サン・レウチョの邸宅ていたく群ぐん

カゼルタの18世紀せいきの王宮おうきゅうと公園こうえん、ヴァンヴィテッリの水道すいどう橋きょうとサン・レウチョの邸宅ていたく群ぐん （イタリア）
サン・レウチョの邸宅ていたく群ぐん
英名えいめい	18th-Century Royal Palace at Caserta with the Park, the Aqueduct of Vanvitelli, and the San Leucio resort
仏ふつ名めい	Palais royal du XVIIIe siècle de Caserte avec le parc, l’aqueduc de Vanvitelli et l’ensemble de San Leucio
登録とうろく区分くぶん	文化ぶんか遺産いさん
登録とうろく基準きじゅん	(1),(2),(3),(4)
登録とうろく年ねん	1997年ねん
公式こうしきサイト	世界せかい遺産いさんセンター（英語えいご）
使用しよう方法ほうほう・表示ひょうじ

サン・レウチョの邸宅ていたく群ぐん（イタリア語ご: Complesso di San Leucio）は、イタリア共和きょうわ国こくカンパニア州しゅうカゼルタ郊外こうがいのサン・レウチョにある邸宅ていたく群ぐん。18世紀せいき後半こうはん、ナポリ王国おうこく（ブルボン朝あさ）の王おうたちが建設けんせつした。とくに、絹きぬ工場こうじょうとその労働ろうどう者しゃのための住宅じゅうたく街がいは、当時とうじの先進せんしん的てきな産業さんぎょう都市としとして知しられる。

1997年ねんに、カゼルタ宮殿きゅうでん、ヴァンヴィテッリの水道すいどう橋きょうとともに、UNESCOの世界せかい遺産いさんに「カゼルタの18世紀せいきの王宮おうきゅうと公園こうえん、ヴァンヴィテッリの水道すいどう橋きょうとサン・レウチョの邸宅ていたく群ぐん」の名前なまえで登録とうろくされた。

概要がいよう

サン・レウチョはカゼルタ市しの一いち地区ちく（分離ぶんり集落しゅうらく）で、カゼルタ市街しがいの北西ほくせい3.5キロメートル・海抜かいばつ145メートルのところに位置いちする。

1750年ねん、ナポリ王おうカルロ7世せい（後ごのスペイン王おうカルロス3世せい）が財務ざいむ長官ちょうかんのベルナルド・タヌッチ（en）の助言じょげんに従したがい、サン・レウチョを王家おうけ専用せんようの狩猟しゅりょう場じょうにしたことが、サン・レウチョの歴史れきしの始はじまりである。サン・レウチョでは狩猟しゅりょう場じょう以外いがいの側面そくめんとして、技術ぎじゅつ革新かくしんに基もとづいた実験じっけんが行おこなわれた。サン・レウチョは、当時とうじすでに廃墟はいきょとなっていたサン・レウチョ教会きょうかいの跡地あとちに建設けんせつされ、ヴァンヴィテッリの水道すいどう橋きょうを通つうじて上水道じょうすいどう網もうが整備せいびされた。

カルロの三男さんなんフェルディナンドもまた、サン・レウチョを自みずからの狩猟しゅりょう場じょうとして利用りようした。フェルディナント自身じしんは有能ゆうのうなハンターであり、宮廷きゅうてい生活せいかつを好このんでいなかったとされる。カルロとフェルディナントは、サン・レウチョに絹きぬ工場こうじょうを建設けんせつし、さらに絹きぬ工場こうじょうに付随ふずいさせる形かたちで養蚕ようさん・製糸せいし・織物おりもの工場こうじょう、労働ろうどう者しゃのための住居じゅうきょを増築ぞうちくした。18世紀せいき後半こうはんのヨーロッパにおいて、サン・レウチョにおける工場こうじょうの建設けんせつは独特どくとくなものであった。

1789年ねん、フェルディナンドの手てによって建設けんせつが本格ほんかく化かしたサン・レウチョは、さらに拡張かくちょうされ、南みなみイタリアにおける一大いちだい絹きぬ工場こうじょうとしての産業さんぎょう都市とし化かが計画けいかくされたが、この計画けいかくはフランス革命かくめい軍ぐんの侵攻しんこうによって沙汰止さたやみとなった。

とはいえ、サン・レウチョにおける製糸せいし・織物おりもの業ぎょうは、当時とうじのヨーロッパにおいては最もっとも先進せんしん的てきであった。1806年ねんから1815年ねんまでのジョアシャン・ミュラの統治とうち下かでもなお、サン・レウチョは、製糸せいし・織物おりもの業ぎょうにおいて最先端さいせんたんであった。

世界せかい遺産いさん

登録とうろく基準きじゅん

この世界せかい遺産いさんは世界せかい遺産いさん登録とうろく基準きじゅんのうち、以下いかの条件じょうけんを満みたし、登録とうろくされた（以下いかの基準きじゅんは世界せかい遺産いさんセンター公表こうひょうの登録とうろく基準きじゅんからの翻訳ほんやく、引用いんようである）。

• (1) 人類じんるいの創造そうぞう的てき才能さいのうを表現ひょうげんする傑作けっさく。
• (2) ある期間きかんを通つうじてまたはある文化ぶんか圏けんにおいて、建築けんちく、技術ぎじゅつ、記念きねん碑ひ的てき芸術げいじゅつ、都市とし計画けいかく、景観けいかんデザインの発展はってんに関かんし、人類じんるいの価値かちの重要じゅうような交流こうりゅうを示しめすもの。
• (3) 現存げんそんするまたは消滅しょうめつした文化ぶんか的てき伝統でんとうまたは文明ぶんめいの、唯一ゆいいつのまたは少すくなくとも稀まれな証拠しょうこ。
• (4) 人類じんるいの歴史れきし上じょう重要じゅうような時代じだいを例証れいしょうする建築けんちく様式ようしき、建築けんちく物ぶつ群ぐん、技術ぎじゅつの集積しゅうせきまたは景観けいかんの優すぐれた例れい。

参考さんこう文献ぶんけん

• デジタル大辞泉だいじせん『サンレウチョ』 - コトバンク

外部がいぶリンク

• Photos and history of San Leucio