ジョン・ダルリンプル (第だい2代だいステア伯爵はくしゃく)

第だい2代だいステア伯爵はくしゃく
アラン・ラムゼーによる肖像しょうぞう画が、1742年ねん以降いこう。
生誕せいたん	1673年ねん7月がつ20日はつか スコットランド王国おうこく、エディンバラ
死没しぼつ	1747年ねん5月9日にち（満まん73歳さい没ぼつ） グレートブリテン王国おうこく、エディンバラ
所属しょぞく組織そしき	スコットランド王国おうこく グレートブリテン王国おうこく
部門ぶもん	スコットランド軍ぐん イギリス陸軍りくぐん
最終さいしゅう階級かいきゅう	陸軍りくぐん元帥げんすい
戦闘せんとう	大だい同盟どうめい戦争せんそう スペイン継承けいしょう戦争せんそう オーストリア継承けいしょう戦争せんそう 1745年ねんジャコバイト蜂起ほうき
受賞じゅしょう	シッスル勲章くんしょう

第だい2代だいステア伯爵はくしゃくジョン・ダルリンプル（英語えいご: John Dalrymple, 2nd Earl of Stair KT PC、1673年ねん7月がつ20日はつか - 1747年ねん5月9日にち）はスコットランド出身しゅっしんの軍人ぐんじん、外交がいこう官かん。大だい同盟どうめい戦争せんそうとスペイン継承けいしょう戦争せんそうで従軍じゅうぐんした後のち、パリ駐在ちゅうざいのイギリス大使たいしを務つとめ、続つづいてオーストリア継承けいしょう戦争せんそうのデッティンゲンの戦たたかいに参戦さんせんした。

スペイン継承けいしょう戦争せんそうまで

第だい2代だいステア伯爵はくしゃくの肖像しょうぞう画が、1700年ねん。

第だい2代だいステア子爵ししゃくジョン・ダルリンプル（後ごの初代しょだいステア伯爵はくしゃく）とエリザベス・ダルリンプル（旧姓きゅうせいダンダス）の息子むすことして生うまれた。1682年ねん4月がつに銃じゅうの事故じこで誤あやまって兄弟きょうだいを殺害さつがいしてしまった後のちオランダに移うつり、ライデン大学だいがくに入学にゅうがくした。大だい同盟どうめい戦争せんそうでアンガス伯爵はくしゃく連隊れんたいに志願しがん兵へいとして従軍じゅうぐん、1692年ねん8月がつのステーンケルケの戦たたかいに参加さんかした。ステーンケルケでの戦闘せんとうでは戦列せんれつが大砲たいほうに崩くずされたとき、彼かれは連隊れんたいの陣容じんようを何なん度ども整ととのえ直なおした。1695年ねんに父ちちがステア子爵ししゃく位いを継承けいしょうすると、彼かれはステアのマスター（爵位しゃくいの推定すいてい相続そうぞく人じん）になった。

1702年ねん5月がつ12日にち、近衛このえ歩あゆみ兵へい第だい3連隊れんたいの中佐ちゅうさに任命にんめいされ、マールバラ公爵こうしゃくとともにスペイン継承けいしょう戦争せんそうに参戦さんせん、同年どうねん8月がつのピールの戦たたかいと9月のフェンローの戦たたかいに参加さんかした。フェンローではヘッセン＝カッセル方かた伯はく子こフリードリヒの命いのちを救すくった。

1703年ねんに父ちちが初代しょだいステア伯爵はくしゃくに叙じょされると、彼かれはダルリンプル子爵ししゃくの儀礼ぎれい称号しょうごうを得えた。1706年ねん1月がつにアンガス伯爵はくしゃく連隊れんたいの隊長たいちょうの任命にんめいされた後ご、5月にラミイの戦たたかいに参戦さんせん、1週間しゅうかん後ごの6月がつ1日にちに准じゅん将しょうに昇進しょうしんした。続つづいて8月がつ24日にちにスコッツ第だい4竜騎兵りゅうきへい連隊れんたいの隊長たいちょうになり、1707年ねん1月がつに父ちちが亡なくなって第だい2代だいステア伯爵はくしゃくになった。同年どうねんに成立せいりつしたグレートブリテン議会ぎかいでは16人にんのスコットランド貴族きぞく代表だいひょう議員ぎいんの1人ひとりに選出せんしゅつされた。

1708年ねん7月がつのアウデナールデの戦たたかいと同年どうねん秋あきのリール包囲ほうい戦せんで一いち旅団りょだんを率ひきい、翌年よくねんの元もと日ひに少将しょうしょうに昇進しょうしんした後のち、9月のマルプラケの戦たたかいで再ふたたび一いち旅団りょだんを指揮しきした。1709年ねん冬ふゆ、マールバラ公こうは彼かれを外交がいこう官かんとしてポーランド王おうアウグスト2世せいのもとに派遣はけんした。その後ご、彼かれは西欧せいおうに戻もどり、1710年ねん4月がつのドゥーエー包囲ほうい戦せんに間まに合あった。同年どうねん6月がつ1日にちには中将ちゅうじょうに昇進しょうしん、1711年ねん8月がつのブシャン包囲ほうい戦せんにも参加さんかした。同年どうねん、シッスル勲章くんしょうを授与じゅよされた。

1712年ねん4月がつ、フランドル地方ちほうへ派遣はけんされ、1714年ねん4月がつ9日にちに黒くろ竜騎兵りゅうきへい連隊れんたいの隊長たいちょうに任命にんめいされた。

外交がいこう官かんとして

1714年ねん8月がつにジョージ1世せいが即位そくいすると、ステア伯はくはイギリス大使たいしとしてヴェルサイユのフランス宮廷きゅうていに派遣はけんされた。しかし、同年どうねん11月がつ20日はつかにスコットランド軍ぐん最高さいこう司令しれい官かんに任命にんめいされたため、一時いちじは呼よび戻もどされていた。

サン＝シモン公おおやけによると、ステア伯はくはすぐに若わかいルイ15世せいの摂政せっしょうオルレアン公こうフィリップ2世せいと友好ゆうこう的てきな関係かんけいを築きずき、1717年ねんの三さん国こく同盟どうめいに繋つなげた。パリにいる間あいだ、ステア伯はくが放はなったスパイはジャコバイトによるさまざまな陰謀いんぼうの妨害ぼうがいに成功せいこうした。ステア伯はくは1720年ねん6月がつにイギリス大使たいしを辞任じにんした。

1729年ねん、スコットランドのヴァイス・アドミラルになったが、1733年ねん5月がつ5日にちにその地位ちいを失うしなった。これは首相しゅしょうのロバート・ウォルポールが提出ていしゅつした 1733年ねん物品ぶっぴん税法ぜいほうに反対はんたいしたことによる。1735年ねん10月がつ27日にちには年功序列ねんこうじょれつで大将たいしょうに昇進しょうしんした一方いっぽう、1730年代ねんだいにはケネディ城しろで庭園ていえんを築造ちくぞうした。

オーストリア継承けいしょう戦争せんそう

オーストリア継承けいしょう戦争せんそう中なかのデッティンゲンの戦たたかいにおいて、ステア伯はくは同盟どうめい軍ぐんを勝利しょうりに導みちびいた。

カークリストンにある、第だい2代だいステア伯はくの記念きねん碑ひ

ウォルポールが首相しゅしょうを辞任じにんした後のちの1742年ねん3月がつ20日はつか、ステア伯はくは陸軍りくぐん元帥げんすいに昇進しょうしんした。1742年ねん4月がつ17日にち、彼かれはミノルカ総督そうとくに任命にんめいされ、20日はつかには国事こくじ軍ぐんの指揮しき官かんとして、ハノーファー軍ぐんとオーストリア軍ぐんとともに戦たたかうために派遣はけんされた。その目的もくてきは国事こくじ詔書しょうしょを支持しじし、マリア・テレジアをオーストリア女おんな大公たいこうにつかせることにあった。1743年ねん2月がつ28日にち、南みなみイギリス軍ぐん最高さいこう司令しれい官かんに任命にんめいされ、4月がつ30日にちに黒くろ竜騎兵りゅうきへい連隊れんたいの隊長たいちょうに再ふたたび任命にんめいされ、6月がつにはデッティンゲンの戦たたかいで同盟どうめい軍ぐんを勝利しょうりに導みちびいた。9月、老齢ろうれいを理由りゆうにフランドル軍ぐんの指揮しきから退しりぞき、1744年ねんには軍ぐん最高さいこう司令しれい官かんも退しりぞいてジョージ・ウェイドに譲ゆずった。

1745年ねん6月がつ4日にちにスコッツ第だい2竜騎兵りゅうきへい連隊れんたいの隊長たいちょうに、1746年ねん6月がつ14日にちに海兵かいへい隊たいの将軍しょうぐんに任命にんめいされた。彼かれが最もっとも好このんだ居住きょじゅう地ちはリンリスゴーシャーのカークリストン近ちかくにあるニューリストンであり、彼かれはそこでフランス風ふうの庭園ていえんを築造ちくぞうした。

1747年ねん5月がつ9日にち、エディンバラのクイーンズベリー・ハウスで亡なくなり、カークリストンにある家族かぞく納骨のうこつ所しょに埋蔵まいぞうされた。

家族かぞく

1708年ねん3月がつ、第だい2代だいラウドン伯爵はくしゃくジェームズ・キャンベルの娘むすめエレノア・プリムローズ・キャンベルと結婚けっこんしたが、2人ふたりの間あいだに子供こどもはなかった。ステア伯はくは爵位しゃくいを甥おいのジョン・ダルリンプルに継承けいしょうさせたかったが、貴族きぞく院いんは1748年ねん5月がつ4日にちに（第だい2代だい）ステア伯はくの継承けいしょう者しゃを指名しめいする権利けんりがすでに消滅しょうめつしていたことを決議けつぎし、伯爵はくしゃく位いは法律ほうりつ上じょうの推定すいてい相続そうぞく人じんであるジェームズ・ダルリンプルに継承けいしょうされた。（第だい2代だいの甥おいのほうの）ジョン・ダルリンプルはこのときは継承けいしょうできなかったが、第だい4代だいステア伯はくの死亡しぼう時じに存命ぞんめいの息子むすこがいなかったため、結局けっきょく1768年ねんに第だい5代だいステア伯はくになった。

サー・ウォルター・スコットの短編たんぺん小説しょうせつ《マーガレット伯母おばさんの鏡かがみ》（My Aunt Margaret's Mirror）は第だい2代だいステア伯はくがエレノア・プリムローズ・キャンベルに求婚きゅうこんしようとするときの実話じつわに基もとづくとされている。

参考さんこう文献ぶんけん

• Heathcote, Tony (1999). The British Field Marshals 1736-1997. Pen & Sword Books Ltd. ISBN 0-85052-696-5 
• Memoirs of the Duc de Saint-Simon on the Times of Louis XIV and the Regency. Translated and abridged by Katharine Prescott Wormeley. Boston: Hardy, Pratt. (1902). https://archive.org/stream/memoirsofducdesa04sainuoft/memoirsofducdesa04sainuoft_djvu.txt 
• Graham, John (1875). Annals and correspondence of the viscount and the first and second earls of Stair. W. Blackwood and Sons 

外部がいぶリンク

• ジョン・ダルリンプル - ナショナル・ポートレート・ギャラリー （英語えいご）
• ジョン・ダルリンプルの著作ちょさく - インターネットアーカイブ内うちのOpen Library（英語えいご）
• "ジョン・ダルリンプルの関連かんれん資料しりょう一覧いちらん" (英語えいご). イギリス国立こくりつ公文書こうぶんしょ館かん.

外交がいこう職しょく
先代せんだい マシュー・プライアー	在ざいフランスグレートブリテン王国おうこく大使たいし 1714年ねん - 1720年ねん	次代じだい サー・ロバート・サットン
軍ぐん職しょく
先代せんだい 初代しょだいポートモア伯爵はくしゃく	ダルリンプル子爵ししゃく歩兵ほへい連隊れんたい長なが 1703年ねん - 1706年ねん	次代じだい ウィリアム・ボースウィック
先代せんだい ウィリアム・ボースウィック	アンガス伯爵はくしゃく連隊れんたい長なが 1706年ねん	次代じだい ジョージ・プレストン
先代せんだい ジョン・ヘイ卿きょう	スコッツ第だい4竜騎兵りゅうきへい連隊れんたい長なが 1706年ねん - 1714年ねん	次代じだい 初代しょだいポートモア伯爵はくしゃく
先代せんだい ロバート・エックリン	黒くろ竜騎兵りゅうきへい連隊れんたい長なが 1715年ねん - 1734年ねん	次代じだい 第だい2代だいカドガン男爵だんしゃく
先代せんだい 第だい3代だいクイーンズベリー公爵こうしゃく	スコットランドのヴァイス・アドミラル 1729年ねん - 1733年ねん	次代じだい 第だい13代だいモートン伯爵はくしゃく
先代せんだい ハートフォード伯爵はくしゃく	ミノルカ総督そうとく 1742年ねん - 1747年ねん	次代じだい 第だい2代だいティローリー男爵だんしゃく
先代せんだい 第だい2代だいカドガン男爵だんしゃく	黒くろ竜騎兵りゅうきへい連隊れんたい長なが 1743年ねん - 1745年ねん	次代じだい 第だい10代ロセス伯爵はくしゃく
先代せんだい サー・ジェームズ・キャンベル	スコッツ第だい4竜騎兵りゅうきへい連隊れんたい長なが 1745年ねん - 1747年ねん	次代じだい 第だい20代だいクロフォード伯爵はくしゃく
空位くうい 最後さいごの在位ざいい者しゃ 第だい2代だいオーモンド公爵こうしゃく	イギリス軍ぐん最高さいこう司令しれい官かん 1744年ねん	次代じだい ジョージ・ウェイド
スコットランドの爵位しゃくい
先代せんだい ジョン・ダルリンプル	ステア伯爵はくしゃく 1707年ねん - 1747年ねん	次代じだい ジェームズ・ダルリンプル