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クロール

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クロール (およげほう)から転送てんそう
クロール

クロール(crawl)とは、水泳すいえいおよかたひとつで、両手りょうて交互こうごみずをかき、両足りょうあし交互こうご上下じょうげうごかしておよおよげほうである。

英単語えいたんごとしての“crawl”は「はらばいですすむ」を意味いみし、およいでいるとき姿勢しせいがそのようにえることから名付なづけられた。競泳きょうえいでは、クロールという種目しゅもくはなく、自由形じゆうがたでクロールを選択せんたくする選手せんしゅおおい。

概要がいよう

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クロールのおよげほうは、1かいのストローク動作どうさちゅう左右さゆう1かいで1ストローク)でのキック回数かいすうちがいにより6ビート、4ビート、2ビートなどにけられる。

基本きほんてき形態けいたいふるくから存在そんざいし、古代こだいエジプトのレリーフではクロールとおぼしきおよげほうおよ男性だんせいえがかれている[1]

19世紀せいきまつオーストラリア移住いじゅうしたフレデリック・キャピールが原住民げんじゅうみん出身しゅっしんのアレック・ウイッカムのおよかた参考さんこうおよげほう改良かいりょう[2]。フレデリック・キャピールののシドニー・キャピールが1903ねんサンフランシスコ招待しょうたいされたことでアメリカにもこのおよげほうがもたらされた[2]

これらのおよげほうは2ビートのおよげほうだったが、まもなく4ビートのバタあしくわえた4ビートのクロールが出現しゅつげん[2]。1908ねんロンドンオリンピックチャールズ・ダニエルズが4ビートのクロールにより100メートルを1ふん5びょう6でおよいできんメダルを獲得かくとくした[2]

一方いっぽうどう時期じきにはすでデューク・カハナモクが6ビートのクロールをおよいでいたが、キャピールのおよげほう由来ゆらいするものではなく、ハワイ土着どちゃくおよげほう洗練せんれんさせたものとかんがえられている[2]

日本にっぽんでは1914ねん大正たいしょう3ねん)8がつ10日とおかだい日本にっぽん体育たいいく協会きょうかい大森海岸おおもりかいがん開催かいさいしただい1かい水上すいじょう競技きょうぎ大会たいかい鵜飼うかい弥三郎やさぶろう萩原はぎはら誠一郎せいいちろうがクロールおよげほうおよいだとされる[2]。ただし、鵜飼うかいおよげほうについて松沢まつざわいちづる水府すいふりゅう太田おおたすでにみられるしょうたししょう抜手ぬきて通称つうしょうバタあししょう抜手ぬきて)だったとみている[2]

およげほう

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およげほう比較ひかくしてはやおよげるため、競泳きょうえいにおける自由形じゆうがた(フリースタイル)は、事実じじつじょうクロール競技きょうぎとなっている。このため、クロールのことを「フリー」とぶことがある。 速度そくど実績じっせきえばせん水泳すいえいほうすぐれているが、自由形じゆうがたであっても15mまでに浮上ふじょうしなければならないルールがもうけられているため、ぜん行程こうていせん水泳すいえいほうすすむことはできない。

以下いかのような動作どうさみずをかいてすすむ。

  1. 指先ゆびさきからみずなかれ、うで両方りょうほうばす。(エントリー)
  2. のひらをすこがいきにして、うでみずをつかむかんじでみず下方かほうす。(キャッチ)
  3. ひじたかかまえてからだしたのひらでみず後方こうほうす。(プル)
  4. ふとももにれるまで、からだしたみず後方こうほうす。(プッシュ)
  5. ひじ位置いちよりたかくして前方ぜんぽうはこぶ。(リカバリー)
  6. 親指おやゆびから入水じゅすいできるようにうで内側うちがわにひねる。

クロールの日本語にほんごめい

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1940ねん昭和しょうわ15ねん日本にっぽん水上すいじょう競技きょうぎ連盟れんめい現在げんざい日本にっぽん水泳すいえい連盟れんめい)が、「平泳ひらおよ背泳せおよ同様どうように、クロールも日本語にほんごめいがあるのがのぞましい」というこえがったことをけて、『クロールの日本語にほんごめい』を全国ぜんこく対象たいしょう懸賞けんしょうとして応募おうぼおこなった。全国ぜんこくからの応募おうぼ結果けっか日本にっぽん水上すいじょう競技きょうぎ連盟れんめいは294ひょうで1ひょう獲得かくとくした『はやおよげ(はやおよぎ)』を選出せんしゅつして命名めいめいした[3]

脚注きゃくちゅう

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出典しゅってん

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  1. ^ 佐竹さたけひろしやすしみず文明ぶんめい」『専修せんしゅうネットワーク&インフォメーション』だい28かん専修大学せんしゅうだいがくネットワーク情報じょうほう学会がっかい、2020ねん3がつ、17-35ぺーじdoi:10.34360/00011023ISSN 1347-14492022ねん12月29にち閲覧えつらん 
  2. ^ a b c d e f g 三浦みうら裕行ひろゆき, 松枝まつえだ大治だいじ内田うちだただしねりとその時代じだい : 日本にっぽんにクロールがもたらされたころ北海道大学ほっかいどうだいがく総合そうごう博物館はくぶつかん北海道大学ほっかいどうだいがく総合そうごう博物館はくぶつかん : 企画きかく展示てんじ〉、2005ねんhttps://hdl.handle.net/2115/596912022ねん12月30にち閲覧えつらん 
  3. ^ はやおよげ(ハヤオヨギ)クロール日本語にほんごめい決定けってい (PDF) 日本にっぽん水上すいじょう競技きょうぎ連盟れんめい機関きかん水泳すいえいだい73ごう33ぺーじ 1940ねん7がつ