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TX-0 - Wikipedia

TX-0(Transistorized EXperimental computer zero)は、初期しょき完全かんぜんトランジスタしきコンピュータのひとつ。当時とうじとしてはだい規模きぼな64K×18ビットワードの磁気じきコアメモリそなえていた。1956ねん稼動かどう開始かいしし、1960年代ねんだいまで使つかわれた。tixoともばれる。

MITリンカーン研究所けんきゅうじょしゅとして、トランジスタ設計せっけいだい規模きぼ磁気じきコアメモリシステムの実験じっけんのために設計せっけいされたもので、TX-0の基本きほん設計せっけいはリンカーン研究所けんきゅうじょ以前いぜん設計せっけいした有名ゆうめいWhirlwindをトランジスタしたものである。Whirlwindがおおきな建物たてもののフロア全体ぜんたいめるようなおおきさであったのにたいして、TX-0はそれなりの部屋へやおさまり、しかも高速こうそくだった。Whirlwindと同様どうようTX-0にもディスプレイシステムが装備そうびされていた。12インチのオシロスコープ装備そうびしていて、7インチ×7インチの範囲はんいに512×512ピクセルの表示ひょうじができた。

TX-0は実用じつよう目的もくてきとしていたわけではない。メモリは64Kワードあったが、それを使つかいこなすには16ビットのアドレス空間くうかん必要ひつようである。しかし、コスト削減さくげんのため、命令めいれいちょうは18ビットにめられていた。これでは、命令めいれいコードに2ビットしか使つかえず、命令めいれいは4種類しゅるいしかないことになる。TX-0には基本きほん命令めいれいとしてストアと加算かさん分岐ぶんきしかなかった。しかし、4番目ばんめ命令めいれい "operate" は命令めいれいつづきを命令めいれいコードとして解釈かいしゃくするもので、これによって便利べんり命令めいれいをいくつも使つかうことができた。加算かさんには10μみゅーびょうかかった。

TX-0の成功せいこうにより、よりだい規模きぼ複雑ふくざつTX-1ただちに計画けいかくされた。しかし、その複雑ふくざつさゆえ計画けいかくはすぐに頓挫とんざし、規模きぼ縮小しゅくしょうしてさい設計せっけいされ、1958ねんTX-2完成かんせいした。磁気じきコアメモリは当時とうじ非常ひじょう高価こうかだったので、TX-0のメモリの一部いちぶはTX-2に転用てんようされた。研究けんきゅう対象たいしょうとしての TX-0 が不要ふようになると、1958ねん7がつにMIT電子でんし工学こうがく研究所けんきゅうじょ(RLE)にほぼ期限きげんされ、のちMIT人工じんこう知能ちのう研究所けんきゅうじょがれた。

リンカーン研究所けんきゅうじょからわたされたときにはわずか4Kワードのコアメモリしかなかったが、命令めいれい形式けいしき上述じょうじゅつとおり64Kワードにアクセス可能かのうであった。そこでやく1ねんはんには命令めいれいコードを4ビットにやし、インデックスレジスタも追加ついかされた。これによってプログラミングが格段かくだんらくになり、のちにはメモリを8Kまで拡張かくちょうした。このあらたにまれわったTX-0は音声おんせい認識にんしき手書てが文字もじ認識にんしきなどの様々さまざま情報じょうほう工学こうがく関連かんれん研究けんきゅう開発かいはつ使つかわれた。テキストエディタデバッガなどのツールるい開発かいはつされた。

 
TX-2の回路かいろモジュール

TX-2はTX-0の後継こうけいとして1958ねん完成かんせいし、人工じんこう知能ちのうヒューマンマシンインターフェース研究けんきゅう使つかわれた。トランジスタベースで64K×36ビットワードの磁気じきコアメモリ搭載とうさいアイバン・サザランドスケッチパッドプログラムはTX-2じょう動作どうさした。

そのTX-2プロジェクトも障害しょうがい直面ちょくめんし、チームメンバーの何人なんにんかはプロジェクトをはな会社かいしゃ設立せつりつすることになった。TX-2の設計せっけい基本きほんとなっているモジュールを「研究けんきゅうモジュール」として一時期いちじき販売はんばいしたのちディジタル・イクイップメント・コーポレーション(DEC)はTX-0を簡素かんそした製品せいひん開発かいはつし、1961ねんPDP-1として発売はつばいした。最初さいしょのPDP-1はTX-0のとなり部屋へや設置せっちされ、一時期いちじきならんで動作どうさしていた。

外部がいぶリンク

編集へんしゅう
  • Tixo.Org
  • McKenzie, John A (1999). TX-0 computer history. Research Laboratory of Electronics, Massachusetts Institute of Technology. hdl:1721.1/4132. http://hdl.handle.net/1721.1/4132. 
  • The TX-0: Its Past and Present(2010ねん4がつ20日はつかのアーカイブ)
  • TX-0 documentation at bitsavers.org
  • TX-2 documentation at bitsavers.org