カム (機械要素)

カム

カム（cam）は運動うんどうの方向ほうこうを変かえる機械きかい要素ようそである。

機械きかい装置そうちでは、動うごきを伝つたえる元もとになる側がわを原はら節たかし、動うごきを伝つたえられて仕事しごとをする側がわを従したがえ節ぶしと呼よび、カムは原はら節たかしにあたる。カムには直線ちょくせん的てきに往復おうふく運動うんどうするものと回転かいてん運動うんどうするものがあるが、どちらも、原はら節たかしの形状けいじょうと速度そくどによって従したがえ節ぶし末まつ端はしが動うごく時間じかんと距離きょりが決きまる。この時ときの従したがえ節ぶしの動作どうさを図形ずけい化かしたものをカム曲線きょくせんと呼よぶ。カム曲線きょくせんはカムプロフィール（カム自体じたいの形状けいじょうや輪郭りんかく）を示しめすものではない。

回転かいてんするカムは軸じくに取とり付つけられ、軸じくの回転かいてん角度かくどに対応たいおうした曲面きょくめんが形成けいせいされている。一般いっぱんには、卵たまご形がたに代表だいひょうされる円えん板ばんカムと呼よばれる、中心ちゅうしんから円周えんしゅうまでの距離きょりが一定いっていでない板いたを回転かいてんする軸じくに取とり付つけ、この板いたに接せっする物もの（板いたや棒ぼう）に周期しゅうき的てきな運動うんどうを与あたえる。

典型てんけい的てきかつ、代表だいひょう的てきな例れいは、エンジンの吸排気はいきバルブの開閉かいへいを行おこなうカムで、エンジンの出力しゅつりょく軸じく（クランクシャフト）から得えた回転かいてん運動うんどうをバルブ開閉かいへいの往復おうふく運動うんどうに変換へんかんしている。カムに追従ついしょうさせる部品ぶひんが、カムフォロアである。 エンジンのカムシャフトのように、カムとタペット（バルブリフター）の接触せっしょく面めんで金属きんぞく同士どうしが高速こうそくで擦すれ合あうような場合ばあいはエンジンオイルで十分じゅうぶんに潤滑じゅんかつされ、さらに、カムの表面ひょうめんが摩耗まもうしにくいようチル処理しょりや硬かたい金属きんぞくによるコーティングなどが施ほどこしてある。

種類しゅるい

カムの形状けいじょうは大別たいべつすると平面へいめんカムと立体りったいカムに分わけられ、下記かきの種類しゅるいがある。

• 平面へいめんカム
  • 板いたカム（周縁しゅうえんカム）
  • 正面しょうめんカム（溝みぞカム）

• 立体りったいカム
  • 円筒えんとうカム
  • 斜はす板ばんカム
  • 端はし面めんカム
  • 球面きゅうめんカム

なお、ばね、重力じゅうりょくなどによらず、カムの輪郭りんかくに追従ついしょうして動作どうさするものを確かく動どうカムという。

関連かんれん項目こうもく

• カムシャフト
• ロッカーアーム
• カムフォロア