(Translated by https://www.hiragana.jp/)
おとなのけんか - Wikipedia コンテンツにスキップ

おとなのけんか

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
おとなのけんか
Carnage
監督かんとく ロマン・ポランスキー
脚本きゃくほん ヤスミナ・レザ
ロマン・ポランスキー
マイケル・ケイティムズ (翻訳ほんやく)
原作げんさく ヤスミナ・レザ
大人おとなは、かくたたかえり』
製作せいさく サイード・ベン・サイード
出演しゅつえんしゃ ジョディ・フォスター
ケイト・ウィンスレット
クリストフ・ヴァルツ
ジョン・C・ライリー
音楽おんがく アレクサンドル・デスプラ
撮影さつえい パヴェル・エデルマン
編集へんしゅう エルヴェ・ド・リューズ
製作せいさく会社かいしゃ SBSプロダクションズ
コンスタンティン・フィルム
SPIフィルム・スタジオ
ヴェルサティル・シネマ
ザナガル・フィルム
フランス2シネマ
配給はいきゅう アメリカ合衆国の旗 ソニー・ピクチャーズ クラシックス
日本の旗 ソニー・ピクチャーズ
公開こうかい イタリアの旗 2011ねん9がつ1にちVIFF
日本の旗 2012ねん2がつ18にち
上映じょうえい時間じかん 80ふん
製作せいさくこく フランスの旗 フランス
ドイツの旗 ドイツ
ポーランドの旗 ポーランド
スペインの旗 スペイン
言語げんご 英語えいご
製作せいさく $25,000,000[1]
興行こうぎょう収入しゅうにゅう アメリカ合衆国の旗カナダの旗 $2,547,047[2]
世界の旗 $27,603,069[2]
日本の旗 5600まんえん[3]
テンプレートを表示ひょうじ

おとなのけんか』(原題げんだい: Carnage)は、2011ねんフランスドイツポーランドスペイン合作がっさくコメディ映画えいがヤスミナ・レザによる戯曲ぎきょく大人おとなは、かくたたかえり』(原題げんだいLe Dieu du carnageえいだいGod of Carnage)にもとづき、レザ自身じしんロマン・ポランスキー脚本きゃくほんき、ポランスキーが監督かんとくつとめた。原題げんだいの"Carnage"とは虐殺ぎゃくさつ

ストーリー

[編集へんしゅう]

11さい少年しょうねんザカリー・カウワンはブルックリン公園こうえん同級生どうきゅうせいイーサン・ロングストリートをぼうなぐり、前歯まえば怪我けがわせる。この喧嘩けんか後始末あとしまつをするために、「被害ひがいしゃ」のおやであり、リベラルそうであるロングストリート夫妻ふさいペネロピマイケル)は、「加害かがいしゃ」のおやであるカウワン夫妻ふさいナンシーアラン)を自宅じたくまねく。当初とうしょはないはおだやかにすすみ、談笑だんしょうするべき内容ないようもないことから、はないはすぐにむはずであった。おたがいに相手あいて気遣きづかいをしつつ言葉ことばえらびながら会話かいわ進行しんこうしていくが、おたがいの言葉ことばっかかりをかんじることにより、徐々じょじょ空気くうき不穏ふおんになっていく。

当初とうしょはすぐにげようとするカウワン夫妻ふさいだが、つまのペネロピがもとめるこたえ、「ザカリーがしんから反省はんせいするか」というてんについて満足まんぞくていないことを察知さっちしたマイケルが、おちゃとデザート(ペネロピの手作てづくりのコブラー)をすすめ、アランが承諾しょうだくしたことにより、部屋へやもどる。雑談ざつだんにより一旦いったんなごやかな雰囲気ふんいきもどしたが、アランにかかってきた電話でんわによりふたた不穏ふおん空気くうきに。そのかえろうとするカウワン夫妻ふさいだが、ペネロピがとうとう言葉ことばで「ザカリーは反省はんせいできるか」とたしかめる。これについて、ども同士どうし和解わかい機会きかいもうけようというあんるが、結局けっきょくばなしはまとまらず、マイケルがふたたびコーヒーをすすめたことにより、はないは継続けいぞくする。

ふたた雑談ざつだんなごんだのちに、話題わだいは「喧嘩けんか原因げんいん」にうつる。アランは息子むすこのザカリーが、イーサンから仲間外なかまはずれにされたうえ「チクリ」とばれたからとった、とこたえる。マイケルはなごませようと自分じぶんども時代じだいはなしいにすが、ペネロピがはなしり、「自分じぶんがザカリーにはなしをしてもよいか」という提案ていあんおこなう。ナンシーは同意どういするが、アランは反発はんぱつ喧嘩けんかになりかけたころに、アランに電話でんわがかかってきて中断ちゅうだん。アラン以外いがいの3にん態度たいど不快ふかいかんをにじませる。マイケルがアランの仕事しごとを「みょう仕事しごとだ」とい、険悪けんあく雰囲気ふんいきに。女性じょせいじんたしなめるが、ナンシーがうったはじめる。ペネロピはくすりとしてコーラをナンシーに手渡てわたし、ナンシーはコーラをみながら「息子むすこへの指導しどう自分じぶんたちがおこないたい」とげる。マイケルは同意どういし、ペネロピは反発はんぱつ、アランは電話でんわをして他人事たにんごと態度たいど。アランの態度たいどにナンシーがいかりながら不満ふまんべ、電話でんわわったアランが反論はんろんしたところでナンシーは盛大せいだい嘔吐おうとする。

嘔吐おうと始末しまつをするために、カウワン夫妻ふさいはトイレへ。コブラーがわるいなどと会話かいわをする。一方いっぽう、ロングストリート夫妻ふさいはカウワン夫妻ふさいへの不満ふまんをいいながらかたづけをする。

カウワン夫妻ふさい部屋へやもどり、はないが再開さいかい。ナンシーが提案ていあんした「息子むすこなぐった原因げんいんあきらかにするべき」という言葉ことばに、アランが「チクリ」とばれたことをえる。「チクリ」という言葉ことばについてはなし紛糾ふんきゅうし、最終さいしゅうてきにはいままでおたがいがわれてひっかかっていた言葉ことばへの応酬おうしゅうはじまる。そして、とうとうはないは決裂けつれつ。カウワン夫妻ふさいろうとした。そこへ、マイケルの母親ははおやから電話でんわがかかってくる。入院にゅういんちゅう母親ははおやからマイケルにげられたのは、もうとしているくすり名前なまえ。それは、アランの電話でんわなん話題わだいにあがった、副作用ふくさよう問題もんだいになっているくすりであった。マイケルはむなとげて電話でんわる。

はないは決裂けつれつしたため、おたがいへのののしごういはつづく。カウワン夫妻ふさいかえろうと部屋へやるが、玄関げんかんさきでマイケルが「ザカリーは問題児もんだいじだ」と発言はつげんしたことにより、ナンシーが応戦おうせん。マイケルがむすめハムスター路上ろじょうてたことたいして「ハムスターごろし」だと非難ひなんをする。ころす、という単語たんご幾度いくどとなくい、近所きんじょ視線しせんにしたペネロピがあわてて室内しつないへと全員ぜんいんもどす。

ハムスターについては、マイケルが独断どくだんててしまっていたため、ペネロピも「げた」とわれさがまわっていた。このため、マイケルは3にんからハムスターについてめられることとなる。マイケルは「おだやかなはないをやめる」とい、ロングストリート夫妻ふさい喧嘩けんか発展はってん。やがて4にんとも、スコッチはじめる。話題わだい夫婦ふうふ喧嘩けんかから、男女だんじょあいだ喧嘩けんかへとわっていく。アランはアフリカにからめてペネロピにはなしをしておこらせ、電話でんわがかかってきてまたも仕事しごとはなしはじめる。ペネロピが「電話でんわをやめろ」といかり、そしてまた電話でんわにうんざりしていたナンシーもがり、アランから電話でんわげると花瓶かびんなかへととした。女性じょせいじんよろこび、大笑おおわらいする。アランは非難ひなんをし、マイケルは電話でんわしてドライヤーでかわかしはじめる。

呆然ぼうぜんとするアランにかまわず、応酬おうしゅうつづけるナンシーとマイケル。そこにマイケルのははからまた電話でんわがかかってくる。マイケルはくすりむなとねんしをして、説明せつめいをさせるとアランに電話でんわわたした。アランは電話でんわにして、くすり毒薬どくやくではないが、むのはしばらくひかえたほうがよいとこたえた。最終さいしゅうてきに、さけまわはじめて応酬おうしゅうはさらにヒートアップする。もはやだれ本音ほんねかくさない。ペネロピは「かえれ」といながらナンシーのバッグをげる。罵倒ばとうつづき、とうとうナンシーが花瓶かびんさっていたチューリップをまきらしたところで、全員ぜんいん視線しせんいちしょあつまる。全員ぜんいん視線しせんさきには、テーブルにかれたアランの携帯けいたい着信ちゃくしんしてバイブでふるえていた。

そして場面ばめんわり、どもたちが喧嘩けんかをしていた公園こうえん芝生しばふにハムスターがるシーンとなる。ハムスターの遠方えんぽうでは、ザカリーとカウワンが仲直なかなおりをし、仲良なかよ会話かいわをしているのであった。

キャスト

[編集へんしゅう]

喧嘩けんかをした当人とうにんであるどもたちは、遠景えんけいのみの登場とうじょうである。

作家さっか。アフリカについて共著きょうちょした経験けいけんがあり、アフリカ、スーダンの惨状さんじょうおもれがある。道徳どうとくてきであることが理想りそう
にち用品ようひんあつか金物かなものしょういとなむ。むすめのかわいがっていたハムスターを「うるさい」という理由りゆうそとててしまう。つまのペネロピに「ことなかれ主義しゅぎ」だとわれる。
投資とうしブローカー。家事かじ学校がっこうのことをすべてアランにまるげされている。
製薬せいやく会社かいしゃ顧客こきゃく弁護士べんごしくすり副作用ふくさようについて訴訟そしょう発展はってんしかねない問題もんだい発生はっせいしているため度々たびたび電話でんわがかかってきて、はないが中断ちゅうだんする原因げんいんとなる。

製作せいさく

[編集へんしゅう]

2010ねん1がつ、ポランスキーが『大人おとなは、かくたたかえり』の映画えいが検討けんとうしているとほうじられた[4]。2010ねん9がつ、フォスター、ウィンスレット、ヴァルツの出演しゅつえん判明はんめい[5]、10月にはライリーの参加さんかあきらかになった[6]

2011ねん2がつから3がつにかけて、パリ撮影さつえいおこなわれた[7][8]。ブルックリンが舞台ぶたいであるにもかかわらずパリで撮影さつえいおこなわれたのは、ポランスキーのアメリカへの入国にゅうこく法的ほうてき困難こんなんだったためである[9]

公開こうかい

[編集へんしゅう]

2011ねん4がつソニー・ピクチャーズ クラシックス映画えいが北米ほくべい配給はいきゅうけん購入こうにゅうした[10]

2011ねん9がつ1にちだい68かいヴェネツィア国際こくさい映画えいがさいはつ上映じょうえいされ、きむわか獅子しししょう受賞じゅしょうした[11]。アメリカでは2010ねん9がつ30にちニューヨーク映画えいがさいのオープニング作品さくひんとして上映じょうえいされたのち[12]、2011ねん12月16にち公開こうかいされる[9]

評価ひょうか

[編集へんしゅう]

ほんさく批評ひひょうからおおむたか評価ひょうかた。映画えいがのレビューを集積しゅうせきするウェブサイトRotten Tomatoesは、32けんのレビューにもとづいてほんさく支持しじりつを81%、評価ひょうか平均へいきんを7.3/10としている[13]有力ゆうりょく媒体ばいたい批評ひひょうから100てん満点まんてん加重かじゅう平均へいきんみちびMetacriticは9けん批評ひひょうもとに66という「ひろ好意こういてき評価ひょうか」のしめしている[14]

参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]
  1. ^ Carnage (2011) - Box office / business” (英語えいご). IMDb. 2012ねん7がつ2にち閲覧えつらん
  2. ^ a b Carnage” (英語えいご). Box Office Mojo. Amazon.com. 2012ねん7がつ2にち閲覧えつらん
  3. ^ キネマ旬報きねまじゅんぽう」2013ねん2がつ下旬げじゅん決算けっさん特別とくべつごう 216ぺーじ
  4. ^ Ng, David (2010ねん1がつ22にち). “Next up for Roman Polanski: 'God of Carnage' adaptation?”. ロサンゼルス・タイムズ. http://latimesblogs.latimes.com/culturemonster/2010/01/roman-polanski-working-on-god-of-carnage-adaptation-says-wife.html 2011ねん12月14にち閲覧えつらん 
  5. ^ Adler, Tim (2010ねん9がつ23にち). “Jodie Foster and Kate Winslet To Star In Roman Polanski’s ‘God Of Carnage’”. Deadline London (PMC). オリジナルの2011ねん12月26にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20111226163010/http://www.deadline.com/2010/09/jodie-foster-and-kate-winslet-to-star-in-roman-polanski%e2%80%99s-%e2%80%98god-of-carnage%e2%80%99/ 2011ねん12月14にち閲覧えつらん 
  6. ^ Fleming, Mike (2010ねん10がつ18にち). “John C. Reilly Rounds Out Foursome In Roman Polanski’s ‘God Of Carnage’”. Deadline New York (PMC). http://www.deadline.com/2010/10/john-c-reilly-rounds-out-foursome-in-roman-polanskis-god-of-carnage/ 2011ねん12月14にち閲覧えつらん 
  7. ^ Kemp, Stuart (2011ねん2がつ2にち). “Kate Winslet, Jodie Foster Shooting Roman Polanski's 'God of Carnage' in Paris”. The Hollywood Reporter (Prometheus Global Media). http://www.hollywoodreporter.com/news/kate-winslet-jodie-foster-shooting-95694 2011ねん12月14にち閲覧えつらん 
  8. ^ Roxborough, Scott (2011ねん3がつ3にち). “Roman Polanski Picks up German Funding for 'Carnage'”. The Hollywood Reporter (Prometheus Global Media). http://www.hollywoodreporter.com/news/roman-polanski-picks-up-german-163826 2011ねん12月14にち閲覧えつらん 
  9. ^ a b Chang, Justin (2011ねん9がつ1にち). “Carnage”. Variety (Reed Business Information). http://www.variety.com/review/VE1117945929/ 2011ねん12月14にち閲覧えつらん 
  10. ^ “Sony Pictures Classics to Release Roman Polanski's Carnage in North America”. ソニー・ピクチャーズ クラシックス. http://www.sonyclassics.com/downloads/Carnage-Release.pdf 2011ねん12月14にち閲覧えつらん 
  11. ^ Lyman, Eric J. (2011ねん9がつ9にち). “Venice 2011: Al Pacino's 'Wilde Salome,' Roman Polanski's 'Carnage' Win Awards”. The Hollywood Reporter (Prometheus Global Media). http://www.hollywoodreporter.com/news/venice-2011-al-pacinos-wilde-233531 2011ねん12月14にち閲覧えつらん 
  12. ^ Ward, Kate (2011ねん7がつ29にち). “Roman Polanski's 'Carnage' to open New York Film Festival”. Inside Movies (エンターテインメント・ウィークリー). http://insidemovies.ew.com/2011/07/29/carnage-opens-new-york-film-festival/ 2011ねん12月14にち閲覧えつらん 
  13. ^ Carnage (2011)”. Rotten Tomatoes. Flixster. 2011ねん12月14にち閲覧えつらん
  14. ^ Carnage”. Metacritic. CBS Interactive. 2011ねん12月14にち閲覧えつらん

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]