コハラ

コハラ（Kohala）は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくハワイ州しゅうのハワイ島とう北西ほくせいに広ひろがる地区ちく（District）。ノース・コハラとサウス・コハラに区分くぶんされる。地質ちしつ学がく的てきにハワイ島とうでもっとも古ふるい地域ちいきであり、先史せんし時代じだいのヘイアウやペトログリフが数多かずおおく残のこされている。また、ハワイ王国おうこくの初代しょだい国王こくおうカメハメハ1世せいの生誕せいたん地ちでもあることから、地元じもと住民じゅうみんからは神聖しんせいな地ちとされている。

ノース・コハラ[編集へんしゅう]

ノース・コハラはコハラ山脈さんみゃく北部ほくぶに位置いちする地区ちくで、砂漠さばくと渓谷けいこくが広ひろがる未み開発かいはつの土地とちがほとんどを占しめる^[1]。モオキニ・ヘイアウやラパカヒ州立しゅうりつ歴史れきし公園こうえんなどで、ハワイの先史せんし時代じだいの遺構いこうを見みることができる。

ハヴィ[編集へんしゅう]

ハヴィ（Hawi）は、かつてはサトウキビ・プランテーションの労働ろうどう者しゃが居住きょじゅうしていたシュガータウンのひとつであったが、コハラ・シュガー・カンパニーが1975年ねんに製糖せいとう工場こうじょうの操業そうぎょうをやめて以降いこうは人口じんこうが減へり続つづけ、現在げんざいは1000人にん弱じゃくの住民じゅうみんが居住きょじゅうしている^[2]。街まちの近郊きんこうにウポル空港くうこう、ハヴィ風力ふうりょく発電はつでん所しょがある。

カパアウ[編集へんしゅう]

カパアウ（Kapaau）は人口じんこう1160人にんが居住きょじゅうするノース・コハラ最大さいだいの町まちであり、ノース・コハラ市民しみんセンターの前まえに立たつカメハメハ大王だいおう像ぞうで知しられる^[3]。1883年ねんにホノルルの市街地しがいちに設置せっちされたものと同おなじもので、1880年ねん、アメリカ人じん彫刻ちょうこく家かトーマス・グルードによって作つくられたものである。ホノルルのカメハメハ大王だいおう像ぞうは本ほん像ぞうが輸送ゆそう中ちゅうにフォークランド沖おきで沈没ちんぼつしたために再度さいどオリジナルの型かたから複製ふくせいされたものであり、カパアウの像ぞうは海底かいていから引揚ひきあげられた後のちにカメハメハ1世せいが幼年ようねん期きを過すごした地ちであるカパアウに設置せっちされた^[3]。その他た、カメハメハ1世せいが力ちからを誇示こじするためにビーチから運はこんだと言いわれるカメハメハ大王だいおうの石いしなどがある。この地区ちくの高校こうこう、コハラ高校こうこう（Kohala High School）もここにある。

マカパラ[編集へんしゅう]

マカパラ（Makapala）はポロル渓谷けいこくの近ちかくにあるちいさな町まちで、約やく200人にんが居住きょじゅうしている。かつてハワイへやってきた日本人にっぽんじん移民いみんたちの古ふるい日本人にっぽんじん墓地ぼちや、ケオケア・ビーチパークと呼よばれる小ちいさなビーチパークなどがある^[4]。

ワイメア[編集へんしゅう]

ワイメア（Waimea）は東ひがしのヒロから北きた周まわりで西にしのカイルア・コナへ行いく主要しゅよう道路どうろハワイ州しゅう道どう19号線ごうせん上うえにあり、北きたのハヴィ・カパアウへ行いくハワイ州しゅう道どう250号線ごうせんの出発しゅっぱつ点てんにもなっていて、交通こうつうが比較的ひかくてき便利べんりな所ところにある。マウナケア山さんとマウナロア山さんに挟はさまれた街まちで、風ふうが強つよい。パーカー牧場ぼくじょうなどがあり、牧畜ぼくちくや農業のうぎょうも盛さかんで、比較的ひかくてき裕福ゆうふくな人ひとたちが住すみ、カヒル・シアター（Kahilu Theatre）での劇げき、映画えいが、音楽おんがく会かい^[5]、ミュージカルなどをサポートしている。

サウス・コハラ[編集へんしゅう]

南みなみコハラ地区ちくは南みなみに北きたコナ地区ちく、西にしにハマクア地区ちくと接せっしている

サウス・コハラはカウナオア湾わんに面めんした地区ちくで、ハワイ島とうのゴールド・コーストとして知しられる^[6]。この由来ゆらいに関かんしてはキイロハギが数多かずおおく生息せいそくしているためとする説せつや、ハプナ・ビーチに面めんした高級こうきゅうリゾートからきたとする説せつなど、いくつかの説せつがある^[6]。複数ふくすうのゴルフコースやビーチパークの他ほかにプウコホラ・ヘイアウやプアコ・ペトログリフ自然しぜん保護ほご地域ちいき、ワイコロア・ペトログリフ自然しぜん保護ほご地域ちいきなどの史跡しせきが残のこされている。サウス・コハラを南北なんぼくに貫つらぬくクイーン・カアフマヌ・ハイウェイに沿そった地域ちいき開発かいはつが行おこなわれている。

ワイコロア・ビレッジ[編集へんしゅう]

ワイコロア・ヴィレッジ（Waikoloa Village）は人口じんこう約やく4800人にんが居住きょじゅうするサウス・コハラ最大さいだいの町まち^[7]。同おなじアフプアアに属ぞくする下記かきのワイコロア・ビーチから少すこし離はなれたところにある。

ワイコロア・ビーチ[編集へんしゅう]

ワイコロア・ビーチは特とくに観光かんこう産業さんぎょうに特とく化かした構造こうぞうになっている沿岸えんがん部ぶを指さし、ワイコロア・リゾートエリアとも呼よばれる。1988年ねんに360,000,000ドルをかけて建たてられたホテル（現在げんざいはヒルトン・ワイコロア・ビレッジ）は当時とうじ、世界せかい最大さいだいの工費こうひがかけられたと言いわれたほどの豪奢ごうしゃなホテルである^[8]。また、沿岸えんがん部ぶから少すこし奥おくまったところにある溶岩ようがん原ばらには16世紀せいきに彫ほられたとされる人間にんげんや鳥とり、カヌー、英語えいごに影響えいきょうを受うけた文字もじなどのペトログリフが今いまも残のこされており、ワイコロア・ペトログリフ自然しぜん保護ほご地域ちいきとして保護ほごが行おこなわれている^[8]。

プアコ[編集へんしゅう]

プアコ（Puako）は人口じんこう約やく450人にんの観光かんこうルートから外はずれた小ちいさな集落しゅうらくであるが、集落しゅうらくの少すこし北きたにマウナケア・ビーチ・ホテル（Mauna Kea Beach Hotel、プリンスホテル）^[9]、ウェスティン・ハプナビーチ・リゾート（プリンスホテル所有しょゆう） ^[10]、ハプナビーチにはフェアモント・オーキッド・ホテル^[11]があり、集落しゅうらくの南みなみにはマウナ・ラニ・ベイ・ホテル（Mauna Lani Bay Hotel & Bungalows、2017年ねんまで東急とうきゅうホテルズ^[12]）^[13]がある。溶岩ようがんとサンゴの塊かたまりからなるパホエホエ海岸かいがんに面めんしており、巨大きょだいなタイドプールでは多数たすうの生態せいたい系けいを容易よういに観察かんさつすることができる^[14]。また、ハワイ島とうでもっとも多おおくのペトログリフが残のこされているプアコ・ペトログリフ自然しぜん保護ほご地域ちいきでは3000以上いじょうのペトログリフを観察かんさつすることができる^[15]。

カワイハエ[編集へんしゅう]

カワイハエ（Kawaihae）は、ノース・コハラとの境界きょうかい近ちかくにある遠洋えんよう商業しょうぎょう港町みなとちょうである^[16]。近ちかくのプウコホラ（クジラの丘おか）と呼よばれる場所ばしょに、カメハメハ大王だいおうが1791年ねんに戦たたかえ神しんクカイリモクを祀まつって建たてた「プウコホラ・ヘイアウ」という国立こくりつ史跡しせきがある^[17]。タブーの廃止はいしを掲かかげたカアフマヌによって1819年ねんに取とり壊こわされ、現在げんざいは石いしの基盤きばんのみが残のこされている^[16]。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ ハワイ島とう2005、p.128
^ ハワイ島とう2005、p.130
^ ^a ^b ハワイ島とう2005、p.133
^ ハワイ島とう2005、p.134
^ Kamuela Philharmonic Orchestra
^ ^a ^b ハワイ島とう2005、p.117
^ ハワイ島とう2005、p.118
^ ^a ^b ハワイ島とう2005、p.119
^ Mauna Kea Beach Hotel
^ Westin Hapuna Beach Resort
^ The Fairmont Orchid
^ Ownership of Mauna Lani Bay Hotel transferred to California company affiliate (Hawaii News Now, 2017)
^ Mauna Lani Bay Hotel & Bungalows
^ ハワイ島とう2005、p.124
^ ハワイ島とう2005、p.122
^ ^a ^b ハワイ島とう2005、p.127
^ ハワイ島とう2005、p.126

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

ルーシー・ヤマモト、アラン・ターベル『ビッグアイランド-ハワイ島とう』メディアファクトリー・ロンリープラネット、2005年ねん。ISBN 4840114226。