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{{記事名の制約|title={{拡張漢字|G|𰻞𰻞}}麺|disablerealtitle=yes}} |
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{{Chinese|s=[[Image:Biang (简体).svg|60px]][[Image:Biang (简体).svg|60px]]<font size="+2.9">面<br><br>𰻝𰻝面</font>|t=[[Image:Biáng.svg|60px]][[Image:Biáng.svg|60px]]<font size="+2.9">麵<br><br>𰻞𰻞麵</font>|mi= {{IPAc-cmn|b|iang|2|.|b|iang|2|.|m|ian|4}}|p=biángbiángmiàn|gr=byangbyangmiann|bpmf=ㄅ⁠ㄧ⁠ㄤ⁠ˊ ㄅ⁠ㄧ⁠ㄤ⁠ˊ ㄇ⁠ㄧ⁠ㄢ⁠ˋ|w=piang<sup>2</sup>-piang<sup>2</sup>-mien<sup>4</sup>|myr=byángbyángmyàn|s2=<font size="+2.9">油泼扯面</font>|t2=<font size="+2.9">油潑扯麵</font>|p2=yóupō chěmiàn|gr2=youpo cheemiann|bpmf2=ㄧㄡˊ ㄆㄛ<br />ㄔㄜˇ ㄇㄧㄢˋ|w2=yu<sup>2</sup>-pʻo<sup>1</sup> chʻê<sup>3</sup>-mien<sup>4</sup>|myr2=yóupwō chěmyàn|mi2={{IPAc-cmn|you|2|.|p|uo|1|-|ch|e|3|.|m|ian|4}}|showflag=p}} |
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'''ビャンビャン 麺'''({{ 拡張漢字|G|𰻞𰻞}} 麺、ビャンビャンめん、[[ 中国語]]: {{lang|zh-tw|{{ 拡張漢字|G|𰻞𰻞}}麵}} / {{lang|zh-cn|{{ 拡張漢字|G|𰻝𰻝}} 面}})は[[ 中華人民共和国| 中国]]の[[ 陝西省]]でよく 食べられている 幅広の 手延[[ 麺]]{{Efn2|{{ 補助漢字フォント|梆梆}}({{Unicode|bāngbāng}}、バンバン) 麺という麺もあるが、ビャンビャン 麺とは 異なる。}}。[[ 標準中国語]]では{{Unicode|biángbiángmiàn}}、ビアンビアンミエン、[[ 西安方言]]では{{Unicode|biángbiǎngmiān}}、ビアンビアンミエンと 発音する。 |
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'''ビャンビャン 麺'''( ビャンビャンめん、{{ 拡張漢字|G|𰻞𰻞}} 麺、[[ 中国語]]:{{lang|zh-tw|{{ 拡張漢字|G|𰻞𰻞}}麵}} / {{lang|zh-cn|{{ 拡張漢字|G|𰻝𰻝}} 面}})は[[ 中華人民共和国| 中国]]の[[ 陝西省]]でよく 食べられている 幅広の 手延[[ 麺]]{{Efn2|{{ 補助漢字フォント|梆梆}}({{Unicode|bāngbāng}}、バンバン) 麺もあるが、ビャンビャン 麺とは 異なる。}} <ref name=":0">{{Wayback|url=https://dime.jp/genre/1407021/ |title=三省堂国語辞典に新語として加わった「ビャンビャン麺」、漢字で書くと大変なことに…|@DIME アットダイム |date=20220630134357}}</ref>。[[ 標準中国語]]では{{Unicode|biángbiángmiàn}}、ビアンビアンミエン、[[ 西安方言]]では{{Unicode|biángbiǎngmiān}}、ビアンビアンミエンと 発音する。 |
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== 概要 == |
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== 概要 == |
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原料は[[小麦粉]]で、水と[[食塩]]を加えてこねて生地を作り、ゆでる直前に両手で伸ばし、2 - 3[[センチメートル]]の幅に平たく伸して成形する。日本の[[ほうとう]]や[[うどん]]に似た[[食感]]を持つが、切って成形するものではない。長さは伸す台の長さによって決まり、1[[メートル]]になるものもある。「陝西十大怪」の1つにも挙げられるこの麺は、その長さと広い幅のために「麺条賽腰帯」と[[ベルト (服飾)|ベルト]]に例えられている。 |
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原料は[[小麦粉]]で、水と[[食塩]]を加えてこねて生地を作り、ゆでる直前に両手で伸ばし、2 - 3[[センチメートル]]の幅に平たく伸して成形する。日本の[[ほうとう]]や[[うどん]]に似た[[食感]]を持つが、切って成形するものではない。長さは伸す台の長さによって決まり、1[[メートル]]になるものもある。「陝西十大怪」の1つにも挙げられるこの麺は、その長さと広い幅のために「麺条賽腰帯」と[[ベルト (服飾)|ベルト]]に例えられている。 |
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陝西省の[[咸陽市]]周辺では、「油潑扯麵」(ヨウポー チョーミエン)とも言われる、ゆでた麺の上に[[唐辛子]]や刻み[[ネギ|葱]]をかけ、それに熱した[[ピーナッツオイル|ピーナッツ油]]などの油をかけて香りを出し、和えて食べる方法が主流で、特に冬になると唐辛子を大量にかけて食する<ref>{{Cite web |url=https://www.ab-road.net/asia/china/xi_an/guide/gourmet/15038.html |title=教えて! 陝西省西安名物の「油溌麺(ヨウポーミェン)」の味の決め手になるものとは? |accessdate=2020-6-10 |date=2018-2-27 |website=[[AB-ROAD]]}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://80c.jp/column/20190218-1.html |title=人気急上昇!全57画⁉幅広めちゃ長、西安名物の手打ち麺「ビャンビャン麺」の楽しみ方 |accessdate=2020-6-10 |date=2019-2-18 |website=80C(ハオチー) |publisher=中華・高橋}}</ref>。[[酢]]、[[塩]]、[[醤油]]、唐辛子、[[花椒]]などの調味料や[[モヤシ|もやし]]、[[コリアンダー]]、肉などの具材を加えてあえて食べることも、酸味と辛みのある[[スープ]]に入れることもある。調味料だけで具のないものは[[田舎]]に住む貧民の食事であったが、近年ではその風変わりな名前や表記から脚光を浴び、[[西安市]]などの近郊都市だけでなく、中国各地の都市、さらには海外でも提供されるようになった。 |
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陝西省の[[咸陽市]]周辺では、「油溌扯麺」(ゆはつしゃめん、ヨウポー・ツォーミェン、{{Lang-zh|s=油泼扯面|t=油潑扯麵}})とも言われる、ゆでた麺の上に[[唐辛子]]や刻み[[ネギ|葱]]をかけ、それに熱した[[ピーナッツオイル|ピーナッツ油]]などの油をかけて香りを出し、和えて食べる方法が主流で、特に冬になると唐辛子を大量にかけて食する<ref>{{Wayback|url=https://www.ab-road.net/asia/china/xi_an/guide/gourmet/15038.html |title=教えて! 陝西省西安名物の「油溌麺(ヨウポーミェン)」の味の決め手になるものとは? |date=20200610080048}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://80c.jp/column/20190218-1.html |title=人気急上昇!全57画⁉幅広めちゃ長、西安名物の手打ち麺「ビャンビャン麺」の楽しみ方 |accessdate=2020-6-10 |date=2019-2-18 |website=80C(ハオチー) |publisher=中華・高橋}}</ref>。[[酢]]、[[塩]]、[[醤油]]、唐辛子、[[花椒]]などの調味料や[[モヤシ|もやし]]、[[コリアンダー]]、肉などの具材を加えてあえて食べることも、酸味と辛みのある[[スープ]]に入れることもある。調味料だけで具のないものは[[田舎]]に住む貧民の食事であったが、近年ではその風変わりな名前や表記から脚光を浴び、[[西安市]]などの近郊都市だけでなく、中国各地の都市、さらには海外でも提供されるようになった。 |
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== 名称 == |
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== 名称 == |
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[[File:Biáng.svg|left|thumb|「ビャン」の漢字]] |
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[[ファイル:Biáng.svg|left|thumb|「ビャン」の漢字]] |
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ビャンビャン麺という名称とその表記に使われる漢字「[[File:Biáng.svg|16px]]」の起源は諸説あり、確定していない。 |
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ビャンビャン麺という名称とその表記に使われる漢字「[[ファイル:Biáng.svg|16px]]」の起源は諸説あり、確定していない。 |
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名称についての説明として、平たいことを意味する「扁扁」が訛ったものという説がある。陝西を含む西北方言では、地方によって標準北京音の「an」が「ang」と発音される場合がある。この地方名が現物とともに中国各地に伝わる過程で原義が忘れられ、音だけが残ったものというのである。このほか、調理時に麺が発する音や販売時の拍子木の音などの擬音に由来する様々な[[民間語源]]説がある<ref>周旺編『{{zh|中華風味小吃 傳説与烹飪}}』p90、2010年、北京・化学工業出版社。</ref><ref>坂本一敏『中国麺食い紀行 — 全省で食べ歩いた男の記録』p214、2001年、東京・一星企画</ref>{{Efn2|「長餅 {{Unicode|chángbǐng}}」を逆にした「餅長」が縮まって{{Unicode|biáng}}となったとする説もある<ref>伍永尚『原生態的西安話』p70、2007年、西安・西安交通大学出版社</ref>。}}。陝西方言の研究者任克は『関中方言詞語考釈』<ref>任克、『関中方言詞語考釈』、西安・西安地図出版社、1995年、pp14-15</ref>で「{{Lang|zh|餅餅麺}}([[簡体字]]:{{Lang|zh|饼饼面}})」という字に{{Unicode|biángbiǎngmiān}}との読みを記している。名称の由来として、西安市[[雁塔区]]には「水餅子」というゆでた平たい麺類があり、「餅餅麺」も『[[斉民要術]]』に見える「水引餅」や、[[漢]]代の『[[釈名]]』にも見え、[[宋代]]に出産祝いの宴会に用いられた「湯餅」が変化したものとし、「餅餅」と呼んでいた物に、後から[[接尾語]]の「麺」が付いたとする。また、この場合の[[餅]]は、「麺餅」、すなわち、小麦粉を水でこねて伸した加工品全般を指す。西安方言で「餅」は一般的には{{Unicode|bìng}}のような発音だが、{{Unicode|biáng}}と発音するのは伝わった時代差による白文異読と呼ばれる現象とする。 |
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名称についての説明として、平たいことを意味する「扁扁」が訛ったものという説がある。陝西を含む西北方言では、地方によって標準北京音の「an」が「ang」と発音される場合がある。この地方名が現物とともに中国各地に伝わる過程で原義が忘れられ、音だけが残ったものというのである。このほか、調理時に麺が発する音や販売時の拍子木の音などの擬音に由来する様々な[[民間語源]]説がある<ref>周旺編『{{zh|中華風味小吃 傳説与烹飪}}』p90、2010年、北京・化学工業出版社。</ref><ref>坂本一敏『中国麺食い紀行 — 全省で食べ歩いた男の記録』p214、2001年、東京・一星企画</ref>{{Efn2|「長餅 {{Unicode|chángbǐng}}」を逆にした「餅長」が縮まって{{Unicode|biáng}}となったとする説もある<ref>伍永尚『原生態的西安話』p70、2007年、西安・西安交通大学出版社</ref>。}}。 |
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陝西方言の研究者任克は『関中方言詞語考釈』<ref>任克、『関中方言詞語考釈』、西安・西安地図出版社、1995年、pp14-15</ref>で「餅餅麺({{繁体字|餅餅麵}}、{{簡体字|饼饼面}})」という字に{{Unicode|biángbiǎngmiān}}との読みを記している。名称の由来として、西安市[[雁塔区]]には「水餅子」というゆでた平たい麺類があり、「餅餅麺」も『[[斉民要術]]』に見える「水引餅」や、[[漢]]代の『[[釈名]]』にも見え、[[宋代]]に出産祝いの宴会に用いられた「湯餅」が変化したものとし、「餅餅」と呼んでいた物に、後から[[接尾語]]の「麺」が付いたとする。また、この場合の[[餅]]は、「麺餅」、すなわち、小麦粉を水でこねて伸した加工品全般を指す。西安方言で「餅」は一般的には{{Unicode|bìng}}のような発音だが、{{Unicode|biáng}}と発音するのは伝わった時代差による白文異読と呼ばれる現象とする。 |
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表記に 用いられる「[[ ファイル:Biáng.svg|16px]]」は[[ 方言字]]のひとつである。ただし、[[ 清]] 代の[[ 康熙 字典]]に 見当たらず、20 世紀までに 出版された 陝西方言の 研究書や 漢字研究書にもみられないため、かなり 新しく 作成されたものと 考えられる{{Efn2| 標準的な[[ 中国語]]、およびその[[ 発音]]の 基礎となった[[ 北京語]]において、 原則的にはbiangという[[ 音節]]は 存在しない。よって、この 音を 正しく 表せる 漢字も 北京周辺にはなかった。このため、 類似音を 記した「 比昴比昴麺」、「 棒棒麺」、「{{ 補助漢字フォント|梆梆}} 麺」などの 表記も 使用されている。ただし、 北京語の 場合でも、[[ 擬音語]]の 中にはbiangという 音節は 存在する。 通常、[[ 普通話# 声調| 一声]]で 発音され、 漢字で 表記されず、[[ピンイン]]そのままか、「梆」で[[ 当て 字]]する(「梆」 本来の 字音は{{Unicode|bāng}})。 意味は、「ビューン」という 音、 銃声「バーン」「バキューン」である<ref>{{Cite book | 和書 |author= 野口宗親 |authorlink= |year=1995 |title= 中国語擬音語辞典 |publisher=[[ 東方書店]] |page=xvii( 中国語擬音語概説), 8( 辞典本文) |isbn=4497954439 |quote=〔「 中国語擬音語概説|4 発音と 意味|(6) 特殊な 音節」〕 擬音語のなかに, 現代中国語の 四百余の 音節の 枠内にはまらない 特殊な 音節が 時折見受けられる。〔 中略〕これらはいずれも 北京方言であるが,このように 方言とか 日常語とか 子供の 言葉には 音韻体系に 拘束されない 発音もあることが 擬音語の 特色である。ただ 文字化できないので 文献からは 採集しにくい。 場合によっては 適当な 漢字であてることもある}}</ref>。}}{{Efn2|biangという 発音は、 陝西省のほか、[[ 江西省]]の[[贛語]]、[[ 福建省]]の[[閩語]]、[[ 広東省]]の[[ 客家語]]などにあり、いずれも「 餅」、「 丙」などの 字を 表す 音である。 陝西省では「 氷」という 字もbiangと 読む。}}{{Efn2|[[ 香港]]の[[ 民間放送| 民放]]・[[ 無綫電 視]](TVB)で[[2007 年]]に 放映された 番組『[[:zh: 一網打盡|{{Lang|zh| 一網打盡}}]]』によると、 番組の[[プロデューサー]]が[[ 大学]][[ 教授]]に 協力を 仰いで 漢字「[[ ファイル:Biáng.svg|16px]]」の 起源を 探ろうとしたが、 字の 起源については 確たる 証拠を 掴むことができなかったため、ビャンビャン 麺の 店による 創作ではないかと 結論付けている。}}。 |
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2021年の[[三省堂国語辞典]]第八版に「ビャンビャン麺」が収録された<ref name=":0" />。 |
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表記に 用いられる「[[ File:Biáng.svg|16px]]」は[[ 方言字]]のひとつである。ただし、[[ 清]] 代の[[ 康熙 字典]]に 見当たらず、20 世紀までに 出版された 陝西方言の 研究書や 漢字研究書にもみられないため、かなり 新しく 作成されたものと 考えられる{{Efn2| 標準的な[[ 中国語]]、およびその[[ 発音]]の 基礎となった[[ 北京語]]において、 原則的にはbiangという[[ 音節]]は 存在しない。よって、この 音を 正しく 表せる 漢字も 北京周辺にはなかった。このため、 類似音を 記した「 比昴比昴麺」、「 棒棒麺」、「{{ 補助漢字フォント|梆梆}} 麺」などの 表記も 使用されている。ただし、 北京語の 場合でも、[[ 擬音語]]の 中にはbiangという 音節は 存在する。 通常、[[ 普通話# 声調| 一声]]で 発音され、 漢字で 表記されず、[[ピンイン]]そのままか、「梆」で[[ 当て 字]]する(「梆」 本来の 字音は{{Unicode|bāng}})。 意味は、「ビューン」という 音、 銃声「バーン」「バキューン」である<ref>{{Cite book | 和書 |author= 野口宗親 |authorlink= 野口宗親 |year=1995 |title= 中国語擬音語辞典 |publisher=[[ 東方書店]] |page=xvii( 中国語擬音語概説), 8( 辞典本文) |isbn=4497954439 |quote=〔「 中国語擬音語概説|4 発音と 意味|(6) 特殊な 音節」〕 擬音語のなかに, 現代中国語の 四百余の 音節の 枠内にはまらない 特殊な 音節が 時折見受けられる。〔 中略〕これらはいずれも 北京方言であるが,このように 方言とか 日常語とか 子供の 言葉には 音韻体系に 拘束されない 発音もあることが 擬音語の 特色である。ただ 文字化できないので 文献からは 採集しにくい。 場合によっては 適当な 漢字であてることもある}}</ref>。}}{{Efn2|biangという 発音は、 陝西省のほか、[[ 江西省]]の[[贛語]]、[[ 福建省]]の[[閩語]]、[[ 広東省]]の[[ 客家語]]などにあり、いずれも「 餅」、「 丙」などの 字を 表す 音である。 陝西省では「 氷」という 字もbiangと 読む。}}{{Efn2|[[ 香港]]の[[ 民間放送| 民放]]・[[ 無綫電 視]](TVB)で[[2007 年]]に 放映された 番組『[[:zh: 一網打盡|{{Lang|zh| 一網打盡}}]]』によると、 番組の[[プロデューサー]]が[[ 大学]][[ 教授]]に 協力を 仰いで 漢字「[[ File:Biáng.svg|16px]]」の 起源を 探ろうとしたが、 字の 起源については 確たる 証拠を 掴むことができなかったため、ビャンビャン 麺の 店による 創作ではないかと 結論付けている。}}。 |
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=== 漢字 === |
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=== 漢字 === |
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[[File:Biang biang noodles.jpg|thumb|220px|ビャンビャン麺専門店の例]] |
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[[ファイル:Biang biang noodles.jpg|thumb|220px|ビャンビャン麺専門店の例]] |
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==== 筆画 ==== |
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==== 筆画 ==== |
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[[File:Biáng-rubbings.png|thumb|1900年以前の「ビャン」の小篆]] |
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[[ファイル:Biáng-rubbings.png|thumb|1900年以前の「ビャン」の小篆]] |
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名称に用いられている[[漢字]]「[[File:Biáng.svg|16px]]」は、[[Unicode]]では58画と定義されており<ref name="l215-225" />、現代使用されている漢字の中ではきわめて複雑である。また、中国で常用されているポケットサイズの『[[新華字典]]』はもとより、『[[康熙字典]]』や『[[中華大字典]]』のような大型[[字書]]にも載っていない。また、長らく[[Unicode]]にも収録されておらず、一般的な[[コンピューター]]では表示・入力できなかった(後述)。なお、この文字よりも[[筆画]]が多く複雑な漢字として、「龍」を4つ並べた「{{拡張漢字|B|𪚥}}」([[画像:Zhé.svg|24px]]、テツ、64画)などがあり、[[和製漢字]]の「[[たいと|{{拡張漢字|G|𱁬}}]]」([[画像:Taito_1.svg|24px]]、たいと、84画)も知られている。 |
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名称に用いられている[[漢字]]「[[ファイル:Biáng.svg|16px]]」は58画で構成され、現代使用されている漢字の中ではきわめて複雑である。また、中国で常用されているポケットサイズの『[[新華字典]]』はもとより、『[[康熙字典]]』や『[[中華大字典]]』のような大型[[字書]]にも載っていない。なお、この文字よりも[[筆画]]が多く複雑な漢字として、「龍」を4つ並べた「{{拡張漢字|B|𪚥}}」([[ファイル:Zhé.svg|24px]]、テツ、64画)などがあり、[[和製漢字]]の「[[たいと|{{拡張漢字|G|𱁬}}]]」([[ファイル:Taito 1.svg|24px]]、たいと、84画)も知られている。 |
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==== 覚え方 ==== |
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==== 覚え方 ==== |
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[[File:Biáng-order.gif|left|thumb|「[[File:Biáng.svg|16px]]」の書き順]] |
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[[ファイル:Biáng-order.gif|left|thumb|「[[ファイル:Biáng.svg|16px]]」の書き順]] |
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前述の通り「[[File:Biáng.svg|16px]]」という字は余りに複雑なため、陝西省居住者の間では字の書き方を思い出す手助けとなる短い詩がいくつか存在する。 |
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前述の通り「[[ファイル:Biáng.svg|16px]]」という字は余りに複雑なため、陝西省居住者の間では字の書き方を思い出す手助けとなる短い詩がいくつか存在する。 |
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そのうちの一つは、右に「{{JIS2004フォント|刂}}」ではなく「丁」と書く[[異体字]]の説明であるが、「{{Lang|zh|一点儿冲上天,黄河两道湾,八字大张口,言字往里走,东一“扭”西一“扭”,左一长右一长,中间坐个马大王,心字底月字旁,楔个钉子挂衣裳,坐个车车到咸阳。}}」といい、日本語訳は「点が天辺に飛上り、黄河両端で曲がる、八の字が大きく口を広げ、言の字が中へ入る。東に一ひねり、西に一ひねり、左に長一つ、右に長一つ、中間に馬大王が座る。心の字が底に、月が傍らに、釘を打ってそこに服をかけ、車に乗って[[咸陽市|咸陽]]へ向かう。」。 |
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そのうちの一つは、右に「{{JIS2004フォント|刂}}」ではなく「丁」と書く[[異体字]]の説明であるが、「{{lang|zh-hans|一点儿冲上天,黄河两道湾,八字大张口,言字往里走,东一“扭”西一“扭”,左一长右一长,中间坐个马大王,心字底月字旁,楔个钉子挂衣裳,坐个车车到咸阳。}}」といい、日本語訳は「点が天辺に飛上り、黄河両端で曲がる、八の字が大きく口を広げ、言の字が中へ入る。東に一ひねり、西に一ひねり、左に長一つ、右に長一つ、中間に馬大王が座る。心の字が底に、月が傍らに、釘を打ってそこに服をかけ、車に乗って[[咸陽市|咸陽]]へ向かう。」。 |
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この他に日本のお笑い芸人[[篠宮暁]]が創作した覚え歌がある。<ref>{{Cite video |和書 |title=【ビャンビャン麺】非公式CM |date=2020-09-09 |author=オジンオズボーン篠宮暁 |authorlink=篠宮暁 |url=https://www.youtube.com/watch?v=lv3UEeBcGs0 |publication-date=2020/09/09 |work=YouTube |language=ja-JP}}</ref><ref>{{Cite video |和書 |title=【秒で漢字暗記】ビャンビャン麺の「ビャン」の覚え方 |date=2019-10-18 |author=オジンオズボーン篠宮暁 |authorlink=篠宮暁 |url=https://www.youtube.com/watch?v=PzsrULnWBtE&t=114s |time=1:54–1:59 |publication-date=2019-10-18 |work=YouTube}}</ref><ref>{{Cite tweet |user=shinomiyaakira |number=1184724904031051776 |title=漢字「ビャン」の覚え方 #秒で漢字暗記 #ビャンビャン麺のビャン |date=2019-10-17 |author=オジンオズボーン篠宮暁 |authorlink=篠宮暁 |access-date=2023-08-17}}</ref>: 「穴言・くムくム・長馬長・月刂・心・⻌(アナゴン くムくム チョウバチョウ ゲツリ シン シンニョウ)」。なお正しい書き順に則るならば「チョウバチョウ」ではなく「バチョウチョウ」である。 |
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==== 文字コード ==== |
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==== 文字コード ==== |
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「[[File:Biáng.svg|16px]]」は、[[JIS X 0208]]や[[JIS X 0213]]などの日本の[[符号化文字集合]]には含まれておらず、また、国際符号化文字集合[[Unicode]]にも長らく含まれていなかった為、この字を表示・入力できる環境は限られている。 |
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「[[ファイル:Biáng.svg|16px]]」は、[[JIS X 0208]]や[[JIS X 0213]]などの日本の[[符号化文字集合]]には含まれておらず、また、国際符号化文字集合[[Unicode]]にも長らく含まれていなかった為、この字を表示・入力できる環境は限られている。 |
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2017年11月22日にこの字が[[CJK統合漢字拡張G]]の一部としてUnicodeに登録申請され<ref>{{cite web |
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Unicode 6.3.0において、英語版Wikipediaの当項目の記事を典拠として[[U-Source Ideographs]]にこの文字が収録され<ref>[[#USourceData-6.2.0|USourceData-6.2.0]]</ref>、[[CJK統合漢字]]拡張Fへの追加が検討された<ref name="kenblog2015">[[#KenBlog2015|KenBlog2015]]</ref>が、信頼性に欠けるとして却下された<ref name="kenblog2015" />。 |
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| url = http://www.unicode.org/wg2/docs/n4922-5theditionPdam2-2-charts.pdf |
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| title = Additional repertoire for ISO/IEC 10646:2017 (5th ed.) Amendment 2.2 |
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| publisher = [[ユニコードコンソーシアム|The Unicode Consortium]] |
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| accessdate = 2017 -11- 24 }} </ref>、2020 年3 月のUnicode 13.0に 収録された。コード 位置はU+30EDD( 簡体字)、U+30EDE( 繁体字)であり、[[ 第三漢字面]]に 収録されている。 |
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印字する際には紙質により文字が潰れるため、調整が必要となる<ref>{{Cite web|和書|title=Aプロ校閲事業部さんはTwitterを使っています: 「今回「ビャン」を作字した者です。締め切りまで一時的に用意した漢字の中で、最も時間を要しました…(汗 写真はルーペ越しの印字です。目の粗い新聞紙でつぶれやかすれが生じぬようデザインしたこともあり、字というより何かの模様を作っている感覚でした。(担) |url=https://twitter.com/ampkoetsu/status/1549288845459746816 |website=Twitter |access-date=2022-07-20 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=(街のB級言葉図鑑)●●〈●はビャン〉麺 飯間浩明:朝日新聞デジタル |url=https://www.asahi.com/articles/DA3S15355947.html?iref=ogimage_rek |website=朝日新聞デジタル |access-date=2022-07-20 |language=ja}}</ref>。 |
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漢字研究家の[[ケン・ランディ]]は、2015年11月2日から5日にかけて開催されるUnicode Technical Committeeにおいて、「{{Lang|zh|Biáng 形纹样探究}}」という論文を典拠として<ref name="l215-225">[[#ProposalL2/15-225|ProposalL2/15-225]]</ref>、簡体字とともにふたたびこの文字の追加を提案する予定であることを明かし<ref name="kenblog2015" />、これが受理されればCJK統合漢字拡張Hに収録される予定であった。 |
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==== 構成 ==== |
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2017 年11 月22日にこの字が[[拡張漢字|CJK統合漢字拡張G]]の一部としてUnicodeに登録申請され{{r|n4922-5theditionPdam2-2- charts.pdf}}、2020 年3 月のUnicode 13.0に 収録された。コード 位置はU+30EDD( 簡体字)、U+30EDE( 繁体字)であり、[[ 第三漢字面]]に 収録されている。 |
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[[漢字構成記述文字|IDC]]で書くと次の通り: <code>⿺⻌⿳穴⿲⺼⿱⿲幺言幺⿲長馬長刂心</code>。 |
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{{要出典範囲|異体字のひとつならば: <code>⿺辶⿳穴⿲⺼⿱䜌⿲長馬長刂心</code>。|date=2023年5月}} |
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== 他地域での普及 == |
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== 他地域での普及 == |
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[[ファイル:腰帯麺(ビャンビャン麺).jpg|代替文=腰帯麺(ビャンビャン麺)|サムネイル|腰帯麺(ビャンビャン麺)]] |
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[[ファイル:腰帯麺(ビャンビャン麺).jpg|thumb|代替文=腰帯麺(ビャンビャン麺)|腰帯麺(ビャンビャン麺)]] |
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[[北京市|北京]]ではビャンビャン麺のチェーン店で取り扱っている。[[華南]]においても扱う店が出現しはじめている。日本においても[[東京都|東京]]周辺の個別の店でビャンビャン麺と称して幅広の麺類を提供する例があるが、陝西省のものとは風味が異なる。大阪市内の西安料理店では「腰帯麺(ビャンビャン麺)」との表記で提供されている例がある。 |
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[[北京市|北京]]ではビャンビャン麺のチェーン店で取り扱っている。[[華南]]においても扱う店が出現しはじめている。 |
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=== 日本 === |
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日本では2019年ごろから首都圏を中心に「ビャンビャン麺」を扱う中華料理店が増え始めたという<ref name="bunshun_54220">{{Cite web|和書|url=https://bunshun.jp/articles/-/54220|title=〈カルディ、日清、サンヨウ〉家で食べられる「ビャンビャン麺」3種、ガチ中華マニアが食べ比べてみた|author=阿生|work=文春オンライン|date=2022-05-14|accessdate=2023-5-7}}</ref>。[[東京都|東京]]周辺の個別の店でビャンビャン麺と称して幅広の麺類を提供する例があるが、陝西省のものとは風味が異なる。大阪市内の西安料理店では「腰帯麺(ビャンビャン麺)」との表記で提供されている例がある。 |
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2020 年、[[セブン-イレブン|セブンイレブン]]は「 西安風うま 辛香油麺 ビャンビャン 麺」の 商品名で 販売を 開始した<ref>{{Cite web |和書|title=セブンさん、 麺職人を 雇った? 超極太の“ビャンビャン 麺”で 口の 中が 中国になった|url=https://www.buzzfeed.com/jp/tomoyakosugi/seven-byanbyan-men|website=BuzzFeed|accessdate=2020-09-05|language=ja|first=Tomoya|last=Kosugi}}</ref>。 当初は[[ 東京都]]のみでの 販売だったが、11月から 首都圏( 東京都、[[ 神奈川県]]、[[ 千葉県]]、[[ 埼玉県]])<!-- セブンイレブンの 公式地域区分に 準拠した 書き 方のため、 敢えて 括弧書きで 南関東の1 都3 県を 記載。 -->および[[ 宮城県]]、[[ 山形県]]、[[ 福島県]]、 東海([[ 愛知県]]、[[ 岐阜県]]、[[ 三重県]]、[[ 静岡県]])<!-- セブンイレブンの 公式地域区分に 準拠した 書き 方のため、 敢えて 括弧書きで 東海4 県を 記載。なお、 東海3 県はセブンイレブンでは 中京で 表記 -->、[[ 近畿地方| 近畿]]に 拡大している<ref> {{Wayback|url=https://www.sej.co.jp/products/a/item/090217/ |title=西安風うま 辛香油麺ビャンビャン 麺 |date=20210114061248}}(セブンイレブン 公式サイト「 商品のご 案内」の「そば・うどん・ 中華麺」より)</ref>。2022 年8月に 再び「黒酢と八角香るビャンビャン 麺」という名前で販売された <ref>{{Wayback|url=https://www. sej.co.jp/products/ a/ item/092806/kanto/ |title=黒酢と八角香るビャンビャン麺 |date=20220824122902}}</ref>。 |
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2021年にはレストランチェーンの[[バーミヤン (レストランチェーン)|バーミヤン]]で「ビャンビャン麺」が提供された<ref name="bunshun_54220"/><ref>{{Cite web|和書|url=https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000144.000017486.html|title=バーミヤンに旨辛混ぜそば「ビャンビャン麺」が初登場!やみつきになる中国・西安の屋台グルメ!!|publisher=株式会社すかいらーくホールディングス|date=2021-3-18|accessdate=2023-5-7}}</ref>。また、2021年から[[カルディコーヒーファーム]]で麺が取り扱われるようになった<ref name="bunshun_54220"/>。2022年には、[[サンヨー食品]]から「ビャンビャン麺風」と称するカップ麺が<ref name="bunshun_54220"/><ref>{{Cite web|和書|url=https://creators.yahoo.co.jp/aibaichika/0100378335|author=相場一花|title=見せて貰おうか史上最大級幅広麺とやらを!サンヨー新作「ビャンビャン麺風 辛口麻辣湯麺」を実食|work=Yahoo! JAPAN クリエイターズプログラム|accessdate=2023-5-7}}</ref>、[[日清食品]]からは冷凍タイプの麺がそれぞれ発売された<ref name="bunshun_54220"/>。 |
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2020 年、[[セブン-イレブン|セブンイレブン]]は「 西安風うま 辛香油麺 ビャンビャン 麺」の 商品名で 販売を 開始した<ref>{{Cite web|title=セブンさん、 麺職人を 雇った? 超極太の“ビャンビャン 麺”で 口の 中が 中国になった|url=https://www.buzzfeed.com/jp/tomoyakosugi/seven-byanbyan-men|website=BuzzFeed|accessdate=2020-09-05|language=ja|first=Tomoya|last=Kosugi}}</ref>。 当初は[[ 東京都]]のみでの 販売だったが、11月から 首都圏( 東京都、[[ 神奈川県]]、[[ 千葉県]]、[[ 埼玉県]])<!-- セブンイレブンの 公式地域区分に 準拠した 書き 方のため、 敢えて 括弧書きで 南関東の1 都3 県を 記載。 -->および[[ 宮城県]]、[[ 山形県]]、[[ 福島県]]、 東海([[ 愛知県]]、[[ 岐阜県]]、[[ 三重県]]、[[ 静岡県]])<!-- セブンイレブンの 公式地域区分に 準拠した 書き 方のため、 敢えて 括弧書きで 東海4 県を 記載。なお、 東海3 県はセブンイレブンでは 中京で 表記 -->、[[ 近畿地方| 近畿]]に 拡大している<ref> [https://www.sej.co.jp/products/a/item/090217/ 西安風うま 辛香油麺ビャンビャン 麺](セブンイレブン 公式サイト「 商品のご 案内」の「そば・うどん・ 中華麺」より)</ref>。 </br>2022 年に は[[サンヨー食品]]から『ビャンビャン 麺風 西安式旨辛麺』が発売された [https://www. sanyofoods.co.jp/products/ 6565/ ]。 |
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独自の技術を用いることで超幅広めんをノンフライで実現したという。</br> |
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また、[[カルディコーヒーファーム]][https://www.kaldi.co.jp/ec/pro/disp/1/4515996934636]や、[[バーミヤン]](2021年度)[https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000144.000017486.html]等でも取り扱われている。 |
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== 脚注 == |
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=== 出典 === |
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<ref name="n4922-5theditionPdam2-2-charts.pdf">{{cite web |
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| title = Two Biángs Are Better Than One |
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| ref = KenBlog2015}} |
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* {{Cite web |
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| first = Ken |
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| title = Proposal to add one character to UAX #45 |
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| date = 2015-09-17 |
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| format = PDF |
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| url = http://www.unicode.org/L2/L2015/15225-uax45-addition.pdf |
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| ref = ProposalL2/15-225}} |
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* {{Cite web |
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| publisher = [[ユニコードコンソーシアム|The Unicode Consortium]] |
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| url = http://www.unicode.org/Public/6.2.0/ucd/USourceData.txt |
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[[Category:中国の麺料理]] |
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[[Category:陝西の食文化]] |
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ビャンビャン麺(ビャンビャンめん、𰻞𰻞麺、中国語:𰻞𰻞麵 / 𰻝𰻝面)は中国の陝西省でよく食べられている幅広の手延麺[注 1][1]。標準中国語ではbiángbiángmiàn、ビアンビアンミエン、西安方言ではbiángbiǎngmiān、ビアンビアンミエンと発音する。
原料は小麦粉で、水と食塩を加えてこねて生地を作り、ゆでる直前に両手で伸ばし、2 - 3センチメートルの幅に平たく伸して成形する。日本のほうとうやうどんに似た食感を持つが、切って成形するものではない。長さは伸す台の長さによって決まり、1メートルになるものもある。「陝西十大怪」の1つにも挙げられるこの麺は、その長さと広い幅のために「麺条賽腰帯」とベルトに例えられている。
陝西省の咸陽市周辺では、「油溌扯麺」(ゆはつしゃめん、ヨウポー・ツォーミェン、簡体字: 油泼扯面; 繁体字: 油潑扯麵)とも言われる、ゆでた麺の上に唐辛子や刻み葱をかけ、それに熱したピーナッツ油などの油をかけて香りを出し、和えて食べる方法が主流で、特に冬になると唐辛子を大量にかけて食する[2][3]。酢、塩、醤油、唐辛子、花椒などの調味料やもやし、コリアンダー、肉などの具材を加えてあえて食べることも、酸味と辛みのあるスープに入れることもある。調味料だけで具のないものは田舎に住む貧民の食事であったが、近年ではその風変わりな名前や表記から脚光を浴び、西安市などの近郊都市だけでなく、中国各地の都市、さらには海外でも提供されるようになった。
ビャンビャン麺という名称とその表記に使われる漢字「」の起源は諸説あり、確定していない。
名称についての説明として、平たいことを意味する「扁扁」が訛ったものという説がある。陝西を含む西北方言では、地方によって標準北京音の「an」が「ang」と発音される場合がある。この地方名が現物とともに中国各地に伝わる過程で原義が忘れられ、音だけが残ったものというのである。このほか、調理時に麺が発する音や販売時の拍子木の音などの擬音に由来する様々な民間語源説がある[4][5][注 2]。
陝西方言の研究者任克は『関中方言詞語考釈』[7]で「餅餅麺(繁体字: 餅餅麵、簡体字: 饼饼面)」という字にbiángbiǎngmiānとの読みを記している。名称の由来として、西安市雁塔区には「水餅子」というゆでた平たい麺類があり、「餅餅麺」も『斉民要術』に見える「水引餅」や、漢代の『釈名』にも見え、宋代に出産祝いの宴会に用いられた「湯餅」が変化したものとし、「餅餅」と呼んでいた物に、後から接尾語の「麺」が付いたとする。また、この場合の餅は、「麺餅」、すなわち、小麦粉を水でこねて伸した加工品全般を指す。西安方言で「餅」は一般的にはbìngのような発音だが、biángと発音するのは伝わった時代差による白文異読と呼ばれる現象とする。
表記に用いられる「」は方言字のひとつである。ただし、清代の康熙字典に見当たらず、20世紀までに出版された陝西方言の研究書や漢字研究書にもみられないため、かなり新しく作成されたものと考えられる[注 3][注 4][注 5]。
2021年の三省堂国語辞典第八版に「ビャンビャン麺」が収録された[1]。
名称に用いられている漢字「」は58画で構成され、現代使用されている漢字の中ではきわめて複雑である。また、中国で常用されているポケットサイズの『新華字典』はもとより、『康熙字典』や『中華大字典』のような大型字書にも載っていない。なお、この文字よりも筆画が多く複雑な漢字として、「龍」を4つ並べた「𪚥」(、テツ、64画)などがあり、和製漢字の「𱁬」(、たいと、84画)も知られている。
前述の通り「」という字は余りに複雑なため、陝西省居住者の間では字の書き方を思い出す手助けとなる短い詩がいくつか存在する。
そのうちの一つは、右に「刂」ではなく「丁」と書く異体字の説明であるが、「一点儿冲上天,黄河两道湾,八字大张口,言字往里走,东一“扭”西一“扭”,左一长右一长,中间坐个马大王,心字底月字旁,楔个钉子挂衣裳,坐个车车到咸阳。」といい、日本語訳は「点が天辺に飛上り、黄河両端で曲がる、八の字が大きく口を広げ、言の字が中へ入る。東に一ひねり、西に一ひねり、左に長一つ、右に長一つ、中間に馬大王が座る。心の字が底に、月が傍らに、釘を打ってそこに服をかけ、車に乗って咸陽へ向かう。」。
この他に日本のお笑い芸人篠宮暁が創作した覚え歌がある。[9][10][11]: 「穴言・くムくム・長馬長・月刂・心・⻌(アナゴン くムくム チョウバチョウ ゲツリ シン シンニョウ)」。なお正しい書き順に則るならば「チョウバチョウ」ではなく「バチョウチョウ」である。
「」は、JIS X 0208やJIS X 0213などの日本の符号化文字集合には含まれておらず、また、国際符号化文字集合Unicodeにも長らく含まれていなかった為、この字を表示・入力できる環境は限られている。
2017年11月22日にこの字がCJK統合漢字拡張Gの一部としてUnicodeに登録申請され[12]、2020年3月のUnicode 13.0に収録された。コード位置はU+30EDD(簡体字)、U+30EDE(繁体字)であり、第三漢字面に収録されている。
印字する際には紙質により文字が潰れるため、調整が必要となる[13][14]。
IDCで書くと次の通り: ⿺⻌⿳穴⿲⺼⿱⿲幺言幺⿲長馬長刂心
。
異体字のひとつならば: ⿺辶⿳穴⿲⺼⿱䜌⿲長馬長刂心
。[要出典]
他地域での普及[編集]
北京ではビャンビャン麺のチェーン店で取り扱っている。華南においても扱う店が出現しはじめている。
日本では2019年ごろから首都圏を中心に「ビャンビャン麺」を扱う中華料理店が増え始めたという[15]。東京周辺の個別の店でビャンビャン麺と称して幅広の麺類を提供する例があるが、陝西省のものとは風味が異なる。大阪市内の西安料理店では「腰帯麺(ビャンビャン麺)」との表記で提供されている例がある。
2020年、セブンイレブンは「西安風うま辛香油麺 ビャンビャン麺」の商品名で販売を開始した[16]。当初は東京都のみでの販売だったが、11月から首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)および宮城県、山形県、福島県、東海(愛知県、岐阜県、三重県、静岡県)、近畿に拡大している[17]。2022年8月に再び「黒酢と八角香るビャンビャン麺」という名前で販売された[18]。
2021年にはレストランチェーンのバーミヤンで「ビャンビャン麺」が提供された[15][19]。また、2021年からカルディコーヒーファームで麺が取り扱われるようになった[15]。2022年には、サンヨー食品から「ビャンビャン麺風」と称するカップ麺が[15][20]、日清食品からは冷凍タイプの麺がそれぞれ発売された[15]。
- ^ 梆梆(bāngbāng、バンバン)麺もあるが、ビャンビャン麺とは異なる。
- ^ 「長餅 chángbǐng」を逆にした「餅長」が縮まってbiángとなったとする説もある[6]。
- ^ 標準的な中国語、およびその発音の基礎となった北京語において、原則的にはbiangという音節は存在しない。よって、この音を正しく表せる漢字も北京周辺にはなかった。このため、類似音を記した「比昴比昴麺」、「棒棒麺」、「梆梆麺」などの表記も使用されている。ただし、北京語の場合でも、擬音語の中にはbiangという音節は存在する。通常、一声で発音され、漢字で表記されず、ピンインそのままか、「梆」で当て字する(「梆」本来の字音はbāng)。意味は、「ビューン」という音、銃声「バーン」「バキューン」である[8]。
- ^ biangという発音は、陝西省のほか、江西省の贛語、福建省の閩語、広東省の客家語などにあり、いずれも「餅」、「丙」などの字を表す音である。陝西省では「氷」という字もbiangと読む。
- ^ 香港の民放・無綫電視(TVB)で2007年に放映された番組『一網打盡』によると、番組のプロデューサーが大学教授に協力を仰いで漢字「」の起源を探ろうとしたが、字の起源については確たる証拠を掴むことができなかったため、ビャンビャン麺の店による創作ではないかと結論付けている。