モンペリエ

Montpellier
行政ぎょうせい
国くに	フランス
地域ちいき圏けん (Région)	オクシタニー地域ちいき圏けん
県けん (département)	エロー県けん （県庁けんちょう所在地しょざいち）
郡ぐん (arrondissement)	モンペリエ郡ぐん （郡ぐん庁ちょう所在地しょざいち）
小郡おごおり (canton)	10小しょう郡ぐん庁ちょう所在地しょざいち
INSEEコード	34172
郵便ゆうびん番号ばんごう	34000, 34070, 34080, 34090
市長しちょう（任期にんき）	フィリップ・ソレル （2014年ねん-2020年ねん）
自治体じちたい間あいだ連合れんごう (fr)	fr:Communauté d'agglomération Montpellier Agglomération
人口じんこう動態どうたい
人口じんこう	268 456人にん （2012年ねん）
人口じんこう密度みつど	4 720人にん/km2
住民じゅうみんの呼称こしょう	Montpelliérains
地理ちり
座標ざひょう	北緯ほくい43度ど36分ふん43秒びょう 東経とうけい3度ど52分ふん38秒びょう
標高ひょうこう	平均へいきん:27 m 最低さいてい:7 m 最高さいこう:57 m
面積めんせき	56,88km2 (5 688ha)
Montpellier
公式こうしきサイト	montpellier.fr

モンペリエ（Montpellier）は、フランスの南部なんぶに位置いちする都市とし。オクシタニー地域ちいき圏けん、エロー県けんの県庁けんちょう所在地しょざいちである。モンペリエ大学だいがくの所在地しょざいちとして、中世ちゅうせいからの学園がくえん都市としである。モンプリエと発音はつおん、記載きさいする例れいもある。

地理ちり

地中海ちちゅうかいから10km、ガール県けんの県庁けんちょう所在地しょざいちニームから54km、マルセイユからは168km、トゥールーズから248km、パリからは750kmである。旧きゅう市街しがい西端せいたんのペイルー公園こうえんの海抜かいばつは57m。

アクセス

市内しない中心ちゅうしん部ぶから9kmの場所ばしょにモンペリエ・メディテラネ空港くうこうが存在そんざいする。TGVでパリから最速さいそく3時じ間あいだ半はんで着つく列車れっしゃがある。シャルル・ド・ゴール空港くうこうのTGV駅えきから直通ちょくつうの路線ろせんもある。マルセイユ・プロヴァンス空港くうこうからは車くるまで約やく2時じ間あいだ。トゥールーズ、バルセロナ、リヨンから車ぐるまで約やく3時じ間あいだである。

気候きこう

典型てんけい的てきな地中海ちちゅうかい性せい気候きこうである。雨あめは少すくなく、夏なつは乾燥かんそうする。ただし降雨こううの際さいはまとまって強つよく降ふる。

1日にちの平均へいきん日照ひでり時間じかんは7時じ間あいだ22分ふんであり、フランス平均へいきんの4時じ間あいだ46分ふんを大おおきくしのぐ。

最高さいこう気温きおん

• 1月がつ - 5月：10℃ - 22℃
• 6月がつ - 9月：25℃ - 29℃
• 10月 - 12月：10℃ - 20℃

最低さいてい気温きおん

• 1月がつ - 5月：1℃ - 9℃
• 6月がつ - 9月：15℃ - 20℃
• 10月 - 12月：0℃ - 14℃

fr:Montpellierを一部いちぶ翻訳ほんやく

歴史れきし

985年ねんにメルグイユ（Melgueil、Mauguio）の伯爵はくしゃくの記録きろくに初はじめてMontpellierの表記ひょうきが表あらわれる。近隣きんりんのニーム、ナルボンヌ、ベジエなどがローマ時代じだいから都市としとして成立せいりつしていたのに対たいし、モンペリエの領地りょうちとしての登場とうじょうは遅おそい。中世ちゅうせい初期しょきには領主りょうしゅGuilhemとマグローヌ (Maguelone) の司教しきょうのもとで人口じんこうを増ふやした。また、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼じゅんれい路ろの宿場しゅくば町まちとしても栄さかえた。

1220年ねんに成立せいりつした医い学校がっこうは、1289年ねんに法学部ほうがくぶとともにモンペリエ大学だいがくとして教皇きょうこうニコラウス4世せいの承認しょうにんを受うける。医学部いがくぶは現在げんざいもカテドラル（Cathédrale Saint-Pierre de Montpellier）に隣接りんせつした校舎こうしゃを使用しようしている。

婚姻こんいんなどによりアラゴン王おう、マヨルカ王おうなどの支配しはい下かに入はいった後のち、1349年ねんにフランス王国おうこくに売却ばいきゃく、併合へいごうされた。このころはかなり繁栄はんえいしていたが、疫病えきびょうにより一旦いったん衰退すいたいの時期じきを迎むかえる。15世紀せいきに入はいると天才てんさい商人しょうにんジャック・クールが、隣接りんせつするラット (Lattes) の港みなとを活用かつようしたため、貿易ぼうえき拠点きょてんとして隆盛りゅうせいを極きわめる。

16世紀せいきにはユグノー戦争せんそうの戦乱せんらんの中なか、プロテスタントが多数たすうを占しめ、カトリックの教会きょうかいはカテドラル以外いがいのほとんどが破壊はかいされた。その後ごアンリ4世せいのナントの勅みことのり令れいによりつかの間まの平和へいわを享受きょうじゅしたものの、ルイ13世せいの治世ちせい以降いこうは、プロテスタントは衰おとろえ、カトリック勢力せいりょくが支配しはい的てきとなった。フランス革命かくめいまでの平穏へいおんな時期じきに、水道橋すいどうばし、凱旋がいせん門もん、コメディー広場ひろばなどが建設けんせつされていった。

19世紀せいきにはワイン栽培さいばいや織物おりもの業ぎょうなどのブルジョワ文化ぶんかが栄さかえ、裁判所さいばんしょ、駅えきなど旧きゅう市街しがいのほとんどの建物たてものが今いまの姿すがたになる。第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんでは1944年ねんに5回かいにわたりアメリカ軍ぐんの爆ばく撃げきを被こうむった。しかし旧きゅう市街しがいは今いまでも19世紀せいきの姿すがたを良よく留とめている。

人口じんこう統計とうけい

1962年ねん	1968年ねん	1975年ねん	1982年ねん	1990年ねん	1999年ねん	2006年ねん	2012年ねん
118 864	161 910	191 354	197 231	207 996	225 392	251 634	268 456

source=1999年ねんまでLdh/EHESS/Cassini、2004年ねん以降いこうINSEE

名所めいしょ

旧きゅう市街しがいは19世紀せいきの繁栄はんえいを今いまに伝つたえる明あかるく美うつくしい町並まちなみである。建物たてものの壁かべはクリーム色しょくを基調きちょうとしており、夏なつの朝あさも冬ふゆの午後ごごも南仏なんふつらしい親したしみやすさと軽かろやかさを感かんじさせる。

ルイ14世せい像ぞうと凱旋がいせん門もん

旧きゅう市街しがいは、コメディー広場ひろばを中心ちゅうしんに、西側にしがわへやや膨ふくらんだ形かたちをしている。Montpellier-Saint-Roch駅えき―コメディー広場ひろば―県庁けんちょうと緩ゆるやかに坂さかを上あがり、かわいらしい凱旋がいせん門もんまでが旧きゅう市街しがいの表通おもてどおりである。県庁けんちょう手前てまえのジャン・ジョーレス広場ひろばの地下ちかに、モンペリエ中世ちゅうせい資料しりょう館かんがある。凱旋がいせん門もんをさらに抜ぬけるとペイルー公園こうえんとなり、ルイ14世せいの像ぞうを過すぎて噴水ふんすいまで行いくと、給水きゅうすい塔とうと水道すいどう橋きょうが迎むかえてくれる。ここから新しん市街しがいを含ふくめた街まちの北きた、西にし、南側みなみがわを望のぞむことができる。車くるまで訪問ほうもんする場合ばあい、ペイルー公園こうえん下かの水道橋すいどうばしパーキングが広ひろくて中心ちゅうしん街がいにも近ちかく、便利べんりである。

ペイルー公園こうえんから見みた水道橋すいどうばし

ペイルー公園こうえんの北きた隣となりには医学部いがくぶ薬草やくそう園えんを兼かねた植物しょくぶつ園えんがあり、市民しみんの散策さんさくする姿すがたが見みられる。植物しょくぶつ園えんと車道しゃどうをはさんだ旧きゅう市街しがい側がわがモンペリエ大学だいがく医学部いがくぶである。ここはパリ大学だいがく医学部いがくぶと並ならぶフランスのエリート医学部いがくぶとして有名ゆうめいである。

カテドラル左ひだり隣となりの建物たてものには外科げか資料しりょう館かんがあり、やや高たかいが拝観はいかん料りょうを払はらえば見学けんがくできる（ただし、展示てんじは様々さまざまな病気びょうきの標本ひょうほんが林立りんりつし、腫瘍しゅよう標本ひょうほんや奇形きけい胎児たいじなども並ならぶため、入館にゅうかんに際さいして覚悟かくごを要ようする）。医学部いがくぶ脇わきにある小ちいさな公園こうえんに四角しかくい塔とうがあり、これは大学だいがく古文書こもんじょ館かんである。この塔とうの屋上おくじょうに木きが1本ほん生はえており、ここを母校ぼこうとするノストラダムスが「この木きが枯かれるとき、モンペリエの町まちは滅ほろびるであろう。」との予言よげんを残のこしたために、今いまでも半信半疑はんしんはんぎで世話せわが続つづけられているという。

秋あきの青空あおぞらとカテドラル

バラ窓まどからの光ひかりを受うけるカテドラル-サンピエール内部ないぶ

カテドラルCathédrale Saint-Pierre de Montpellierは南仏なんふつゴシック建築けんちくでおおらかな造つくりであり、パリのノートルダム大だい聖堂せいどうやアミアン大だい聖堂せいどうなどの技巧ぎこう的てきな北きた仏ふつゴシック建築けんちくと対照たいしょう的てきである。時間じかん帯たいによってバラ窓まどを通とおして聖堂せいどう内部ないぶへ陽ひが射さし込こみ、色いろとりどりの光ひかりを壁かべに映うつし出だす。聖堂せいどう内ないの祭壇さいだんにはイタリア風ふうの色いろ大理石だいりせきを多用たようしたものもあり、地理ちり的てきな影響えいきょうを感かんじさせる。正門せいもんの両りょう脇わきにそびえる無骨ぶこつな円えん塔とうが特徴とくちょう的てきである。

コメディー広場ひろばと3人にんの女神めがみ像ぞう

コメディー広場ひろば北きたにつながるエスプラナード公園こうえんに面めんして、ファーブル美術館びじゅつかんがある。19世紀せいきのフランス絵画かいがを中心ちゅうしんとした展示てんじの中なかで、ギュスターヴ・クールベの『こんにちは、クールベさん』（1854年ねん）と『パラバスの海岸かいがん』（1854年ねん）は一見いっけんの価値かちがある。友人ゆうじんブリュイヤスの誘さそいを受うけてこの地ちを訪おとずれたクールベは心機一転しんきいってん、新あたらしい作風さくふうに取とり組くみ、アカデミズムの束縛そくばくから解とき放はなたれた自由じゆうな絵画かいがを世よに問とうて行いくことになる。

モンペリエ大学だいがく

モンペリエ大学だいがくは第だい1から第だい3までに分わかれている。

モンペリエ第だい1大学だいがく：医学部いがくぶ・薬学部やくがくぶ・法学部ほうがくぶ

北西ほくせい郊外こうがいのEuromedecin地区ちくの病院びょういん、医療いりょう研究所けんきゅうじょ、製薬せいやく会社かいしゃと一体いったいとなって先端せんたん研究けんきゅうも行おこなっている。法学部ほうがくぶは街まちの東ひがしの新しん市街しがいに近代きんだい的てき校舎こうしゃを建たてて移転いてんした。

モンペリエ第だい2大学だいがく：理学部りがくぶ

物理ぶつりや化学かがくの研究けんきゅうが活発かっぱつで広ひろいキャンパスを有ゆうする。CNRS研究けんきゅう者しゃも多おおく在籍ざいせきしている。文学部ぶんがくぶと同おなじ街がいの北西ほくせいにある。

モンペリエ第だい3大学だいがく：文学部ぶんがくぶ

通称つうしょう「ポール・ヴァレリー」。短期たんきの外国がいこく人じん向むけフランス語ふらんすごコースを設定せっていしており、世界せかい各地かくちから語学ごがく留学生りゅうがくせいが集あつまる。

近郊きんこう

• セット：ポール・ヴァレリーの故郷こきょうである工業こうぎょう港町みなとちょう。モンペリエから南西なんせいへ車くるまで30分ふん弱じゃく。
• パラヴァス＝レ＝フローPalavas-les-Flots：モンペリエから10分ふん強きょうの、地中海ちちゅうかいに面めんした小しょうリゾート。
• マグローヌMaguelone（現在げんざいはヴィルヌーヴ＝レ＝マグローヌに属ぞくする）：かつて巡礼じゅんれいで栄さかえたひなびた廃はい修道院しゅうどういんが海辺うみべの砂洲さすに残のこる。
• エーグ＝モルト：ルイ9世せいが十字軍じゅうじぐんに出発しゅっぱつしたかつての地中海ちちゅうかい沿ぞいの城郭じょうかく町まち。近ちかくに製塩せいえん所しょもある。
• カマルグ：ローヌ川がわ河口かこうの大だい三角州さんかくすで、フラミンゴが多おおく飛来ひらい。白馬はくばと黒くろ牛うしが名物めいぶつ。水田すいでんもある。白馬はくばに乗のれるスポットもある。
• サント＝マリー＝ド＝ラ＝メール：カマルグ南端なんたんの地中海ちちゅうかいに張はり出だした小村こむら。毎年まいとし初夏しょかにロマの祭まつりが行おこなわれる。フレデリック・ミストラルの名作めいさく「プロヴァンスの少女しょうじょ-ミレイユ」のクライマックスで哀あわれなミレイユが意識いしき朦朧もうろうとなりながらたどり着ついたのが、この村むらの小ちいさな教会きょうかいである。
• サン＝ギレム＝ル＝デゼールSaint-Guilhem-le-Désert：ミヨーMilhaud方面ほうめんへ車くるまで1時じ間あいだほどの、石灰岩せっかいがん台地だいちの渓谷けいこくに隠かくれるように存在そんざいするかつての巡礼じゅんれいの宿場しゅくば町まち。小ちいさなロマネスク建築けんちくの教会きょうかいがあるだけだが、中世ちゅうせいそのもののかわいらしい町並まちなみはモンペリエ市民しみんのお気きに入いりのスポット。近ちかくに鍾乳洞しょうにゅうどうGrotte de la Clamouseもある。
• ニーム：ガール県けん県庁けんちょう所在地しょざいち。モンペリエとほぼ同どう規模きぼの街まち。歴史れきしは古ふるく、カエサルやアウグストゥスの時代じだいの帝政ていせいローマ初期しょきから栄さかえた。円形えんけい闘技とうぎ場じょうやフォンテーヌ公園こうえんなど、見みどころも多おおい。夏なつには闘牛とうぎゅうも行おこなわれる。
• ベジエ：エロー県けん第だい2の都市としで、19世紀せいきまでは南仏なんふつワインの中心ちゅうしん地ちとして栄さかえた。フィロキセラの猛威もういでブドウが壊滅かいめつして以降いこうはやや衰退すいたいした（19世紀せいきフランスのフィロキセラ禍か）。ミディ運河うんが観光かんこうの中継ちゅうけい点てんとしては便利べんり。アルビジョア十字軍じゅうじぐんの際さいには、北きた仏ふつ軍ぐんにカタリ派はとカトリック教徒きょうとの区別くべつなく市民しみんが虐殺ぎゃくさつされた悲劇ひげきが起おきた。
• ペリエ工場こうじょう：炭酸たんさん入いりミネラルウォーターのトップブランド、ペリエの本社ほんしゃ工場こうじょうがモンペリエとニームの中間ちゅうかんにある。

スポーツ

• モンペリエHSC - サッカークラブ
• モンペリエ・エロー・ラグビー - ラグビーユニオンクラブ

交通こうつう

トラム　4系統けいとう

トラム (モンペリエ)

関係かんけい者しゃ

出身しゅっしん有名人ゆうめいじん

詳細しょうさいは「Category:モンペリエ出身しゅっしんの人物じんぶつ」を参照さんしょう

• フレデリック・バジール： 印象派いんしょうはの画家がか
• アレクサンドル・カバネル： 画家がか
• オーギュスト・コント： 哲学てつがく者しゃ
• ジャンヌ・ドゥメッシュー： オルガニスト・ピアニスト・作曲さっきょく家か
• ピエール・マニョール： 植物しょくぶつ学者がくしゃ
• ノストラダムス： ルネサンス期きの医師いし・占星術せんせいじゅつ師し
• エドゥアール・ロシュ： 天文学てんもんがく者しゃ
• ジュリエット・グレコ： 歌手かしゅ
• エミリー・シモン： 歌手かしゅ
• グレゴリ・デランジェール： 俳優はいゆう
• レミ・ガイヤール： イタズラ者しゃ
• ディディエ・オリオール： ラリードライバー
• イネス・リグロン： 日本にっぽんでの事業じぎょうに成功せいこうした女性じょせい実業じつぎょう家か

居住きょじゅうその他たゆかりある人物じんぶつ

• ポール・バラス： フランス革命かくめい期きの政治せいじ家か

姉妹しまい都市とし

• - ルイビル（アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくケンタッキー州しゅう）1955年ねん
• - ハイデルベルク（ドイツ）1961年ねん
• - バルセロナ（スペイン）1963年ねん
• - 成都せいと（中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく）1981年ねん
• - ティベリアス（イスラエル）1983年ねん
• - フェズ（モロッコ）2003年ねん
• - トレムセン（アルジェリア）2009年ねん

外部がいぶリンク

公式こうしき

• モンペリエ市役所しやくしょ （フランス語ふらんすご）

観光かんこう

• フランス観光かんこう開発かいはつ機構きこう　モンペリエ （日本語にほんご）