体だんたい連合れんごうかい要請ようせいした。対象たいしょうは「レクサプロ」「ジェイゾロフト」「ルボックス」「デプロメール」、SNRIが2製品せいひんNaSSAが2製品せいひんけい8製品せいひんである[34][35]

学会がっかいうご

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日本にっぽんうつびょう学会がっかい」は、樋口ひぐち輝彦てるひこ委員いいんちょうとする「こううつやく適正てきせい使用しようかんする委員いいんかい」を発足ほっそくさせ、2009ねん4がつ17にちだい1かい委員いいんかい開催かいさいした。そのどう学会がっかいは、「こううつやく適切てきせつ使つかかたについて―うつびょう患者かんじゃさまおよびご家族かぞくへのメッセージ―」を発表はっぴょうした。これは、どう委員いいんかいでの結論けつろんまえに、現時点げんじてん患者かんじゃ患者かんじゃ両親りょうしんなどにっておいてもらいたいことをまとめたものである。

薬剤やくざいめい

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一般いっぱんめい商品しょうひんめい)」という形式けいしきで、具体ぐたいてき薬剤やくざい列挙れっきょする。

日本にっぽん承認しょうにん

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うつびょう場合ばあい、1にち最大さいだい処方しょほうりょうは150mgまで。ただし、効果こうか不十分ふじゅうぶん場合ばあい詳記しょうき付記ふきにより300mgまで増量ぞうりょうできる。

うつびょう場合ばあい、1にち最大さいだい処方しょほうりょうは40mg(強迫きょうはくせい障害しょうがい場合ばあいは50mg)まで。ただし、効果こうか不十分ふじゅうぶん場合ばあい詳記しょうき付記ふきにより60mg、(CRじょうは62.5mg)まで増量ぞうりょうできる。

うつびょう場合ばあい、1にち最大さいだい処方しょほうりょうは100mgまで。ただし、効果こうか不十分ふじゅうぶん場合ばあい詳記しょうき付記ふきにより200mgまで増量ぞうりょうできる。副作用ふくさようのSSRIにくらべてよわいが、かたよわいので、双極そうきょくせい障害しょうがい治療ちりょうに50mg程度ていど使つかわれることがおおい。

  • エスシタロプラムレクサプロ)2011ねん4がつ承認しょうにん。1にち最大さいだい処方しょほうりょうは20mgまで。※詳記しょうきによる容量ようりょう変更へんこうはない。

日本にっぽんでは承認しょうにん

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  • フルオキセチン(プロザック) - プロザックはアメリカでもっとひろもちいられているこううつやくである。治験ちけんがほとんどおこなわれていないため、承認しょうにん申請しんせいちゅうではあるが日本にっぽん国内こくないにおける発売はつばい未定みていである。
  • シタロプラム(セレクサ)

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ こううつやく服用ふくよう攻撃こうげきせい症状しょうじょう厚労省こうろうしょう注意ちゅうい改訂かいていへ”. YOMIURI ONLINE (読売新聞よみうりしんぶん). (2009ねん5がつ8にち). オリジナルの2009ねん5がつ11にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090511130939/http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090508-OYT1T00927.htm 2012ねん12月13にち閲覧えつらん 
  2. ^ 樋口ひぐち輝彦てるひこ小山こやまつかさ臨床りんしょう精神せいしん薬理やくりハンドブック だい2はん』〈医学書院いがくしょいん〉2009ねん11月
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参考さんこう文献ぶんけん

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  • 日本にっぽんうつびょう学会がっかい; 気分きぶん障害しょうがいのガイドライン作成さくせい委員いいんかい日本にっぽんうつびょう学会がっかい治療ちりょうガイドライン II.だいうつびょうせい障害しょうがい2012 Ver.1』(pdf)(レポート)(2012 Ver.1)日本にっぽんうつびょう学会がっかい気分きぶん障害しょうがいのガイドライン作成さくせい委員いいんかい、2012ねん7がつ26にちhttp://www.secretariat.ne.jp/jsmd/mood_disorder/img/120726.pdf2013ねん1がつ1にち閲覧えつらん 
  • NHKスペシャル うつびょう治療ちりょう 常識じょうしきわる(NHK取材しゅざいはんISBN 4796671730
  • David Healy (June, 2004), Let Them Eat Prozac: The Unhealthy Relationship Between the Pharmaceutical Industry and Depression, New York University Press, ISBN 978-0814736692 .(翻訳ほんやくしょデイヴィッド・ヒーリー『こううつやく功罪こうざい SSRI論争ろんそう訴訟そしょう田島たじまおさむ監修かんしゅう谷垣たにがき暁美あけみやく、みすず書房しょぼう、2005ねん8がつ3にちISBN 978-4622071495 
  • Irving Kirsch (October 19, 2009), The Emperor's New Drugs: Exploding the Antidepressant Myth, The Bodley Head, ISBN 978-1847920836 .(翻訳ほんやくしょアービング・カーシュこううつやく本当ほんとうくのか』石黒いしぐろ千秋ちあきやく、エクスナレッジ、2010ねん1がつ25にちISBN 978-4767809540 

関連かんれん項目こうもく

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