クモザル科か

クモザル科か
	アカガオクロクモザル Ateles paniscus
分類ぶんるい
学名がくめい
	Atelidae Gray, 1825
和名わみょう
	クモザル科か

クモザル科か（クモザルか、Atelidae）は、哺乳ほにゅう綱つな霊長れいちょう目めに分類ぶんるいされる科か。

本科ほんかは、一般いっぱん的てきなサイズのサルの仲間なかまであるホエザル、クモザル、ウーリーモンキーなどからなる。メキシコからアルゼンチン北部ほくぶに及およぶ中央ちゅうおうおよび南みなみアメリカの森林地帯しんりんちたいに広ひろく分布ぶんぷする。

本科ほんかを構成こうせいするサルは、かつてはオマキザル類るいとともに Cebidae（オマキザル科か）に含ふくめられていた。逆ぎゃくに、マーモセット類るいは、Cebidae の他ほかのサルたちとは別べつに、Callitrichidae （マーモセット科か）として1科かをなしていた^[3]。

形態けいたい

本科ほんかに属ぞくするサルは、頭あたま胴どう長ちょう34-72cmと、そのサイズは小型こがたから中型ちゅうがたに及および、グループのメンバーとして、最大さいだいのホエザル類るいから最小さいしょうのクモザル類るいまでを含ふくむ。長ながくておおむね無む毛けの尾おには、下しも側部そくぶに敏感びんかんな触覚しょっかくパッドがあり、物ものをつかむことができる。すみかとする木々きぎの間あいだを移動いどうする際さい、この尾おはしばしば「5本ほん目めの足あし」として用もちいられる。また、前ぜん後肢あとあしの指ゆび先さきに平ひら爪つめをもち、これによって木きに登のぼることができる。クモザル類るいの前肢ぜんしは物ものを掴つかむのではなく、木きにぶら下さがるだけなので親指おやゆびが退化たいかしている。ほとんどの種たねは、主おもに暗くら褐色かっしょく・灰色はいいろまたは黒色こくしょくの体毛たいもうをもつが、薄うすい毛色けいろの模様もようをもつものもある^[4]。歯は式しきは 2.1.3.3/2.1.3.3。

分類ぶんるい

以下いかの現生げんなま種しゅの分類ぶんるい・和名わみょう・英名えいめいは、日本にっぽんモンキーセンター霊長れいちょう類るい和名わみょう編纂へんさんワーキンググループ(2018)に従したがう^[2]。

ホエザル亜あ科か Alouattinae
- ホエザル属ぞく Alouatta
  - Alouatta arctoidea クマホエザル Ursine howler monkey
  - Alouatta belzebul アカテホエザル Red-handed howler monkey
  - Alouatta caraya クロホエザル Black howler monkey
  - Alouatta discolor スピックスアカテホエザル Spix's red-handed howler monkey
  - Alouatta guariba カッショクホエザル Brown howler monkey
  - Alouatta macconnelli ガイアナアカホエザル Guyanan red-handed howler monkey
  - Alouatta nigerrima アマゾンクロホエザル Amazon black howler monkey
  - Alouatta palliata マントホエザル Mantled howler monkey
  - Alouatta pigra ユカタンクロホエザル Yucatan black howler monkey
  - Alouatta sara ボリビアアカテホエザル Bolivian red howler monkey
  - Alouatta seniculus アカホエザル Colombian red howler monkey
  - Alouatta ululata マラニョンアカテホエザル Maranhão red-handed howler monkey

クモザル亜あ科か Atelinae
- クモザル属ぞく Ateles
  - Ateles belzebuth ケナガクモザル White-bellied spider monkey
  - Ateles chamek ペルークロクモザル Peruvian spider monkey
  - Ateles fusciceps コロンビアクロクモザル Brown-headed spider monkey
  - Ateles geoffroyi ジェフロイクモザル Geoffroy's spider monkey
  - Ateles hybridus ブラウンケナガクモザル Variegated spider monkey
  - Ateles marginatus ホオジロクモザル White-cheeked spider monkey
  - Ateles paniscus アカガオクロクモザル Red-faced black spider monkey
- ウーリークモザル属ぞく Brachyteles
  - Brachyteles arachnoides ミナミムリキ Southern muriqui
  - Brachyteles hypoxanthus キタムリキ Northern muriqui
- ウーリーモンキー属ぞく Lagothrix
  - Lagothrix cana ハイイロウーリーモンキー Geoffroy's woolly monkey
  - Lagothrix lagotricha フンボルトウーリーモンキー Humboldt's woolly monkey
  - Lagothrix lugens コロンビアウーリーモンキー Colombian woolly monkey
  - Lagothrix poeppigii アカウーリーモンキー Red woolly monkey
- ヘンディウーリーモンキー属ぞく Oreonax
  - Oreonax flavicauda ヘンディーウーリーモンキー Yellow-tailed woolly monkey

生態せいたい

樹き上うえ性せいかつ昼ひる行ぎょう性せいであり、ほとんどの種たねの分布ぶんぷは熱帯ねったい雨林うりんに限かぎられるが、ホエザル類るいの一部いちぶは、より乾燥かんそうした森林地帯しんりんちたいや、木々きぎのあるサバナに棲すむ。主おもに果実かじつと木この葉はを食物しょくもつとするが、とりわけ小型こがたの種たねは、小ちいさな昆虫こんちゅうを食たべることもある。

メスは180-225日にちの妊娠にんしん期きを経へて1頭とうの（まれに2頭とうの）子こどもを生うむ。ほとんどの種たねでは、メスは1-3年ねんに1度ど出産しゅっさんし、季き節ぶしによる産さん子こ数すうの差さは、ほとんど、あるいはまったくないと思おもわれる^[4]。

本科ほんかのサルは典型てんけい的てきな群居ぐんきょ性せい動物どうぶつであり、種たねによって異ことなるが、25頭とうまでの成獣せいじゅうを含ふくむ群むれをなして暮くらす。ホエザル類るいで通例つうれい見みられるように、群むれが比較的ひかくてき小ちいさい場合ばあいは、複数ふくすうのメスからなる「ハーレム」を単独たんどくのオスが独占どくせんするが、大おおきな群むれには、明確めいかくな順位じゅんいをもつ複数ふくすうのオスが含ふくまれる^[4]。

出典しゅってん

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ Colin P. Groves, "Order Primates," Mammal Species of the World, (3rd ed.), Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Volume 1, Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 111 - 184.
^ ^a ^b 日本にっぽんモンキーセンター霊長れいちょう類るい和名わみょう編纂へんさんワーキンググループ「日本にっぽんモンキーセンター霊長れいちょう類るい和名わみょうリスト 2018年ねん11月がつ版ばん」（公開こうかい日び2018年ねん12月16日にち・2021年ねん8月がつ5日にち閲覧えつらん）
^ 河合かわい雅雄まさお，岩本いわもと光雄みつお，吉きち場じょう健二けんじ（1968年ねん）『世界せかいのサル』毎日新聞社まいにちしんぶんしゃ．
^ ^a ^b ^c Macdonald, D., ed (1984). The Encyclopedia of Mammals. New York: Facts on File. pp. 361. ISBN 0-87196-871-1

形態けいたい

分類ぶんるい

生態せいたい

出典しゅってん

関連かんれん項目こうもく