「ビャンビャンめん」のはんあいだ差分さぶん

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== 概要がいよう ==
== 概要がいよう ==
原料げんりょうは[[小麦粉こむぎこ]]で、みずと[[食塩しょくえん]]をくわえてこねて生地きじつくり、ゆでる直前ちょくぜん両手りょうてばし、2 - 3[[センチメートル]]のはばひらたくのばして成形せいけいする。日本にっぽんの[[ほうとう]]や[[うどん]]にた[[しょくかん]]をつが、って成形せいけいするものではない。ながさはのばだいながさによってまり、1[[メートル]]になるものもある。「陝西せんせいじゅうだいかい」の1つにもげられるこのめんは、そのながさとひろはばのために「めんじょうさい腰帯こしおび」と[[ベルト (服飾ふくしょく)|ベルト]]にたとえられている。
原料げんりょうは[[小麦粉こむぎこ]]で、みずと[[食塩しょくえん]]をくわえてこねて生地きじつくり、ゆでる直前ちょくぜん両手りょうてばし、2 - 3[[センチメートル]]のはばひらたくのばして成形せいけいする。日本にっぽんの[[ほうとう]]や[[うどん]]にた[[しょくかん]]をつが、って成形せいけいするものではない。ながさはのばだいながさによってまり、1[[メートル]]になるものもある。「陝西せんせいじゅうだいかい」の1つにもげられるこのめんは、そのながさとひろはばのために「めんじょうさい腰帯こしおび」と[[ベルト (服飾ふくしょく)|ベルト]]にたとえられている。


陝西せんせいしょうの[[咸陽]]周辺しゅうへんでは、「あぶら(ヨウポー チョーミ)ともわれる、ゆでためんうえに[[唐辛子とうがらし]]やきざみ[[ネギ|ねぎ]]をかけ、それにねっした[[ピーナッツオイル|ピーナッツ]]などのあぶらをかけてかおりをし、えてべる方法ほうほう主流しゅりゅうで、とくふゆになると唐辛子とうがらし大量たいりょうにかけてしょくする<ref>{{Cite web |url=https://www.ab-road.net/asia/china/xi_an/guide/gourmet/15038.html |title=おしえて! 陝西せんせいしょう西安しーあん名物めいぶつの「あぶら溌麺(ヨウポーミェン)」のあじになるものとは? |accessdate=2020-6-10 |date=2018-2-27 |website=[[AB-ROAD]]}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://80c.jp/column/20190218-1.html |title=人気にんき急上昇きゅうじょうしょうぜん57かくはばひろめちゃちょう西安しーあん名物めいぶつ手打てうめん「ビャンビャンめん」のたのしみかた |accessdate=2020-6-10 |date=2019-2-18 |website=80C(ハオチー) |publisher=中華ちゅうか高橋たかはし}}</ref>。[[]]、[[しお]]、[[醤油じょうゆ]]、唐辛子とうがらし、[[はなはじかみ]]などの調味ちょうみりょうや[[モヤシ|もやし]]、[[コリアンダー]]、にくなどのざいくわえてあえてべることも、酸味さんみからみのある[[スープ]]にれることもある。調味ちょうみりょうだけでのないものは[[田舎いなか]]に貧民ひんみん食事しょくじであったが、近年きんねんではその風変ふうがわりな名前なまえ表記ひょうきから脚光きゃっこうび、[[西安しーあん]]などの近郊きんこう都市としだけでなく、中国ちゅうごく各地かくち都市とし、さらには海外かいがいでも提供ていきょうされるようになった。
陝西せんせいしょうの[[咸陽]]周辺しゅうへんでは、「あぶらめん(ゆはつしゃめん、ヨウポー・ツォーミ、{{Lang-zh|s=あぶら泼扯めん|t=あぶら潑扯麵}})ともわれる、ゆでためんうえに[[唐辛子とうがらし]]やきざみ[[ネギ|ねぎ]]をかけ、それにねっした[[ピーナッツオイル|ピーナッツ]]などのあぶらをかけてかおりをし、えてべる方法ほうほう主流しゅりゅうで、とくふゆになると唐辛子とうがらし大量たいりょうにかけてしょくする<ref>{{Wayback|url=https://www.ab-road.net/asia/china/xi_an/guide/gourmet/15038.html |title=おしえて! 陝西せんせいしょう西安しーあん名物めいぶつの「あぶら溌麺(ヨウポーミェン)」のあじになるものとは? |date=20200610080048}}</ref><ref>{{Cite web|和書わしょ|url=https://80c.jp/column/20190218-1.html |title=人気にんき急上昇きゅうじょうしょうぜん57かくはばひろめちゃちょう西安しーあん名物めいぶつ手打てうめん「ビャンビャンめん」のたのしみかた |accessdate=2020-6-10 |date=2019-2-18 |website=80C(ハオチー) |publisher=中華ちゅうか高橋たかはし}}</ref>。[[]]、[[しお]]、[[醤油じょうゆ]]、唐辛子とうがらし、[[はなはじかみ]]などの調味ちょうみりょうや[[モヤシ|もやし]]、[[コリアンダー]]、にくなどのざいくわえてあえてべることも、酸味さんみからみのある[[スープ]]にれることもある。調味ちょうみりょうだけでのないものは[[田舎いなか]]に貧民ひんみん食事しょくじであったが、近年きんねんではその風変ふうがわりな名前なまえ表記ひょうきから脚光きゃっこうび、[[西安しーあん]]などの近郊きんこう都市としだけでなく、中国ちゅうごく各地かくち都市とし、さらには海外かいがいでも提供ていきょうされるようになった。


== 名称めいしょう ==
== 名称めいしょう ==
[[File:Biáng.svg|left|thumb|「ビャン」の漢字かんじ]]
[[ファイル:Biáng.svg|left|thumb|「ビャン」の漢字かんじ]]
ビャンビャンめんという名称めいしょうとその表記ひょうき使つかわれる漢字かんじ「[[File:Biáng.svg|16px]]」の起源きげん諸説しょせつあり、確定かくていしていない。
ビャンビャンめんという名称めいしょうとその表記ひょうき使つかわれる漢字かんじ「[[ファイル:Biáng.svg|16px]]」の起源きげん諸説しょせつあり、確定かくていしていない。


名称めいしょうについての説明せつめいとして、ひらたいことを意味いみする「ひらたひらた」がなまったものというせつがある。陝西せんせいふく西北せいほく方言ほうげんでは、地方ちほうによって標準ひょうじゅん北京ぺきんおんの「an」が「ang」と発音はつおんされる場合ばあいがある。この地方ちほうめい現物げんぶつとともに中国ちゅうごく各地かくちつたわる過程かてい原義げんぎわすれられ、おとだけがのこったものというのである。このほか、調理ちょうりめんはっするおと販売はんばい拍子木ひょうしぎおとなどの擬音ぎおん由来ゆらいする様々さまざまな[[民間みんかん語源ごげん]]せつがある<ref>しゅう旺編『{{zh|中華ちゅうか風味ふうみしょうども 傳説でんせつあずか烹飪}}』p90、2010ねん北京ぺきん化学かがく工業こうぎょう出版しゅっぱんしゃ。</ref><ref>坂本さかもと一敏かずとし中国ちゅうごくめん紀行きこうぜんしょうあるいたおとこ記録きろく』p214、2001ねん東京とうきょう一星いちぼし企画きかく</ref>{{Efn2|「ちょうもち {{Unicode|chángbǐng}}」をぎゃくにした「もちちょう」がちぢまって{{Unicode|biáng}}となったとするせつもある<ref>ながなおはら生態せいたいてき西安しーあんばなし』p70、2007ねん西安しーあん西安しーあん交通こうつう大学だいがく出版しゅっぱんしゃ</ref>。}}。陝西せんせい方言ほうげん研究けんきゅうしゃにんかつは『せきちゅう方言ほうげんこうしゃく』<ref>にんかつ、『せきちゅう方言ほうげんこうしゃく』、西安しーあん西安しーあん地図ちず出版しゅっぱんしゃ、1995ねん、pp14-15</ref>で「{{Lang|zh|もちもちめん}}([[簡体字かんたいじ]]:{{Lang|zh|饼饼めん}})」というに{{Unicode|biángbiǎngmiān}}とのみをしるしている。名称めいしょう由来ゆらいとして、西安しーあん[[かりとう]]には「水餅みずもち」というゆでたひらたい麺類めんるいがあり、「もちもちめん」も『[[ひとしみんようじゅつ]]』にえる「水引みずひきもち」や、[[かん]]だいの『[[しゃくめい]]』にもえ、[[そうだい]]に出産しゅっさんいわいの宴会えんかいもちいられた「もち」が変化へんかしたものとし、「もちもち」とんでいたものに、から[[接尾せつび]]の「めん」がいたとする。また、この場合ばあいの[[もち]]は、「めんもち」、すなわち、小麦粉こむぎこみずでこねてのばした加工かこうひん全般ぜんぱんす。西安しーあん方言ほうげんで「もち」は一般いっぱんてきには{{Unicode|bìng}}のような発音はつおんだが、{{Unicode|biáng}}と発音はつおんするのはつたわった時代じだいによる白文はくぶん読とばれる現象げんしょうとする。
名称めいしょうについての説明せつめいとして、ひらたいことを意味いみする「ひらたひらた」がなまったものというせつがある。陝西せんせいふく西北せいほく方言ほうげんでは、地方ちほうによって標準ひょうじゅん北京ぺきんおんの「an」が「ang」と発音はつおんされる場合ばあいがある。この地方ちほうめい現物げんぶつとともに中国ちゅうごく各地かくちつたわる過程かてい原義げんぎわすれられ、おとだけがのこったものというのである。このほか、調理ちょうりめんはっするおと販売はんばい拍子木ひょうしぎおとなどの擬音ぎおん由来ゆらいする様々さまざまな[[民間みんかん語源ごげん]]せつがある<ref>しゅう旺編『{{zh|中華ちゅうか風味ふうみしょうども 傳説でんせつあずか烹飪}}』p90、2010ねん北京ぺきん化学かがく工業こうぎょう出版しゅっぱんしゃ。</ref><ref>坂本さかもと一敏かずとし中国ちゅうごくめん紀行きこうぜんしょうあるいたおとこ記録きろく』p214、2001ねん東京とうきょう一星いちぼし企画きかく</ref>{{Efn2|「ちょうもち {{Unicode|chángbǐng}}」をぎゃくにした「もちちょう」がちぢまって{{Unicode|biáng}}となったとするせつもある<ref>ながなおはら生態せいたいてき西安しーあんばなし』p70、2007ねん西安しーあん西安しーあん交通こうつう大学だいがく出版しゅっぱんしゃ</ref>。}}。
陝西せんせい方言ほうげん研究けんきゅうしゃにんかつは『せきちゅう方言ほうげんこうしゃく』<ref>にんかつ、『せきちゅう方言ほうげんこうしゃく』、西安しーあん西安しーあん地図ちず出版しゅっぱんしゃ、1995ねん、pp14-15</ref>で「もちもちめん{{繁体字はんたいじ|もちもち}}、{{簡体字かんたいじ|饼饼めん}})」というに{{Unicode|biángbiǎngmiān}}とのみをしるしている。名称めいしょう由来ゆらいとして、西安しーあん[[かりとう]]には「水餅みずもち」というゆでたひらたい麺類めんるいがあり、「もちもちめん」も『[[ひとしみんようじゅつ]]』にえる「水引みずひきもち」や、[[かん]]だいの『[[しゃくめい]]』にもえ、[[そうだい]]に出産しゅっさんいわいの宴会えんかいもちいられた「もち」が変化へんかしたものとし、「もちもち」とんでいたものに、から[[接尾せつび]]の「めん」がいたとする。また、この場合ばあいの[[もち]]は、「めんもち」、すなわち、小麦粉こむぎこみずでこねてのばした加工かこうひん全般ぜんぱんす。西安しーあん方言ほうげんで「もち」は一般いっぱんてきには{{Unicode|bìng}}のような発音はつおんだが、{{Unicode|biáng}}と発音はつおんするのはつたわった時代じだいによる白文はくぶん読とばれる現象げんしょうとする。

表記ひょうきもちいられる「[[ファイル:Biáng.svg|16px]]」は[[方言ほうげん]]のひとつである。ただし、[[きよし]]だいの[[かん字典じてん]]に見当みあたらず、20世紀せいきまでに出版しゅっぱんされた陝西せんせい方言ほうげん研究けんきゅうしょ漢字かんじ研究けんきゅうしょにもみられないため、かなりあたらしく作成さくせいされたものとかんがえられる{{Efn2|標準ひょうじゅんてきな[[中国ちゅうごく]]、およびその[[発音はつおん]]の基礎きそとなった[[北京ぺきん]]において、原則げんそくてきにはbiangという[[音節おんせつ]]は存在そんざいしない。よって、このおとただしくあらわせる漢字かんじ北京ぺきん周辺しゅうへんにはなかった。このため、類似るいじおんしるした「すばるすばるめん」、「ぼうぼうめん」、「{{補助ほじょ漢字かんじフォント|梆梆}}めん」などの表記ひょうき使用しようされている。ただし、北京ぺきん場合ばあいでも、[[擬音ぎおん]]のなかにはbiangという音節おんせつ存在そんざいする。通常つうじょう、[[普通ふつうばなし#声調せいちょう|一声いっせい]]で発音はつおんされ、漢字かんじ表記ひょうきされず、[[ピンイン]]そのままか、「梆」で[[]]する(「梆」本来ほんらい字音じおんは{{Unicode|bāng}})。意味いみは、「ビューン」というおと銃声じゅうせい「バーン」「バキューン」である<ref>{{Cite book |和書わしょ |author=野口のぐちそうちかし |authorlink= |year=1995 |title=中国ちゅうごく擬音ぎおん辞典じてん |publisher=[[東方とうほう書店しょてん]] |page=xvii(中国ちゅうごく擬音ぎおん概説がいせつ), 8(辞典じてん本文ほんぶん) |isbn=4497954439 |quote=〔「中国ちゅうごく擬音ぎおん概説がいせつ|4 発音はつおん意味いみ|(6)特殊とくしゅ音節おんせつ」〕擬音ぎおんのなかに,現代げんだい中国語ちゅうごくごよんひゃくあまり音節おんせつわくないにはまらない特殊とくしゅ音節おんせつ時折ときおり見受みうけられる。〔中略ちゅうりゃく〕これらはいずれも北京ぺきん方言ほうげんであるが,このように方言ほうげんとか日常にちじょうとか子供こども言葉ことばには音韻おんいん体系たいけい拘束こうそくされない発音はつおんもあることが擬音ぎおん特色とくしょくである。ただ文字もじできないので文献ぶんけんからは採集さいしゅうしにくい。場合ばあいによっては適当てきとう漢字かんじであてることもある}}</ref>。}}{{Efn2|biangという発音はつおんは、陝西せんせいしょうのほか、[[江西えにししょう]]の[[贛語]]、[[福建ふっけんしょう]]の[[閩語]]、[[広東かんとんしょう]]の[[きゃく]]などにあり、いずれも「もち」、「へい」などのあらわおとである。陝西せんせいしょうでは「こおり」というもbiangとむ。}}{{Efn2|[[香港ほんこん]]の[[民間みんかん放送ほうそう|民放みんぽう]]・[[綫電]](TVB)で[[2007ねん]]に放映ほうえいされた番組ばんぐみ『[[:zh:一網打盡いちもうだじん|{{Lang|zh|一網打盡いちもうだじん}}]]』によると、番組ばんぐみの[[プロデューサー]]が[[大学だいがく]][[教授きょうじゅ]]に協力きょうりょくあおいで漢字かんじ「[[ファイル:Biáng.svg|16px]]」の起源きげんさぐろうとしたが、起源きげんについてはかくたる証拠しょうこつかむことができなかったため、ビャンビャンめんみせによる創作そうさくではないかと結論けつろんけている。}}。

2021ねんの[[三省堂さんせいどう国語こくご辞典じてん]]だいはちはんに「ビャンビャンめん」が収録しゅうろくされた<ref name=":0" />。


表記ひょうきもちいられる「[[File:Biáng.svg|16px]]」は[[方言ほうげん]]のひとつである。ただし、[[きよし]]だいの[[かん字典じてん]]に見当みあたらず、20世紀せいきまでに出版しゅっぱんされた陝西せんせい方言ほうげん研究けんきゅうしょ漢字かんじ研究けんきゅうしょにもみられないため、かなりあたらしく作成さくせいされたものとかんがえられる{{Efn2|標準ひょうじゅんてきな[[中国ちゅうごく]]、およびその[[発音はつおん]]の基礎きそとなった[[北京ぺきん]]において、原則げんそくてきにはbiangという[[音節おんせつ]]は存在そんざいしない。よって、このおとただしくあらわせる漢字かんじ北京ぺきん周辺しゅうへんにはなかった。このため、類似るいじおんしるした「すばるすばるめん」、「ぼうぼうめん」、「{{補助ほじょ漢字かんじフォント|梆梆}}めん」などの表記ひょうき使用しようされている。ただし、北京ぺきん場合ばあいでも、[[擬音ぎおん]]のなかにはbiangという音節おんせつ存在そんざいする。通常つうじょう、[[普通ふつうばなし#声調せいちょう|一声いっせい]]で発音はつおんされ、漢字かんじ表記ひょうきされず、[[ピンイン]]そのままか、「梆」で[[]]する(「梆」本来ほんらい字音じおんは{{Unicode|bāng}})。意味いみは、「ビューン」というおと銃声じゅうせい「バーン」「バキューン」である<ref>{{Cite book |和書わしょ |author=野口のぐちそうちかし |authorlink=野口のぐちはじめおや |year=1995 |title=中国ちゅうごく擬音ぎおん辞典じてん |publisher=[[東方とうほう書店しょてん]] |page=xvii(中国ちゅうごく擬音ぎおん概説がいせつ), 8(辞典じてん本文ほんぶん) |isbn=4497954439 |quote=〔「中国ちゅうごく擬音ぎおん概説がいせつ|4 発音はつおん意味いみ|(6)特殊とくしゅ音節おんせつ」〕擬音ぎおんのなかに,現代げんだい中国語ちゅうごくごよんひゃくあまり音節おんせつわくないにはまらない特殊とくしゅ音節おんせつ時折ときおり見受みうけられる。〔中略ちゅうりゃく〕これらはいずれも北京ぺきん方言ほうげんであるが,このように方言ほうげんとか日常にちじょうとか子供こども言葉ことばには音韻おんいん体系たいけい拘束こうそくされない発音はつおんもあることが擬音ぎおん特色とくしょくである。ただ文字もじできないので文献ぶんけんからは採集さいしゅうしにくい。場合ばあいによっては適当てきとう漢字かんじであてることもある}}</ref>。}}{{Efn2|biangという発音はつおんは、陝西せんせいしょうのほか、[[江西えにししょう]]の[[贛語]]、[[福建ふっけんしょう]]の[[閩語]]、[[広東かんとんしょう]]の[[きゃく]]などにあり、いずれも「もち」、「へい」などのあらわおとである。陝西せんせいしょうでは「こおり」というもbiangとむ。}}{{Efn2|[[香港ほんこん]]の[[民間みんかん放送ほうそう|民放みんぽう]]・[[綫電]](TVB)で[[2007ねん]]に放映ほうえいされた番組ばんぐみ『[[:zh:一網打盡いちもうだじん|{{Lang|zh|一網打盡いちもうだじん}}]]』によると、番組ばんぐみの[[プロデューサー]]が[[大学だいがく]][[教授きょうじゅ]]に協力きょうりょくあおいで漢字かんじ「[[File:Biáng.svg|16px]]」の起源きげんさぐろうとしたが、起源きげんについてはかくたる証拠しょうこつかむことができなかったため、ビャンビャンめんみせによる創作そうさくではないかと結論けつろんけている。}}。
=== 漢字かんじ ===
=== 漢字かんじ ===
[[File:Biang biang noodles.jpg|thumb|220px|ビャンビャンめん専門せんもんてんれい]]
[[ファイル:Biang biang noodles.jpg|thumb|220px|ビャンビャンめん専門せんもんてんれい]]
==== 筆画ひっかく ====
==== 筆画ひっかく ====
[[File:Biáng-rubbings.png|thumb|1900ねん以前いぜんの「ビャン」の小篆しょうてん]]
[[ファイル:Biáng-rubbings.png|thumb|1900ねん以前いぜんの「ビャン」の小篆しょうてん]]
名称めいしょうもちいられている[[漢字かんじ]]「[[File:Biáng.svg|16px]]」は、[[Unicode]]では58かく定義ていぎされており<ref name="l215-225" />現代げんだい使用しようされている漢字かんじなかではきわめて複雑ふくざつである。また、中国ちゅうごく常用じょうようされているポケットサイズの『[[しんはな字典じてん]]』はもとより、『[[かん字典じてん]]』や『[[中華ちゅうかだい字典じてん]]』のような大型おおがた[[字書じしょ]]にもっていない。また、ながらく[[Unicode]]にも収録しゅうろくされておらず、一般いっぱんてきな[[コンピューター]]では表示ひょうじ入力にゅうりょくできなかった(後述こうじゅつ。なお、この文字もじよりも[[筆画ひっかく]]がおお複雑ふくざつ漢字かんじとして、「りゅう」を4つならべた「{{拡張かくちょう漢字かんじ|B|&#173733;}}」([[画像がぞう:Zhé.svg|24px]]、テツ、64かく)などがあり、[[和製わせい漢字かんじ]]の「[[たいと|{{拡張かくちょう漢字かんじ|G|&#x3106C;}}]]」([[画像がぞう:Taito_1.svg|24px]]、たいと、84かく)もられている。
名称めいしょうもちいられている[[漢字かんじ]]「[[ファイル:Biáng.svg|16px]]」は58かく構成こうせいされ、現代げんだい使用しようされている漢字かんじなかではきわめて複雑ふくざつである。また、中国ちゅうごく常用じょうようされているポケットサイズの『[[しんはな字典じてん]]』はもとより、『[[かん字典じてん]]』や『[[中華ちゅうかだい字典じてん]]』のような大型おおがた[[字書じしょ]]にもっていない。なお、この文字もじよりも[[筆画ひっかく]]がおお複雑ふくざつ漢字かんじとして、「りゅう」を4つならべた「{{拡張かくちょう漢字かんじ|B|&#173733;}}」([[ファイル:Zhé.svg|24px]]、テツ、64かく)などがあり、[[和製わせい漢字かんじ]]の「[[たいと|{{拡張かくちょう漢字かんじ|G|&#x3106C;}}]]」([[ファイル:Taito 1.svg|24px]]、たいと、84かく)もられている。


==== おぼかた ====
==== おぼかた ====
[[File:Biáng-order.gif|left|thumb|「[[File:Biáng.svg|16px]]」のじゅん]]
[[ファイル:Biáng-order.gif|left|thumb|「[[ファイル:Biáng.svg|16px]]」のじゅん]]
前述ぜんじゅつとおり「[[File:Biáng.svg|16px]]」というあまりに複雑ふくざつなため、陝西せんせいしょう居住きょじゅうしゃあいだではかたおも手助てだすけとなるみじかがいくつか存在そんざいする。
前述ぜんじゅつとおり「[[ファイル:Biáng.svg|16px]]」というあまりに複雑ふくざつなため、陝西せんせいしょう居住きょじゅうしゃあいだではかたおも手助てだすけとなるみじかがいくつか存在そんざいする。


そのうちのひとつは、みぎに「{{JIS2004フォント|刂}}」ではなく「ひのと」とく[[異体いたい]]の説明せつめいであるが、「{{Lang|zh|いちてん儿冲上天じょうてん黄河こうが两道わんはちだい张口,げん往里はし,东一“扭”西一にしいち“扭”,ひだりいち长右いち长,ちゅう间坐个马大王だいおうこころそこがつつくりくさび个钉衣裳いしょうすわ个车车到咸阳。}}」といい、日本語にほんごやくは「てん天辺てっぺん飛上とびあがり、黄河こうが両端りょうたんがる、はちおおきくくちひろげ、げんなかはいる。ひがしいちひねり、西にしいちひねり、ひだりちょうひとつ、みぎちょうひとつ、中間ちゅうかんうま大王だいおうすわる。しんそこに、つきかたわらに、くぎってそこにふくをかけ、くるまって[[咸陽|咸陽]]へかう。」。
そのうちのひとつは、みぎに「{{JIS2004フォント|刂}}」ではなく「ひのと」とく[[異体いたい]]の説明せつめいであるが、「{{lang|zh-hans|いちてん儿冲上天じょうてん黄河こうが两道わんはちだい张口,げん往里はし,东一“扭”西一にしいち“扭”,ひだりいち长右いち长,ちゅう间坐个马大王だいおうこころそこがつつくりくさび个钉衣裳いしょうすわ个车车到咸阳。}}」といい、日本語にほんごやくは「てん天辺てっぺん飛上とびあがり、黄河こうが両端りょうたんがる、はちおおきくくちひろげ、げんなかはいる。ひがしいちひねり、西にしいちひねり、ひだりちょうひとつ、みぎちょうひとつ、中間ちゅうかんうま大王だいおうすわる。しんそこに、つきかたわらに、くぎってそこにふくをかけ、くるまって[[咸陽|咸陽]]へかう。」。

このほか日本にっぽんのおわら芸人げいにん[[篠宮しのみやあきら]]が創作そうさくしたおぼがある。<ref>{{Cite video |和書わしょ |title=【ビャンビャンめん非公式ひこうしきCM |date=2020-09-09 |author=オジンオズボーン篠宮しのみやあきら |authorlink=篠宮しのみやあきら |url=https://www.youtube.com/watch?v=lv3UEeBcGs0 |publication-date=2020/09/09 |work=YouTube |language=ja-JP}}</ref><ref>{{Cite video |和書わしょ |title=【びょう漢字かんじ暗記あんき】ビャンビャンめんの「ビャン」のおぼかた |date=2019-10-18 |author=オジンオズボーン篠宮しのみやあきら |authorlink=篠宮しのみやあきら |url=https://www.youtube.com/watch?v=PzsrULnWBtE&t=114s |time=1:54–1:59 |publication-date=2019-10-18 |work=YouTube}}</ref><ref>{{Cite tweet |user=shinomiyaakira |number=1184724904031051776 |title=漢字かんじ「ビャン」のおぼかた #びょう漢字かんじ暗記あんき #ビャンビャンめんのビャン |date=2019-10-17 |author=オジンオズボーン篠宮しのみやあきら |authorlink=篠宮しのみやあきら |access-date=2023-08-17}}</ref>: 「あなごと・くムくム・ちょううまちょうがつ刂・しん・⻌(アナゴン くムくム チョウバチョウ ゲツリ シン シンニョウ)」。なおただしいじゅんのっとるならば「チョウバチョウ」ではなく「バチョウチョウ」である。


==== 文字もじコード ====
==== 文字もじコード ====
「[[File:Biáng.svg|16px]]」は、[[JIS X 0208]]や[[JIS X 0213]]などの日本にっぽんの[[符号ふごう文字もじ集合しゅうごう]]にはふくまれておらず、また、国際こくさい符号ふごう文字もじ集合しゅうごう[[Unicode]]にもながらくふくまれていなかったため、この表示ひょうじ入力にゅうりょくできる環境かんきょうかぎられている。
「[[ファイル:Biáng.svg|16px]]」は、[[JIS X 0208]]や[[JIS X 0213]]などの日本にっぽんの[[符号ふごう文字もじ集合しゅうごう]]にはふくまれておらず、また、国際こくさい符号ふごう文字もじ集合しゅうごう[[Unicode]]にもながらくふくまれていなかったため、この表示ひょうじ入力にゅうりょくできる環境かんきょうかぎられている。


2017ねん11月22にちにこのが[[CJK統合とうごう漢字かんじ拡張かくちょうG]]の一部いちぶとしてUnicodeに登録とうろく申請しんせいされ<ref>{{cite web
Unicode 6.3.0において、英語えいごばんWikipediaのとう項目こうもく記事きじ典拠てんきょとして[[U-Source Ideographs]]にこの文字もじ収録しゅうろくされ<ref>[[#USourceData-6.2.0|USourceData-6.2.0]]</ref>、[[CJK統合とうごう漢字かんじ]]拡張かくちょうFへの追加ついか検討けんとうされた<ref name="kenblog2015">[[#KenBlog2015|KenBlog2015]]</ref>が、信頼しんらいせいけるとして却下きゃっかされた<ref name="kenblog2015" />。
| url = http://www.unicode.org/wg2/docs/n4922-5theditionPdam2-2-charts.pdf
| format = PDF
| title = Additional repertoire for ISO/IEC 10646:2017 (5th ed.) Amendment 2.2
| publisher = [[ユニコードコンソーシアム|The Unicode Consortium]]
| date = 2017-11-22
| accessdate = 2017-11-24 }}</ref>、2020ねん3がつのUnicode 13.0に収録しゅうろくされた。コード位置いちはU+30EDD(簡体字かんたいじ)、U+30EDE(繁体字はんたいじ)であり、[[だいさん漢字かんじめん]]に収録しゅうろくされている。


印字いんじするさいには紙質かみしつにより文字もじつぶれるため、調整ちょうせい必要ひつようとなる<ref>{{Cite web|和書わしょ|title=Aプロ校閲こうえつ事業じぎょうさんはTwitterを使つかっています: 「今回こんかい「ビャン」をさくしたものです。りまで一時いちじてき用意よういした漢字かんじなかで、もっと時間じかんようしました…(あせ 写真しゃしんはルーペしの印字いんじです。あら新聞紙しんぶんしでつぶれやかすれがしょうじぬようデザインしたこともあり、というよりなにかの模様もようつくっている感覚かんかくでした。(担) |url=https://twitter.com/ampkoetsu/status/1549288845459746816 |website=Twitter |access-date=2022-07-20 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書わしょ|title=(まちのBきゅう言葉ことば図鑑ずかん)●●〈●はビャン〉めん 飯間いいま浩明ひろあき朝日新聞あさひしんぶんデジタル |url=https://www.asahi.com/articles/DA3S15355947.html?iref=ogimage_rek |website=朝日新聞あさひしんぶんデジタル |access-date=2022-07-20 |language=ja}}</ref>。
漢字かんじ研究けんきゅうの[[ケン・ランディ]]は、2015ねん11月2にちから5にちにかけて開催かいさいされるUnicode Technical Committeeにおいて、「{{Lang|zh|Biáng がた纹样探究たんきゅう}}」という論文ろんぶん典拠てんきょとして<ref name="l215-225">[[#ProposalL2/15-225|ProposalL2/15-225]]</ref>、簡体字かんたいじとともにふたたびこの文字もじ追加ついか提案ていあんする予定よていであることをかし<ref name="kenblog2015" />、これが受理じゅりされればCJK統合とうごう漢字かんじ拡張かくちょうHに収録しゅうろくされる予定よていであった。


==== 構成こうせい ====
2017とし11つき22にちにこのが[[拡張かくちょう漢字かんじ|CJK統合とうごう漢字かんじ拡張かくちょうG]]の一部いちぶとしてUnicodeに登録とうろく申請しんせいされ{{r|n4922-5theditionPdam2-2-charts.pdf}}、2020ねん3がつのUnicode 13.0に収録しゅうろくされた。コード位置いちはU+30EDD(簡体字かんたいじ)、U+30EDE(繁体字はんたいじ)であり、[[だいさん漢字かんじめん]]に収録しゅうろくされている。
[[漢字かんじ構成こうせい記述きじゅつ文字もじ|IDC]]でくとつぎとおり: <code>⿺⻌⿳あな⿲⺼⿱⿲幺言幺⿲ちょううまちょう刂心</code>。

{{よう出典しゅってん範囲はんい|異体いたいのひとつならば: <code>⿺辶⿳あな⿲⺼⿱䜌⿲ちょううまちょう刂心</code>。|date=2023ねん5がつ}}


== 地域ちいきでの普及ふきゅう ==
== 地域ちいきでの普及ふきゅう ==
[[ファイル:腰帯こしおびめん(ビャンビャンめん).jpg|代替だいたいぶん=腰帯こしおびめん(ビャンビャンめん|サムネイル|腰帯こしおびめん(ビャンビャンめん)]]
[[ファイル:腰帯こしおびめん(ビャンビャンめん).jpg|thumb|代替だいたいぶん=腰帯こしおびめん(ビャンビャンめん)|腰帯こしおびめん(ビャンビャンめん)]]
[[北京ぺきん|北京ぺきん]]ではビャンビャンめんのチェーンてんあつかっている。[[華南かなん]]においてもあつかみせ出現しゅつげんしはじめている。日本にっぽんにおいても[[東京とうきょう|東京とうきょう]]周辺しゅうへん個別こべつみせでビャンビャンめんしょうして幅広はばひろ麺類めんるい提供ていきょうするれいがあるが、陝西せんせいしょうのものとは風味ふうみことなる。大阪おおさか市内しない西安しーあん料理りょうりてんでは「腰帯こしおびめん(ビャンビャンめん)」との表記ひょうき提供ていきょうされているれいがある。
[[北京ぺきん|北京ぺきん]]ではビャンビャンめんのチェーンてんあつかっている。[[華南かなん]]においてもあつかみせ出現しゅつげんしはじめている。

=== 日本にっぽん ===
日本にっぽんでは2019ねんごろから首都しゅとけん中心ちゅうしんに「ビャンビャンめん」をあつか中華ちゅうか料理りょうりてんはじめたという<ref name="bunshun_54220">{{Cite web|和書わしょ|url=https://bunshun.jp/articles/-/54220|title=〈カルディ、にちしん、サンヨウ〉べられる「ビャンビャンめん」3しゅ、ガチ中華ちゅうかマニアがくらべてみた|author=おもねなま|work=文春ぶんしゅんオンライン|date=2022-05-14|accessdate=2023-5-7}}</ref>。[[東京とうきょう|東京とうきょう]]周辺しゅうへん個別こべつみせでビャンビャンめんしょうして幅広はばひろ麺類めんるい提供ていきょうするれいがあるが、陝西せんせいしょうのものとは風味ふうみことなる。大阪おおさか市内しない西安しーあん料理りょうりてんでは「腰帯こしおびめん(ビャンビャンめん)」との表記ひょうき提供ていきょうされているれいがある。

2020ねん、[[セブン-イレブン|セブンイレブン]]は「西安しーあんふううまからし香油こうゆめん ビャンビャンめん」の商品しょうひんめい販売はんばい開始かいしした<ref>{{Cite web|和書わしょ|title=セブンさん、めん職人しょくにんやとった?ちょう極太ごくぶとの“ビャンビャンめん”でくちなか中国ちゅうごくになった|url=https://www.buzzfeed.com/jp/tomoyakosugi/seven-byanbyan-men|website=BuzzFeed|accessdate=2020-09-05|language=ja|first=Tomoya|last=Kosugi}}</ref>。当初とうしょは[[東京とうきょう]]のみでの販売はんばいだったが、11月から首都しゅとけん東京とうきょう、[[神奈川かながわけん]]、[[千葉ちばけん]]、[[埼玉さいたまけん]])<!-- セブンイレブンの公式こうしき地域ちいき区分くぶん準拠じゅんきょしたかたのため、えて括弧かっこきで南関東みなみかんとうの13けん記載きさい。 -->および[[宮城みやぎけん]]、[[山形やまがたけん]]、[[福島ふくしまけん]]、東海とうかい([[愛知あいちけん]]、[[岐阜ぎふけん]]、[[三重みえけん]]、[[静岡しずおかけん]])<!-- セブンイレブンの公式こうしき地域ちいき区分くぶん準拠じゅんきょしたかたのため、えて括弧かっこきで東海とうかい4けん記載きさい。なお、東海とうかい3けんはセブンイレブンでは中京ちゅうきょう表記ひょうき -->、[[近畿きんき地方ちほう|近畿きんき]]に拡大かくだいしている<ref>{{Wayback|url=https://www.sej.co.jp/products/a/item/090217/ |title=西安しーあんふううまからし香油こうゆめんビャンビャンめん |date=20210114061248}}(セブンイレブン公式こうしきサイト「商品しょうひんのご案内あんない」の「そば・うどん・中華麺ちゅうかめん」より)</ref>。2022ねん8がつふたたび「くろ八角はっかくかおビャンビャンめん」という名前なまえで販うれされた<ref>{{Wayback|url=https://www.sej.co.jp/products/a/item/092806/kanto/ |title=くろ八角はっかくかおるビャンビャンめん |date=20220824122902}}</ref>


2021ねんにはレストランチェーンの[[バーミヤン (レストランチェーン)|バーミヤン]]で「ビャンビャンめん」が提供ていきょうされた<ref name="bunshun_54220"/><ref>{{Cite web|和書わしょ|url=https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000144.000017486.html|title=バーミヤンにむねからしぜそば「ビャンビャンめん」がはつ登場とうじょう!やみつきになる中国ちゅうごく西安しーあん屋台やたいグルメ!!|publisher=株式会社かぶしきがいしゃすかいらーくホールディングス|date=2021-3-18|accessdate=2023-5-7}}</ref>。また、2021ねんから[[カルディコーヒーファーム]]でめんあつかわれるようになった<ref name="bunshun_54220"/>。2022ねんには、[[サンヨー食品しょくひん]]から「ビャンビャンめんふう」としょうするカップめんが<ref name="bunshun_54220"/><ref>{{Cite web|和書わしょ|url=https://creators.yahoo.co.jp/aibaichika/0100378335|author=相場そうばいちはな|title=せてもらおうか史上しじょう最大さいだいきゅう幅広はばひろめんとやらを!サンヨー新作しんさく「ビャンビャンめんふう 辛口からくちあさ辣湯めん」をじつしょく|work=Yahoo! JAPAN クリエイターズプログラム|accessdate=2023-5-7}}</ref>、[[日清食品にっしんしょくひん]]からは冷凍れいとうタイプのめんがそれぞれ発売はつばいされた<ref name="bunshun_54220"/>。
2020ねん、[[セブン-イレブン|セブンイレブン]]は「西安しーあんふううまからし香油こうゆめん ビャンビャンめん」の商品しょうひんめい販売はんばい開始かいしした<ref>{{Cite web|title=セブンさん、めん職人しょくにんやとった?ちょう極太ごくぶとの“ビャンビャンめん”でくちなか中国ちゅうごくになった|url=https://www.buzzfeed.com/jp/tomoyakosugi/seven-byanbyan-men|website=BuzzFeed|accessdate=2020-09-05|language=ja|first=Tomoya|last=Kosugi}}</ref>。当初とうしょは[[東京とうきょう]]のみでの販売はんばいだったが、11月から首都しゅとけん東京とうきょう、[[神奈川かながわけん]]、[[千葉ちばけん]]、[[埼玉さいたまけん]])<!-- セブンイレブンの公式こうしき地域ちいき区分くぶん準拠じゅんきょしたかたのため、えて括弧かっこきで南関東みなみかんとうの13けん記載きさい。 -->および[[宮城みやぎけん]]、[[山形やまがたけん]]、[[福島ふくしまけん]]、東海とうかい([[愛知あいちけん]]、[[岐阜ぎふけん]]、[[三重みえけん]]、[[静岡しずおかけん]])<!-- セブンイレブンの公式こうしき地域ちいき区分くぶん準拠じゅんきょしたかたのため、えて括弧かっこきで東海とうかい4けん記載きさい。なお、東海とうかい3けんはセブンイレブンでは中京ちゅうきょう表記ひょうき -->、[[近畿きんき地方ちほう|近畿きんき]]に拡大かくだいしている<ref>[https://www.sej.co.jp/products/a/item/090217/ 西安しーあんふううまからし香油こうゆめんビャンビャンめん](セブンイレブン公式こうしきサイト「商品しょうひんのご案内あんない」の「そば・うどん・中華麺ちゅうかめん」より)</ref>。</br>2022ねんは[[サンヨー食品しょくひん]]から『ビャンビャンめんかぜ 西安しーあんしきむねからしめん』がはつうれされた[https://www.sanyofoods.co.jp/products/6565/]
独自どくじ技術ぎじゅつもちいることでちょう幅広はばひろめんをノンフライで実現じつげんしたという。</br>
また、[[カルディコーヒーファーム]][https://www.kaldi.co.jp/ec/pro/disp/1/4515996934636]や、[[バーミヤン]](2021年度ねんど)[https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000144.000017486.html]とうでもあつかわれている。


== 脚注きゃくちゅう ==
== 脚注きゃくちゅう ==
67ぎょう: 105ぎょう:
{{notelist2}}
{{notelist2}}
=== 出典しゅってん ===
=== 出典しゅってん ===
{{Reflist|refs=
{{Reflist|2}}
<ref name="n4922-5theditionPdam2-2-charts.pdf">{{cite web
| url = http://www.unicode.org/wg2/docs/n4922-5theditionPdam2-2-charts.pdf
| format = PDF
| title = Additional repertoire for ISO/IEC 10646:2017 (5th ed.) Amendment 2.2
| publisher = [[ユニコードコンソーシアム|The Unicode Consortium]]
| date = 2017-11-22
| accessdate = 2017-11-24 }}</ref>
}}


{{めん}}
== 参考さんこう文献ぶんけん ==
* {{Cite web
| last = Lunde
| first = Ken
| title = Two Biángs Are Better Than One
| publisher = [[Adobe]]
| date = 2015-10-11
| url = http://blogs.adobe.com/CCJKType/2015/10/biang-pair.html
| accessdate = 2015-10-12
| ref = KenBlog2015}}
* {{Cite web
| last = Lunde
| first = Ken
| title = Proposal to add one character to UAX #45
| publisher = [[ユニコードコンソーシアム|The Unicode Consortium]]
| date = 2015-09-17
| format = PDF
| url = http://www.unicode.org/L2/L2015/15225-uax45-addition.pdf
| accessdate = 2015-10-12
| ref = ProposalL2/15-225}}
* {{Cite web
| title = USourceData-6.2.0.txt
| publisher = [[ユニコードコンソーシアム|The Unicode Consortium]]
| date = 2012-09-11
| url = http://www.unicode.org/Public/6.2.0/ucd/USourceData.txt
| accessdate = 2015-10-12
| ref = USourceData-6.2.0}}


{{デフォルトソート:ひやんひやんめん}}
{{めん}}


{{DEFAULTSORT:ひやんひやんめん}}
[[Category:中国ちゅうごくめん料理りょうり]]
[[Category:中国ちゅうごくめん料理りょうり]]
[[Category:陝西せんせいしょく文化ぶんか]]
[[Category:陝西せんせいしょく文化ぶんか]]

2024ねん3がつ5にち (火) 12:54時点じてんにおける最新さいしんばん

めん
/ めん
種類しゅるい 中国ちゅうごくめん
発祥はっしょう 中華人民共和国の旗 中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく
地域ちいき 陝西せんせいしょう
テンプレートを表示ひょうじ
ビャンビャンめん
繁体字はんたいじ

𰻞𰻞麵
簡体字かんたいじ めん

𰻝𰻝めん
漢語かんご拼音biángbiángmiàn
発音はつおん記号きごう
標準ひょうじゅん中国語ちゅうごくご
漢語かんご拼音biángbiángmiàn
ウェードしきpiang2-piang2-mien4
IPA[pjɑ̌ŋ.pjɑ̌ŋ.mjân]
イェールしき
マ字まじ
byángbyángmyàn
国語こくごマ字まじbyangbyangmiann
ちゅう音符おんぷごうㄅ⁠ㄧ⁠ㄤ⁠ˊ   ㄅ⁠ㄧ⁠ㄤ⁠ˊ   ㄇ⁠ㄧ⁠ㄢ⁠ˋ
あぶら溌扯めん
繁体字はんたいじ あぶら潑扯麵
簡体字かんたいじ あぶら泼扯めん
漢語かんご拼音yóupō chěmiàn
発音はつおん記号きごう
標準ひょうじゅん中国語ちゅうごくご
漢語かんご拼音yóupō chěmiàn
ウェードしきyu2-pʻo1 chʻê3-mien4
IPA[jǒʊ.pʰwɔ́ tʂʰɤ̀.mjân]
イェールしき
マ字まじ
yóupwō chěmyàn
国語こくごマ字まじyoupo cheemiann
ちゅう音符おんぷごうㄧㄡˊ   ㄆㄛ
ㄔㄜˇ   ㄇㄧㄢˋ

ビャンビャンめん(ビャンビャンめん、𰻞𰻞めん中国ちゅうごく:𰻞𰻞 / 𰻝𰻝めん)は中国ちゅうごく陝西せんせいしょうでよくべられている幅広はばひろのべめん[ちゅう 1][1]標準ひょうじゅん中国語ちゅうごくごではbiángbiángmiàn、ビアンビアンミエン、西安しーあん方言ほうげんではbiángbiǎngmiān、ビアンビアンミエンと発音はつおんする。

概要がいよう[編集へんしゅう]

原料げんりょう小麦粉こむぎこで、みず食塩しょくえんくわえてこねて生地きじつくり、ゆでる直前ちょくぜん両手りょうてばし、2 - 3センチメートルはばひらたくのばして成形せいけいする。日本にっぽんほうとううどんしょくかんつが、って成形せいけいするものではない。ながさはのばだいながさによってまり、1メートルになるものもある。「陝西せんせいじゅうだいかい」の1つにもげられるこのめんは、そのながさとひろはばのために「めんじょうさい腰帯こしおび」とベルトたとえられている。

陝西せんせいしょう咸陽周辺しゅうへんでは、「あぶら溌扯めん」(ゆはつしゃめん、ヨウポー・ツォーミェン、簡体字かんたいじ: あぶら泼扯めん; 繁体字はんたいじ: あぶら潑扯麵)ともわれる、ゆでためんうえ唐辛子とうがらしきざねぎをかけ、それにねっしたピーナッツなどのあぶらをかけてかおりをし、えてべる方法ほうほう主流しゅりゅうで、とくふゆになると唐辛子とうがらし大量たいりょうにかけてしょくする[2][3]しお醤油じょうゆ唐辛子とうがらしはなはじかみなどの調味ちょうみりょうもやしコリアンダーにくなどのざいくわえてあえてべることも、酸味さんみからみのあるスープれることもある。調味ちょうみりょうだけでのないものは田舎いなか貧民ひんみん食事しょくじであったが、近年きんねんではその風変ふうがわりな名前なまえ表記ひょうきから脚光きゃっこうび、西安しーあんなどの近郊きんこう都市としだけでなく、中国ちゅうごく各地かくち都市とし、さらには海外かいがいでも提供ていきょうされるようになった。

名称めいしょう[編集へんしゅう]

「ビャン」の漢字かんじ

ビャンビャンめんという名称めいしょうとその表記ひょうき使つかわれる漢字かんじ」の起源きげん諸説しょせつあり、確定かくていしていない。

名称めいしょうについての説明せつめいとして、ひらたいことを意味いみする「ひらたひらた」がなまったものというせつがある。陝西せんせいふく西北せいほく方言ほうげんでは、地方ちほうによって標準ひょうじゅん北京ぺきんおんの「an」が「ang」と発音はつおんされる場合ばあいがある。この地方ちほうめい現物げんぶつとともに中国ちゅうごく各地かくちつたわる過程かてい原義げんぎわすれられ、おとだけがのこったものというのである。このほか、調理ちょうりめんはっするおと販売はんばい拍子木ひょうしぎおとなどの擬音ぎおん由来ゆらいする様々さまざま民間みんかん語源ごげんせつがある[4][5][ちゅう 2]

陝西せんせい方言ほうげん研究けんきゅうしゃにんかつは『せきちゅう方言ほうげんこうしゃく[7]で「もちもちめん繁体字はんたいじ: もちもち簡体字かんたいじ: 饼饼めん)」というbiángbiǎngmiānとのみをしるしている。名称めいしょう由来ゆらいとして、西安しーあんかりとうには「水餅みずもち」というゆでたひらたい麺類めんるいがあり、「もちもちめん」も『ひとしみんようじゅつ』にえる「水引みずひきもち」や、かんだいの『しゃくめい』にもえ、そうだい出産しゅっさんいわいの宴会えんかいもちいられた「もち」が変化へんかしたものとし、「もちもち」とんでいたものに、から接尾せつびの「めん」がいたとする。また、この場合ばあいもちは、「めんもち」、すなわち、小麦粉こむぎこみずでこねてのばした加工かこうひん全般ぜんぱんす。西安しーあん方言ほうげんで「もち」は一般いっぱんてきにはbìngのような発音はつおんだが、biáng発音はつおんするのはつたわった時代じだいによる白文はくぶん読とばれる現象げんしょうとする。

表記ひょうきもちいられる「」は方言ほうげんのひとつである。ただし、きよしだいかん字典じてん見当みあたらず、20世紀せいきまでに出版しゅっぱんされた陝西せんせい方言ほうげん研究けんきゅうしょ漢字かんじ研究けんきゅうしょにもみられないため、かなりあたらしく作成さくせいされたものとかんがえられる[ちゅう 3][ちゅう 4][ちゅう 5]

2021ねん三省堂さんせいどう国語こくご辞典じてんだいはちはんに「ビャンビャンめん」が収録しゅうろくされた[1]

漢字かんじ[編集へんしゅう]

ビャンビャンめん専門せんもんてんれい

筆画ひっかく[編集へんしゅう]

1900ねん以前いぜんの「ビャン」の小篆しょうてん

名称めいしょうもちいられている漢字かんじ」は58かく構成こうせいされ、現代げんだい使用しようされている漢字かんじなかではきわめて複雑ふくざつである。また、中国ちゅうごく常用じょうようされているポケットサイズの『しんはな字典じてん』はもとより、『かん字典じてん』や『中華ちゅうかだい字典じてん』のような大型おおがた字書じしょにもっていない。なお、この文字もじよりも筆画ひっかくおお複雑ふくざつ漢字かんじとして、「りゅう」を4つならべた「𪚥」(、テツ、64かく)などがあり、和製わせい漢字かんじの「𱁬」(、たいと、84かく)もられている。

おぼかた[編集へんしゅう]

」のじゅん

前述ぜんじゅつとおり「」というあまりに複雑ふくざつなため、陝西せんせいしょう居住きょじゅうしゃあいだではかたおも手助てだすけとなるみじかがいくつか存在そんざいする。

そのうちのひとつは、みぎに「」ではなく「ひのと」と異体いたい説明せつめいであるが、「いちてん儿冲上天じょうてん黄河こうが两道わんはちだい张口,げん往里はし,东一“扭”西一にしいち“扭”,ひだりいち长右いち长,ちゅう间坐个马大王だいおうこころそこがつつくりくさび个钉衣裳いしょうすわ个车车到咸阳。」といい、日本語にほんごやくは「てん天辺てっぺん飛上とびあがり、黄河こうが両端りょうたんがる、はちおおきくくちひろげ、げんなかはいる。ひがしいちひねり、西にしいちひねり、ひだりちょうひとつ、みぎちょうひとつ、中間ちゅうかんうま大王だいおうすわる。しんそこに、つきかたわらに、くぎってそこにふくをかけ、くるまって咸陽かう。」。

このほか日本にっぽんのおわら芸人げいにん篠宮しのみやあきら創作そうさくしたおぼがある。[9][10][11]: 「あなごと・くムくム・ちょううまちょうがつ刂・しん・⻌(アナゴン くムくム チョウバチョウ ゲツリ シン シンニョウ)」。なおただしいじゅんのっとるならば「チョウバチョウ」ではなく「バチョウチョウ」である。

文字もじコード[編集へんしゅう]

」は、JIS X 0208JIS X 0213などの日本にっぽん符号ふごう文字もじ集合しゅうごうにはふくまれておらず、また、国際こくさい符号ふごう文字もじ集合しゅうごうUnicodeにもながらくふくまれていなかったため、この表示ひょうじ入力にゅうりょくできる環境かんきょうかぎられている。

2017ねん11月22にちにこのCJK統合とうごう漢字かんじ拡張かくちょうG一部いちぶとしてUnicodeに登録とうろく申請しんせいされ[12]、2020ねん3がつのUnicode 13.0に収録しゅうろくされた。コード位置いちはU+30EDD(簡体字かんたいじ)、U+30EDE(繁体字はんたいじ)であり、だいさん漢字かんじめん収録しゅうろくされている。

印字いんじするさいには紙質かみしつにより文字もじつぶれるため、調整ちょうせい必要ひつようとなる[13][14]

構成こうせい[編集へんしゅう]

IDCくとつぎとおり: ⿺⻌⿳あな⿲⺼⿱⿲幺言幺⿲ちょううまちょう刂心

異体いたいのひとつならば: ⿺辶⿳あな⿲⺼⿱䜌⿲ちょううまちょう刂心[よう出典しゅってん]

地域ちいきでの普及ふきゅう[編集へんしゅう]

腰帯麺(ビャンビャン麺)
腰帯こしおびめん(ビャンビャンめん

北京ぺきんではビャンビャンめんのチェーンてんあつかっている。華南かなんにおいてもあつかみせ出現しゅつげんしはじめている。

日本にっぽん[編集へんしゅう]

日本にっぽんでは2019ねんごろから首都しゅとけん中心ちゅうしんに「ビャンビャンめん」をあつか中華ちゅうか料理りょうりてんはじめたという[15]東京とうきょう周辺しゅうへん個別こべつみせでビャンビャンめんしょうして幅広はばひろ麺類めんるい提供ていきょうするれいがあるが、陝西せんせいしょうのものとは風味ふうみことなる。大阪おおさか市内しない西安しーあん料理りょうりてんでは「腰帯こしおびめん(ビャンビャンめん)」との表記ひょうき提供ていきょうされているれいがある。

2020ねんセブンイレブンは「西安しーあんふううまからし香油こうゆめん ビャンビャンめん」の商品しょうひんめい販売はんばい開始かいしした[16]当初とうしょ東京とうきょうのみでの販売はんばいだったが、11月から首都しゅとけん東京とうきょう神奈川かながわけん千葉ちばけん埼玉さいたまけん)および宮城みやぎけん山形やまがたけん福島ふくしまけん東海とうかい愛知あいちけん岐阜ぎふけん三重みえけん静岡しずおかけん)、近畿きんき拡大かくだいしている[17]。2022ねん8がつふたたび「くろ八角はっかくかおるビャンビャンめん」という名前なまえ販売はんばいされた[18]

2021ねんにはレストランチェーンのバーミヤンで「ビャンビャンめん」が提供ていきょうされた[15][19]。また、2021ねんからカルディコーヒーファームめんあつかわれるようになった[15]。2022ねんには、サンヨー食品しょくひんから「ビャンビャンめんふう」としょうするカップめん[15][20]日清食品にっしんしょくひんからは冷凍れいとうタイプのめんがそれぞれ発売はつばいされた[15]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 梆梆bāngbāng、バンバン)めんもあるが、ビャンビャンめんとはことなる。
  2. ^ ちょうもち chángbǐng」をぎゃくにした「もちちょう」がちぢまってbiángとなったとするせつもある[6]
  3. ^ 標準ひょうじゅんてき中国ちゅうごく、およびその発音はつおん基礎きそとなった北京ぺきんにおいて、原則げんそくてきにはbiangという音節おんせつ存在そんざいしない。よって、このおとただしくあらわせる漢字かんじ北京ぺきん周辺しゅうへんにはなかった。このため、類似るいじおんしるした「すばるすばるめん」、「ぼうぼうめん」、「梆梆めん」などの表記ひょうき使用しようされている。ただし、北京ぺきん場合ばあいでも、擬音ぎおんなかにはbiangという音節おんせつ存在そんざいする。通常つうじょう一声いっせい発音はつおんされ、漢字かんじ表記ひょうきされず、ピンインそのままか、「梆」でする(「梆」本来ほんらい字音じおんbāng)。意味いみは、「ビューン」というおと銃声じゅうせい「バーン」「バキューン」である[8]
  4. ^ biangという発音はつおんは、陝西せんせいしょうのほか、江西えにししょう贛語福建ふっけんしょう閩語広東かんとんしょうきゃくなどにあり、いずれも「もち」、「へい」などのあらわおとである。陝西せんせいしょうでは「こおり」というもbiangとむ。
  5. ^ 香港ほんこん民放みんぽう綫電(TVB)で2007ねん放映ほうえいされた番組ばんぐみ一網打盡いちもうだじん』によると、番組ばんぐみプロデューサー大学だいがく教授きょうじゅ協力きょうりょくあおいで漢字かんじ」の起源きげんさぐろうとしたが、起源きげんについてはかくたる証拠しょうこつかむことができなかったため、ビャンビャンめんみせによる創作そうさくではないかと結論けつろんけている。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b 三省堂さんせいどう国語こくご辞典じてん新語しんごとしてくわわった「ビャンビャンめん」、漢字かんじくと大変たいへんなことに…|@DIME アットダイム - ウェイバックマシン(2022ねん6がつ30にちアーカイブぶん
  2. ^ おしえて! 陝西せんせいしょう西安しーあん名物めいぶつの「あぶら溌麺(ヨウポーミェン)」のあじになるものとは? - ウェイバックマシン(2020ねん6がつ10日とおかアーカイブぶん
  3. ^ 人気にんき急上昇きゅうじょうしょうぜん57かくはばひろめちゃちょう西安しーあん名物めいぶつ手打てうめん「ビャンビャンめん」のたのしみかた”. 80C(ハオチー). 中華ちゅうか高橋たかはし (2019ねん2がつ18にち). 2020ねん6がつ10日とおか閲覧えつらん
  4. ^ しゅう旺編『中華ちゅうか風味ふうみしょうども 傳説でんせつあずか烹飪』p90、2010ねん北京ぺきん化学かがく工業こうぎょう出版しゅっぱんしゃ
  5. ^ 坂本さかもと一敏かずとし中国ちゅうごくめん紀行きこうぜんしょうあるいたおとこ記録きろく』p214、2001ねん東京とうきょう一星いちぼし企画きかく
  6. ^ ながなおはら生態せいたいてき西安しーあんばなし』p70、2007ねん西安しーあん西安しーあん交通こうつう大学だいがく出版しゅっぱんしゃ
  7. ^ にんかつ、『せきちゅう方言ほうげんこうしゃく』、西安しーあん西安しーあん地図ちず出版しゅっぱんしゃ、1995ねん、pp14-15
  8. ^ 野口のぐちはじめおや中国ちゅうごく擬音ぎおん辞典じてん東方とうほう書店しょてん、1995ねん、xvii(中国ちゅうごく擬音ぎおん概説がいせつ), 8(辞典じてん本文ほんぶんぺーじISBN 4497954439。"〔「中国語ちゅうごくご擬音ぎおん概説がいせつ|4 発音はつおん意味いみ|(6)特殊とくしゅ音節おんせつ」〕擬音ぎおんのなかに,現代げんだい中国語ちゅうごくごよんひゃくあまり音節おんせつわくないにはまらない特殊とくしゅ音節おんせつ時折ときおり見受みうけられる。〔中略ちゅうりゃく〕これらはいずれも北京ぺきん方言ほうげんであるが,このように方言ほうげんとか日常にちじょうとか子供こども言葉ことばには音韻おんいん体系たいけい拘束こうそくされない発音はつおんもあることが擬音ぎおん特色とくしょくである。ただ文字もじできないので文献ぶんけんからは採集さいしゅうしにくい。場合ばあいによっては適当てきとう漢字かんじであてることもある"。 
  9. ^ オジンオズボーン篠宮しのみやあきら【ビャンビャンめん非公式ひこうしきCM」(日本語にほんご)『YouTube』2020ねん9がつ9にち、2020/09/09https://www.youtube.com/watch?v=lv3UEeBcGs0 
  10. ^ オジンオズボーン篠宮しのみやあきらびょう漢字かんじ暗記あんき】ビャンビャンめんの「ビャン」のおぼかた」『YouTube』、該当がいとう時間じかん: 1:54–1:592019ねん10がつ18にちhttps://www.youtube.com/watch?v=PzsrULnWBtE&t=114s 
  11. ^ オジンオズボーン篠宮しのみやあきら [@shinomiyaakira] (2019ねん10がつ17にち). "漢字かんじ「ビャン」のおぼかた #びょう漢字かんじ暗記あんき #ビャンビャンめんのビャン". X(きゅうTwitter)より2023ねん8がつ17にち閲覧えつらん
  12. ^ Additional repertoire for ISO/IEC 10646:2017 (5th ed.) Amendment 2.2” (PDF). The Unicode Consortium (2017ねん11月22にち). 2017ねん11月24にち閲覧えつらん
  13. ^ Aプロ校閲こうえつ事業じぎょうさんはTwitterを使つかっています: 「今回こんかい「ビャン」をさくしたものです。りまで一時いちじてき用意よういした漢字かんじなかで、もっと時間じかんようしました…(あせ 写真しゃしんはルーペしの印字いんじです。あら新聞紙しんぶんしでつぶれやかすれがしょうじぬようデザインしたこともあり、というよりなにかの模様もようつくっている感覚かんかくでした。(担)”. Twitter. 2022ねん7がつ20日はつか閲覧えつらん
  14. ^ まちのBきゅう言葉ことば図鑑ずかん)●●〈●はビャン〉めん 飯間いいま浩明ひろあき朝日新聞あさひしんぶんデジタル”. 朝日新聞あさひしんぶんデジタル. 2022ねん7がつ20日はつか閲覧えつらん
  15. ^ a b c d e おもねなま (2022ねん5がつ14にち). “〈カルディ、にちしん、サンヨウ〉べられる「ビャンビャンめん」3しゅ、ガチ中華ちゅうかマニアがくらべてみた”. 文春ぶんしゅんオンライン. 2023ねん5がつ7にち閲覧えつらん
  16. ^ Kosugi, Tomoya. “セブンさん、めん職人しょくにんやとった?ちょう極太ごくぶとの“ビャンビャンめん”でくちなか中国ちゅうごくになった”. BuzzFeed. 2020ねん9がつ5にち閲覧えつらん
  17. ^ 西安しーあんふううまからし香油こうゆめんビャンビャンめん - ウェイバックマシン(2021ねん1がつ14にちアーカイブぶん)(セブンイレブン公式こうしきサイト「商品しょうひんのご案内あんない」の「そば・うどん・中華麺ちゅうかめん」より)
  18. ^ くろ八角はっかくかおるビャンビャンめん - ウェイバックマシン(2022ねん8がつ24にちアーカイブぶん
  19. ^ バーミヤンにむねからしぜそば「ビャンビャンめん」がはつ登場とうじょう!やみつきになる中国ちゅうごく西安しーあん屋台やたいグルメ!!”. 株式会社かぶしきがいしゃすかいらーくホールディングス (2021ねん3がつ18にち). 2023ねん5がつ7にち閲覧えつらん
  20. ^ 相場そうばいちはな. “せてもらおうか史上しじょう最大さいだいきゅう幅広はばひろめんとやらを!サンヨー新作しんさく「ビャンビャンめんふう 辛口からくちあさ辣湯めん」をじつしょく”. Yahoo! JAPAN クリエイターズプログラム. 2023ねん5がつ7にち閲覧えつらん