ガブリエル・ヴォアザン

ヴォアサン兄弟きょうだい。ガブリエルは右みぎの人物じんぶつ。

ガブリエル・ヴォアザン（Gabriel Voisin 、1880年ねん2月がつ5日にち - 1973年ねん12月25日にち）はフランス航空こうくう界かいのパイオニアである。弟おとうとのシャルル・ヴォアザン（Charles Voisin、1882年ねん - 1912年ねん）とともに、初期しょきの航空機こうくうきの開発かいはつを行おこなった。

概要がいよう

1899年ねんにグライダーによる飛行ひこう実験じっけんを開始かいしし、1903年ねんから1905年ねんにかけてはルイ・ブレリオと共同きょうどうの会社かいしゃを設立せつりつしている。1905年ねんにフランス航空こうくうクラブ会長かいちょうのアルシュデック（Ernest Archdeacon ）の注文ちゅうもんでフロートをつけた水上すいじょうグライダーを製作せいさくした。1907年ねんレオン・ドラグランジュの注文ちゅうもんで製作せいさくしたヴォアザン・ドラグランジュ1型がた機きが、シャルルの操縦そうじゅうで60mのジャンプに成功せいこうし、ヨーロッパ2番目ばんめの動力どうりょく飛行ひこうになった。

1912年ねんからは、軍用ぐんよう機きの製作せいさくをはじめた。ヴォアザン機きの特徴とくちょうは流ながれ線形せんけいのナセルに乗員じょういんが乗のり、その後ごに推進すいしん式しきのプロペラを配置はいちして尾翼びよくは2本ほんのビームで支ささえるというものであった。1914年ねん10月5日にち、ヴォアザン複ふく座ざ機きがアヴィアティック複ふく座ざ機きを撃墜げきついしたのが、初はつの空中くうちゅう戦せんでの撃墜げきつい記録きろくとされている。

しかし、より優すぐれた性能せいのうを持もつ戦闘せんとう機きが次々つぎつぎに開発かいはつされると、ヴォアザン機きはその形式けいしきのために戦闘せんとう機きとして使つかえなくなっていった。最後さいごのヴォワザン LASでもその形状けいじょうは受うけ継つがれていたが、これは当初とうしょより爆ばく撃げき機きとして開発かいはつされており、そのうえ西部せいぶ戦線せんせんでは爆ばく撃げき機きとしても旧式きゅうしきで役やくにたないと評価ひょうかされ、東部とうぶ戦線せんせんへ回まわされた。東部とうぶ戦線せんせんでは、ヴォアザン機きは最後さいごまで大おおきな活躍かつやくを見みせた。戦後せんご、ヴォアザンの会社かいしゃは戦争せんそう中ちゅうに雇やとった工員こういんに仕事しごとを提供ていきょうするため、工場こうじょうで作つくってトラックで配達はいたつするという現在げんざいのツーバイフォー工法こうほうの元もととなる家いえを開発かいはつしたが、建築けんちく業界ぎょうかいの風当かぜあたりが強つよく、これは失敗しっぱいに終おわった。その後ご、ヴォアザンは自動車じどうしゃメーカーへ転身てんしんするが、1946年ねんにシトロエンと合併がっぺい、その歴史れきしを閉とじた。