イミプラミン

イミプラミン
IUPAC命名めいめい法ほうによる物質ぶっしつ名めい
	IUPAC名めい 3-(10,11-dihydro-5H-dibenzo[b,f]azepin-5-yl)-N,N-dimethylpropan-1-amine;
臨床りんしょうデータ
胎児たいじ危険きけん度ど分類ぶんるい	US: D ; 胎児たいじへの障害しょうがいのリスク;
法的ほうてき規制きせい	℞ (Prescription only);
投与とうよ経路けいろ	経口けいこう
薬物やくぶつ動態どうたいデータ
生物せいぶつ学がく的てき利用りよう能のう	?
代謝たいしゃ	肝臓かんぞう ; デシプラミンが主おもな活性かっせい代謝たいしゃ物ぶつ
半減はんげん期き	11-25時じ間あいだ
排泄はいせつ	腎臓じんぞう
識別しきべつ
CAS番号ばんごう;	50-49-7 113-52-0（塩酸えんさん塩しお）
ATCコード	N06AA02 (WHO)
PubChem	CID: 3696
DrugBank	APRD00672
ChemSpider	3568
KEGG	D08070
化学かがく的てきデータ
化学かがく式しき	C19H24N2
分子ぶんし量りょう	280.407
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イミプラミン (imipramine) は、抗こううつ薬やくとして用もちいられる有機ゆうき化合かごう物ぶつの一種いっしゅ。脳のう内ない神経しんけい末端まったんへのノルアドレナリン、セロトニンの再さい取とり込こみを阻害そがいする。塩酸えんさん塩しおは無臭むしゅうで水みずに溶とけやすい。第だい1世代せだいの三さん環たまき系けい抗こううつ薬やくとして知しられ、うつ病びょう、うつ状態じょうたい、夜尿症やにょうしょうの治療ちりょうに用もちいられる。スイスの精神せいしん科か医いローランド・クーンが1957年ねんに抗こううつ作用さようを報告ほうこくした^[1]。商品しょうひん名めいトフラニールでアルフレッサファーマから、イミドールで田辺たなべ三菱みつびし製薬せいやくから販売はんばいされている。

適応てきおう

うつ病びょう・うつ状態じょうたい
遺尿いにょう症しょう

研究けんきゅう

2001年ねんに報告ほうこくされた「スタディー329」^[2]を再さい解析かいせきしたところ、パロキセチンとイミプラミンは思春期ししゅんきうつ病びょうにともに有効ゆうこうではない上うえ、有害ゆうがい事象じしょうリスクを上昇じょうしょうさせることが明あきらかとなった^[3]。

代謝たいしゃ

イミプラミンは主おもにCYP2D6による水酸化すいさんかを受うけて不ふ活性かっせい体たいとなるが、一部いちぶはCYP1A2やCYP2C19による脱だつメチル化かを受うけ、活性かっせい代謝たいしゃ物ぶつのデシプラミンとなる。CYP2D6の酵素こうそ欠損けっそん者しゃでは、CYP1A2やCYP2C19による脱だつメチル化かが主おもとなり不ふ活性かっせい体たいの生成せいせいが抑制よくせいされるため、イミプラミンの作用さようが増強ぞうきょうする。

禁忌きんき

緑内障りょくないしょうのある患者かんじゃ
本ほん剤ざいの成分せいぶん又または三さん環たまき系けい抗こううつ薬やくに対たいして過敏かびん症しょうの既往きおう歴れきを持もつ患者かんじゃ
心筋梗塞しんきんこうそくの回復かいふく初期しょきの患者かんじゃ
尿にょう閉（前立腺ぜんりつせん疾患しっかん等とう）のある患者かんじゃ
モノアミン酸化さんか酵素こうそ (MAO) 阻害そがい剤ざいを投与とうよ中ちゅうあるいは投与とうよ中止ちゅうし後ご2週間しゅうかん以内いないの患者かんじゃ
チオリダジンを投与とうよ中ちゅうの患者かんじゃ
QT延長えんちょう症候群しょうこうぐんのある患者かんじゃ

副作用ふくさよう

抗こうコリン作用さようによる以下いかの副作用ふくさようが報告ほうこくされている。

口渇こうかつ、倦怠けんたい感かん、脱力だつりょく感かん、集中しゅうちゅう力りょく低下ていか、眠気ねむけ、頭痛ずつう、めまい、立たちくらみ、便秘べんぴ、頻しき脈みゃく

出典しゅってん

^ エリオット・S・ヴァレンスタイン 2008, pp. 52–54.
^ Keller MB, et al. Efficacy of paroxetine in the treatment of adolescent major depression: a randomized, controlled trial. J Am Acad Child Adolesc Psychiatry. 2001 Jul;40(7):762-72.
^ Restoring Study 329: efficacy and harms of paroxetine and imipramine in treatment of major depression in adolescence. BMJ 2015; 351 doi:10.1136/bmj.h4320

[FOOTNOTEエリオット・S・ヴァレンスタイン200852–54-1] エリオット・S・ヴァレンスタイン 2008, pp. 52–54.

[2] Keller MB, et al. Efficacy of paroxetine in the treatment of adolescent major depression: a randomized, controlled trial. J Am Acad Child Adolesc Psychiatry. 2001 Jul;40(7):762-72.

[3] Restoring Study 329: efficacy and harms of paroxetine and imipramine in treatment of major depression in adolescence. BMJ 2015; 351 doi:10.1136/bmj.h4320

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