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グラムドリング

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グラムドリング

グラムドリングGlamdring)は、J・R・R・トールキン架空かくう世界せかいであるなかくに登場とうじょうする架空かくうけん

概要がいよう

[編集へんしゅう]

グラムドリングは、だい一紀かずのりゴンドリンおうトゥアゴンのためにきたえられた。かずせんねんあいだうしなわれていたが、『ホビットの冒険ぼうけん』においてガンダルフトロル洞穴どうけつで(オルクリストつらぬきまるとともに)発見はっけんし、所有しょゆうした。ガンダルフは『指輪ゆびわ物語ものがたり』においてもグラムドリングを使つかつづけていた。

グラムドリングはシンダールてきくだきFoe-hammer)という意味いみであり、『ホビットの冒険ぼうけん』ではゴブリンなぐりまるBeater)とばれていた。

グラムドリングは『ホビットの冒険ぼうけん』において「うつくしいさや宝石ほうせき細工ざいくほどこされた」をっていると描写びょうしゃされており、エルロンドはグラムドリングを「てきくだきというで、ゴンドリンのおうがかつてしていたもの」と説明せつめいしている。『わらざりし物語ものがたり』では「トゥオルおよびかれがゴンドリンをおとずれたこと」の注釈ちゅうしゃくひとつでトゥアゴンのけんは「象牙ぞうげさやはいったしろ黄金おうごんけん」であると描写びょうしゃされている。ここではグラムドリングという言及げんきゅうされていないが、おそらくはおなけん説明せつめいであるとかんがえられる。

グラムドリングはだい三紀みきわりにガンダルフアマンくにった可能かのうせいたかい。

グラムドリングにはルーン文字もじキアス)がきざまれていた。ニュー・ライン・シネマによって公開こうかいされたピーター・ジャクソン監督かんとく映画えいがでは、"Turgon Aran Gondolin, Tortha gar a matha Glamdring, Vegil Glamdring gud daelo. Dam an Glamhoth."ときざまれていた。これは「ゴンドリンのおうトゥアゴンがるい、き、ちたるけんグラムドリング、モルゴスの領土りょうどてき、オークをつもの」という意味いみのシンダールである。しかし、このめいはトールキンの著作ちょさくでは言及げんきゅうされていない。トールキンは『ホビットの冒険ぼうけん』においてけん名前なまえがルーン文字もじきざまれているとべているだけで、ほかには明確めいかく記述きじゅつ存在そんざいしない。とはいえ映画えいがのために創作そうさくされたこのめいはもっともらしいものではある。エルロンドはめいただけでこのけんがトゥアゴンのものであったと見分みわけることができたとされているからである。

問題もんだいはこのめいキアス使つかったシンダールきざまれていたが、トールキンは晩年ばんねんのエッセイでトゥアゴンはゴンドリンにおける一族いちぞく言葉ことばとしてクウェンヤふたた確立かくりつさせたと明確めいかくべていることである(The People of Middle-earth, p. 348を参照さんしょう)。興味深きょうみぶかいことに『ホビットの冒険ぼうけん』においてガンダルフはルーン文字もじめなかったがエルロンドはできたとべられている。つまりきざまれていた文字もじ普通ふつうのキアスではなくガンダルフのらない特殊とくしゅなモードでかれていたかもしれないことをしめしている。エルフはトゥアゴンの時代じだいから確実かくじつ変化へんかしていたであろうから、だいいちからきているエルロンドはこのめいむことができたが、だいさん中頃なかごろまではアマンにいたガンダルフは使つかわれている文字もじ精通せいつうしていなかったのであろう。もっともトールキンが最初さいしょは『ホビットの冒険ぼうけん』を『シルマリルの物語ものがたり』の伝説でんせつむすびつけることをかんがえていなかったためにきた矛盾むじゅんである可能かのうせいもあるし、その可能かのうせいたかい。

うえのエルフがつくったほかけんおなじく、グラムドリングはオーク(あるいはバルログ)がちかづくとあおく、あるいはしろほのおのようにひかった。おなじくゴンドリンでつくられたフロドけんであるつらぬきまるトーリンけんであるオルクリストも同様どうようであった。しかし映画えいがでは「予算よさんがない」ためにグラムドリングはひからなかった(『ロード・オブ・ザ・リング』スペシャルエクステンディッドエディションDVD、特典とくてんディスクより)。