ギリシャ・イタリア戦争せんそう

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ギリシャ・イタリア戦争せんそう
左上ひだりうえから時計とけい回まわりに。 ギリシャ領空りょうくうに侵攻しんこうするイタリア空軍くうぐんの爆ばく撃げき機き、アルバニア領内りょうないのイタリア軍ぐん兵士へいし、イタリア軍ぐんによる春はるの攻勢こうせい中なかのギリシャ兵へい、ジロカストラを占領せんりょうしたギリシャ軍ぐん
戦争せんそう：第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん（バルカン戦線せんせん (第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん)）
年月日ねんがっぴ：1940年ねん10月28日にち - 1941年ねん4月がつ30日にち
場所ばしょ：バルカン半島ばるかんはんとう、アルバニア、イピロス
結果けっか：枢軸すうじく軍ぐんの勝利しょうり
交戦こうせん勢力せいりょく
イタリア王国おうこく アルバニア王国おうこく ドイツ国こく(4月がつ6日にちから)	ギリシャ王国おうこく イギリス
指導しどう者しゃ・指揮しき官かん
ヴィットーリオ・エマヌエーレ3世せい ベニート・ムッソリーニ セバスティアーノ・ヴィスコンティ・プラスカ ウバルド・ソッドゥ ウーゴ・カヴァッレーロ シェフチェト・ヴェルラツィ ヴィルヘルム・リスト マクシミリアン・フォン・ヴァイクス	ゲオルギオス2世せい イオアニス・メタクサス アレクサンドロス・コリジス エマヌエル・ツデロス アレクサンドロス・パパゴス ジョン・ダルビアック

ギリシャ・イタリア戦争せんそう（ギリシャ・イタリアせんそう、Greco-Italian War）は、1940年ねん10月28日にちから1941年ねん4月がつ30日にちまで、枢軸すうじく国こくのイタリア、ドイツと連合れんごう国こくのギリシャとの間あいだで戦たたかわれた第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんの戦争せんそうを指さす。

背景はいけい

バルカン半島ばるかんはんとうの一いち国家こっかであるアルバニアを併合へいごうしていたイタリア政府せいふは、親しん英国えいこくであるギリシャを介かいして連合れんごう軍ぐん側がわがアルバニアやイタリア南部なんぶへ干渉かんしょうしてくる可能かのう性せいを危惧きぐしていた。当時とうじ、北きたアフリカでも英軍えいぐんとの戦闘せんとうが行おこなわれており、徒いたずらな戦局せんきょく拡大かくだいを避さけるべきとの軍ぐんの反対はんたいがあった。また、ドイツのアドルフ・ヒトラー総統そうとうも対たい英えい戦せんを棚上たなあげして中立ちゅうりつ同盟どうめいを結むすんだソ連それんへ奇襲きしゅうを仕掛しかけて侵攻しんこうする構想こうそうを立たてていた都合つごう上じょう、「バルカン諸国しょこくを平和へいわに保たもつべきである」としてギリシャ侵攻しんこうには強つよく反対はんたいしていた。しかし、これらの意見いけんを黙殺もくさつしてベニート・ムッソリーニはギリシャへの遠征えんせいを命めいじた。

1940年ねん10月がつ28日にち、ムッソリーニはアルバニアに駐屯ちゅうとんする10万まん5000名めいに本土ほんどから新あらたに召集しょうしゅうした部隊ぶたいを加くわえ、計けい10個こ師団しだん20万まん人にん以上いじょうの兵へいをアルバニア側がわから越境えっきょうさせて攻撃こうげきを開始かいししたが、時間じかんの都合つごうから新兵しんぺいの多おおくは訓練くんれんが不十分ふじゅうぶんなまま戦地せんちに投入とうにゅうされており、錬ね度たびの面めんで問題もんだいがあった。また同様どうように短期間たんきかんで戦力せんりょくを集あつめる為ためにアルバニア人じん部隊ぶたいも設立せつりつされたが、忠誠ちゅうせい度どは高たかいと言いい難がたかった。更さらに戦車せんしゃ戦力せんりょくの確保かくほの為ために、北きたアフリカに送おくる手筈てはずだった1000輌りょうの戦車せんしゃを投とうじており、これによって北きたアフリカでの勝利しょうりの機会きかいが永久えいきゅうに失うしなわれた。

その他たにも、冬季とうき装備そうびの欠乏けつぼうや補給ほきゅうルートの脆弱ぜいじゃくさ、地形ちけいに対たいする情報じょうほうの少すくなさが指摘してきされていたが、ムッソリーニがこうした意見いけんに耳みみを傾かたむける事ことは無なかった。

戦たたかいの経過けいか

緒戦しょせん

1940年ねん10月がつ28日にち、セバスティアーノ・ヴィスコンティ・プラスカ将軍しょうぐん率ひきいる7個こ師団しだん10万まん名めいがギリシャへ侵攻しんこうを開始かいし、一部いちぶの部隊ぶたいが30kmの地点ちてんまで突出とっしゅつするなど幸先さいさきの良よい成果せいかを上あげていたが、アレクサンドロス・パパゴス（en:Alexander Papagos）将軍しょうぐん指揮しき下かのギリシャ軍ぐん5個こ師団しだんは、険けわしい山岳さんがく地帯ちたいが殆ほとんどを占しめるギリシャの土地とち柄がらを活用かつようした伏兵ふくへいや不正規ふせいき戦闘せんとうでイタリア軍ぐん部隊ぶたいを苦くるしめた。また季き節ぶし柄え、零下れいかにまで冷ひえ込こむ冬ふゆのギリシャは冬季とうき装備そうびを持もたないイタリア軍ぐんに追おい討うちをかけた。次第しだいに深ふかまるギリシャの山々やまやまを越こえるにはロバか人力じんりきしかなく、進軍しんぐん速度そくどは思おもうように上あがらなかった。北きたアフリカからの援軍えんぐん要請ようせいを無視むししてまで送おくった戦車せんしゃ隊たいも、山岳さんがく地帯ちたいでは有効ゆうこうな成果せいかを挙あげることができなかった。過酷かこくな戦たたかいに耐たえかねたアルバニア人じん兵士へいしの脱走だっそうも相次あいつぎ、中なかにはパルチザン化かして友軍ゆうぐんたるイタリア軍ぐん兵士へいしに武装ぶそう解除かいじょされる者ものまで現あらわれる始末しまつであった。

戦後せんごのギリシア占領せんりょうの様子ようす。水色みずいろがイタリアによる部分ぶぶん。赤あかい部分ぶぶんはドイツ。緑みどりはブルガリア。青あおはイタリアの既存きそんの領土りょうど。

結局けっきょく、イタリア軍ぐんはエピルスでの戦たたかいに敗やぶれ、進行しんこうは大おおきく頓挫とんざした。

イギリス軍ぐんとドイツ軍ぐんの参戦さんせん

戦争せんそうを楽観らっかん視ししていたムッソリーニはここで考かんがえを改あらため、司令しれい官かんの罷免ひめんと軍ぐんの増派ぞうはを決定けっていする。かくして、ギリシャ軍ぐんとその地形ちけいを過小かしょう評価ひょうかしていたヴィスコンティ・プラスカ将軍しょうぐんは罷免ひめんされ、新あらたにウバルド・ソッドゥ将軍しょうぐんが指揮しき官かんに着任ちゃくにんした。戦力せんりょく面めんでは、本国ほんごくから6個こ師団しだんの投入とうにゅうが決定けっていするものの戦局せんきょくは好転こうてんせず、ギリシャ軍ぐんにアルバニアへの逆ぎゃく侵攻しんこうを許ゆるす有様ありさまだった。ギリシャ戦争せんそうの泥沼どろぬま化かの責任せきにんを取とってピエトロ・バドリオ元帥げんすいが罷免ひめんされる。代かわってウーゴ・カヴァッレーロ将軍しょうぐんが参謀さんぼう総長そうちょうに就任しゅうにんした後のちも戦争せんそう継続けいぞくの意志いしは変かわらず、国境こっきょう地帯ちたいで激はげしい山岳さんがく戦せんが繰くり広ひろげられた。

一方いっぽうその頃ころ、同おなじバルカン半島ばるかんはんとうの国くにであるブルガリアとユーゴスラビアが枢軸すうじく側がわに立たって参戦さんせん、ドイツ軍ぐんがブルガリアへの進駐しんちゅうを開始かいししていたが、枢軸すうじく側がわ参戦さんせんから数日すうじつ後ごにユーゴスラビアで親しん英えい派はのドゥシャン・シモヴィッチ（en:Dušan Simović）将軍しょうぐんによるクーデターが決行けっこうされ、同国どうこくは連合れんごう国こく側がわに寝返ねがえってしまった。アドルフ・ヒトラーは不安定ふあんてい化かしたユーゴスラビアへの介入かいにゅうを決断けつだん、対たいソ戦せんを延期えんきしてユーゴスラビアへ南下なんかする。ムッソリーニはヒトラーの要請ようせいに応おうじて軍部ぐんぶ隊たいをユーゴスラビアへ派遣はけん（これらの伊い軍ぐん部隊ぶたいはその後ご二に次じ大戦たいせん終戦しゅうせんまでチトーのパルチザン討伐とうばつに明あけ暮くれる事ことになる）し、またドイツ軍ぐんもギリシャ戦線せんせんへ3個こ軍団ぐんだんを援軍えんぐんとして投入とうにゅう、既すでに本土ほんどから新あらたに数個すうこ師団しだんの増援ぞうえんを得えていたイタリア軍ぐんはドイツ軍ぐんと共ともに攻勢こうせいに転てんじ、挟撃きょうげきされたギリシャ軍ぐんは総崩そうくずれとなった。4月23日にち、ギリシャ政府せいふはイタリア政府せいふに降伏ごうぶくを申もうし入いれ、これをイタリア側がわが受領じゅりょうした事ことで戦争せんそうは終結しゅうけつした。

詳細しょうさいは「ギリシャの戦たたかい」を参照さんしょう

当初とうしょはギリシャ軍ぐんを侮あなどって10個こ師団しだんでの戦争せんそうを開始かいししたイタリア王国おうこく軍ぐんであったが、最終さいしゅう的てきには28個こ師団しだんを投入とうにゅうする結果けっかになった。

関連かんれん項目こうもく

• バルカン戦線せんせん (第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん)
• ドデカネス諸島しょとう戦役せんえき
• ギリシャ内戦ないせん
• コレリ大尉たいいのマンドリン