オットー・ハーン

Otto Hahn オットー・ハーン
オットー・ハーン（撮影さつえい年ねん不ふ詳しょう）
生誕せいたん	(1879-03-08) 1879年ねん3月8日にち ドイツ帝国ていこく・フランクフルト・アム・マイン
死没しぼつ	1968年ねん7月がつ28日にち(1968-07-28)（89歳さい没ぼつ） 西にしドイツ・ゲッティンゲン
国籍こくせき	ドイツ
研究けんきゅう機関きかん	ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン マギル大学だいがく フンボルト大学だいがくベルリン マックス・プランク研究所けんきゅうじょ
出身しゅっしん校こう	フィリップ大学だいがくマールブルク
指導しどう教員きょういん	ウィリアム・ラムゼー アドルフ・フォン・バイヤー アーネスト・ラザフォード エミール・フィッシャー
博士はかせ課程かてい 指導しどう学生がくせい	フリッツ・シュトラスマン
主おもな受賞じゅしょう歴れき	ノーベル化学かがく賞しょう(1944)
署名しょめい
プロジェクト:人物じんぶつ伝でん

ノーベル賞しょう受賞じゅしょう者しゃ 受賞じゅしょう年ねん：1944年ねん 受賞じゅしょう部門ぶもん：ノーベル化学かがく賞しょう 受賞じゅしょう理由りゆう：原子げんし核分裂かくぶんれつの発見はっけん

オットー・ハーン（Otto Hahn, 1879年ねん3月8日にち - 1968年ねん7月がつ28日にち）は、ドイツの化学かがく者しゃ・物理ぶつり学者がくしゃ。主おもに放射線ほうしゃせんの研究けんきゅうを行おこない、原子げんし核分裂かくぶんれつを発見はっけん。1944年ねんにノーベル化学かがく賞しょうを受賞じゅしょう。

1946年ねんまでカイザー・ヴィルヘルム協会きょうかい最後さいごの会長かいちょうを務つとめ、1948年ねんから1960年ねんまでマックス・プランク協会きょうかい会長かいちょうを務つとめた。

略歴りゃくれき

• 1904年ねん - 放射ほうしゃ性せいトリウムを発見はっけん
• 1912年ねん - カイザー・ヴィルヘルム化学かがく研究けんきゅう部長ぶちょう
• 1917年ねん - プロトアクチニウムを発見はっけん
• 1921年ねん - ウランの核かく異性いせい体たいウラニウムZを発見はっけん
• 1928年ねん - カイザー・ヴィルヘルム化学かがく研究所けんきゅうじょ（1956年ねんからベルリン自由じゆう大学だいがくのオットー・ハーン記念きねんビル）の所長しょちょうとなる
• 1938年ねん - 原子げんし核分裂かくぶんれつを発見はっけん
• 1957年ねん - 王立おうりつ協会きょうかい外国がいこく人じん会員かいいん選出せんしゅつ

受賞じゅしょう歴れき

• 1944年ねん - ノーベル化学かがく賞しょう、コテニウス・メダル
• 1949年ねん - マックス・プランク・メダル
• 1953年ねん - パラケルスス・メダル
• 1958年ねん - ヴィルヘルム・エクスナー・メダル
• 1959年ねん - ヘルムホルツ・メダル
• 1966年ねん - エンリコ・フェルミ賞しょう

マイトナーとの関係かんけい

「核分裂かくぶんれつの発見はっけん」も参照さんしょう

ハーンは30年ねん以上いじょうにわたってリーゼ・マイトナーと一緒いっしょに研究けんきゅうを行おこなってきたが、ユダヤ系けいであったマイトナーはナチスの迫害はくがいを避さけるために1938年ねんにスウェーデンに移うつらざるをえなくなった。その後ごも2人ふたりは連絡れんらくを取とり合あい、同年どうねん、ハーンはマイトナーに「ウランの原子核げんしかくに中性子ちゅうせいしを照射しょうしゃしても核かくが大おおきくならず、しかもウランより小ちいさい原子げんしであるラジウムの存在そんざいが確認かくにんされた。何なにが起おきているのか意見いけんを聞ききたい」という手紙てがみを送おくった。マイトナーは、甥おいで物理ぶつり学者がくしゃであるオットー・ロベルト・フリッシュと共ともに核分裂かくぶんれつが起おきたことを証明しょうめいして、連名れんめいで発表はっぴょうした。

しかし、ハーンはナチスの圧力あつりょくに負まけマイトナーを外はずしたため、マイトナーはノーベル化学かがく賞しょうの受賞じゅしょうを逸いっしている。ハーンは、受賞じゅしょうのスピーチでもマイトナーの功績こうせきについてほとんど触ふれず、その後ごも核分裂かくぶんれつを発見はっけんしたのはマイトナーではなく、自分じぶんだと主張しゅちょうし続つづけた。

マイトナーはハーンへの手紙てがみで「40年間ねんかんの友情ゆうじょうを裏切うらぎられた思おもい」と吐露とろしている。

今日きょうでは、ハーンは核分裂かくぶんれつの発見はっけん者しゃであり、マイトナーは核分裂かくぶんれつの概念がいねんの確立かくりつ者しゃであるとされている。

ハーンとマイトナーの名前なまえはいずれも元素げんそ名めいに提案ていあんされたが、マイトナーの名前なまえに由来ゆらいするマイトネリウムだけが採用さいようされた。ハーンの名前なまえに由来ゆらいするハーニウムは正式せいしき採用さいようされず、ドブニウムが正式せいしきな名称めいしょうとなった。

参考さんこう文献ぶんけん

• オットー・ハーン『オットー・ハーン自伝じでん』山崎やまざき和夫かずお訳わけ、みすず書房しょぼう、1977年ねん9月がつ。ISBN 4-622-01647-8。 
• K・ホフマン『オットー・ハーン-科学かがく者しゃの義務ぎむと責任せきにんとは-』山崎やまざき正勝まさかつ・小長谷こながや大介だいすけ・栗原くりはら岳たけし史し訳わけ、シュプリンガー・ジャパン、2006年ねん9月がつ。ISBN 4-431-71217-8。 
• 高橋たかはし昌一郎しょういちろう『天才てんさいの光ひかりと影かげ ノーベル賞しょう受賞じゅしょう者しゃ23人にんの狂気きょうき』PHP研究所けんきゅうじょ、2024年ねん5月がつ。ISBN 978-4-569-85681-0。 

関連かんれん項目こうもく

• オットー・ハーン賞しょう
• オットー・ハーン・メダル
• オットー・ハーン平和へいわメダル
• オットー・ハーン (原子力げんしりょく船せん)

外部がいぶリンク

• 大友おおとも詔みことのり雄ゆう『ハーン(Otto Hahn)』 - コトバンク