アンリ1世せい (シャンパーニュ伯はく)

アンリ1世せい Henri I
シャンパーニュ伯はく
在位ざいい	1152年ねん - 1181年ねん
出生しゅっしょう	1127年ねん12月 フランス王国おうこく、ヴィトリー
死去しきょ	(1181-03-16) 1181年ねん3月16日にち（53歳さい没ぼつ） フランス王国おうこく、トロワ
配偶はいぐう者しゃ	マリー・ド・フランス
子女しじょ	一覧いちらん参照さんしょう
家名かめい	ブロワ家か
父親ちちおや	ブロワ伯はくティボー4世せい
母親ははおや	マティルド・ド・カランティ

アンリ1世せいの墓はか（トロワのサン＝エティエンヌ教会きょうかい）

アンリ1世せい（Henri I^er de Champagne, 1127年ねん12月 - 1181年ねん3月16日にち）は、シャンパーニュ伯はく（在位ざいい：1152年ねん - 1181年ねん）。アンリ自由じゆう伯はく（Henri I^er le Libéral）とも呼よばれた。ブロワ伯はくティボー4世せい（シャンパーニュ伯はくとしてはティボー2世せい）と妃ひマティルド・ド・カランティの長男ちょうなんとして生うまれた。フランス王おうルイ7世せいの3番目ばんめの王妃おうひアデル・ド・シャンパーニュの長兄ちょうけい。ブロワ伯はくティボー5世せいは弟おとうと。

生涯しょうがい

ルイ7世せいが主導しゅどうした第だい2回かい十字軍じゅうじぐんに参加さんか 、クレルヴォーのベルナルドゥスがしたためた東ひがしローマ皇帝こうていマヌエル1世せいコムネノスあての推薦すいせん状じょうを運はこんだ。1148年ねん6月がつ24日にち、アッコでエルサレム王おうボードゥアン3世せいが開催かいさいした集会しゅうかいに名士めいしとして名なを連つらねている。

父ちちが死しぬと、彼かれは一族いちぞく伝来でんらいの領地りょうちを弟おとうとティボーに残のこし、自みずからはシャンパーニュ伯はく位いを選えらんだ。これは当時とうじ驚おどろくべきことであったと思おもわれる。ブロワ、シャルトル、サンセール、シャトーダンといった領地りょうちは他たよりも豊ゆたかで発展はってんしていたからである。アンリ1世せいはシャンパーニュの経済けいざい的てき可能かのう性せいを予測よそくしなければならなかった。彼かれの治世ちせい中ちゅう、シャンパーニュ伯はく領りょうはフランス諸侯しょこうの中なかでも有数ゆうすうの富とみと軍事ぐんじ力りょくを備そなえた高たかい地位ちいに達たっしたのである。

アンリ1世せいはシャンパーニュ貴族きぞくたちに秩序ちつじょある支配しはいを確立かくりつした。ほぼ確実かくじつに2000人にんあまりの家臣かしんの支援しえんを受うけることができた。これはフランス王国おうこくのそれとほぼ等ひとしかった可能かのう性せいがある。この秩序ちつじょによってシャンパーニュは商人しょうにんたちが集あつまるのに安全あんぜんな場所ばしょとなった。シャンパーニュ伯はくの保護ほご下かに置おかれたシャンパーニュの大だい市しは中世ちゅうせいヨーロッパにおける長距離ちょうきょり貿易ぼうえきと金融きんゆうの一大いちだい中心ちゅうしん地ちとなったのである。

加くわえて、伯爵はくしゃくの宮廷きゅうていが置おかれたトロワは高名こうみょうな文学ぶんがくの中心ちゅうしんとなった。詩人しじんウォルター・マップはトロワ宮廷きゅうていでもてなされた。ボーヴェのエティエンヌはトロワ宮廷きゅうていの宮廷きゅうてい人じんの1人ひとりであり、1176年ねんには宮廷きゅうていの侍従じじゅうに取とり立たてられている。

1179年ねん、アンリ1世せいは再ふたたびフランス人じん騎士きしたちの1人ひとりとしてエルサレムへ赴おもむいた。同行どうこうした者ものの中なかにはピエール・ド・クルトネー（ルイ7世せいの弟おとうと）、ボーヴェ司教しきょうピエール・ド・ドルーがいた。アンリ1世せいは小しょうアジアのルートを通とおって陸路りくろで帰国きこくを目指めざした。しかしルーム・セルジューク朝あさのスルタン・クルチ・アルスラーン2世せいによって捕とらえられ、身代金みのしろきん目的もくてきで人質ひとじちにされた。身代金みのしろきんを東ひがしローマ皇帝こうていが支払しはらって彼かれは解放かいほうされたが、アンリ1世せいは帰国きこく後ごまもなくして亡なくなった。

子女しじょ

1164年ねん、ルイ7世せいと最初さいしょの王妃おうひアリエノール・ダキテーヌの長女ちょうじょマリーと結婚けっこん（同年どうねんにアンリ1世せいの弟おとうとティボー5世せいとマリーの妹いもうとアリックスも結婚けっこん）。マリーとの間あいだに4子しをもうけた。

• アンリ2世せい（1166年ねん - 1197年ねん） - シャンパーニュ伯はく、エルサレム王おう
• マリー（1174年ねん - 1204年ねん） - ラテン皇帝こうていボードゥアン1世せい皇后こうごう
• ティボー3世せい（1179年ねん - 1201年ねん） - シャンパーニュ伯はく
• スコラスティク（1219年ねん没ぼつ） - マコン伯はくギヨーム4世せいの妻つま

参考さんこう文献ぶんけん

• Benton, John F. (October 1961). “The Court of Champagne as a Literary Center”. Speculum 36 (4). 
• Berry, Virginia G. (1969). “The Second Crusade”. In Setton, Kenneth M.. A History of the Crusades. I. The University of Wisconsin Press 
• Cline, Ruth Harwood (July 2007). “Abbot Hugh: An Overlooked Brother of Henry I, Count of Champagne”. The Catholic Historical Review 93 (3). 
• Evergates, Theodore (2007). The Aristocracy in the County of Champagne, 1100-1300. University of Pennsylvania Press 
• Evergates, Theodore (2016). Henry the Liberal: Count of Champagne, 1127-1181. University of Pennsylvania Press 
• Hamilton, Bernard (2000). The Leper King and His Heirs: Baldwin IV and the Crusader Kingdom of Jerusalem. Cambridge University Press 

関連かんれん項目こうもく

• ブロワ家か

先代せんだい ティボー2世せい

シャンパーニュ伯はく 1152年ねん - 1181年ねん

次代じだい アンリ2世せい