ジュール・ゲード

J・ゲード

ジュール・ゲード（Jules Guesde、1845年ねん11月11日にち－1922年ねん7月がつ28日にち）は、フランスの社会しゃかい主義しゅぎ者もの、政治せいじ活動かつどう家か。

略歴りゃくれき

パリのサン＝ルイ島とうに生うまれる。内務省ないむしょうの事務じむ員いんとして働はたらくが、1870年ねんに勃発ぼっぱつした普ひろし仏ふつ戦争せんそうの時ときにはモンペリエで『Les Droits de l'Homme』誌しを編集へんしゅうし、1871年ねんにはパリ・コミューンを支持しじしたため刑事けいじ訴追そついされジュネーヴへ亡命ぼうめいする。そこでフランスの情勢じょうせいについてカール・マルクスの書かいた記事きじを読よみ、感銘かんめいを受うける。1876年ねんに帰国きこくして週刊しゅうかん紙し『エガリテ　Égalité』を創刊そうかん・編集へんしゅうした。そのほかに『Le Cri du peuple』『Le Socialiste』などの雑誌ざっしも発行はっこう。1878年ねんにはフランスのマルクス派はの代表だいひょうとして第だい一いちインターナショナルに参加さんかし、6ヶ月かげつ投獄とうごくされている。ポール・ラファルグとその義父ぎふマルクスと密接みっせつに連携れんけいし、「集あつまり産さん主義しゅぎ」を標榜ひょうぼうする労働党ろうどうとうの綱領こうりょうを執筆しっぴつ、1880年ねんのル・アーブル大会たいかいで承認しょうにんを得えて正式せいしきに結党けっとうした。しかし、翌年よくねんのランス会議かいぎでは選挙せんきょの失敗しっぱいを受うけてゲードらの提出ていしゅつした非ひ妥協だきょう的てきな綱領こうりょうは、ブノワ・マロンやポール・ブルスなどの「ポッシビリスト」によって挑戦ちょうせんされている。サンテティエンヌ会議かいぎで双方そうほうの立場たちばの違ちがいが明あきらかになり、ブルジョワ政府せいふへの協力きょうりょくを拒否きょひするゲードは改良かいりょう主義しゅぎに対抗たいこうするグループを形成けいせい、ポッシビリスト派はやブランキストなどと論争ろんそうを展開てんかいした。

ゲードの主義しゅぎは北部ほくぶとパ・ド・カレーの鉱業こうぎょう地帯ちたいで地盤じばんを得えた。1893年ねんにはリール市しから下院かいんに選出せんしゅつされ1921年ねんまで活動かつどうしキリスト教きりすときょう社会しゃかい主義しゅぎや急進きゅうしん派はをしのぐ勢力せいりょくを保たもつ。1899年ねん、保守ほしゅ派はのルソー内閣ないかくに社会しゃかい主義しゅぎ者しゃミルランが入閣にゅうかくすると、ゲードはこれを批判ひはん、1901年ねんには入閣にゅうかく反対はんたいで立場たちばを同おなじくするブランキスト系けいのエドゥアール・ヴァイヤン（Édouard Vaillant）率ひきいる革命かくめい的てき社会党しゃかいとうと合同ごうどうしフランス国こく社会党しゃかいとうを結成けっせいした。さらに1904年ねん、第だい2インターナショナルのアムステルダム大会たいかいでゲードは社会しゃかい主義しゅぎ者しゃの入閣にゅうかくを弁護べんごするジャン・ジョレスを批判ひはんし、ミルランが内閣ないかくに入はいることでフランスの社会しゃかい主義しゅぎ者しゃは政府せいふの軍事ぐんじ予算よさんや帝国ていこく主義しゅぎの全ぜん機構きこうを是認ぜにんすることになってしまったと論ろんじ、各派かくはの賛同さんどうを得えた。この結果けっか、大会たいかいが社会しゃかい主義しゅぎ者しゃの入閣にゅうかくを否定ひていする声明せいめいを採択さいたくしたため、ゲードはジョレスら穏健おんけん派はと合同ごうどうし1905年ねんのフランス社会党しゃかいとうの創立そうりつに参加さんかした。

1914年ねんに第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせんが始はじまり、ジョレスが暗殺あんさつされたその日ひにフランス社会党しゃかいとうは軍事ぐんじ公債こうさいに投票とうひょうし、ゲードはジャコバン時代じだいなどを例れいに出だし、愛国あいこく主義しゅぎが高たかまる時期じきに革命かくめいは起おこすべきでないという結論けつろんを出だす。そこで対たいドイツ戦争せんそうを支持しじし、戦時せんじ政府せいふに入閣にゅうかくし、無任所むにんしょ相しょうとして1916年ねんまで務つとめた。1917年ねんから起おこったロシア革命かくめい政府せいふの推移すいいを見守みまもりつつ、サン＝マンデで死去しきょした。ゲード派はは共産党きょうさんとうが分裂ぶんれつした後のちの社会党しゃかいとう内ないで最さい左派さはを形成けいせいした。

ゲードは「マルクス主義まるくすしゅぎ者しゃ」を自称じしょうしたが、これが「マルクス主義まるくすしゅぎ」の積極せっきょく的てきな意味いみでの最初さいしょの用例ようれいである。マルクスが、ゲードらに対たいして「私わたしはマルクス主義まるくすしゅぎ者しゃではない」と語かたったことは有名ゆうめいである。

著作ちょさく

• " Commune de 1871 " (1936年ねん)
• " Essai de catéchisme socialiste " (1878
• " Le socialisme au jour le jour " (1899
• " Le collectivisme : conférence à la société d'études économiques et politiques de Bruxelles le 7 mars 1894 " (1900年ねん)
• " Quatre ans de lutte de classe à la Chambre : 1893-1898 " (1901年ねん）

参考さんこう文献ぶんけん

• Claude Willard, Jules Guesde, l'apôtre et la Loi, (1991年ねん)
• I. D. Belkanine, Jules Guesde et la lutte pour un parti ouvrier en France, (1952年ねん)
• Compère-Morel, Jules Guesde : le socialisme fait homme, 1845-1922, (1937年ねん)
• Alexandre Zévaès, Jules Guesde, (1929)
• D・コート『ヨーロッパの左翼さよく　The Left in Europe since 1789』(1970年ねん、平凡社へいぼんしゃ)
• スパーバー, ジョナサン 小原おはら淳あつし　訳わけ (2015a), マルクス ある十じゅう九きゅう世紀せいき人じんの生涯しょうがい 上じょう, 白水しろみず社しゃ 
• スパーバー, ジョナサン 小原おはら淳あつし訳やく (2015b), マルクス ある十じゅう九きゅう世紀せいき人じんの生涯しょうがい 下か, 白水しろみず社しゃ 

外部がいぶリンク

• （英語えいご） Guesde' texts at Marxist Internet Archives