シアニン

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シアニン染料せんりょうれい

シアニン (cyanine) は、ポリメチンにぞくする合成ごうせい染料せんりょうである。シアニンるい蛍光けいこう染料せんりょうとく生物せいぶつ医学いがくイメージングにもちいられている。構造こうぞうによるが、シアニンるいあかがいからむらさきがい領域りょういきのスペクトルをカバーする。

シアニンるいはもともと、写真しゃしん乳剤にゅうざい感光かんこう範囲はんい増大ぞうだいさせるために使つかわれていた(れい:フィルムじょうぞう形成けいせいする波長はちょう範囲はんい増大ぞうだい)。また、CD-RDVD-Rにも使つかわれている。その用途ようとでのいろだい部分ぶぶん緑色みどりいろかライトブルーである。シアニンでつくられたCDやDVDは、化学かがくてき不安定ふあんていでありすうねんることができなくなる。

シアニンるいはじめて合成ごうせいされたのは100ねんほどまえである。

構造こうぞう[編集へんしゅう]

I = ストレプトシアニン(ひらきくさりシアニン)
II = ヘミシアニン
III = 閉鎖へいさシアニン

シアニンるいには3つのタイプがある。

ストレプトシアニンまたはひらきくさりシアニン
R2N+=CH[CH=CH]n-NR2 ・・・(I)
ヘミシアニン
Aryl=N+=CH[CH=CH]n-NR2 ・・・(II)
閉鎖へいさシアニン[1]
Aryl=N+=CH[CH=CH]n-N=Aryl ・・・(III)
閉鎖へいさシアニンの2つの窒素ちっそ原子げんしはポリメチンくさりによってつながれている[2]両方りょうほう窒素ちっそ原子げんしはそれぞれ、ピロールイミダゾールチアゾールピリジンキノリンインドールベンゾチアゾールなどのような独立どくりつした含窒もと複素ふくそ芳香ほうこうたまき化合かごうぶつ部分ぶぶんである。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Johannes, H.H.: Cyanine: Direkte Funktionalisierung, Oligomerisierung, linear und nichtlinear optische Eigenschaften, Dissertation TU Braunschweig, 2000
  2. ^ Ernst LA, Gupta RK, Mujumdar RB, Waggoner AS (January 1989). “Cyanine dye labeling reagents for sulfhydryl groups”. Cytometry 10 (1): 3–10. doi:10.1002/cyto.990100103. PMID 2917472. 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]