イエバエ科か

イエバエ科か Muscidae
	イエバエの交尾こうび
分類ぶんるい
亜あ科か
	クキイエバエ亜あ科か Atherigoninae; ミヤマイエバエ亜あ科か Azeliinae; ハナレメイエバエ亜あ科か Coenosiinae; Cyrtoneurininae; イエバエ亜あ科か Muscinae; マルイエバエ亜あ科か Mydaeinae; トゲアシイエバエ亜あ科か Phaoniinae; サシバエ亜あ科か Stomoxyinae;

イエバエ科か（イエバエか、Muscidae）は、ハエ目め（双そう翅目）の科かの一ひとつ。イエバエやサシバエなどの衛生えいせい害虫がいちゅうを多数たすう含ふくむ科かである。

分布ぶんぷ

イエバエ科かの種たねは世界中せかいじゅうに分布ぶんぷする^[1]。特とくにイエバエ亜あ科かの各種かくしゅは広ひろい地域ちいきに生息せいそくし、アジアやアフリカの熱ねつ帯域たいいきでは優ゆう占うらない的てきな種たねとなっている^[2]。

形態けいたい

体長たいちょうは小型こがた種しゅで2.0mm、大型おおがた種しゅでは最大さいだい約やく15mmになる^[3]。体からだ色しょくは黄色おうしょく、黒色こくしょく、褐色かっしょくなどの種たねが多おおいが、ミドリイエバエ属ぞく Neomyia、コミドリイエバエ属ぞく Pyrellia、セスジミドリイエバエ属ぞく Eudasyphora では金かね緑色みどりいろ、青色あおいろ、紫色むらさきいろの体からだ色しょくを持もつ種たねもあり、トゲアシメマトイ属ぞく Hydrotaea には光沢こうたくのある黒色こくしょくの種たねがある^[3]。口吻こうふんは大おおきな唇くちびる弁べんや吻管をもつが、吸血きゅうけつ性せいのサシバエ亜あ科かの種たねでは口吻こうふんは硬化こうかしている^[3]。口くち肢しは先端せんたんに向むかって幅広はばひろになるのが普通ふつうであるが、カトリバエ属ぞく Lispe ではスプーン型がたになる^[3]。

幼虫ようちゅうは前方ぜんぽうの先端せんたんが細ほそくなり、後方こうほうは切きり形がたとなっている^[4]。

生態せいたい

成虫せいちゅうは日ひ中ちゅうに活動かつどうする。食しょく性せいはさまざまで、花はなの蜜みつを摂食せっしょくする種たねや、小ちいさな昆虫こんちゅうを摂食せっしょくする種たね（ハナレメイエバエ亜あ科かなど）、哺乳類ほにゅうるいから吸血きゅうけつする種たね（サシバエ亜あ科か）などがいる^[5]。

卵たまごから成虫せいちゅうになるまでの成長せいちょうは早はやく、イエバエの場合ばあいは25℃の温度おんど条件じょうけんであれば、約やく2週間しゅうかんで成虫せいちゅうになる^[6]。

分類ぶんるい

イエバエ科かの種たねは約やく170属ぞく4000種しゅが記録きろくされている^[5]。日本にっぽんからは250種しゅ以上いじょうが記録きろくされている^[7]。

人間にんげんとの関係かんけい

成虫せいちゅうが家屋かおくに侵入しんにゅうして家屋かおく害虫がいちゅうとなるイエバエ^[6]を始はじめ、多おおくの種たねが衛生えいせい害虫がいちゅうとして知しられている。

ギャラリー

セマダライエバエ Graphomya maculata
モモエグリハナバエ Hydrotaea dentipes
シナホソカトリバエ Lispe sinica
ウスホシマキバイエバエ Myospila meditabunda
オオイエバエ Muscina stabulans
ヘリグロハナレメイエバエ Orchisia costata
チャモントゲアシイエバエ Phaonia fuscata
サシバエ Stomoxys calcitrans

脚注きゃくちゅう

^ Skidmore (1985) p.3
^ Coupland and Barker (2002) pp.132-133
^ ^a ^b ^c ^d 篠永しのなが（2003）p.6
^ Hideo Ishijima 1967. Revision of the third stage larvae of synanthropic flies of Japan (Diptera : Anthomyiidae, Muscidae, Calliphoridae and Sarcophagidae) Medical entomology and zoology 18(2・3), pp.47-100 [1]
^ ^a ^b Coupland and Barker (2002) p.132
^ ^a ^b 洗あらい幸夫ゆきお（1996）「イエバエ成虫せいちゅうの複眼ふくがん,単眼たんがんおよび触角しょっかくの微細びさい構造こうぞう」家屋かおく害虫がいちゅう 18(2), 112-115 [2]
^ 篠永しのなが（2003）p.315

参考さんこう文献ぶんけん

COUPLAND, J.B. & G.M. BARKER. 2002. Diptera as predators and parasitoids of terrestrial gastropods, with emphasis on. Phoridae, Calliphoridae, Sarcophagidae, Muscidae and. Fanniidae (Diptera, Brachycera, Cyclorrhapha), pp. 85-158 In: G.M. BARKER. 2002. Natural Enemies of Terrestrial Molluscs. CABI Publishing ISBN 978-0851993195
Peter Skidmore. 1985. The Biology of the Muscidae of the World (Series Entomologica). Dr. W. Junk Pub. Co. ISBN 978-9061931393
篠永しのなが哲あきら『日本にっぽんのイエバエ科か』（2003年ねん、東海大学とうかいだいがく出版しゅっぱん会かい）（in English）ISBN 978-4-486-01603-8

[1] Skidmore (1985) p.3

[coup132133-2] Coupland and Barker (2002) pp.132-133

[shino-3] 篠永しのなが（2003）p.6

[4] Hideo Ishijima 1967. Revision of the third stage larvae of synanthropic flies of Japan (Diptera : Anthomyiidae, Muscidae, Calliphoridae and Sarcophagidae) Medical entomology and zoology 18(2・3), pp.47-100 [1]

[coup132-5] Coupland and Barker (2002) p.132

[arai-6] 洗あらい幸夫ゆきお（1996）「イエバエ成虫せいちゅうの複眼ふくがん,単眼たんがんおよび触角しょっかくの微細びさい構造こうぞう」家屋かおく害虫がいちゅう 18(2), 112-115 [2]

[7] 篠永しのなが（2003）p.315

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