ハスラー (男性だんせい誌し)

ハスラー
Hustler
52丁目ちょうめ (ニューヨーク)西にしの ラリー・フリント・ハスラー・クラブ
ジャンル	男性だんせい向むけポルノ雑誌ざっし
刊行かんこう頻度ひんど	月刊げっかん（年とし13回かい刊かん）
発売はつばい国こく	アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
言語げんご	英語えいご
出版しゅっぱん社しゃ	Larry Flynt Publications
編集へんしゅう長ちょう	ラリー・フリント
ISSN	0149-4635
刊行かんこう期間きかん	1974年ねん7月がつ -
ウェブサイト	hustlermagazine.com

『ハスラー』 (Hustler) は、男性だんせいをターゲットとするアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの月刊げっかんポルノ雑誌ざっし。ラリー・フリントによって1974年ねん7月がつに創刊そうかんされた。これは彼かれの経営けいえいするストリップクラブの安価あんかな宣伝せんでん媒体ばいたいであった「ハスラー・ニュースレター」と「ハスラー・フォー・トゥデイズ・マン」を発展はってんさせたものである。雑誌ざっしは不安定ふあんていなスタートからピーク時じにはおよそ300万まん部ぶにまで部数ぶすうを伸のばした。（現在げんざいの部数ぶすうは50万まん部ぶ以下いかである。）

概要がいよう

『ハスラー』は、当時とうじのアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの他ほかの人気にんき雑誌ざっし（例たとえば比較的ひかくてき大人おとなしくソフトコアな『PLAYBOY』誌し等とう）に比くらべ、非常ひじょうに露骨ろこつに女性じょせい器きを掲載けいさいすることにより、1970年代ねんだい前半ぜんはんにあったタブーを打うち破やぶった最初さいしょのメジャーな男性だんせい誌しの一ひとつだった。現在げんざいでも『ハスラー』は『PLAYBOY』誌しや『ペントハウス』誌しのような有名ゆうめいなライバル誌しより性的せいてきに大胆だいたんであるとみられている。ハスラーは、しばしばハードコアテーマ（例たとえば大人おとなの玩具おもちゃの使用しよう、性器せいき挿入そうにゅう、オーラル・セックス、グループセックス）を扱あつかっている。

ラリー・フリントのハスラー帝国ていこくはまた、ガーデナ（カリフォルニア州しゅう）の「ハスラーカジノ」、そして、成人せいじん向むけのビデオ、衣類いるい、雑誌ざっし、大人おとなの玩具おもちゃを販売はんばいするハスラーチェーン店てん、「ハスラーハリウッド」を包含ほうがんしている。チェーンの本店ほんてんは、ウェストハリウッドのサンセット大通おおどおりに面めんしている。

詳細しょうさい

ハスラーはシンシナティで創刊そうかんされた。ハスラーは、ポルノ映画えいがも制作せいさくしているLFP、Incによって公式こうしきに発行はっこうされている。略語りゃくご「LFP」は、もともと「ラリー・フリント・パブリケーションズ」の略りゃくだった。

カナダのハスラー・バージョンは、ケベック州しゅうベースの会社かいしゃが発行はっこうしている。この雑誌ざっしはラリーフリントの所有しょゆうではないが、アメリカ版ばんの資料しりょうを発行はっこうすることを許可きょかされている。一般いっぱん的てきに、カナダのハスラーは、カナダのコンテンツを追加ついかして、アメリカの対応たいおう物ぶつの外観がいかんとトーンを模倣もほうしている。1999年ねん、この雑誌ざっしは、自由党じゆうとう内閣ないかくの左派さはメンバーであるシーラ・コップスについて性的せいてきに露骨ろこつな記事きじを投稿とうこうするよう読者どくしゃに求もとめたことで、カナダで小ちいさな論争ろんそうを巻まき起おこした。ハスラーは、オーストラリア、イギリス、南みなみアフリカ版ばんの雑誌ざっしもある。

1970年代ねんだいに、ハスラーは『Honey Hooker（ハニー・フッカー）』という連載れんさい漫画まんがを掲載けいさいした。各々おのおのの回かいでハニーは彼女かのじょが出会であったあらゆる男性だんせい（または女性じょせい）と性せい交渉こうしょうを持もつ。彼女かのじょは、ある月つきにはアメリカの植民しょくみん地ち時代じだいにいるかも知しれない、あるいは次つぎの月つきにはスーパーボウルのロッカールームにいるかも知しれない。この連載れんさいは、PLAYBOY誌しの『Little Annie Fanny（リトル・アニー・ファニー）』やペントハウス誌しの『Wicked Wanda（ウィックド・ワンダ）』と張はり合あうようになった。性せいの暗黒あんこく面めんや、即そく物的ぶってきな面めんへのハスラーの関心かんしんに沿そって、ハニー・フッカーは、（ファニーとワンダとは違ちがって）はっきりと売春ばいしゅん婦ふとして描えがかれている。

賞金しょうきん目当めあてに送おくられてくる、アマチュアの写真しゃしんを掲載けいさいする『Beaver Hunt（ビーバーハント）』という、Gallery誌しの『Girl Next Door』と似にた着想ちゃくそうのコーナーもある。

ハスラー誌しのカートゥーンは、ハードコアなテーマをしばしば取とり上あげた。『Chester the Molester（痴漢ちかんのチェスター）』は、主人公しゅじんこうが小児しょうに性愛せいあい者しゃであり、子供こどもに痴漢ちかんを働はたらく経過けいかを描写びょうしゃした。そのような題材だいざいを巡めぐり、批評ひひょう家かからハスラーが非難ひなんを受うける間あいだ、フリントと彼かれの支持しじ者しゃは猥褻わいせつを手法しゅほうとして用もちいた社会しゃかい風刺ふうしだとして漫画まんがを擁護ようごした。同様どうようのハスラー擁護ようごは、より「学術がくじゅつ的てきな文筆ぶんぴつ家か達たちからも提唱ていしょう」された。特とくに顕著けんちょなのがローラ・キプニス (Laura Kipnis)の1993年ねんに出版しゅっぱんされたエッセイ、『(Male) Desire and (Female) Disgust』である。チェスター・ザ・モルスターは、チェスター・アンド・ヘルスターとして主人公しゅじんこうのガールフレンドか妻つまの中年ちゅうねん女性じょせいを登場とうじょうさせる漫画まんがに変更へんこうになった。さらにチェスター・ザ・プロテクター（保護ほご者しゃ）に変更へんこうとなり、痴漢ちかんから弱者じゃくしゃを守まもる正義せいぎの味方みかたへと変貌へんぼうした。

ハスラーのもう一ひとつの連載れんさい記事きじは、『Asshole of the Month（今月こんげつのくそったれ）』と呼よばれているコラムである。毎月まいつき何なん人にんかの著名ちょめい人じんが選えらばれ、その月つきの "Asshole" として厳きびしく批判ひはんされる。記事きじと一緒いっしょに、批判ひはんされた人物じんぶつの頭あたまの写真しゃしんが漫画まんがのロバのアヌスから出でて来きている挿絵さしえが添そえられる。コラムは、ジム・ドーソン (Jim Dawson)、リー・クォーンストローム (Lee Quarnstrom)、マイケル・ストット (Michael Stott)、ジェリー・キンデラ (Jerry Kindela)、スチュアート・ゴールドマン (Stuart Goldman) 等ひとしの様々さまざまなハスラーのスタッフライターによって、交代こうたいで書かかれた。ゴールドマンとドーソン（後のちに「ポルノ界かいで最もっとも嫌きらわれた男おとこ」として知しられた）は「編集へんしゅうへのお便たより」の全すべてを捏造ねつぞうしたとして告発こくはつされてもいる。彼かれらはこれらの手紙てがみに対たいする返事へんじも、多数たすうの偽名ぎめいを使用しようして捏造ねつぞうした。

政治せいじ的てきスタンス

ハスラーは政治せいじ、経済けいざい、外交がいこう政策せいさく、社会しゃかい問題もんだいについて、長ながく左翼さよく的てき編集へんしゅう方針ほうしんを持もっていた。この点てんは他たのポルノ雑誌ざっしといくらか相違そういしている。他たのポルノ誌しは一般いっぱんに表現ひょうげんの自由じゆうと道徳どうとく問題もんだいについての進歩しんぽ的てきな思想しそうは受うけ入いれるが、経済けいざいのような他ほかの問題もんだいに関かんしては保守ほしゅ的てきであるか、リバタリアンであるか、中立ちゅうりつのままである。フリントとハスラーは、高級こうきゅう志向しこうのPLAYBOYやペントハウスに比くらべ、大衆たいしゅう的てきで労働ろうどう者しゃ階級かいきゅう寄よりの姿勢しせいでも有名ゆうめいである。1980年代ねんだいを通とおして、フリントは彼かれの雑誌ざっしを使つかってレーガン政権せいけんと宗教しゅうきょう右派うはへ激はげしい、猥わいせつに満みちた攻撃こうげきを行おこなった。『Rebel（反逆はんぎゃく者しゃ）』という一時いちじ的てきな政治せいじ雑誌ざっしまで出版しゅっぱんした。ビル・クリントンの弾劾だんがいを巡めぐる論争ろんそうのさ中ちゅう、フリントは公然こうぜんとクリントンに対たいする同情どうじょうの意いを表あらわして、大統領だいとうりょうの批判ひはん者しゃ側がわの（性的せいてきな）不適切ふてきせつな関係かんけいに関かんしての情報じょうほう提供ていきょう者しゃには、誰だれにでも現金げんきん報酬ほうしゅうを差さし出だした。2003年ねん、フリントはカリフォルニア州しゅう知事ちじのリコール選せんで、州しゅう知事ちじへの立候補りっこうほをしたが落選らくせんした（アーノルド・シュワルツェネッガーが当選とうせん）。

ハスラーは要求ようきゅうされてもいないのに、毎月まいつき無料むりょうでアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく議会ぎかいの各々おのおのの議員ぎいんのオフィスに送おくり届とどけられている。これは1974 - 1983年ねんの間あいだの何いずれかの時点じてんから始はじまり、（2006年ねん）現在げんざいまで続つづいている。あるインタビューにおいて、フリントはこう説明せつめいした。「私わたしは、彼かれらが世界せかいの片隅かたすみで何なにが起おこっているのか、広ひろく見聞けんぶんを持もたなければならないと感かんじている。……彼かれらの内うちの何人なんにんかは、あまり理解りかいを示しめさなかった。私わたしには、やめる予定よていは全まったく無ない」

裁判さいばん

詳細しょうさいは「ハスラー・マガジン対たいファルウェル事件じけん」を参照さんしょう

1983年ねん、カンパリの広告こうこくのパロディで、ハスラーは当時とうじ著名ちょめいな原理げんり主義しゅぎ者ものでプロテスタントの牧師ぼくし、ジェリー・ファルエルが酒さけに酔よって母親ははおやと屋外おくがいトイレで近親きんしん相姦そうかんをしているところを描写びょうしゃした。ファルウェルは名誉めいよ毀損きそんと精神せいしん的てき苦痛くつうを意図いと的てきに与あたえたとしてフリントを告訴こくそした。訴訟そしょうは最高裁判所さいこうさいばんしょによって、最終さいしゅう的てきに「フリントの勝訴しょうそ」が確定かくていした。この決定けっていは公人こうじんのパロディに関かんして、表現ひょうげんの自由じゆうの権利けんりを強化きょうかさせた。

出版しゅっぱん社しゃ

ハスラーは（おそらくフリントによって支配しはいされている）LFP,Inc社しゃから公式こうしきに出版しゅっぱんされる。「L.F.P.」は「ラリー・フリント・パブリケーションズ (Larry Flynt Publications)」の省略形しょうりゃくけい。

ハスラーのカナダ版はんは、ケベック州しゅうに拠点きょてんを置おく会社かいしゃによって発行はっこうされている。この雑誌ざっしはラリー・フリント所有しょゆうではないが、アメリカ版ばんの素材そざいの発行はっこうを許可きょかされている。概がいしてカナダ版ばんハスラーはアメリカ版ばんの外観がいかんとスタイルを真似まねた上うえで、独自どくじの内容ないようを加くわえている。1999年ねんに、雑誌ざっしはシーラ・コップス（Sheila Copps - カナダ自由党じゆうとう内閣ないかくの左傾さけいの大物おおもの議員ぎいん）に関かんする性的せいてきに露骨ろこつなストーリーを巡めぐり、カナダで小ちいさな論争ろんそうを引ひき起おこした。

ハスラーのオーストラリア版ばんは、南みなみオーストラリア州しゅうに本拠ほんきょを置おく会社かいしゃによって発行はっこうされている。この雑誌ざっしはラリー・フリント所有しょゆうではないが、カナダ版ばん同様どうよう、アメリカ版ばんの外観がいかんとスタイルを真似まねた上うえで、独自どくじの内容ないようを加くわえている。

関連かんれん雑誌ざっし

LFP社しゃは、ハスラー・ブランドの他ほかの雑誌ざっしも出版しゅっぱんしている：

• 「ベアリーリーガル (Barely Legal)」18歳さいから23歳さいのモデルに焦点しょうてんをあてた主おもにソフトコアの雑誌ざっし。
• 「ハスラーズ・シック・マガジン(Hustler's Chic Magazine)」1976年ねんのハスラー人気にんきを受うけて、ハスラーより高級こうきゅうな読者どくしゃをターゲットとしてラリー・フリントが始はじめたポルノ雑誌ざっし
• 「アジアン・フィーバー (Asian Fever)」アジア人じんのモデルに特とく化かした雑誌ざっし。
• 「ハスラーXX (Hustler XX)」より包括ほうかつ的てきなハードコア雑誌ざっし。
• 「ハスラーズ・レッグ・ワールド (Hustler's Leg World)」
• 「ハスラーズ・タブー (Hustler's Taboo)」は性的せいてきフェティシズムに特とく化かした（例たとえばボンデージ（緊縛きんばく）やウロラグニア（尿にょう嗜好しこう）の描写びょうしゃ）専門せんもん誌し。

ウェブサイト

LFP Internet Group（LLC）はHustler.comといくつかの関連かんれんサイトを管理かんりしている。内容ないようは雑誌ざっしに類似るいじしており、画像がぞうとビデオを販売はんばいしている。

関連かんれん項目こうもく

• ハスラーハニー

外部がいぶリンク

• 公式こうしきウェブサイト