ウルク古拙こせつ文字もじ

ウルク古拙こせつ文字もじ
類型るいけい:	未み解読かいどく文字もじ
言語げんご:	不明ふめい
時期じき:	紀元前きげんぜん3200年ねん頃ころ
親おやの文字もじ体系たいけい:	（先さき文字もじ時代じだい） ウルク古拙こせつ文字もじ
子この文字もじ体系たいけい:	シュメール文字もじ
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ウルク古拙こせつ文字もじ（ウルクこせつもじ）、ウルク文字もじ（ウルクもじ）は、紀元前きげんぜん4千年紀せんねんきのウルクで使つかわれていたと考かんがえられている文字もじ。ジェムデト・ナスル遺跡いせきで出土しゅつどした粘土ねんど板ばんの文字もじと類似るいじしているため、この文字もじと合あわせて原はらシュメール文字もじともいう。

ウルク古拙こせつ文字もじは、メソポタミア全土ぜんどに広ひろがり楔形文字くさびがたもじの原型げんけいとなった。

歴史れきし

トークンとブッラ

トークンとは、原はら文字もじを含ふくむ文字もじの誕生たんじょう以前いぜんに、メソポタミアで使つかわれていた粘土ねんど製せいの計算けいさん具ぐで、球形きゅうけい、円錐えんすい形がたなど様々さまざまな形かたちのものがあった。また、模様もようがついているものもあり、前者ぜんしゃをプレイン・トークン、後者こうしゃをコンプレックス・トークンという。

このトークンを保管ほかんするために、ブッラが作つくられた。ブッラは粘土ねんどで作つくられた球たまで、トークンを中なかに入いれて保管ほかんすることができる。しかし、中身なかみを見みるためにはブッラを叩はたき割わらないといけなかった。それを解決かいけつすべく、トークンは粘土ねんど板ばんに押おし付つけて使つかう印章いんしょうのようなものになった。しかし、コンプレックス・トークンには細こまかい模様もようがあり、十分じゅうぶんに押捺おうなつ痕こんが残のこせなかったため、トークンの模様もようを先さきを尖とがらせた葦あしペンで粘土ねんど板ばんに書かいた。これがウルク古拙こせつ文字もじになっていった。

楔形文字くさびがたもじ

ウルク古拙こせつ文字もじは、少すこしずつ簡略かんりゃく化かされていった。ウルク古拙こせつ文字もじは、その後ご90度ど回転かいてんした状態じょうたいで楔くさびのような、楔形文字くさびがたもじに変化へんかしていった。

研究けんきゅう

発見はっけん

ウルク遺跡いせきの発掘はっくつは1927年ねん以降いこう、ドイツ調査ちょうさ団だんによって行おこなわれた。神殿しんでん遺跡いせきを地下ちか深ふかく掘ほったところ、ウルク第だい4層そうから小型こがたの粘土ねんど板ばんが多数たすう出土しゅつどした。これらには人間にんげんの頭あたま、手て、足あし、ヒツジなどの動物どうぶつ、魚さかな、数字すうじを表あらわす文字もじ記号きごうなどが刻きざまれており、神殿しんでん奉納ほうのう品ひんの記録きろく文書ぶんしょと考かんがえられている。その後ごも粘土ねんど板ばんの出土しゅつどは続つづき、現在げんざいでは、4000個こほどの粘土ねんど板ばんが出土しゅつどしている。

解読かいどく

ウルクで発見はっけんされた粘土ねんど板ばんの文面ぶんめんは短みじかく、ほとんどは単語たんごの羅列られつにすぎないため、使用しよう言語げんごや解読かいどくは現在げんざいの段階だんかいではきわめて困難こんなんである。文字もじ記号きごうの配列はいれつから見みると、シュメール語ごに近ちかいとも考かんがえられるが、ジェムデト・ナスルの粘土ねんど板ばんでは例外れいがい的てきなものも見みられ、原はらエラム語ごを使用しよう言語げんごとしたものではないかとの推測すいそくもある。

約やく1000種類しゅるいの文字もじが発見はっけんされているが、そのほとんどは解読かいどくされていない。

特徴とくちょう

絵文字えもじとしての性格せいかくが強つよい文字もじで、尖とんが筆ふでによって書かかれた細ほそい線せんで構成こうせいされる。

関連かんれん項目こうもく

• シュメール
• メソポタミア文明ぶんめい