クリンダマイシン

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クリンダマイシン
IUPAC命名めいめいほうによる物質ぶっしつめい
臨床りんしょうデータ
胎児たいじ危険きけん分類ぶんるい
  • AUえーゆー: A
  • US: B
法的ほうてき規制きせい
  • Schedule 4 (Aust)
    POM (UK)
    Prescription only (US)
投与とうよ経路けいろ 経口けいこうけいがわけい静脈じょうみゃくちつない
薬物やくぶつ動態どうたいデータ
生物せいぶつがくてき利用りようのう90% (経口けいこう)
4–5% (けいがわ)
血漿けっしょうタンパク結合けつごう90%
代謝たいしゃ肝臓かんぞう
半減はんげん2-3 あいだ
排泄はいせつ腎臓じんぞう
識別しきべつ
CAS番号ばんごう
18323-44-9
ATCコード J01FF01 (WHO)
PubChem CID: 29029
DrugBank APRD00566
KEGG D00277
化学かがくてきデータ
化学かがくしきC18H33ClN2O5S
分子ぶんしりょう424.98
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クリンダマイシンは、リンコマイシンけい抗生こうせい物質ぶっしつ商品しょうひんめいとしては先発せんぱつひんにダラシン、ダラシンTゲル、ミドシンなどがある。

薬理やくり[編集へんしゅう]

リボソームの50Sサブユニットを阻害そがいして細菌さいきんタンパク質たんぱくしつ合成ごうせい阻害そがいする。蛋白たんぱく合成ごうせい阻害そがいやくとして、じょマクロライドけい抗生こうせい物質ぶっしつおなじだが、化学かがくてき構造こうぞうまったことなる。

スペクトラム[編集へんしゅう]

適応症てきおうしょう[編集へんしゅう]

クリンダマイシンは嫌気いやけせいきんへの抗菌こうきん活性かっせいのためあやまえんせい肺炎はいえんや、抗菌こうきんやく併用へいようざいとしてもちいられることがおおい。中枢ちゅうすう神経しんけいけいへの移行いこうきわめてわるく、嫌気いやけせいきんによるのう膿瘍のうようずいまくえんなどではもちいられない。

  • あやまえんせい肺炎はいえん
  • 口腔こうくうない感染かんせんしょう
  • ペニシリンアレルギーがある場合ばあい咽頭いんとうえんふく鼻腔びこうえん
  • 腹腔ふくこうない感染かんせんしょう
  • CA-MRSA(市中しちゅう獲得かくとくがたMRSA)感染かんせんしょう
  • おもてざいせい皮膚ひふ感染かんせんしょうふかざいせい皮膚ひふ感染かんせんしょう
  • 中耳炎ちゅうじえん外耳がいじえん
  • 顎骨がっこつ周辺しゅうへん蜂巣はちすえん[2]
  • 創傷そうしょう感染かんせんしょうではグラム陽性ようせい球菌きゅうきんであるブドウ球菌きゅうきんおもとなることがおおいが、クリンダマイシンとSTごうざい効果こうかには有意ゆういはなく、ともに有効ゆうこうであった[3]

副作用ふくさよう[編集へんしゅう]

かつては偽膜ぎまくせいちょうえん原因げんいんとなることで有名ゆうめいであったが、現在げんざいはその抗生こうせい物質ぶっしつでもほぼ同様どうようこりえるため強調きょうちょうされなくなった。苦味にがみつよいため小児しょうにではあつかいにくい。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 日本にっぽん医事いじ新報しんぽう 4638: 59, 2013.
  2. ^ くすり事典じてん2019年版ねんばん 監修かんしゅう:一色いっしき高明こうめいより 2019ねん7がつ16にち閲覧えつらん
  3. ^ Talan DA et al. A randomized trial of clindamycin versus trimethoprim-sulfamethoxazole for uncomplicated wound infection. Clin Infect Dis 2016 Mar 29; [e-pub]. doi:10.1093/cid/ciw177

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]