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コール・ド・バレエ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
白鳥はくちょうみずうみ』。りょうわきひかえるのがコール・ド・バレエ。主役しゅやくオデットのニーナ・アナニアシヴィリてる。

コール・ド・バレエふつ: corps de ballet)とは、フランス語ふらんすごバレエだん[1]、またはバレエだんダンサー構成こうせいする集団しゅうだんのこと[2]

フランス語ふらんすご以外いがい言葉ことばでは後者こうしゃかいし、ソリスト以外いがいの、群舞ぐんぶだい人数にんずう情景じょうけい担当たんとうするダンサーをひとまとめにしていう。日本語にほんごではりゃくして「コール・ド」とぶこともある。

パリ・オペラバレエでは、狭義きょうぎする場合ばあい、ダンサーの階級かいきゅうのうち最下さいかきゅうのカドリーユ (quadrille) と、そのひとじょうのコリフェ (coryphée) をコール・ド・バレエという[3][注釈ちゅうしゃく 1]

ロシアでは伝統でんとうてきにコリフェ(корифей)よりもしたの、最下さいかきゅう階級かいきゅうをコール・ド・バレエ (кордебалет) とんでおり、マリインスキー・バレエでは現在げんざいでもこの名称めいしょうもちいている[4]

歴史れきし

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1760ねん、メートル・ド・バレエとしてシュトゥットガルトまねかれたJ=G・ノヴェールは、ヴュルテンベルクこう著書ちょしょ舞踊ぶようとバレエについての手紙てがみ』 をけんじ、バレエの端役はやくのダンサーたちを均一きんいつかつ対称たいしょうてきおどらせることをはじめてしめした[2]。そのノヴェールは1803ねん出版しゅっぱんした文章ぶんしょうなかで、コール・ド・バレエは端役はやく24にんとその統率とうそつやくのコリフェ8にんけい32にんがあれば十分じゅうぶんであるとべ、舞台ぶたいじょう人目ひとめ規律きりつただしさから、それを歩兵ほへい集団しゅうだんたとえた[5]。またコール・ド・バレエのおどりは主役しゅやくおどりとはべつものであるとし、「プルミエ・ダンスールのそれとはほとんどなん類似るいじせいゆうしていない」[6]結論けつろんけた。

こうした見方みかた後代こうだいにもがれ、コール・ド・バレエによる均一きんいつおどりは現代げんだいにいたるまでおおくのバレエ作品さくひん必須ひっすのものとなっている。その使用しようほうもさまざまで、『ラ・バヤデール』(1877ねん)の“かげ王国おうこく”のように独立どくりつした群舞ぐんぶとして使つかわれる場合ばあいや、『白鳥はくちょうみずうみ』(1895ねんだい2まくのように主役しゅやくのソリスト2にんからめて使つかわれる場合ばあいもある[7]

他方たほう、コール・ド・バレエを画一かくいつてき使用しようしないこころみもはやくからなされている。ジュール・ペローは 『ジゼル』(1841ねん)において、ウィリ(妖精ようせい)が登場とうじょうするだい2まくでは群舞ぐんぶ展開てんかいさせたが、だい1まくではそうした使用しようほうきらって兵士へいし村人むらびとジプシーといった登場とうじょう人物じんぶつことなるうごきをさせた[8]おなじようにコール・ド・バレエの各人かくじん個性こせいてきうごかす演出えんしゅつは、ミハイル・フォーキンが 『ペトルーシュカ』(1911ねん)の市場いちば場面ばめんもちいて成功せいこうした。

注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ ただしE. Roucherは、時代じだい組織そしきによりうえ階級かいきゅうまでふくめる場合ばあいとそうでない場合ばあいがあるとことわったうえで、ひとじょうのスジェ (petit sujet) までを本来ほんらいのコール・ド・バレエにふくめている[2]

出典しゅってん

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  1. ^ Koegler, Horst, "Corps de ballet", The Concise Oxford Dictionary of Ballet, 2nd ed., 1982, ISBN 0-19-311330-9, p.104
  2. ^ a b c Roucher, Eugénia, "Corps de ballet", Dictionnaire de la Danse (Le Moal, Philippe, ed.), Larousse, 2008, ISBN 978-2-03-583335-8, p.718.
  3. ^ あしはらえいりょう 『バレエの基礎きそ知識ちしき』、はじめもとしゃ、1950ねん、p.240.
  4. ^ Кордебалет, Мариинский Театр
  5. ^ ノヴェール 「手紙てがみ」 (『舞踊ぶようとバレエについての手紙てがみ小倉おぐら重夫しげおやく、1974ねん冨山とやまぼう)、pp.263-264.
  6. ^ ibid, p.265
  7. ^ "Кордебалет", «Энциклопедия Русский балет» Согласие, 1997, ISBN 5-85270-162-9, p.538.
  8. ^ Beaumont, Cyril W., The Ballet called Giselle, 1945, C. W. Beaumont, p.36.

関連かんれん用語ようご

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