オースン・スコット・カード

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オースン・スコット・カード
Orson Scott Card
ブリガムヤング大学だいがくでのシンポジウムにて（2008年ねん）
誕生たんじょう (1951-08-24) 1951年ねん8月がつ24日にち（72歳さい）
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく ワシントン州しゅうリッチランド
職業しょくぎょう 小説しょうせつ家か、英語えいご学がく教授きょうじゅ
ジャンル SF、ファンタジー、ホラー、LDS小説しょうせつ
代表だいひょう作さく 『エンダーのゲーム』
公式こうしきサイト http://www.hatrack.com/
ウィキポータル 文学ぶんがく
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オースン・スコット・カード[※ 1]（Orson Scott Card,1951年ねん8月がつ24日にち - [1]）は、アメリカのSF作家さっか、評論ひょうろん家か。『エンダーのゲーム』（1985年ねん）と『死者ししゃの代弁だいべん者しゃ』（1986年ねん）でヒューゴー賞しょう[2][3]とネビュラ賞しょう[4][2]を受賞じゅしょうした。

熱心ねっしんなモルモン教きょう徒いたずらでもあり、National Organization for Marriage（同性どうせい婚こんを法的ほうてきに認みとめさせることに反対はんたいしている団体だんたい）の役員やくいんも務つとめている。

学生がくせい時代じだいまで[編集へんしゅう]

カードは、カナダにモルモン教きょうを広ひろめた Charles Ora Card とブリガム・ヤングの子孫しそんである。ワシントン州しゅうリッチランドで生うまれ、カリフォルニア州しゅうサンタクララ、アリゾナ州しゅうメサ、ユタ州しゅうオレムで育そだった。ブラジルで無む報酬ほうしゅうでモルモン教きょう（末日まつじつ聖徒せいとイエス・キリスト教会きょうかい）の宣教師せんきょうしとして布教ふきょう活動かつどうに携たずさわり、ブリガムヤング大学だいがくとユタ大学だいがくを卒業そつぎょうした。また、ノートルダム大学だいがく博士はかせ課程かていで1年間ねんかん学まなんだ。現在げんざいはノースカロライナ州しゅうグリーンズボロに住すんでおり[5]、『エンダーのゲーム』を含ふくむ多おおくの作品さくひんでその場所ばしょが舞台ぶたいとなっている。

経歴けいれき[編集へんしゅう]

カードはもともとブリガムヤング大学だいがくで詩しを学まなび、創作そうさく活動かつどうに入はいった。その後ご、演劇えんげきの脚本きゃくほんを手てがけるようになる。さらに小説しょうせつにも手てを出だし、それが後こうの《ワーシング年代ねんだい記き》となった。

ブラジルでのモルモン宣教師せんきょうしとしての活動かつどう後ごにユタ州しゅうプロボに戻もどると、劇団げきだんを立たち上あげ、ふた夏なつの間あいだプロボの野外やがい円形えんけい劇場げきじょうで公演こうえんを行おこなった。そのころ、ブリガムヤング大学だいがくの出版しゅっぱん部門ぶもん BYU Press で校正こうせいのパートをしていたが、後のちに編集へんしゅう者しゃとして正式せいしきに採用さいようされた。1976年ねん、アメリカ建国けんこく200周年しゅうねんを祝いわう教会きょうかいのミュージカルを制作せいさく中ちゅうに教会きょうかいの公式こうしき雑誌ざっし Ensign の編集へんしゅう助手じょしゅとして採用さいようされ、ソルトレイクシティに引ひっ越こした。Ensign 編集へんしゅう部ぶに勤務きんむ中ちゅうに最初さいしょの小説しょうせつを発表はっぴょうしている。1977年ねん7月がつの Ensign には彼かれの短編たんぺん小説しょうせつ "Gert Fram" が Byron Walley というペンネームで掲載けいさいされた。

SF[編集へんしゅう]

カードは短編たんぺん小説しょうせつ版ばんの「エンダーのゲーム」を BYU press で働はたらいているころに書かき、いくつかの出版しゅっぱん社しゃに送おくった。後ごの同名どうめいの長編ちょうへんはこの短編たんぺんをもとにしており、少年しょうねんたちに宇宙うちゅうでの戦闘せんとうを教おしえる学校がっこうを舞台ぶたいにしている。アスタウンディング誌しのベン・ボーヴァがこれを買かい取とり、同誌どうし1977年ねん8月がつ号ごうに掲載けいさいした。そのころカードは新約しんやく聖書せいしょやモルモン教きょうの聖典せいてんを題材だいざいにしたラジオドラマ History of The Church of Jesus Christ of Latter-day Saints の脚本きゃくほんを書かいていた。さらに長編ちょうへん小説しょうせつ執筆しっぴつの契約けいやくをいくつか結むすべたことから Ensign 編集へんしゅう部ぶを辞やめ、フリーランスとなった。

1981年ねん、ユタ大学だいがくで英語えいご学がくの修士しゅうし号ごうを取得しゅとくし、ノートルダム大学だいがくの博士はかせ課程かていに進すすんだが、1980年代ねんだい初頭しょとうの景気けいき後退こうたいで一時いちじ的てきに小説しょうせつ執筆しっぴつの新規しんき契約けいやくが来こなくなった。そのため1983年ねんに Compute! Magazine という雑誌ざっしの正規せいき編集へんしゅう者しゃとして雇やとわれることになった。同年どうねん10月がつ、《アルヴィン・メイカー》三さん部ぶ作さくの契約けいやくを結むすぶことができ、再ふたたびフリーランスに戻もどった。

『エンダーのゲーム』と『死者ししゃの代弁だいべん者しゃ』は連続れんぞくでヒューゴー賞しょうとネビュラ賞しょうを受賞じゅしょうした。両りょう賞しょうを連続れんぞく受賞じゅしょうした作家さっかは今いまのところカードしかいない。このシリーズはカードの代表だいひょう作さくとしてその後ごも続つづいている。2008年ねん、カードは『エンダーのゲーム』の映画えいが化かが進行しんこう中ちゅうだが監督かんとくが決きまっていないことを明あきらかにした。一時いちじウォルフガング・ペーターゼンが監督かんとくすることになっていたが、実現じつげんしなかった。その後ごギャヴィン・フッドの脚本きゃくほん・監督かんとくで制作せいさくされる事ことになり、2013年ねんに公開こうかいされた（エンダーのゲーム (映画えいが)）。

その他たのジャンル[編集へんしゅう]

カードはホラー小説しょうせつも手てがけている（『消きえた少年しょうねんたち（英語えいご版ばん）』、Treasure Box, Enchantment）。また、1980年代ねんだいのアドベンチャーゲーム（LOOM、モンキーアイランド、ディグなど）の台詞せりふも書かいている[6]。

2000年ねんには旧約きゅうやく聖書せいしょに登場とうじょうする女性じょせいたちの生涯しょうがいを描えがくシリーズを開始かいしした。

2005年ねん秋あき、カードはSFとファンタジーのオンラインマガジン InterGalactic Medicine Show を立たち上あげた[7]。彼かれは最初さいしょの2号ごうを編集へんしゅうしたものの、教会きょうかいの演劇えんげきの脚本きゃくほん執筆しっぴつや演出えんしゅつの仕事しごとが忙いそがしく、教おしえ子ごで編集へんしゅう者しゃの Edmund Schubert がこのオンラインマガジンの編集へんしゅうを引ひき継つぐことになった。

ペンネーム[編集へんしゅう]

カードは少すくなくとも7つのペンネームを使つかったことがある。

Frederick Bliss と P.Q. Gump という名前なまえは、モルモン教きょう劇げき作家さっかについて概観がいかんした "Mormon Shakespears: A Study of Contemporary Mormon Theatre" を雑誌ざっしに掲載けいさいしたときのペンネームである。実名じつめいを使つかわなかったのは、その文中ぶんちゅうでカード自身じしんとその演劇えんげき作品さくひんについても触ふれていたためだという[8]。

Byron Walley は初期しょきの短編たんぺん "Gert Fram" を Ensign 誌しに掲載けいさいしたときのペンネームである。実名じつめいを使つかわなかったのは、同どう号ごうには他たに論文ろんぶん、詩し、脚本きゃくほんなどカードの他ほかの作品さくひんも掲載けいさいされていたためだという[8]。同どう号ごうに掲載けいさいされた脚本きゃくほん "The Rag Mission" では、Brian Green というペンネームを使つかった[8]。なお、Byron Walley というペンネームはその後ごも何なん度どか使つかっている。

1984年ねんには "The Best Day" という短編たんぺんで Dinah Kirkham という名前なまえを使つかった[9]。

1989年ねんの短編たんぺん "Damn Fine Novel" では、Noam D. Pellume という名前なまえを使つかった。

2004年ねんの小説しょうせつ Zanna's Gift では Scott Richards という名前なまえを使つかった。

作家さっか育成いくせい[編集へんしゅう]

カードは創作そうさくについての本ほんを2冊さつ書かいている。1つは1988年ねんの Characters and Viewpoint、2つめは1990年ねんの How to Write Science Fiction and Fantasy である。

2001年ねんから、カードは毎年まいとし1週間しゅうかんの作家さっか志望しぼう者しゃ向むけの創作そうさくワークショップ "Literary Boot Camp" を開催かいさいしている。参加さんか希望きぼう者しゃは自分じぶんの書かいた小説しょうせつを添そえて応募おうぼし、その中なかから選抜せんばつされたものが参加さんかできる。このワークショップの後のちに、誰だれでも参加さんかできる講義こうぎ形式けいしきのワークショップも開催かいさいしている。

2005年ねん、カードは末日まつじつ聖徒せいとイエス・キリスト教会きょうかい系けいのリベラル・アーツ・カレッジである南みなみバージニア大学だいがくの教授きょうじゅとなった。カードはかねてから大学だいがくの創作そうさく講座こうざに不満ふまんを持もっており、この大学だいがくで自身じしんの創作そうさく技法ぎほうを教おしえたいとしていた。しかし、諸々もろもろの問題もんだいからこれはうまくいかず、彼かれは一時期いちじき同どう大学だいがくでの講義こうぎをとりやめた[10]。なお、2009年ねん9月がつからカードは同どう大学だいがくの教壇きょうだんに復帰ふっきしている。

カードは、SFおよびファンタジーのアマチュア作家さっかのコンテスト Writers of the Future の審査しんさ員いんも務つとめている[11]。L・ロン・ハバードが創始そうししたもので、現在げんざいはサイエントロジーが主催しゅさいしている。

私生活しせいかつ[編集へんしゅう]

妻つまとの間あいだに5人にんの子供こどもがいて、それぞれ尊敬そんけいする作家さっかの名前なまえをつけている。なお、他たに2人ふたりの子こがいたが、1人ひとりは17歳さいのとき脳性のうせい麻痺まひがもとで亡なくなり、もう1人ひとりは生うまれたその日ひに亡なくなっている[5]。現在げんざいは妻つまと一いち番ばん下かの子こと共ともにノースカロライナ州しゅうグリーンズボロに在住ざいじゅう[5]。

脳性のうせい麻痺まひの子こチャールズの生涯しょうがいはカードの作品さくひんにも影響えいきょうを与あたえており、特とくに《帰郷ききょうを待まつ星ほし》シリーズなどに強つよく現あらわれている。

カードはテレビドラマ『ファイヤーフライ 宇宙うちゅう大戦たいせん争そう』の熱心ねっしんなファンでもある。

受賞じゅしょう歴れき[編集へんしゅう]

作品さくひん一覧いちらん[編集へんしゅう]

《帰郷ききょうを待まつ星ほし》シリーズ[編集へんしゅう]

  • 地球ちきゅうの記憶きおく The Memory of Earth(1992)
  • 地球ちきゅうの呼よび声ごえ The Call of Earth(1992)

《エンダー》シリーズ[編集へんしゅう]

Ender's Game（本編ほんぺん）[編集へんしゅう]

  • エンダーのゲーム Ender's Game(1985)[※ 3]
  • 死者ししゃの代弁だいべん者しゃ Speaker for the Dead(1986)
  • ゼノサイド Xenocide(1991)
  • エンダーの子こどもたち Children of the Mind(1996)
  • 投資とうし顧問こもん Investment Counselor(1999) - 短たん編集へんしゅうFirst Meetings内ないの一いち編へん。SFの殿堂でんどう『遥はるかなる地平ちへい1』ロバート・シルヴァーバーグ編へんに収録しゅうろく。
  • A War of Gifts: An Ender Story(2007)
  • Ender in Exile(2008)

Shadow Saga（ビーン視点してんで捉とらえた「視差しさ｣小説しょうせつ）[編集へんしゅう]

Formic Wars（外伝がいでん）[編集へんしゅう]

  • Earth Unaware(2012) - エンダー誕生たんじょう前まえの第だい1次じ蟻あり戦争せんそう三さん部ぶ作さく1
  • Earth Afire(2013) - エンダー誕生たんじょう前まえの第だい1次じ蟻あり戦争せんそう三さん部ぶ作さく2
  • Earth Awakens(2014) - エンダー誕生たんじょう前まえの第だい1次じ蟻あり戦争せんそう三さん部ぶ作さく3
  • The Swarm(2014) - 第だい2次じ蟻あり戦争せんそう三さん部ぶ作さく1
  • The Hive(2019) - 第だい2次じ蟻あり戦争せんそう三さん部ぶ作さく2
  • The Queens(出版しゅっぱん予定よてい) - 第だい2次じ蟻あり戦争せんそう三さん部ぶ作さく3

《アルヴィン・メイカー》シリーズ[編集へんしゅう]

パラレルワールドな植民しょくみん地ち以降いこうのアメリカ“創世そうせい記き”で、著者ちょしゃのサイトのタイトルはこのシリーズに由来ゆらいする。

  • 奇跡きせきの少年しょうねん Seventh Son(1987)
  • 赤あかい予言よげん者しゃ Red Prophet(1988)

《ワーシング年代ねんだい記き》シリーズ[編集へんしゅう]

  • 神かみの熱あつい眠ねむり Hot Sleep(1978)
  • キャピトルの物語ものがたり Capitol(1978)

《Pathfinder》シリーズ[編集へんしゅう]

短たん編集へんしゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ オーソン・スコット・カードと読よむことも
  2. ^ 同名どうめい映画えいがのノヴェライズではなく、単たんなるノヴェライズを嫌きらうジェームズ・キャメロンの依頼いらいにより映画えいが製作せいさくの全ぜん過程かていに立たち会あい、映画えいが製作せいさくと並行へいこうして書かき下おろしたもの。
  3. ^ 同名どうめいの短編たんぺん(短たん編集へんしゅう『無む伴奏ばんそうソナタ』に所収しょしゅう）を長編ちょうへん化かした作品さくひん。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ “Orson Scott Card”. The Internet Movie Database (IMDb). 2006年ねん10月がつ18日にち閲覧えつらん。
  2. ^ a b c d e “1986 Award Winners & Nominees”. Worlds Without End. 2009年ねん7月がつ15日にち閲覧えつらん。
  3. ^ a b “1987 Award Winners & Nominees”. Worlds Without End. 2009年ねん7月がつ15日にち閲覧えつらん。
  4. ^ a b “1985 Award Winners & Nominees”. Worlds Without End. 2009年ねん7月がつ15日にち閲覧えつらん。
  5. ^ a b c “Who Is Orson Scott Card?”. Hatrack River Enterprises Inc.. 2006年ねん10月がつ18日にち閲覧えつらん。
  6. ^ “Interview with Author Orson Scott Card.”. Gaming Today. 2007年ねん6月がつ18日にち閲覧えつらん。
  7. ^ “Orson Scott Card's Intergalactic Medicine Show”. 2006年ねん10月がつ18日にち閲覧えつらん。
  8. ^ a b c Pseudonyms "Orson Scott Card's website The Hatrack".
  9. ^ Card bio from FantasticFiction.co.uk
  10. ^ “Uncle Orson Reviews Everything”. Hatrack River Enterprises Inc. (2007年ねん5月がつ27日にち). 2007年ねん6月がつ7日にち閲覧えつらん。
  11. ^ “Writers of the Future contest.”. 2006年ねん12月6日にち閲覧えつらん。
  12. ^ “1988 Award Winners & Nominees”. Worlds Without End. 2009年ねん7月がつ15日にち閲覧えつらん。
  13. ^ “1989 Award Winners & Nominees”. Worlds Without End. 2009年ねん7月がつ15日にち閲覧えつらん。
  14. ^ “1996 Award Winners & Nominees”. Worlds Without End. 2009年ねん7月がつ15日にち閲覧えつらん。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Dragons of Darkness, edited by Orson Scott Card, Ace Books, 1981.
  • Maps in a Mirror, Orson Scott Card, Tor Books, 1990.
  • Card Catalogue: The Science Fiction and Fantasy of Orson Scott Card, Michael R. Collings, Hypatia Press, 1987, ISBN 0940841010
  • In the Image of God: Theme, Characterization and Landscape in the Fiction of Orson Scott Card, Michael R. Collings, Greenwood Press, 1990, ISBN 0-313-26404-X
  • The Work of Orson Scott Card: An Annotated Bibliography and Guide, Michael R. Collings and Boden Clarke, 1997
  • Storyteller: The Official Guide to the Works of Orson Scott Card, Michael R. Collings, Overlook Connection Press, 2001, ISBN 1-892950-26-X

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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