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成良なりなが仁ひとし

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成良なりなが 仁ひとし（なりよし ひとし[1]、1942年ねん（昭和しょうわ17年ねん[2][3]）5月7日にち[4][5] - 2012年ねん（平成へいせい24年ねん）2月がつ4日にち[6][7]）は、栃木とちぎ県けん益子ましこ町まちの益子ましこ焼しょうの陶芸とうげい家かである。

また南田みなみだ 是也これや（なんだ これや）を名乗なのり、豊満ほうまんな女性じょせいを象かたどったテラコッタ像ぞうを製作せいさくした造形ぞうけい作家さっかでもあった[2][6][7] [8]。

生涯しょうがい

生おい立たち

1942年ねん（昭和しょうわ17年ねん）5月7日にち、後のちに栃木とちぎ副ふく知事ちじを務つとめる成良なりなが一郎いちろうの次男じなんとして岐阜ぎふ県けん岐阜ぎふ市しに生うまれた[2][9]。

幼おさない頃ころから父親ちちおやの仕事しごとの関係かんけいで大分おおいた、名古屋なごや、宇都宮うつのみやへと転々てんてんとした[10][1]。そのいずれも陶器とうきの産地さんちの近ちかくだったことから、近所きんじょの製せい陶すえ所しょの捨すて場じょうを見みて陶すえ片へんの美うつくしさに感動かんどうを覚おぼえるなど、「焼やき物もの」は幼おさない頃ころから身近みぢかな物ものであった[10][1]。

陶芸とうげい家か「成良なりなが仁ひとし」

1961年ねん（昭和しょうわ36年ねん）、栃木とちぎ県立けんりつ宇都宮うつのみや高等こうとう学校がっこうを卒業そつぎょう[2]。平面へいめんよりも立体りったいに惹ひかれることが多おおかった成良なりながは、高校こうこう時代じだいは建築けんちく家かを目指めざしていたが、最終さいしゅう的てきに陶芸とうげいの道みちを選えらび[1]、 1970年ねん（昭和しょうわ45年ねん）、東京藝術大学とうきょうげいじゅつだいがく工芸こうげい科かを卒業そつぎょうした後のち[4][11]、同どう大学院だいがくいん陶芸とうげい専攻せんこうを修了しゅうりょうした[4][2][8]。

加藤かとう土師はじ萌もえ[4]と田村たむら耕一こういち（後ごの「人間にんげん国宝こくほう」）、そして藤本ふじもと能のう道どうに師事しじ[6][4][12]。益子ましこの栃木とちぎ県けん窯業ようぎょう指導しどう所しょ（現げん・栃木とちぎ県けん産業さんぎょう技術ぎじゅつ支援しえんセンター 窯業ようぎょう技術ぎじゅつ支援しえんセンター）の技師ぎしとして三さん年間ねんかん勤務きんむした後のち[4][10]、1974年ねん（昭和しょうわ49年ねん）、栃木とちぎ県けん益子ましこ町まちに築ちく窯かまし、独立どくりつした[2]。

独特どくとくの深ふかみのある青磁せいじ釉薬[13]や白しろ釉薬に、伸のびやかな鉄てつ絵えで絵付えつけされた作品さくひんで知しられた。[6][3]

2006年ねんまで日本にっぽん工芸こうげい会かい正会員せいかいいんであり、日本にっぽん陶芸とうげい展てん　日本にっぽん伝統でんとう工芸こうげい展てん、栃木とちぎ県けん芸術げいじゅつ祭さい賞しょうなどを多数たすう受賞じゅしょう[2][6][11]。その陶芸とうげい作品さくひんは大だい英えい博物館はくぶつかん[8]やブルックリン美術館びじゅつかん、セントルイス美術館びじゅつかんなどに収蔵しゅうぞうされている[6][11]。また俳優はいゆうのロバート・デ・ニーロが作品さくひんを購入こうにゅうしたと言いわれている[8]。

造形ぞうけい作家さっか「南田みなみだ是也これや」

もともと1965年ねん（昭和しょうわ40年ねん）頃ごろから陶製とうせいによる人体じんたい像ぞうの製作せいさくを行おこなっており[2]、その後ごも削そぎ落おとしによる激はげしい造形ぞうけいの独特どくとくな花器かきを制作せいさくするなど[13]、陶器とうきによる制作せいさく表現ひょうげんの限界げんかいに挑戦ちょうせんしていた[9]。

そして1990年ねん（平成へいせい2年ねん）頃ごろからテラコッタを用もちいた、豊満ほうまんで妖艶ようえん、それでいて上品じょうひんかつ自立じりつ感かんに溢あふれた女性じょせい像ぞうを積極せっきょく的てきに製作せいさくしていくようになり[2]、「南田みなみだ是也これや」と名乗なのり、器うつわの制約せいやくを越こえた造形ぞうけい作家さっかとしても活動かつどうしていくようになる[2][6][7][3]。

2005年ねん（平成へいせい17年ねん）8月がつには東京とうきょう・丸まるの内うちで「いや～ん！バッカス！」と銘打めいうった個展こてんを開ひらき[14]、2007年ねん（平成へいせい19年ねん）3月がつには、宇都宮うつのみや市しの中心ちゅうしん市街しがいの活性かっせい化かの為ために、宇都宮うつのみや中ちゅうの協力きょうりょく店舗てんぽに南田みなみだ是也これや作さくの豊満ほうまん女性じょせいテラコッタ像ぞうを置おき、地図ちずを片手かたてに観覧かんらん者しゃに回遊かいゆうしながら観覧かんらんしてもらう「南田みなみだ是也これや 街がいごとギャラリー なんだこりゃ！ DEBUT！展てん」を企画きかく展開てんかい[15][6][16]。そして2010年ねん（平成へいせい12年ねん）11月には再ふたたび宇都宮うつのみやで「南田みなみだ是也これや 街がいごとギャラリー」が開催かいさいされた[8]。

絵本えほん作家さっかであり家族かぞくぐるみでの付つき合あいの成良なりながの友人ゆうじんであったいわむらかずおは[17]「豊満ほうまん女性じょせいテラコッタ像ぞうが魅力みりょく的てきかつ品格ひんかくを保たもっているのは、成良なりなが仁ひとしの確たしかな造形ぞうけい力りょくと表現ひょうげん力りょくに裏打うらうちされたものだ」「「成良なりなが是也これや」が追おい続つづけたのは、陶芸とうげいも豊満ほうまん女性じょせい像ぞうも、内側うちがわから膨ふくらみ続つづける「いのちの形かたち」だったのではないか」と語かたっている。[7]

また常つねにいくつかの作風さくふうの作品さくひん制作せいさくを同時どうじに進すすめるため、「成良なりなが仁ひとしの陶器とうき作品さくひん」と「南田みなみだ是也これやの豊満ほうまんな女性じょせい」を共ともに展示てんじした「成良なりなが仁ひとしと南田みなみだ是也これやの二人ふたり展てん」を開ひらくなど[2][18][19][20][21]、「成良なりなが仁ひとし」無なくして「南田みなみだ是也これや」は生うまれ出でなかった、とも言いわれた[22]。

その一方いっぽうで「成良なりなが仁ひとしとしての個展こてん」はあまりやらず、2007年ねん（平成へいせい19年ねん）に益子ましこに移うつり住すんで38年ねん目めにして「自然体しぜんたいになって」益子ましこで個展こてんを開ひらいた[23]。

東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい後ご

2011年ねん（平成へいせい23年ねん）3月11日にち、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい発生はっせい時じ、益子ましこ町まちの陶器とうき販売はんばい店てんや陶器とうき製作所せいさくしょにあった大量たいりょうの陶器とうき作品さくひんや商品しょうひんが倒壊とうかいしてしまう激はげしい被害ひがいに遭あった。そしてそれは成良なりながの作品さくひんや「南田みなみだの作品さくひん」もそうであった。意気いき消沈しょうちんの中なか、壊こわれてしまったテラコッタの美女びじょたちの破片はへんを拾ひろい集あつめたという[24]

しかしそれでも、成良なりながも南田みなみだも再ふたたび立たち上あがり、陶すえ作さく活動かつどうと創作そうさく活動かつどうを再開さいかいし、展覧てんらん会かいも開催かいさいされた[25][26]。

しかしその後ご、2012年ねん（平成へいせい24年ねん）2月がつ4日にち、病やまいのために逝去せいきょした。享年きょうねん６９[6]。

その後ご、「ワグナー・ナンドールアートギャラリー」や[27]成良なりなが仁ひとしの自宅じたくで[28][29]、追悼ついとう展てんや遺作いさく展てん[30]が催もよおされた。

そして現在げんざい、テラコッタ製せいの「豊満ほうまんな美女びじょたち」は「ワグナー・ナンドール　アートギャラリー」に常設じょうせつ展示てんじされている[31]。

家族かぞく

父親ちちおやは戦前せんぜんの地方ちほう事務じむ官かん・戦後せんごの内務省ないむしょう官僚かんりょうであり、沖縄おきなわ県けんや岐阜ぎふ県けんなどに勤務きんむした後のち、栃木とちぎ県けんの初代しょだい教育きょういく長ちょうや副ふく知事ちじを務つとめた成良なりなが一郎いちろう[10]。
兄あにはタペストリー作家さっかであった成良なりなが功いさお[32][33]。

妻つまは「東京芸術大学とうきょうげいじゅつだいがくからの親友しんゆう」とも語かたった同おなじく陶芸とうげい家かの成良なりなが由記子ゆきこ[10][30][34]。
娘むすめに益子ましこ焼しょうの窯元かまもと「よしざわ窯かま」デザイン担当たんとうの１人にんであり[35]、造形ぞうけい作家さっかやイラストレーターとしても活動かつどうする[36][37][38][17]成良なりなが恵めぐみ奈（ナリヨシ　アヤナ）がいる。

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

出典しゅってん

  1. ^ a b c d 下野新聞社しもつけしんぶんしゃ 1999, p. 140.
  2. ^ a b c d e f g h i j k 益子ましこの情報じょうほうtoh+　2023年ねん2月がつ17日にち閲覧えつらん。
  3. ^ a b c 下野新聞社しもつけしんぶんしゃ 1999, p. 141.
  4. ^ a b c d e f 光ひかり芸げい出版しゅっぱん,現代げんだい陶芸とうげい作家さっか事典じてん 1980, p. 332.
  5. ^ 室伏むろふし哲郎てつろう 1991, p. 710.
  6. ^ a b c d e f g h i 下野げや新聞しんぶん　2012年ねん（平成へいせい24年ねん）2月がつ5日にち付づけ　２面めん「益子ましこの陶芸とうげい家か　成良なりなが仁ひとしさん死去しきょ」
  7. ^ a b c d 下野げや新聞しんぶん　2012年ねん（平成へいせい24年ねん）2月がつ16日にち付づけ　18面めん「陶芸とうげい家か　成良なりなが仁ひとしさんを悼いたむ　いわむらかずお　“ふたりの作家さっか”との別わかれ」
  8. ^ a b c d e 「読売新聞よみうりしんぶん」2010年ねん（平成へいせい22年ねん）10月がつ27日にち付づけ 32面めん「街まちごと使つかった造形ぞうけい作品さくひん展てん」「来月らいげつ宇都宮うつのみやで」「益子ましこの作家さっか・南田みなみださん＝栃木とちぎ」
  9. ^ a b 下野新聞社しもつけしんぶんしゃ 1999, p. 140-141.
  10. ^ a b c d e 下野新聞社しもつけしんぶんしゃ 1984, p. 29.
  11. ^ a b c 下野新聞社しもつけしんぶんしゃ 1999, p. 223.
  12. ^ 室伏むろふし哲郎てつろう.
  13. ^ a b 青木あおき宏ひろし,乾いぬい剛つよし,淡あわ交社 2003, p. 45.
  14. ^ 「下野げや新聞しんぶん」2005年ねん（平成へいせい17年ねん）8月がつ28日にち付づけ 18面めん「ユーモアの奥おくに哀愁あいしゅう」「益子ましこの南田みなみださん 東京とうきょうでテラコッタ展てん」
  15. ^ 「下野げや新聞しんぶん」2007年ねん（平成へいせい19年ねん）3月がつ11日にち付づけ 23面めん「益子ましこの造形ぞうけい作家さっか・南田みなみださん」「豊満ほうまん女性じょせい像ぞうで県けん都とを活性かっせい化か」
  16. ^ “成良なりなが仁ひとし＝南田みなみだ是也これや”. 野沢のざわ正ただし光こう建築けんちく工房こうぼう (2007年ねん3月がつ15日にち). 2023年ねん3月がつ27日にち閲覧えつらん。
  17. ^ a b “益子ましこで「14ひきシリーズ」40周年しゅうねん企画きかく展てん　地元じもと作家さっかも祝福しゅくふくの出展しゅってん”. 下野げや新聞しんぶん「SOON」 (2023年ねん8月がつ6日にち). 2023年ねん8月がつ6日にち閲覧えつらん。
  18. ^ "魅惑みわくのナンダコリャ！展てん 2001". 2022年ねん11月1日にち閲覧えつらん。
  19. ^ 下野げや新聞しんぶん 2008年ねん（平成へいせい20年ねん）11月16日にち付づけ 22面めん「青磁せいじと豊満ほうまん女性じょせい像ぞう」「成良なりながさんが〝二に人にん〟展てん さくら」
  20. ^ "成良なりなが仁ひとし　南田みなみだ是也これや　独ひとりde2人ふたり展てん". 2022年ねん11月1日にち閲覧えつらん。
  21. ^ 下野げや新聞しんぶん 2009年ねん（平成へいせい21年ねん）3月がつ29日にち付づけ 13面めん「成良なりながさんが〝２人にん展てん〟」「青あお瓷とテラコッタ」「Mashikoね来月らいげつ12日にちまで」
  22. ^ “No.62　陶芸とうげい家か 成良なりなが仁ひとしの来きた道みち、造形ぞうけい作家さっか 南田みなみだ是也これやの行いく道みち”. fooga フーガバックナンバー. 2023年ねん3月がつ30日にち閲覧えつらん。
  23. ^ 「下野げや新聞しんぶん」2007年ねん（平成へいせい19年ねん）9月がつ16日にち付づけ 25面めん「造形ぞうけいの美うつくしさと独特どくとくの「味付あじつけ」」「益子ましこの成良なりながさん作さく陶すえ展てん」
  24. ^ wn1115のツイート（1281855284705554432）
  25. ^ “久ひさし振ぶりの豊満ほうまんな美女びじょ❤”. 合唱がっしょう大好だいすき♪くまさんブログ (2011年ねん5月がつ15日にち). 2023年ねん3月がつ30日にち閲覧えつらん。
  26. ^ “南田みなみだ是也これやテコラッタ”. 隆たかしさまのブログ (2011年ねん9月がつ5日にち). 2023年ねん3月がつ30日にち閲覧えつらん。
  27. ^ “ちょっと寄より道みち編へん/続ぞく・ワグナー・ナンドールアートギャラリー/成良なりなが仁ひとし（南田みなみだ是也これや）展てん”. おいちゃんの木彫きぼりっこギャラリー (2012年ねん11月8日にち). 2023年ねん3月がつ30日にち閲覧えつらん。
  28. ^ “成良なりなが仁ひとし/南田みなみだ是也これやの遺作いさく展てん　Memorial exhibition of Mr.H.Nariyoshi/Nanda Koreya”. My Diary (2013年ねん3月がつ23日にち). 2023年ねん3月がつ30日にち閲覧えつらん。
  29. ^ “成良なりなが仁ひとし＝南田みなみだ是也これや　追悼ついとう展てん”. ま　 そ　 ほ (2013年ねん4月がつ3日にち). 2023年ねん3月がつ30日にち閲覧えつらん。
  30. ^ a b 「下野げや新聞しんぶん」2012年ねん（平成へいせい24年ねん）6月がつ3日にち付づけ 15面めん 「多彩たさいな作風さくふう語かたる 個性こせい豊ゆたかな100点てん」「８日にちから 宇都宮うつのみやで成良なりながさん遺作いさく展てん」
  31. ^ “南田みなみだ是也これや　南田みなみだ是也これやの世界せかい. PreviousNext”. ワグナー・ナンドール記念きねん財団ざいだん (2011年ねん9月がつ5日にち). 2023年ねん3月がつ30日にち閲覧えつらん。
  32. ^ 美びを創つくる,下野新聞社しもつけしんぶんしゃ 1988, p. 198.
  33. ^ 「下野げや新聞しんぶん」1997年ねん（平成へいせい9年ねん）11月11日にち付づけ 3面めん「本県ほんけん出身しゅっしんタペストリー作家さっか」「成良なりなが功いさおさん死去しきょ 57歳さい」
  34. ^ なりよし　ゆきこ (@ynariyoshi) - Instagram
  35. ^ “パターン模様もようの器うつわ”. 益子ましこ焼しょうの小ちいさな窯元かまもと「よしざわ窯かま」- 生活せいかつ陶器とうき「onthetable」. 2023年ねん3月がつ30日にち閲覧えつらん。
  36. ^ “陶芸とうげいだけじゃない益子ましこ　創作そうさくさまざま作家さっかもいろいろ”. ASPO特集とくしゅう｜下野げや新聞しんぶん SOON (2021年ねん6月がつ16日にち). 2023年ねん3月がつ30日にち閲覧えつらん。
  37. ^ 羊毛ようもうフェルト・ナリヨシアヤナ (@ayanariyoshi) - Instagram
  38. ^ ayana_rakugaki (@ayana_rakugaki) - Instagram

参考さんこう資料しりょう

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