アンソニー・アルジェンゴ

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アンソニー アルジェンゴ
アルジェンゴの写真、サフロンイエローロータスエリーゼ2008年モデル、アルジェンゴは右手にレンチ、アロハシャツを着て、優しそうな顔をしている。
生誕せいたん 1952
アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくフロリダしゅうタンパ
国籍こくせき アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
研究けんきゅう分野ぶんや 無機むき化学かがく有機ゆうき化学かがく異常いじょう原子げんし化合かごうぶつ
研究けんきゅう機関きかん アラバマ大学だいがく;
ブラウンシュヴァイク工科こうか大学だいがく;
デュポンしゃ中央ちゅうおう研究所けんきゅうじょ;
イリノイ大学だいがく
出身しゅっしんこう ジョージア工科こうか大学だいがく
博士はかせ課程かてい
指導しどう教員きょういん
エドワード・バージェス
おも業績ぎょうせき 異常いじょう原子げんし化合かごうぶつ、カルベン化学かがく
おも受賞じゅしょうれき フンボルトしょう;
アメリカ学会がっかいしょう;
典型てんけい元素げんそ化学かがくにおけるゴールドメダルしょう
プロジェクト:人物じんぶつでん
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アンソニー・ヨセフ・アルジェンゴ さんせい (Anthony Joseph Arduengo III) は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくアラバマ大学だいがく特別とくべつ名誉めいよ教授きょうじゅドイツブラウンシュヴァイク工科こうか大学だいがく客員きゃくいん教授きょうじゅ化石かせき燃料ねんりょうわる木材もくざいエネルギーの生物せいぶつ資源しげんもとづいた持続じぞく可能かのう化学かがくのためのSTanCE連立れんりつ組織そしき (Xylochemistry) の共同きょうどう創設そうせつしゃである。また、アルジェンゴは、異常いじょう原子げんし化合かごうぶつかんする研究けんきゅうとく安定あんていカルベン研究けんきゅう分野ぶんや著名ちょめい化学かがくしゃである。

若齢じゃくれい[編集へんしゅう]

アルジェンゴ(は、「アンソニー」とい、ニックネームは、「ボー」である。)は、1952ねんフロリダしゅうタンパまれ[1]ジョージアしゅうアトランタそだった。アルジェンゴの父親ちちおやは、印刷いんさつ職人しょくにんであり、アトランタ日刊にっかんしゃ機械きかいこうとして仕事しごとたずさわり、アルジェンゴに機械きかい科学かがくかんするすべての知識ちしきけさせるために、これらの面白おもしろさとわざすこしずつおしんだ。このおしえにより、アルジェンゴは、父親ちちおや協同きょうどう種々しゅじゅ雑多ざった部品ぶひんからはじめてのくるまを16さいつくげた[2]。それは、作品さくひんとしてわらず、合法ごうほうてき路面ろめんてきした車体しゃたいであったため、公道こうどうはしることのできるくるまとして登録とうろくされた。さい利用りよう工学こうがく技術ぎじゅつかんしては、このときアルジェンゴのつくったくるまは、アルコールと水素すいそガスではしるため、化石かせき燃料ねんりょうはしくるま代用だいようしゃとして改良かいりょう実用じつようされた。このようなアルジェンゴの技術ぎじゅつ才能さいのうは、30ねん、ブッシュ大統領だいとうりょうの2003ねん合衆国がっしゅうこく水素すいそ燃料ねんりょうイニシアチブ(HFI) [3]米国べいこくエネルギー化学かがく資源しげん水素すいそ貯蓄ちょちくプログラムへのアルジェンゴの専門せんもんてき研究けんきゅう関与かんよ予期よきするものだった。

学歴がくれき[編集へんしゅう]

アルジェンゴは、ボーダークレスト-ミードヴュー小学校しょうがっこう (Bouldercrest and Meadowview Elementary Schools) とウォーカー高校こうこう (Walker High School) にとおった[4]。1969ねん、アルジェンゴは、高校こうこう中退ちゅうたいし、高校生こうこうせいのためのジョージア工科こうか大学だいがく入学にゅうがくプログラム (JEPHS: Georgia Tech’s Joint Enrollment Program for High School Students) で、大学だいがく入学にゅうがくした[5]。アルジェンゴは、ジョージア工科こうか大学だいがく (Georgia Tech) で、学士がくし学位がくい優秀ゆうしゅう成績せいせきで1974ねん取得しゅとくし、博士はかせ学位がくいを1976ねんにエドワード・バージェス教授きょうじゅ (Edward M. Burgess) からおさめた[6]。これによりアルジェンゴは、ジャスタス・リービッヒ教授きょうじゅ (Justus von Liebig) のアカデミックな子孫しそんとなった[4]。ジョージア工科こうか大学だいがく学生がくせいとき、アルジェンゴの研究けんきゅう活動かつどうは、チャールズ・ロッタ教授きょうじゅ (Charles L. Liotta) の研究けんきゅうしつはじまった。アルジェンゴが、バージェス研究けんきゅうしつうつったとき、アルジェンゴは、NSF学生がくせいしょうを1972ねんと1973ねん授与じゅよされた[4]

また、学部がくぶ学生がくせいとき、アルジェンゴはジョージア工科こうか大学だいがく吹奏楽すいそうがくだん一員いちいんであり、執行しっこうでその楽団がくだんちょうとしてつとめた。1971ねん、アルジェンゴはΚかっぱΚかっぱΨぷさいのIota chapterに就任しゅうにんした[7]。1972ねん、アルジェンゴはOΔでるたΚかっぱのAlpha Eta Circleに選出せんしゅつされた[8]のちにlocal Circleの幹事かんじ総長そうちょう就任しゅうにんした。

職歴しょくれき[編集へんしゅう]

アルジェンゴは、1976ねんから1977ねんまでと1984ねんから1998ねんまでデュポンしゃ (DuPont) で研究けんきゅうしゃとしてはたらき、1977ねんから1984ねんまでイリノイ大学だいがく (The University of Illinois) で助手じょしゅとしてつとめた[4]。アルジェンゴは、1999ねんからアラバマ大学だいがく (The University of Alabama) に特別とくべつ教授きょうじゅ (Saxon Professor) としてつとめ、2018ねん大学だいがく教育きょういくしゃ退職たいしょくし、どう大学だいがく学科がっか名誉めいよ特別とくべつ教授きょうじゅ (The Saxon Chair Emeritus of Chemistry) に就任しゅうにんし、現在げんざい研究けんきゅうつづけている。また、ドイツブラウンシュヴァイク工科こうか大学だいがく (The Technische Universität in Braunschweig) の客員きゃくいん教授きょうじゅとしての職位しょくいにもいている[4][9]

デュポンしゃ中央ちゅうおう研究所けんきゅうじょ開発かいはつにおいて、アルジェンゴは、化学かがく領域りょういきでの研究けんきゅう実績じっせきをデュポンしゃつとはじめた1977ねんと1984ねんにデュポンしゃもどったときからはじめた。1988ねん、アルジェンゴは、研究けんきゅう班長はんちょう (Research Leader) に就任しゅうにんした。1991ねんにCR&Dのポリマー異動いどうし、開発かいはつ部長ぶちょう (Group Leader) に昇進しょうしんした。デュポンしゃでの最終さいしゅうてき職位しょくいは、1995ねんいた特別とくべつ研究けんきゅう栄誉えいよしょく (Research Fellow) であった。1996ねんフンボルトしょう (Alexander von Humboldt Senior Research Prize) を受賞じゅしょうされ、アルジェンゴが大学だいがくもど転換期てんかんきとなった。1年間ねんかん、フンボルトしょうによりドイツのブラウンシュヴァイク工科こうか大学だいがく研究けんきゅうした。デュポンしゃもどっても、ブラウンシュヴァイクで客員きゃくいん教授きょうじゅ職位しょくい約束やくそくされ、1999ねん米国べいこくアラバマしゅうタスカルーサでアラバマ大学だいがく化学かがく特別とくべつ教授きょうじゅ (The Saxon Chair in Chemistry) にいた[4][9]

研究けんきゅうれき研究けんきゅう内容ないよう[編集へんしゅう]

ジョージア工科こうか大学だいがく大学院だいがくいんでの研究けんきゅう[編集へんしゅう]

アルジェンゴの研究けんきゅうたいする興味きょうみは、新規しんきせいまたは異常いじょうせいしめ結合けつごう体系たいけいおよび異常いじょう原子げんし化合かごうぶつかんする化学かがく焦点しょうてんいている。バージェス研究けんきゅうしつ (The Burgess group) で大学院生だいがくいんせいとき、アルジェンゴの研究けんきゅうは、有機ゆうき典型てんけい元素げんそ化学かがくとくに、チオカルボニルイリドとていはいちょう原子げんし硫黄いおう化合かごうぶつかんする内容ないようであった[6][10][11][12]

デュポンしゃ (1977ねん)[編集へんしゅう]

アルジェンゴがデュポンしゃつとはじめた1977ねん、アルジェンゴは、CR&Dのハワード シモンズ (Howard Simmons) の探索たんさく化学かがく研究けんきゅうグループの一員いちいんになった[4]。アルジェンゴの研究けんきゅうプロジェクトは、有機ゆうき合成ごうせいのための反応はんのう試薬しやくとして無機むきさんのトリメチルシリルエステルにかんする内容ないようであった。

イリノイ大学だいがく (1978-1984ねん)[編集へんしゅう]

イリノイ大学だいがくでは、アルジェンゴは、さらに広範囲こうはんい有機ゆうき典型てんけい元素げんそ化学かがくかんする研究けんきゅう異常いじょう原子げんし化合かごうぶつについて研究けんきゅうふかめた[13]。アルジェンゴの初期しょき電子でんし欠損けっそんがたカルベンについての研究けんきゅうはこの期間きかんすすめられた。電子でんし欠損けっそんがたのカルベンにかんするアルジェンゴの研究けんきゅうは、ニトリルイリド[14]とカルボニルイリド[15]はじめての構造こうぞう解析かいせきつながった。アルジェンゴのそののカルベンにかんする研究けんきゅうは、化学かがく領域りょういきもっと貢献こうけんすることになった(この記述きじゅつ以降いこう説明せつめいください)。イリノイ大学だいがくでの研究けんきゅう期間きかんちゅう、アルジェンゴは、マーチン教授きょうじゅ (J. C. Martin) と緊密きんみつ関係かんけいにおいて共同きょうどう研究けんきゅうおこなった。マーチン教授きょうじゅは、物理ぶつり有機ゆうき化学かがく分野ぶんや研究けんきゅうしゃで、有機ゆうき典型てんけい元素げんそ化学かがく分野ぶんやちょう原子げんし化合かごうぶつ研究けんきゅうだい一任いちにんしゃであった。おおくの実験じっけん技術ぎじゅつおよび研究けんきゅうかんする議論ぎろんは、アルジェンゴとマーチン教授きょうじゅあいだひろげられ、ときには昼食ちゅうしょく時間じかんえていた。(昼食ちゅうしょくのレストランをえら基準きじゅんは、化学かがく構造こうぞうえがくためのナプキンのしつえらぶのとおなじだった[アルジェンゴは、のちに、アラバマ大学だいがく研究けんきゅうしつ学生がくせい共同きょうどう研究けんきゅうしゃ議論ぎろんするさい、ナプキンを使つかった。そのナプキンは、毎日まいにち実験じっけん結果けっかるとかさねられ、アルジェンゴの研究けんきゅうアイディアはきることがかった。研究けんきゅうしつ学生がくせい留学生りゅうがくせい共同きょうどう研究けんきゅうしゃは、アルジェンゴから昼食ちゅうしょくおおくの将来しょうらい有効ゆうこうとなるアイディアをまなび、アルジェンゴと有意義ゆういぎ時間じかんごした。])[16]異常いじょう原子げんし化合かごうぶつ典型てんけい元素げんそ中心ちゅうしん結合けつごうにおける議論ぎろん促進そくしんするために、マーチン教授きょうじゅとアルジェンゴはN-X-L命名めいめいほう考案こうあんした[17][18][19]はじめての平面へいめんT-かた10-電子でんし-3はいリン化合かごうぶつ(ADPO)の合成ごうせい構造こうぞう解析かいせきは、イリノイ大学だいがくでアルジェンゴ研究けんきゅうチームによって達成たっせいされた[20]。この業績ぎょうせきは、アルジェンゴがデュポンしゃもどったとき新規しんき有機ゆうき典型てんけい元素げんそ化学かがく現象げんしょう(edge反転はんてん機構きこう発見はっけんふくむ)への研究けんきゅう方向ほうこうせいめる成果せいかであった。最終さいしゅうてきなイリノイ大学だいがくでの研究けんきゅうは、あたらしく発見はっけんされたADPO化学かがくヒ素ひそ類似るいじたい(ADAsO)へ展開てんかいさせた[21]

デュポンしゃ (1984-1999ねん)[編集へんしゅう]

デュポンしゃもどった1984ねん、アルジェンゴは、CR&Dの職位しょくいき、発見はっけんしたADPO分子ぶんし関連かんれんする構造こうぞう化学かがく研究けんきゅうつづけた。この一連いちれん研究けんきゅうは、おおくの興味深きょうみぶかみのりのある結果けっかし、新規しんき異常いじょう結合けつごう様式ようしき化合かごうぶつぐんかんする文献ぶんけん数多かずおお掲載けいさいされる一筋ひとすじ学術がくじゅつてき魅了みりょうされる分野ぶんやひら結果けっかとなった[22][23]ADPOかんする化学かがくは、あたらしい反転はんてん機構きこうであるedge反転はんてん発見はっけん基本きほんとなり、この反転はんてん機構きこうは、デュポンしゃにおけるアルジェンゴとデイヴィッド・ディクソン(David A. Dixon) の共同きょうどう研究けんきゅうによって完全かんぜん解析かいせきされ、そして、一般いっぱんてきなモデルとしてかんがえられた[24]。さらに、デュポンのチームは、3はいリン化合かごうぶつ[25]と4はいゲルマニウム化合かごうぶつ[26]中心ちゅうしん元素げんそでのあたらしい反転はんてん経路けいろにおける実験じっけんてき立証りっしょうおこなった。

デュポンしゃでのアルジェンゴの研究けんきゅうでは、フレキシブルなポリイミドフィルム(Kapton-ZT)の開発かいはつふくすうおおくの応用おうようプロジェクトもすすめられた。このフィルムはフレキシブルな印刷いんさつがた回路かいろ連結れんけつ部品ぶひん、そして、絶縁ぜつえんたいとう電気でんき部品ぶひんひろ使つかわれている[27]。デュポンしゃでのアルジェンゴの研究けんきゅうは、アルジェンゴの研究けんきゅうしつ以外いがい趣味しゅみつうじるものがあった。たとえば、スポーツカーのような(上記じょうきのアルジェンゴの写真しゃしんください)趣味しゅみともアルジェンゴの研究けんきゅう関連かんれんしていた。アルジェンゴは、次世代じせだいてい揮発きはつせい有機ゆうき化合かごうぶつ(VOC) ペイントにおいて、デュポンしゃせいコーティングざい(DuPont Performance Coatings) として使つかわれているあたらしい架橋かきょう化学かがくよう触媒しょくばい考案こうあんすることによって、ていVOC自動車じどうしゃコーティングざい開発かいはつにも貢献こうけんした[28][29][30]実際じっさいには、デュポンしゃせい水溶すいようせいコーティングざい(DuPont Waterborne Performance Coatings) はロータスのEliseとExigeモデルに使つかわれている[31][32]。アルジェンゴが仕事しごとがけたペイントよう触媒しょくばい工業こうぎょうスケール合成ごうせいへの貢献こうけん[33][34][35]、カルベン化学かがく領域りょういき再度さいどはいるきっかけとなった。しかし、このとき、カルベンについての研究けんきゅうは、さき記述きじゅつしたカルボニルイリドとう合成ごうせいしたもとめ電子でんしてきなカルベンというよりはもとめかくてきなカルベンの内容ないようであった[1][36]触媒しょくばい合成ごうせいでは、様々さまざま反応はんのう条件じょうけん反応はんのう基質きしつもちいることができた。このとき実験じっけん結果けっか観察かんさつによりアルジェンゴは、合成ごうせいじょうなかあいだたいであったイミダゾール-2-イリデン(N-へテロサイクリックカルベン)の存在そんざい仮定かていした。また、このとき、アルジェンゴは、この化学かがくしゅは、これまで常識じょうしきられていた不安定ふあんていせいしめすというよりもずっと安定あんてい存在そんざいするにちがいないとかんがえていた[36][37]

アルジェンゴの自動車じどうしゃようコーティングざい開発かいはつプロジェクトが終盤しゅうばんにさしかかったとき、アルジェンゴは、上記じょうき研究けんきゅう過程かていなかかんがえていた研究けんきゅう分野ぶんや、すなわち、かなり安定あんてい存在そんざいすると仮定かていしていたカルベンをたんはなし、この領域りょういき化学かがく分野ぶんや研究けんきゅうするためにCR&Dのマネージメントへ申請しんせいしょ提出ていしゅつした。この案件あんけんは、かなり丁寧ていねいさとすようにことわられた。それはつぎのような理由りゆうであった。アルジェンゴは、カルベン化学かがくなが歴史れきしなか一筋ひとすじあかるい未来みらい創造そうぞうするためにかなり効果こうかてきなカルベンたんはなれ研究けんきゅう手段しゅだん考案こうあんしていたが、当時とうじ、カルベン化学かがく反応はんのう活性かっせいなかあいだたいとしてかなり確立かくりつされた領域りょういきであり、このなかあいだたいは、安定あんてい実体じったいとしてこれまでにたんはなされたことがこれまでになかったという理由りゆうであった[1][36][37]。しかしながら、アルジェンゴは、すでにこの歴史れきしによく認識にんしきしており、この化学かがく進展しんてんのために手元てもと出発しゅっぱつ物質ぶっしつっていて、カルベンをたんはなれする実験じっけんすすめることをめていた[37]。「アルジェンゴのこのカルベンのたんはなれたいする直感ちょっかん成功せいこうした。1991ねんはじめてのこころみから150ねん以上いじょうもの月日つきひながれ、、、、」[38]安定あんてい結晶けっしょうせいいカルベンはデュポンしゃ研究けんきゅうしつたんはなされ、構造こうぞう解析かいせきがなされた[39]安定あんていなカルベンの発生はっせいはじめて成功せいこうさせた反応はんのうのちで、アルジェンゴは、デュポンしゃのマネージメントから援助えんじょ[37]、この分野ぶんや研究けんきゅう継続けいぞくてき発展はってんさせることをみとめられた。様々さまざま置換ちかんもとゆうするカルベンが合成ごうせいされ、構造こうぞう解析かいせきすすめられた[40][41]飽和ほうわのイミダゾリン-2-イリデンはかなり広範こうはんわたりハンス-ウェルナー ヴァンツリック (Hans-Werner Wanzlik) によって、30ねんまえ(1960年代ねんだい前後ぜんこう) にカルベンのたんはなれをしない状態じょうたい検討けんとうすすめられていた。このイミダゾリンから誘導ゆうどうされるカルベンは、窒素ちっそ原子げんしじょう適切てきせつ置換ちかんもと導入どうにゅうすることでたんはなれするのに充分じゅうぶん安定あんていせいられることをしめされた[42]空気くうきちゅう安定あんていなカルベンも合成ごうせいされた[43]。この化学かがくはチアゾール-2-イリデンをふく領域りょういきにも拡張かくちょうされた。このカルベンは、1957ねんにビタミンB1触媒しょくばいサイクルちゅう反応はんのう活性かっせい中間なかまたいとしてその存在そんざい推測すいそくされたが、40ねん以上いじょうものあいだたんはなされていなかった[44]。イミダゾール-2-イリデンはNMRスペクトル[45]光学こうがく電子でんしスペクトル[46]、そして、Xせん中性子ちゅうせいしせんによる実験じっけんてき精密せいみつ電子でんし密度みつど解析かいせき[47]によって、広範囲こうはんいわた構造こうぞう解析かいせきおこなわれた。

安定あんていなカルベンに関連かんれんするアルジェンゴの研究けんきゅうグループの構造こうぞう解析かいせきは、この分野ぶんや化学かがく広範囲こうはんい網羅もうらすることによって包括ほうかつてき集積しゅうせきされていった。このあたらしい化学かがくは、様々さまざま元素げんそ中心ちゅうしんとカルベンの反応はんのうこした。

このカルベンと反応はんのうし、構造こうぞう解析かいせきされた元素げんそは、ヨウもと[48][49]アルミニウム[50]どう[51]ぎん[51]マグネシウム[52]亜鉛あえん[52]ゲルマニウム[53]ニッケル[54]白金はっきん[54]、ランタニド[55]、そして、ビスカルベンプロトン錯体さくたいちゅう水素すいそ[56]である。1996ねんからのアルジェンゴの研究けんきゅうは、フンボルトしょうのホストであるラインハルト・シュマッツラー (Professor Reinhard Schmutzler) 教授きょうじゅとの関係かんけいおおきく影響えいきょうした。ブランシュヴァイクにおいてられたアルジェンゴのカルベン化学かがく研究けんきゅう成果せいかは、イミダゾール-2-イリデンとフッ素ふっそされた無機むき化合かごうぶつとの反応はんのう関連かんれんしていた。このとき新規しんき化学かがく構造こうぞうは、つぎカルベン・フェニルテトラフルオロホスホラン[57]カルベン・PF5[58]カルベン・AsF5[58]カルベン・SbF5[58]、そして、カルベン・BF3[58]付加ふかたいにおいて報告ほうこくされた。デュポンしゃでのアルジェンゴの最終さいしゅうてき研究けんきゅう業績ぎょうせきは、カルベン・アルカリるい金属きんぞく[59]カルベン・アンチモン[60]、カルベン・カドミウム[61]、カルベン・リチウム[62]付加ふかたいかんする内容ないようであった。カルベンとホスフィニデン[63][64]反応はんのうは、イミダゾリン-2-イリデンの挿入そうにゅう反応はんのうくわえるかたちでアルジェンゴ研究けんきゅうしつから報告ほうこくされた[65]

1998ねん、アルジェンゴと共同きょうどう研究けんきゅうらは、ヴァンツリック (Wanzlick) 研究けんきゅうしつでの安定あんていなカルベンを生成せいせいするための初期しょきこころみについて、デュポンしゃ成功せいこうした実験じっけんからられた知識ちしき経験けいけん考慮こうりょして注意深ちゅういぶかさい検討けんとうした[66]。ヴァンツリック (Wanzlick) のほとんどの研究けんきゅうは、飽和ほうわけいのイミダゾリン-2-イリデンに関連かんれんしていた。このイミダゾリン-2-イリデン(飽和ほうわけい)は、窒素ちっそ原子げんしじょうかさたか置換ちかんもとゆうしない状態じょうたいりょうからだあたえると予想よそうされていた。しかし、イミダゾール-2-イリデン(飽和ほうわけい)と1,3,4,5-テトラフェニルイミダゾール-2-イリデンは、たんりょうたいとしてたんはなれできるカルベンまたはたんはなされるはずのカルベンとして、それらの研究けんきゅう課題かだいのこされていた。ヴァンツリック (Wanzlick) の独自どくじ方法ほうほうさい検討けんとうすることは、初期しょき化学かがくしゃ研究けんきゅうさまたげていたいくつかのかぎとなる実験じっけん操作そうさ特徴とくちょうしめしていた[67]。これらの問題もんだい正確せいかく解決かいけつされたことによって、デュポンしゃ科学かがくしゃたちは、目的もくてきのカルベンをたんはなれすることができ、Xせん結晶けっしょう構造こうぞう解析かいせきふく分析ぶんせき手段しゅだん使つか完全かんぜんにカルベンの構造こうぞう解析かいせきすることができた。ハンス-ウェルナー ヴァンツリック(Hans-Werner Wanzlick) へささげる研究けんきゅう成果せいかとして、これらの結果けっかは、「1,3,4,5-テトラフェニルイミダゾール-2-イリデン:Wanzlickのゆめ実現じつげん」とだいして、論文ろんぶんにおいて公表こうひょうされた[66]

アラバマ大学だいがく(1999ねんから現在げんざい[編集へんしゅう]

アラバマ大学だいがくでは、アルジェンゴ研究けんきゅうしつから報告ほうこくされている研究けんきゅうについては、イミダゾール-2-イリデンの基本きほんてき構造こうぞう因子いんしかかわる成果せいかつながる内容ないよう焦点しょうてんわされている。その基本きほんてき構造こうぞう因子いんしとは、置換ちかんもと効果こうかである。この効果こうかにより、あたらしい化合かごうぶつたとえばシクロペンタジエニルちぢみたまきイミダゾール-2-イリデンにつながる研究けんきゅうおこなわれている[70][71][72][73]。ジホスファシクロブタン-2,4-ジイルにかんする異常いじょう原子げんし研究けんきゅう成果せいかが、よし藤正ふじまさあきら教授きょうじゅ伊藤いとう繁和しげかずじゅん教授きょうじゅとの共同きょうどう研究けんきゅう成果せいかとしてアルジェンゴ研究けんきゅうしつから報告ほうこくされている[74][75][76][77][78][79][80]。アルジェンゴは化学かがくてき水素すいそ貯蔵ちょぞう材料ざいりょう非線形ひせんけい光学こうがく材料ざいりょう研究けんきゅうプロジェクトもすすめている[4]。2015ねんには、ティル・オパッツ(Till Opatz) 教授きょうじゅヨハネス・グーテンベルク大学だいがくマインツ [Johanes Gutenberg Universität-Mainz])とともに、アルジェンゴは、STanCE連立れんりつ組織そしき創設そうせつし、木材もくざいバイオマスをもとにした持続じぞく可能かのう化学かがくのために尽力じんりょくささげている(Xylochemistry)[9]

受賞じゅしょうれき[編集へんしゅう]

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

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外部がいぶリンク[編集へんしゅう]