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アーゴシー

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アーゴシー（Argosy）は、1882年ねんフランク・マンジー（英語えいご版ばん）が創刊そうかんし、1978年ねんまでアメリカで発行はっこうされていたパルプ・マガジン。正式せいしき誌し名めいは後のちに The Argosy、さらには Argosy All-Story Weekly へと変更へんこうされた。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく初はつのパルプマガジンとされている。

"argosy" は「（財貨ざいかを満載まんさいした）大だい商船しょうせん」を意味いみする。

創刊そうかん

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アーゴシー誌し（1906年ねん4月がつ号ごう）

1882年ねん9月がつニューヨークに移うつってきたフランク・マンジー（英語えいご版ばん）が、以前いぜんからニューヨークで出版しゅっぱん社しゃに勤つとめていた友人ゆうじんとマンジーが以前いぜん住すんでいたメイン州しゅうオーガスタからやってきた株式かぶしき仲買人なかがいにんと共ともに創刊そうかんを決意けつい。マンジーは自己じこ資金しきん約やく500ドルを原稿げんこうの購入こうにゅうに充あてた。

間まもなく株式かぶしき仲買人なかがいにんが去さり、資金しきん不足ふそくが絶望ぜつぼう的てきな状態じょうたいになったため、マンジーはニューヨークの友人ゆうじんを巻まき込こむのをやめることを決心けっしんした。その代かわりに雑誌ざっしの企画きかくをニューヨークの出版しゅっぱん社しゃに売うり込こんで回まわり、マンジーを編集へんしゅう者しゃとして雇やとってアーゴシーを出版しゅっぱんさせてくれる会社かいしゃを捜さがした[1]。

創刊そうかん号ごうは1882年ねん12月2日にち（発行はっこう日びは当時とうじの慣習かんしゅうにより、1882年ねん12月9日にちとされている）に出版しゅっぱんされ、週刊しゅうかん誌しとして創刊そうかんされた。創刊そうかん号ごうは全ぜん8ページで価格かかくは5セント。ホレイショ・アルジャーとエドワード・S・エリス（英語えいご版ばん）の連載れんさい小説しょうせつの第だい1回分かいぶんが掲載けいさいされていた。

初期しょきのアーゴシーに寄稿きこうしていた作家さっかとしては、Annie Ashmoore、W. H. W. Campbell、Harry Castlemon、Frank H. Converse、George H. Coomer、Mary A. Denison、Malcolm Douglas、Colonel A.B. Ellis、J. L. Harbour、D. O. S. Lowell、Oliver Optic、Richard H. Titherington、Edgar L. Warren、Matthew White Jr. がいる。Whiteは1886年ねんから1928年ねんまでアーゴシーの編集へんしゅう者しゃを務つとめた[2]。

創刊そうかんから5カ月かげつ後ご、出版しゅっぱん社しゃが倒産とうさんし管財かんざい人じんの管理かんり下かに入はいった。未払みはらいの給与きゅうよの請求せいきゅうを放棄ほうきすることを交換こうかん条件じょうけんとして、マンジーはこの雑誌ざっしの運営うんえい権けんを得えた。しかし、印刷いんさつ業者ぎょうしゃや他たの供給きょうきゅう業者ぎょうしゃへの支払しはらいにも困こまる有様ありさまで、マンジーはメイン州しゅうの友人ゆうじんに300ドルを借かりるなどしてなんとか切きり抜ぬけ、出版しゅっぱん業界ぎょうかいに基礎きそを確立かくりつしていった。

当初とうしょ子こども向むけを想定そうていしていたが、これは間違まちがいだった。子こどもはすぐに成長せいちょうして興味きょうみの対象たいしょうが変かわるため、長期ちょうき的てきに購読こうどくすることがなかったためである。また、子こどもは金かねを持もっていないため、子こどもを対象たいしょうとした広告こうこくもなかなか集あつまらなかった。

パルプ小説しょうせつ誌しへの移行いこう

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1888年ねん12月、誌し名めいに定冠詞ていかんしをつけ The Argosy とした。1894年ねん4月がつには週刊しゅうかん誌しから月刊げっかん誌しに移行いこうし、いわゆる「パルプ小説しょうせつ」に向むけて舵かじを切きった。1896年ねんには全すべてを小説しょうせつで埋うめ尽つくした誌面しめんとなった。1917年ねん10月がつには再ふたたび週刊しゅうかん誌しとなる。1919年ねん1月がつ、Railroad Man's Magazine と合併がっぺいし Argosy and Railroad Man's Magazine などと呼よばれるようになった。

第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせん以前いぜんのアーゴシーで活躍かつやくした作家さっかとしては、アプトン・シンクレア、ゼイン・グレイ、アルバート・ペイスン・ターヒューン、ガートルード・バロウズ・ベネット（英語えいご版ばん）（筆名ひつめいはフランシス・スティーヴンス）、ウィリアム・ウォーレス・クックなどがいた[3]。

オールストーリー

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オールストーリー誌し（1912年ねん10月がつ号ごう）の表紙ひょうし。エドガー・ライス・バローズの『類るい猿ざる人じんターザン』のイラスト

オールストーリー (The All-Story) はマンジーが創刊そうかんした別べつのパルプ雑誌ざっしである。1905年ねん1月がつに創刊そうかんされ、月刊げっかん誌しとして11年間ねんかん発行はっこうされた。その後ご週刊しゅうかん化かされてオールストーリー・ウィークリー (All-Story Weekly) となる。その後ご The Cavalier と合併がっぺいして一時期いちじき All-Story Cavalier Weekly となったが、間まもなくもとの名称めいしょうに戻もどされている。オールストーリーの編集へんしゅう者しゃとしては、Newell Metcalf や Robert H. Davis がいた[4]。

オールストーリーはエドガー・ライス・バローズの作品さくひんを掲載けいさいした最初さいしょの雑誌ざっしであり、まず短編たんぺん小説しょうせつ「火星かせいの月つきの下したで」を掲載けいさいして、それが連載れんさいに発展はってんし、長編ちょうへん『火星かせいのプリンセス』および『火星かせいの女神めがみイサス』としてまとめられた[4]。オールストーリーの作家さっかとしては他たに、推理すいり作家さっかのレックス・スタウトとメアリ・ロバーツ・ラインハート[3]、ウェスタン作家さっかのマックス・ブランドと Raymond S. Spears、ホラーやファンタジーを書かいた トッド・ロビンズ（英語えいご版ばん）、エイブラハム・メリット、パーレー・プーア・シーハン（英語えいご版ばん）、チャールズ・B・スティルソンがいた[3]。

2006年ねん、ターザンが初はつ登場とうじょうしたオールストーリー1912年ねん10月がつ号ごうがダラスのオークションに出品しゅっぴんされ、59,750ドルで落札らくさつされた[5]。

アーゴシー・オールストーリー・ウィークリー

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アーゴシー・オールストーリー・ウィークリー誌し1920年ねん8月がつ7日にち号ごうの表紙ひょうし。A・メリットの『金属きんぞくモンスター』のイラスト

1920年ねん、オールストーリー・ウィークリーとアーゴシーが合併がっぺいし、アーゴシー・オールストーリー・ウィークリー (Argosy All-Story Weekly) となった。SFやウェスタンなど様々さまざまなジャンルの作品さくひんが掲載けいさいされた。エドガー・ライス・バローズのターザン・シリーズや火星かせいシリーズの一部いちぶが掲載けいさいされている。他たのSF作家さっかとしては、ロジャー・シャーマン・ホアー、レイ・カミングス、O・A・クライン、A・メリットらがいた[2]。

アーゴシーには冒険ぼうけん小説しょうせつも掲載けいさいされた。ジョンストン・マッカレーの怪傑かいけつゾロもの、C・S・フォレスターの海洋かいよう冒険ぼうけん小説しょうせつ、セオドア・ロスコー（英語えいご版ばん）のフランス外人がいじん部隊ぶたいもの、ルイス・パトリック・グリーン（英語えいご版ばん）のアフリカを舞台ぶたいにしたもの[3]、ジョージ・F・ワーツの作品さくひん（アメリカ人じん無線むせん技師ぎしが中国ちゅうごくで冒険ぼうけんを繰くり広ひろげる話はなし）[6]などである。H・ベッドフォード＝ジョーンズ（英語えいご版ばん）は、アイルランド人じん兵士へいし Denis Burke を主人公しゅじんこうとする剣戟けんげきもののシリーズを寄稿きこうしている[7]。ボーデン・チェイス（英語えいご版ばん）は犯罪はんざい小説しょうせつを寄稿きこうした[8]。レスター・デントはユーモアを交まじえた2つの推理すいり冒険ぼうけんシリーズを連載れんさいした[9]。よりシリアスな推理すいり小説しょうせつを寄稿きこうした作家さっかとしては、コーネル・ウールリッチ、Norbert Davies、Fred MacIsaac が挙あげられる[3]。

ウェスタン小説しょうせつを寄稿きこうした作家さっかとしては、マックス・ブランド、クラレンス・E・マクフォード（英語えいご版ばん）、ウォルト・コバーン（英語えいご版ばん）、チャールズ・アルデン・セルツァー（英語えいご版ばん）[10]、Tom Curry[11]がいた。他ほかにもエリス・パーカー・バトラー、ヒュー・ペンデクスター（英語えいご版ばん）、ロバート・E・ハワード、Gordon MacCreagh[12]、ハリー・スティーヴン・キーラー（英語えいご版ばん）といった作家さっかが寄稿きこうしていた。マックス・ブランドが生うみ出だしたキャラクターであるドクター・キルデアは、1938年ねんに初はつ登場とうじょうした[13]。

アーゴシーの表紙ひょうしイラストを手てがけた有名ゆうめいなイラストレーターとしては、エドガー・フランクリン・ウィトマク（英語えいご版ばん）、Modest Stein、Robert A. Graef が挙あげられる[3]。

1941年ねん11月、隔週かくしゅう刊かんに移行いこうし、1942年ねん7月がつには月刊げっかんとなった。1943年ねん9月がつ、紙質かみしつを向上こうじょうさせただけでなく、小説しょうせつ専門せんもん誌しから男性だんせい総合そうごう誌しへと移行いこうしはじめた。それから数すう年間ねんかん、小説しょうせつの占しめる割合わりあいが小ちいさくなっていき（そのころ寄稿きこうしていた作家さっかとしてはP・G・ウッドハウスなどがいる）、男性だんせい誌し的てき内容ないようが増ふえていった。最終さいしゅう的てきには野生やせい動物どうぶつとの戦たたかいや戦争せんそうを描えがいたノンフィクションを中心ちゅうしんとし、E・S・ガードナーが最高さいこう裁判所さいばんしょについての記事きじを書かいたりするようになり、ソフトコアの男性だんせい誌しとみなされるようになった。1978年ねん11月に最後さいごの号ごうが発行はっこうされている。

復刊ふっかん

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アーゴシーは1990年ねんから1994年ねんまで復活ふっかつしたことがある。その間あいだに5回かいだけ散発さんぱつ的てきに発行はっこうされた。2004年ねんには季刊きかん誌しとして復刊ふっかん。その後ご短期間たんきかんの休刊きゅうかんを経へて、2005年ねんには Argosy Quarterly として復刊ふっかん。編集へんしゅう長ちょうは James A. Owen で、新作しんさくの小説しょうせつを中心ちゅうしんとする編集へんしゅう方針ほうしんだったが、2006年ねんには再ふたたび休刊きゅうかんとなった。

イギリス版ばん

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イギリス版ばんアーゴシー（The Argosy とも呼よばれる）は1865年ねん、アレキサンダー・ストラハンが創刊そうかんし、その後ごエレン・ウッド（英語えいご版ばん）が編集へんしゅう[14]、1901年ねんまで刊行かんこうされた。

また1926年ねんから1974年ねんまで、短編たんぺん小説しょうせつの転載てんさいを中心ちゅうしんとしたペーパーバック判ばんの雑誌ざっしとして刊行かんこうされている[15]。小説しょうせつや連載れんさいのほかに、面白おもしろい引用いんよう、抜粋ばっすい文ぶん、漫画まんがなども掲載けいさいされていた。ジョーン・エイケンは1955年ねんから1960年ねんまで、この雑誌ざっしの特別とくべつ編集へんしゅう者しゃを務つとめた[16]。ロード・ダンセイニ、レイ・ブラッドベリ、H・E・ベイツといった作家さっかの作品さくひんもこのイギリス版ばんアーゴシーに掲載けいさいされた[2]。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ The Story of the Argosy (Reprinted from the October 2, 1932 issue) - ウェイバックマシン（2005年ねん1月がつ5日にちアーカイブ分ぶん）
  2. ^ a b c Eggeling, John. "Argosy, The" in The Encyclopedia of Science Fiction, edited by John Clute and Peter Nicholls. London, Orbit,1994. ISBN 1-85723-124-4 (p.50).
  3. ^ a b c d e f Ed Hulse. "The Big Four (Plus One)" in The Blood 'n' Thunder Guide to Collecting Pulps. Morris Plains, NJ: Murania Press. pp. 19–29. ISBN 0-9795955-0-9 
  4. ^ a b Porges, Irwin (1975). Edgar Rice Burroughs. Provo, Utah: Brigham Young University Press. pp. 143, 213–14. ISBN 0-8425-0079-0 
  5. ^ “Rare Pulp Brings Record Price at Heritage! Price of $59,750 Triples Previous Auction Record for any Pulp Magazine”. Heritage Auctions. (September 2006). http://comics.ha.com/common/newsletter.php?inFrame=yes&id=1823&date. ""The old record was set at Sotheby's in 1998," said Ed Jaster, Vice-President for Heritage, "when a different copy of this same pulp sold for the then-impressive price of $17,000. The $59,750 that this beautiful copy achieved sets a new high watermark for the world of pulp collectors."" 
  6. ^ Nick Carr, Ron Hanna and Ver Curtiss (2008). The Pulp Hero: Deluxe Edition. Wild Cat Books. pp. 160,234–5 
  7. ^ "The Pulp Swordsmen: Denis Burke" at REHupa Website
  8. ^ Lee Server (2002). Encyclopedia of Pulp Fiction Writers. New York: Infobase Publishing. pp. 58–59. ISBN 0-8160-4577-1 
  9. ^ Lee Server (2002). Encyclopedia of Pulp Fiction Writers. New York: Infobase Publishing. pp. 80–84. ISBN 0-8160-4577-1 
  10. ^ The Men who Make The Argosy: Charles Alden Seltzer - ウェイバックマシン（2005年ねん1月がつ10日とおかアーカイブ分ぶん）
  11. ^ The Men Who Make The Argosy : Tom Curry - ウェイバックマシン（2005年ねん1月がつ1日にちアーカイブ分ぶん）
  12. ^ The Men Who Make The Argosy : Gordon MacCreagh - ウェイバックマシン（2005年ねん1月がつ10日とおかアーカイブ分ぶん）
  13. ^ Nolan, William F., Max Brand, western giant: the life and times of Frederick Schiller Faust, Popular Press, 1985 ISBN 978-0-87972-291-3 (p. 137)
  14. ^ “The Ellen Wood Website”. A Biographical Sketch. 2008年ねん12月22日にち閲覧えつらん。
  15. ^ Phil Stephensen-Payne. “Galactic Central”. Magazine Lists. 2010年ねん8月がつ24日にち閲覧えつらん。
  16. ^ Drew, Bernard Alger. The 100 Most Popular Young Adult Authors: Biographical Sketches and Bibliographies Libraries Unlimited, 1997 ISBN 1563086158 (p. 1).

外部がいぶリンク

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