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ジャパン・ヴィンテージ - Wikipedia

ジャパン・ヴィンテージ和製わせい英語えいご: Japan Vintage)とは、おも1970年代ねんだい80年代ねんだい製作せいさくされた、日本にっぽんせいギター一部いちぶ適用てきようされる『通称つうしょう』である。

概要がいよう

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グレコブランドによる精巧せいこうギブソン・レスポールコピー商品しょうひん。1980ねんせい

1960年代ねんだい後半こうはん以降いこうフェンダーギブソンなど米国べいこく著名ちょめいエレクトリック・ギター・ブランドの製品せいひんは、経営けいえいけん移転いてんなどにより主力しゅりょく製品せいひん仕様しよう変更へんこう様々さまざまなかたちでおこなっていた。

が、1950年代ねんだい中心ちゅうしんにリリースされていた旧来きゅうらい商品しょうひんられた仕様しよう製品せいひん著名ちょめいなミュージシャンが愛用あいようしていたために、その外観がいかん仕様しよう出来できるだけちか製品せいひんもとめたがるニーズが市場いちばにはいち定数ていすう見込みこまれていた。

ところが両社りょうしゃがそうした旧来きゅうらいがたのリイシューをすることには積極せっきょくてきでなかったために、そこにビジネスチャンスを見出みいだした日本にっぽんのギターメーカーが両社りょうしゃ旧来きゅうらいがた製品せいひんをコピーした商品しょうひん製造せいぞうおこない、販売はんばい。それが爆発ばくはつてきれたために日本にっぽんのギターメーカーはおおいにうるおった。

そうしたコピー商品しょうひん製造せいぞう販売はんばいつうじて収益しゅうえきによって先行せんこう投資とうしされた当時とうじさい新鋭しんえい工作こうさく機械きかいであるNCルータをはじめとする新型しんがた製作せいさく機器きき導入どうにゅうやそれにともな製造せいぞう技術ぎじゅつ蓄積ちくせきにより、国産こくさんギターは1970年代ねんだい後半こうはん以降いこう1980年代ねんだい初頭しょとうまでのあいだ円熟えんじゅくむかえた。

これら日本にっぽんせいのコピー商品しょうひん各社かくしゃ独自どくじのモデルにおいて、1950年代ねんだいからすでにプロの演奏えんそう使用しようえる楽器がっきとしてのクオリティをっていたギブソン、フェンダー両社りょうしゃ世界せかい水準すいじゅん品質ひんしつに、かぎりなくちかいレベルの製品せいひん市場いちばいて散見さんけんされるようになる。

この時期じき日本にっぽんせいギターへのさい評価ひょうかとして、2000ねん以降いこうシンコーミュージックしゃ書籍しょせきなどの影響えいきょうでこのかた定着ていちゃくした。

またこの影響えいきょうによってそれまで一般いっぱんてきにはられていなかった各種かくしゅのうんちくの普及ふきゅうにより、それまで一部いちぶのマニアしか認知にんちしていなかった様々さまざまなジャパンビンテージのセールスポイントがひろられ、中古ちゅうこ楽器がっきマーケットではその稀少きしょうせいうたうためのセールストークの根拠こんきょとして同誌どうし活用かつようされることにもなった。

結果けっか同誌どうしによる様々さまざま知見ちけん普及ふきゅうによって中古ちゅうこギターの販売はんばい価格かかく相場そうばがってしまうというネガティブな現象げんしょうこす一因いちいんともなっている。

1990年代ねんだい以降いこうは、米国べいこくのギターブランドも旧来きゅうらい仕様しよう踏襲とうしゅうしたリイシューモデルのマーケットの重要じゅうようせい着目ちゃくもくした結果けっか少数しょうすう生産せいさんのカスタムショップやメーカーから独立どくりつしたギター職人しょくにんのブランドなどの選択肢せんたくしえた。

その一方いっぽうで、日本にっぽんではより安価あんかなコピー商品しょうひん需要じゅようにこたえるため、大量たいりょう生産せいさん楽器がっきとしてコスト削減さくげんでありつつ豪華ごうかえること重視じゅうし製作せいさくされている。

そのため一部いちぶのブランドや機種きしゅ以外いがいおおくは、1990年代ねんだい後半こうはん以後いご韓国かんこく、2000年代ねんだいよりは中国ちゅうごく、2010年代ねんだいよりはインドネシアひとし人件じんけんやすくにでの生産せいさん移行いこうされ、日本にっぽんのギター生産せいさん衰退すいたいした。

ジャパン・ヴィンテージ・デザイン

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1970年代ねんだいのアイバニーズ・AR
 
1983ねんせい アリア・PE

この時期じき発表はっぴょうされた、海外かいがいブランドからのコピーモデルや派生はせいモデルではない日本にっぽん独自どくじのデザインのギターのうち、1960年代ねんだいだいいち・エレキギターブームの「ビザール・ギター」とは明白めいはくことなり、また80年代ねんだい流行りゅうこうであったヘヴィ・メタル・ギターでもない優美ゆうびなデザインのものがいくつかまれた。こういったモデルを、現在げんざいにも通用つうようするデザインとしてさい評価ひょうかするながれがあり、ジャパン・ヴィンテージ・モデルとしてさい生産せいさんなどもおこなわれている。こうしたモデルのれいとして、2006ねん発行はっこう書籍しょせきでは以下いかげられている。[1]

フェンダー・ジャパン・JVシリアル

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1982ねん5がつ設立せつりつのフェンダー・ジャパン製品せいひんには、そのすうねんあいだ「JV」からはじまるシリアル番号ばんごうもちいられた。これはそのまま「Japan Vintage」のられるが、当時とうじ他国たこく生産せいさんぎゃく輸入ゆにゅうというかたち世界せかい戦略せんりゃく端緒たんしょけた米国べいこくフェンダーしゃ[2]が、シリアル番号ばんごう区別くべつ整合せいごうをとるため日本にっぽんせいのヴィンテージ・スタイル・モデル」という程度ていど意味合いみあいで要請ようせいしただけでとくつよ意味いみはない[3]

ともあれ、この時期じきのフェンダー・ジャパンせいモデルは「とどきやすい価格かかくこう品質ひんしつヴィンテージ・リイシュー」として中古ちゅうこ市場いちば人気にんきたかことちがいはない一方いっぽうでその中古ちゅうこ価格かかくかならずしもとどきやすいものとはえないという矛盾むじゅんんでいる。日本にっぽん国外こくがいにもファンサイトや研究けんきゅうサイトの存在そんざい確認かくにん出来できる。[4][5]

関連かんれん書籍しょせき

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上記じょうきシンコーミュージックかんのシリーズ一覧いちらん

  • Japan Vintage - 2003ねん~2005ねん発行はっこう、ムック。雑誌ざっし形式けいしき表題ひょうだい以外いがいのブランドの記事きじふくむ。
  • Japan Vintage Acoustic - 2005ねん~2006ねん発行はっこう、ムック。
  • Japan Vintage Collection - 各社かくしゃモデルのカタログを中心ちゅうしんとする内容ないよう。2005ねん~2007ねん発行はっこう新書しんしょサイズ。
    • Vol.1 グレコのいち
    • Vol.2 グレコの
    • Vol.3 アイバニーズのいち
    • Vol.4 ヤマハのいち
    • Vol.5 フェルナンデスのいち
    • Vol.6 アリアプロ2いち
    • Vol.7 ヤマハの

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 『もっとりたい エレキギターせん』 さわたりたかし ミュージックトレード ISBN 4943878598 pp.220-224
  2. ^ フェンダー・ジャパン製品せいひん設立せつりつ直後ちょくごから日本にっぽん国内こくない販売はんばいほかにヨーロッパへの輸出ゆしゅつおこなわれた (ヘッドにはFender Squire seriesの表記ひょうき)。これは当時とうじのドル通貨つうかレートの関係かんけい不利ふり状況じょうきょうにあったためである。 Bacon, Tony. The Fender Book, p. 62, - Google ブックス
  3. ^ どう1982ねんから開始かいしのフェンダー・USA Vintage Seriesかくモデルは「V + 4~6けた数字すうじ」がシリアルナンバーとなり、そのべつシリーズとの位置付いちづけからあたまにJを付加ふかしたとかんがえられる。
  4. ^ http://21frets.com/
  5. ^ http://www.music-trade.co.jp/JVGuitarHome.html