(図 ず 1)シナプス模 も 式 しき 図 ず
(図 ず 2)SSRIの作用 さよう 模 も 式 しき 図 ず
選択 せんたく 的 てき セロトニン再 さい 取 と り込 こ み阻害 そがい 薬 やく (せんたくてきセロトニンさいとりこみそがいやく、英語 えいご : Selective Serotonin Reuptake Inhibitors, SSRI )とは、抗 こう うつ薬 やく の一種 いっしゅ 。シナプス におけるセロトニン の再 さい 吸収 きゅうしゅう に作用 さよう することでうつ症状 しょうじょう 、病気 びょうき としての不安 ふあん の改善 かいぜん を目指 めざ す薬 くすり 。2009年 ねん 5月 がつ 現在 げんざい 、日本 にっぽん 国内 こくない で100万 まん 人 にん 以上 いじょう が使用 しよう していると推定 すいてい されている[1] 。
旧来 きゅうらい の三 さん 環 たまき 系 けい 抗 こう うつ薬 やく は副作用 ふくさよう があり、医者 いしゃ または患者 かんじゃ によっては敬遠 けいえん されていたことから、副作用 ふくさよう を少 すく なく・より選択 せんたく 的 てき に作用 さよう することを目的 もくてき として開発 かいはつ された。肝 きも 毒性 どくせい 、心 しん ・血管 けっかん 副作用 ふくさよう や、鎮静 ちんせい 作用 さよう 、口渇 こうかつ ・便秘 べんぴ など、抗 こう コリン作用 さよう が原因 げんいん と思 おも われる副作用 ふくさよう は減少 げんしょう したが、セロトニン症候群 しょうこうぐん ・賦活 ふかつ 症候群 しょうこうぐん ・SSRI離脱 りだつ 症候群 しょうこうぐん (中断 ちゅうだん 症候群 しょうこうぐん )など、従来 じゅうらい の抗 こう うつ剤 ざい ではあまり報告 ほうこく のなかった副作用 ふくさよう が発生 はっせい している。
「選択 せんたく 的 てき 」とは、他 た の神経 しんけい 伝達 でんたつ 物質 ぶっしつ に比 くら べ、セロトニンの再 さい 取 と り込 こ み阻害 そがい 作用 さよう のみで、アセチルコリン受容 じゅよう 体 たい などは阻害 そがい しないこと、ノルアドレナリン 対 たい セロトニン、及 およ びドーパミン 対 たい セロトニン比 ひ が大 おお きいことを意味 いみ する[2] 。
シナプス前 まえ ニューロン から放出 ほうしゅつ された神経 しんけい 伝達 でんたつ 物質 ぶっしつ セロトニンはシナプス後 ご ニューロンにあるセロトニン受容 じゅよう 体 たい に作用 さよう する。シナプス間隙 かんげき に貯 た まったセロトニンは、セロトニントランスポーターにより再 さい 取 と り込 こ み(吸収 きゅうしゅう )され、再 さい 利用 りよう される。うつ状態 じょうたい にある人 ひと はシナプスにおけるセロトニンの濃度 のうど が低下 ていか し、セロトニン受容 じゅよう 体 たい にセロトニンが作用 さよう しにくい状態 じょうたい となっているという仮説 かせつ (モノアミン仮説 かせつ )がある(図 ず 1参照 さんしょう )。SSRIはセロトニンを放出 ほうしゅつ するシナプスのセロトニントランスポーターに選択 せんたく 的 てき に作用 さよう し、セロトニン再 さい 取 と り込 こ みを阻害 そがい する(図 ず 2)。このことによって結果 けっか 的 てき にセロトニン濃度 のうど がある程度 ていど 高 たか く維持 いじ される。
抗 こう うつ薬 やく の販売 はんばい 者 しゃ は自社 じしゃ 製品 せいひん を宣伝 せんでん するために、セロトニンの欠乏 けつぼう によってうつ病 びょう が引 ひ き起 お こされており、選択 せんたく 的 てき セロトニン再 さい 取 と り込 こ み阻害 そがい 剤 ざい (SSRI)が、この欠乏 けつぼう を正常 せいじょう 化 か するとして宣伝 せんでん しているが、これは監督 かんとく 庁 ちょう による製品 せいひん 情報 じょうほう や査読 さどく 論文 ろんぶん によって裏付 うらづ けられていない比喩 ひゆ 的 てき な説明 せつめい である[3] 。
現在 げんざい (2012年 ねん )、日本 にっぽん で発売 はつばい されているSSRIはフルボキサミン 、パロキセチン 、セルトラリン 、エスシタロプラム の4種類 しゅるい である。なおベンゾジアゼピン系 けい 抗 こう 不安 ふあん 薬 やく などと違 ちが いそれぞれ化学 かがく 構造 こうぞう は大 おお きく異 こと なる。化学 かがく 構造 こうぞう 以外 いがい にも、セロトニン再 さい 取 と り込 こ み阻害 そがい 作用 さよう の選択 せんたく 性 せい 、各種 かくしゅ 受容 じゅよう 体 たい 親和 しんわ 性 せい のプロフィール、薬物 やくぶつ 代謝 たいしゃ 、血液 けつえき 中 ちゅう の蛋白 たんぱく 結合 けつごう 、副作用 ふくさよう プロフィールなども異 こと なっており、臨床 りんしょう 上 じょう の使用 しよう 法 ほう も異 こと なるとされる[4] 。
2つの臨床 りんしょう 試験 しけん のメタ分析 ぶんせき によって、うつ病 びょう の症例 しょうれい の大 だい 部分 ぶぶん を占 し める軽症 けいしょう から中等 ちゅうとう 度 ど のうつ病 びょう に対 たい するSSRIの効果 こうか は、偽薬 ぎやく と比較 ひかく して僅 わず かかあるいはまったくない一方 いっぽう で、重度 じゅうど のうつ病 びょう でのSSRIの効果 こうか は臨床 りんしょう 的 てき に有意 ゆうい だということが見出 みいだ された[5] [6] 。第 だい 二 に 世代 せだい の抗 こう うつ薬 やく は、有効 ゆうこう /無効 むこう が等 ひと しいように見 み える[7] 。
2008年 ねん 、認可 にんか されている4つの新 あたら しい抗 こう うつ薬 やく の、アメリカ食品 しょくひん 医薬品 いやくひん 局 きょく (FDA)に提出 ていしゅつ された35の臨床 りんしょう 試験 しけん を結合 けつごう したメタ分析 ぶんせき が広 ひろ く報道 ほうどう された(SSRIのパロキセチンとフルオキセチン (日本 にっぽん では未 み 認可 にんか )、非 ひ SSRI抗 こう うつ薬 やく のネファゾドン (英語 えいご 版 ばん ) (日本 にっぽん では未 み 認可 にんか )、またSNRIのベンラファキシン を含 ふく む)。具体 ぐたい 的 てき には、軽症 けいしょう のうつ病 びょう に対 たい して効果 こうか 量 りょう (英語 えいご : effect size ) が非常 ひじょう に小 ちい さく、しかし重症 じゅうしょう 度 ど に伴 ともな って増加 ぞうか し、非常 ひじょう に重度 じゅうど のうつ病 びょう に対 たい しては「臨床 りんしょう 的 てき な有意 ゆうい 」に達 たっ した。重症 じゅうしょう 度 ど と効果 こうか の間 あいだ の関係 かんけい は、医薬品 いやくひん の効果 こうか の増加 ぞうか よりも、重度 じゅうど のうつの患者 かんじゃ での偽薬 ぎやく 効果 こうか による緩和 かんわ に起因 きいん したと考 かんが えられる[6] [8] [9] [10] [11] [12] 。この研究 けんきゅう における統計 とうけい 上 じょう の基盤 きばん を疑問 ぎもん 視 し する研究 けんきゅう 者 しゃ もいたが、全 ぜん 結果 けっか を結合 けつごう してデータを再 さい 分析 ぶんせき しても、NICEの「臨床 りんしょう 的 てき に有意 ゆうい 」な閾値を下回 したまわ ることが見出 みいだ された(ただし、パロキセチンとベンラファキシン(日本 にっぽん では開発 かいはつ 中止 ちゅうし )はこの閾値を上回 うわまわ った)[13] [14] 。
2010年 ねん のレビューも、軽症 けいしょう から中等 ちゅうとう 度 ど のうつ病 びょう ではSSRIの効果 こうか は、偽薬 ぎやく と比較 ひかく して非常 ひじょう に小 ちい さいかまったくない一方 いっぽう で、非常 ひじょう に重度 じゅうど のうつ病 びょう においては臨床 りんしょう 的 てき に有意 ゆうい であるとする結論 けつろん に至 いた った[5] [15] 。
こうした研究 けんきゅう 結果 けっか を受 う けて、日本 にっぽん うつ病 びょう 学会 がっかい による2012年 ねん の診療 しんりょう ガイドライン では、軽症 けいしょう のうつ病 びょう に対 たい しては、必 かなら ずしも抗 こう うつ薬 やく は第 だい 一 いち 選択 せんたく ではないとされている。
2004年 ねん 、カーディフ大学 だいがく のデイヴィッド・ヒーリー によれば、「選択 せんたく 的 てき 」は薬理 やくり 学者 がくしゃ と臨床 りんしょう 医 い にとって意味 いみ が異 こと なり、薬理 やくり 学者 がくしゃ にとってはノルアドレナリン系 けい 以外 いがい の全 すべ ての脳 のう システムに作用 さよう し得 え るもので、臨床 りんしょう 医 い が脳 のう の一 いち 箇所 かしょ にだけ作用 さよう すると考 かんが えているとしたら勘違 かんちが いであると述 の べている[17] 。
SSRIの有効 ゆうこう 性 せい についてはほぼ評価 ひょうか が確立 かくりつ していたが、2000年代 ねんだい 後半 こうはん には「プラセボよりは有効 ゆうこう だが、従来 じゅうらい 考 かんが えられていたほどの効果 こうか ではない」として再 さい 検討 けんとう が行 おこな われてきた[18] 。SSRIの多用 たよう でうつ症状 しょうじょう が改善 かいぜん する率 りつ が3割 わり ほどある一方 いっぽう 、悪化 あっか する例 れい が3割 わり というように、SSRIの反応 はんのう 性 せい には個人 こじん 差 さ があることが指摘 してき されている[19] 。不安 ふあん や恐怖 きょうふ 感 かん を高 たか める受容 じゅよう 体 たい の働 はたら きを抑 おさ え、抑 よく うつ症 しょう 状 じょう を改善 かいぜん させるSSRIだが、人 ひと によっては衝動 しょうどう 性 せい を抑 おさ える受容 じゅよう 体 たい の働 はたら きも鈍 にぶ くなるといわれている。恐怖 きょうふ 感 かん がなくなり、さらに衝動 しょうどう 性 せい が高 たか まることにより、攻撃 こうげき 的 てき な行動 こうどう に駆 か られるのではと考 かんが えられている[20] 。
SSRIは新薬 しんやく である、神経症 しんけいしょう からうつ病 びょう まで幅広 はばひろ く作用 さよう する、三 さん 環 たまき 系 けい や四 よん 環 たまき 系 けい など従来 じゅうらい の抗 こう うつ薬 やく に比 くら べ副作用 ふくさよう が少 すく ないなどの背景 はいけい から、第 だい 一 いち 選択 せんたく 薬 やく として選 えら ぶ医療 いりょう 機関 きかん も多 おお く、多用 たよう される傾向 けいこう にあるが、個人 こじん によっては強 つよ い副作用 ふくさよう が出 で ることもある。特 とく に、飲 の み始 はじ めにより服用 ふくよう が逆 ぎゃく 効果 こうか になることもあり得 え る。服用 ふくよう においては、飲 の み始 はじ め・減 げん 薬 やく ・絶 ぜっ 薬 やく ・依存 いぞん を含 ふく め、リスクと効果 こうか を見極 みきわ めつつ、個々 ここ の体質 たいしつ も含 ふく め慎重 しんちょう になされなければならない[21] 。
副作用 ふくさよう として、食欲 しょくよく 不振 ふしん や増加 ぞうか 、体重 たいじゅう 増加 ぞうか または減少 げんしょう 、性欲 せいよく 異常 いじょう などが比較的 ひかくてき 多 おお くみられる。特 とく にセロトニンの再 さい 吸収 きゅうしゅう 阻害 そがい 作用 さよう が強 つよ くなるにしたがって性 せい 機能 きのう 副作用 ふくさよう は増加 ぞうか する。抗 こう うつ薬 やく の中 なか ではSSRIは取扱 とりあつかい が楽 らく であるが、双極 そうきょく 性 せい 障害 しょうがい (躁 そう うつ病 びょう ) では、躁転のリスクがあり、単独 たんどく での使用 しよう は推奨 すいしょう されていない[22] 。
急 きゅう に服薬 ふくやく を止 と めると、めまい、頭痛 ずつう 、幻聴 げんちょう など気分 きぶん や体調 たいちょう が悪 わる くなることがあるので、重 じゅう 篤 あつし な副作用 ふくさよう が起 お きた場合 ばあい や躁転 した場合 ばあい を除 のぞ いて、勝手 かって に服用 ふくよう をやめてはいけない。(これらの症状 しょうじょう は一過 いっか 性 せい であり、依存 いぞん や中毒 ちゅうどく ではない)このことは、同 どう 剤 ざい の添付 てんぷ 文書 ぶんしょ にも明記 めいき されており、投薬 とうやく 量 りょう の増減 ぞうげん には慎重 しんちょう な判断 はんだん が必要 ひつよう である。
賦活 ふかつ 症候群 しょうこうぐん (アクチベーションシンドローム)という中枢 ちゅうすう 神経 しんけい 刺激 しげき 症状 しょうじょう を呈 てい することがあり、注意 ちゅうい が必要 ひつよう である。症状 しょうじょう としては、不安 ふあん 焦燥 しょうそう 感 かん 、衝動 しょうどう 性 せい 、不眠 ふみん 、自殺 じさつ 企図 きと などがある。これらの症状 しょうじょう にも個人 こじん 差 さ があり、必 かなら ずしもSSRIのみの抗 こう うつ薬 やく に現 あらわ れるものではない[19] 。
18歳 さい 以下 いか の若年 じゃくねん 者 しゃ に投与 とうよ する場合 ばあい には、自殺 じさつ 念慮 ねんりょ 、自殺 じさつ 企図 きと 、凶暴 きょうぼう 化 か の増加 ぞうか が報告 ほうこく されている。この害 がい 作用 さよう はSSRIの適応 てきおう であるうつ病 びょう や不安 ふあん 障害 しょうがい などの病態 びょうたい の進展 しんてん との区別 くべつ が難 むずか しいことから、その認識 にんしき が遅 おく れたが、プラセボ(偽薬 ぎやく )を対照 たいしょう として用 もち いるランダム化 か 比較 ひかく 臨床 りんしょう 試験 しけん 成績 せいせき からその存在 そんざい が明確 めいかく になった[23] 。
2009年 ねん 、偽薬 ぎやく 効果 こうか を研究 けんきゅう するハル大学 だいがく のアービング・カーシュ 博士 はかせ は、アメリカ食品 しょくひん 医薬品 いやくひん 局 きょく (FDA)は、2006年 ねん の最新 さいしん のデータ解析 かいせき で「プラシーボ と比 くら べて、SSRI は24歳 さい までのうつ病 びょう 患者 かんじゃ の自殺 じさつ 志向 しこう や自殺 じさつ 行動 こうどう のリスクを2倍 ばい に高 たか める」と結論 けつろん を下 くだ したと述 の べている。24歳 さい 以上 いじょう も同 おな じだと思 おも われるが、このデータ解析 かいせき からはまだ結論 けつろん が出 で ていない[24] 。しかし、米国 べいこく ではFDAの警告 けいこく 以降 いこう に若年 じゃくねん 者 しゃ の自殺 じさつ 死者 ししゃ 数 すう が増加 ぞうか している。FDA警告 けいこく の結果 けっか 、若年 じゃくねん 者 しゃ の抗 こう うつ薬 やく 治療 ちりょう が少 すく なくなり、結果 けっか として自殺 じさつ 者 しゃ が増 ふ えたとすればかえって問題 もんだい である[25] 。
また、近年 きんねん ではSSRIの長期 ちょうき 服用 ふくよう で前頭葉 ぜんとうよう 類似 るいじ 症候群 しょうこうぐん (frontal lobe-like syndrome)が起 お こるという研究 けんきゅう がなされている。米国 べいこく の精神 せいしん 科 か 医 い 、Dr.J.ZajeckaはSSRIを長期 ちょうき に使用 しよう した場合 ばあい 、無気力 むきりょく ・無 む 関心 かんしん 、疲労 ひろう 感 かん 、精神 せいしん 的 てき に鈍 にぶ い感 かん じが残 のこ る状態 じょうたい に陥 おちい ることがあるとした。
これらの症状 しょうじょう は、SSRIの長期間 ちょうきかん 使用 しよう により、前頭葉 ぜんとうよう や脳幹 のうかん のノルアドレナリン やドーパミン 活性 かっせい が低下 ていか し起 お こると考 かんが えられている[26] 。これらの症状 しょうじょう が出 で たら処方 しょほう の変更 へんこう が推奨 すいしょう される。セルトラリン は、弱 よわ いドーパミン 再 さい 取 と り込 こ み阻害 そがい 作用 さよう も伴 ともな うため、前頭葉 ぜんとうよう 類似 るいじ 症候群 しょうこうぐん は起 お こりにくいとされているが、これも個人 こじん 差 さ がある[19] 。
男女 だんじょ ともSSRI の処方 しょほう 量 りょう が増 ふ えると、自殺 じさつ 率 りつ は低下 ていか する。若年 じゃくねん 者 しゃ への投与 とうよ の減少 げんしょう により、若年 じゃくねん 者 しゃ の自殺 じさつ 率 りつ が増加 ぞうか している。睡眠 すいみん 障害 しょうがい により自殺 じさつ 率 りつ は上昇 じょうしょう する。不安 ふあん 障害 しょうがい の併存 へいそん により自殺 じさつ 率 りつ は上昇 じょうしょう する。アルコールや物質 ぶっしつ 依存 いぞん により自殺 じさつ 率 りつ は上昇 じょうしょう する。このように渡邊 わたなべ 衡一郎 ろう は述 の べている[27] 。
1999年 ねん に起 お きたコロンバイン高校 こうこう 銃 じゅう 乱射 らんしゃ 事件 じけん では、犯人 はんにん である少年 しょうねん 二 に 人 にん のうち、一人 ひとり は血液 けつえき 検査 けんさ から大量 たいりょう のフルボキサミン を服用 ふくよう していたことが確定 かくてい しており、もう一人 ひとり も服用 ふくよう していた可能 かのう 性 せい が極 きわ めて濃厚 のうこう と言 い われる。事件 じけん の被害 ひがい 者 しゃ の一人 ひとり は、二人 ふたり を凶行 きょうこう に走 はし らせた原因 げんいん はSSRIにあるとして、製作 せいさく 元 もと である会社 かいしゃ を告訴 こくそ したが、裁判 さいばん によって退 しりぞ けられた[28] 。
2001年 ねん 8月 がつ 、米国 べいこく ではカリフォルニア の患者 かんじゃ 35人 にん が、パロキセチン の重 じゅう 篤 あつし な離脱 りだつ 反応 はんのう で、製造元 せいぞうもと の英国 えいこく グラクソ・スミスクライン 社 しゃ を相手 あいて に集団 しゅうだん 訴訟 そしょう を提訴 ていそ した。この離脱 りだつ 反応 はんのう は英国 えいこく でも問題 もんだい となり、同社 どうしゃ は2003年 ねん 6月 がつ に添付 てんぷ 文書 ぶんしょ での離脱 りだつ 反応 はんのう が生 しょう じるリスク予測 よそく を、0.2%から一挙 いっきょ に25%に修正 しゅうせい した。 FDA は、2003年 ねん 6月 がつ パロキセチンを18歳 さい 以下 いか に使用 しよう しないよう勧告 かんこく 、2004年 ねん 10月 がつ には、全 ぜん 抗 こう うつ剤 ざい の添付 てんぷ 文書 ぶんしょ に18歳 さい 以下 いか での自殺 じさつ 傾向 けいこう のリスクについて、最 もっと も厳 きび しい「黒枠 くろわく 警告 けいこく 」を行 おこな うよう指示 しじ した。 日本 にっぽん の厚労省 こうろうしょう は、欧米 おうべい の動 うご きを受 う けて、2003年 ねん 8月 がつ パロキセチンを18歳 さい 以下 いか の大 だい うつ病 びょう 性 せい 障害 しょうがい には禁忌 きんき とするよう添付 てんぷ 文書 ぶんしょ を改訂 かいてい した[23] 。
2012年 ねん 7月 がつ 2日 にち 、英国 えいこく グラクソ・スミスクライン がパロキセチン などの違法 いほう 販売 はんばい 促進 そくしん を認 みと め、30億 おく ドルという製薬 せいやく 業界 ぎょうかい 史上 しじょう 最高 さいこう 額 がく の支払 しはら いに合意 ごうい したことを、米 べい 司法省 しほうしょう が発表 はっぴょう した[29] [30] 。
日本 にっぽん においては、服用 ふくよう 後 ご に突然 とつぜん 他人 たにん に暴力 ぼうりょく を振 ふ るうなど攻撃 こうげき 性 せい を増 ま したり激高 げっこう するなど副作用 ふくさよう と疑 うたが われる症例 しょうれい が、2008年 ねん 秋 あき までの4年 ねん 半 はん に医薬品 いやくひん 医療 いりょう 機器 きき 総合 そうごう 機構 きこう に42件 けん 寄 よ せられており、使用 しよう の際 さい 、注意 ちゅうい を促 うなが しているが、SSRIの副作用 ふくさよう は海外 かいがい でも報告 ほうこく されており、氷山 ひょうざん の一角 いっかく であるとされる[31] 。
2009年 ねん 6月1日 にち に放送 ほうそう された『クローズアップ現代 げんだい 抗 こう うつ薬 やく の死角 しかく ~転換 てんかん 迫 せま られるうつ病 びょう 治療 ちりょう ~』[32] で、SSRIの不適切 ふてきせつ な投与 とうよ により傷害 しょうがい 行為 こうい (強盗 ごうとう )に及 およ んだ患者 かんじゃ が、医療 いりょう 鑑定 かんてい で「SSRIの影響 えいきょう がある」と認 みと められた事例 じれい が報告 ほうこく された。これは薬害 やくがい であるが、SSRIの知識 ちしき に乏 とぼ しい医師 いし が、SSRI服薬 ふくやく 量 りょう の急激 きゅうげき な増減 ぞうげん が危険 きけん であることを知 し らずに、患者 かんじゃ の体調 たいちょう 報告 ほうこく にあわせて頻繁 ひんぱん に投薬 とうやく 量 りょう の増減 ぞうげん を繰 く り返 かえ していたことも一 いち 要因 よういん であるとされた。また、この薬 くすり はパニック障害 しょうがい で服用 ふくよう した場合 ばあい 、飲 の み始 はじ めてからきちんとした効果 こうか が出 で るまでに二 に 週間 しゅうかん 前後 ぜんこう の時間 じかん を必要 ひつよう とするので注意 ちゅうい が必要 ひつよう である。また、服用 ふくよう によって、逆 ぎゃく に精神 せいしん のバランスを崩 くず す可能 かのう 性 せい もあるので、経過 けいか 観察 かんさつ には注意 ちゅうい を要 よう する。
うつ病 びょう が20世紀 せいき になって増加 ぞうか しているが、SSRIの普及 ふきゅう と軌 き を一 いつ にする。SSRIという薬価 やっか が高 たか いうつ病 びょう の薬 くすり が販売 はんばい されると世界 せかい 各国 かっこく で軒並 のきな みうつ病 びょう 患者 かんじゃ が増 ふ え、その背景 はいけい には製薬 せいやく 会社 かいしゃ の病気 びょうき 喧伝 けんでん キャンペーンが影響 えいきょう している。SSRIの導入 どうにゅう 後 ご 、6年間 ねんかん でうつ病 びょう の患者 かんじゃ が2倍 ばい に増 ふ えるという経験 けいけん 則 そく がある[33] 。
2013年 ねん 、日本 にっぽん の厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう は、大 だい うつ病 びょう 性 せい 障害 しょうがい に対 たい し、18歳 さい 未満 みまん に投与 とうよ しても効果 こうか を確認 かくにん できなかったとして、添付 てんぷ 文書 ぶんしょ を改訂 かいてい し。医師 いし に慎重 しんちょう な投与 とうよ を求 もと めるよう日本 にっぽん 製薬 せいやく 団体 だんたい 連合 れんごう 会 かい に要請 ようせい した。対象 たいしょう は「レクサプロ 」「ジェイゾロフト 」「ルボックス 」「デプロメール 」、他 た はSNRI が2製品 せいひん 、NaSSA が2製品 せいひん の計 けい 8製品 せいひん である[34] [35] 。
「日本 にっぽん うつ病 びょう 学会 がっかい 」は、樋口 ひぐち 輝彦 てるひこ を委員 いいん 長 ちょう とする「抗 こう うつ薬 やく の適正 てきせい 使用 しよう に関 かん する委員 いいん 会 かい 」を発足 ほっそく させ、2009年 ねん 4月 がつ 17日 にち に第 だい 1回 かい 委員 いいん 会 かい を開催 かいさい した。その後 ご 、同 どう 学会 がっかい は、「抗 こう うつ薬 やく の適切 てきせつ な使 つか い方 かた について―うつ病 びょう 患者 かんじゃ 様 さま およびご家族 かぞく へのメッセージ―」を発表 はっぴょう した。これは、同 どう 委員 いいん 会 かい での結論 けつろん が出 で る前 まえ に、現時点 げんじてん で患者 かんじゃ や患者 かんじゃ の両親 りょうしん などに知 し っておいてもらいたいことをまとめたものである。
「一般 いっぱん 名 めい (商品 しょうひん 名 めい )」という形式 けいしき で、具体 ぐたい 的 てき 薬剤 やくざい を列挙 れっきょ する。
日本 にっぽん で承認 しょうにん 済 ず み[ 編集 へんしゅう ]
うつ病 びょう の場合 ばあい 、1日 にち の最大 さいだい 処方 しょほう 量 りょう は150mgまで。ただし、効果 こうか 不十分 ふじゅうぶん の場合 ばあい 、詳記 しょうき の付記 ふき により300mgまで増量 ぞうりょう できる。
うつ病 びょう の場合 ばあい 、1日 にち の最大 さいだい 処方 しょほう 量 りょう は40mg(強迫 きょうはく 性 せい 障害 しょうがい の場合 ばあい は50mg)まで。ただし、効果 こうか 不十分 ふじゅうぶん の場合 ばあい 、詳記 しょうき の付記 ふき により60mg、(CR錠 じょう は62.5mg)まで増量 ぞうりょう できる。
うつ病 びょう の場合 ばあい 、1日 にち の最大 さいだい 処方 しょほう 量 りょう は100mgまで。ただし、効果 こうか 不十分 ふじゅうぶん の場合 ばあい 、詳記 しょうき の付記 ふき により200mgまで増量 ぞうりょう できる。副作用 ふくさよう は他 た のSSRIに比 くら べて弱 よわ いが、効 き き方 かた も弱 よわ いので、双極 そうきょく 性 せい 障害 しょうがい の治療 ちりょう に50mg程度 ていど 使 つか われることが多 おお い。
エスシタロプラム (レクサプロ )2011年 ねん 4月 がつ に承認 しょうにん 。1日 にち の最大 さいだい 処方 しょほう 量 りょう は20mgまで。※詳記 しょうき による容量 ようりょう の変更 へんこう はない。
日本 にっぽん では未 み 承認 しょうにん [ 編集 へんしゅう ]
フルオキセチン (プロザック) - プロザックはアメリカで最 もっと も広 ひろ く用 もち いられている抗 こう うつ薬 やく である。治験 ちけん がほとんど行 おこ なわれていないため、承認 しょうにん 申請 しんせい 中 ちゅう ではあるが日本 にっぽん 国内 こくない における発売 はつばい は未定 みてい である。
シタロプラム (セレクサ)
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