デイリー・テレグラフ

デイリー・テレグラフ（The Daily Telegraph）は、1855年ねんに創刊そうかんされたイギリスの一般いっぱん紙しサイズの新聞しんぶんであり、オンライン上じょうではザ・テレグラフ（The Telegraph)として配信はいしんされる。姉妹しまい紙しのサンデー・テレグラフ (The Sunday Telegraph) は、1961年ねんに創刊そうかん。

The Daily Telegraph

種別しゅべつ	日刊にっかん紙し
判はん型がた	Broadsheet
所有しょゆう者しゃ	Telegraph Media Group
編集へんしゅう者しゃ	Will Lewis
設立せつりつ	1855年ねん
政治せいじ的てき傾向けいこう	右派うは 保守ほしゅ主義しゅぎ
本社ほんしゃ所在地しょざいち	111 Buckingham Palace Road, London, SW1W 0DT
発行はっこう数すう	317,817 (2019年ねん12月がつ現在げんざい)
ウェブサイト	telegraph.co.uk

概要がいよう

タイムズ、ガーディアンとともに「高級こうきゅう紙し」の代表だいひょう格かくとされるが、ゴシップなど砕くだけた内容ないようの記事きじは他たと比くらべてやや多おおい。イデオロギー的てきには保守ほしゅに属ぞくし、権威けんい主義しゅぎと自由じゆう主義しゅぎに対たいしては中道ちゅうどうに分類ぶんるいされる。The Spectatorより自由じゆう主義しゅぎ的てきで、エコノミストよりは伝統でんとう主義しゅぎ的てき。保守党ほしゅとうとの関係かんけいが深ふかく、個人こじん的てき繋つながりを持もっているジャーナリストが多おおい。また、ウィリアム・ヘイグやノーマン・テビットのような保守党ほしゅとう重鎮じゅうちんがコラムニストとして参加さんかしている。保守党ほしゅとうの有力ゆうりょく政治せいじ家かであり、2019年ねん7月がつより首相しゅしょうを務つとめているボリス・ジョンソンはテレグラフの出身しゅっしんである。推理すいり小説しょうせつ作家さっかのヘンリー・クリストファー・ベイリーも同社どうしゃのリーダー・ライターだった。

同おなじく保守ほしゅ的てきな論調ろんちょうを張はるタブロイド紙しのデイリー・メールを擁護ようごしがちだと指摘してきされたことがある。よって、この新聞しんぶんはしばしばDaily Torygraph（保守党ほしゅとう日報にっぽう）やらMaily Telegraph（デイリー・メール通信つうしん）などと揶揄やゆされる。

ガーディアンは2018年ねん、デイリー・テレグラフが毎日新聞まいにちしんぶんやニューヨーク・タイムズなどとともに、中国ちゅうごく政府せいふ系けいの英字えいじ新聞しんぶんチャイナデイリーが制作せいさくした小しょう冊子さっし「チャイナウォッチ」を折込おりこめ広告こうこくとして頒布はんぷしていることを報ほうじた。ガーディアンはその折込おりこみの見出みだしを引用いんようして「古典こてん的てきなプロパガンダ手法しゅほう」と批判ひはんし、有名ゆうめい新聞しんぶんに折おり込こむことで信憑しんぴょう性せいを借かり受うけようとしている可能かのう性せいを指摘してきしている。2020年ねん、ガーディアンはチャイナウォッチおよび人民じんみん網もうからの引用いんよう記事きじがデイリー・テレグラフのウェブサイトから削除さくじょされたことを報ほうじた。

歴史れきし

デイリー・テレグラフを創刊そうかんしたスレイ大佐たいさは初代しょだいバーナム男爵だんしゃくに売却ばいきゃくするまでの短みじかい間あいだ経営けいえいしていた。バーナムの息子むすこは初代しょだいカムローズ子爵ししゃくに売却ばいきゃくした。

その後ごもコンラッド・ブラックの買収ばいしゅうまでは、スレイとバーナムの家族かぞくはこの新聞しんぶんの経営けいえいに関かかわっていた。

1908年ねん、この新聞しんぶんが掲載けいさいしたヴィルヘルム2世せいの発言はつげん記録きろくは論議ろんぎを呼よんだ（デイリー・テレグラフ事件じけん）。イギリスとドイツの関係かんけいが悪化あっかし、第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせんに繋つながる世界せかい的てき緊張きんちょう感かんを増幅ぞうふくさせた。

1937年ねん、伝統でんとう的てきに保守ほしゅ的てき立場たちばをとり引退いんたい将校しょうこうを主おもな読者どくしゃとして持もつモーニングポストを吸収きゅうしゅう合併がっぺいする。当初とうしょはカムローズ卿きょうはモーニングポストとデイリー・テレグラフの2紙し併売へいばいを目指めざして買収ばいしゅうしたが、モーニングポストの少すくない発行はっこう部数ぶすうのため2紙しは合併がっぺいする。その後ご改題かいだいしてモーニングポスト・アンド・デイリー・テレグラフになるが数すう年ねん後ご現在げんざいの題字だいじに戻もどる。

タイムズのタブロイドサイズ版ばん発行はっこうに対たいして追随ついずいするかについては様々さまざまな臆測おくそくがあるが、公式こうしきには否定ひていしている。

2016年ねんのイギリスの欧州おうしゅう連合れんごう離脱りだつ是非ぜひを問とう国民こくみん投票とうひょうでは離脱りだつ賛成さんせいの立場たちばを取とった。

2023年ねん11月、アラブ首長しゅちょう国こく連邦れんぽう（UAE）とアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく合弁ごうべんによる投資とうし会社かいしゃが買収ばいしゅうすることでデイリー・テレグラフの経営けいえい陣じんと合意ごういした。買収ばいしゅう額がくは6億おくポンド（約やく1130億おく円えん）としている。しかし、この投資とうし会社かいしゃはUAEの副ふく大統領だいとうりょう兼けん副ふく首相しゅしょうでイギリス（プレミアリーグ）のサッカーチーム「マンチェスター・シティー」オーナーでもあるマンスールが株式かぶしきの大半たいはんを保有ほゆうしており、イギリス議会ぎかいでは与野党よやとうから「報道ほうどうの自由じゆうを売うりに出だしてはいけない」などと反対はんたいの声こえが上あがっている。

外部がいぶリンク

• 公式こうしきウェブサイト（英語えいご）