ジル・ブラス

テオフィル・スタンランによる表紙ひょうし絵え

ジル・ブラス(Gil Blas または Le Gil Blas）は19世紀せいき末まつから20世紀せいきはじめにパリで発行はっこうされた定期ていき文芸ぶんげい誌しである。1879年ねん11月に、ジャーナリストで事業じぎょう家かのオーギュスト・デュモン（1816-1885）が創刊そうかんした。誌し名めいはアラン＝ルネ・ルサージュの小説しょうせつ、 「ジル・ブラース物語ものがたり」（Histoire de Gil Blas de Santillane）からとられている。

概要がいよう

有名ゆうめいないくつかの小説しょうせつは、書籍しょせきとして出版しゅっぱんされる前まえに、ジル・ブラスに連載れんさいされた。例たとえば、エミール・ゾラの『ジェルミナール』や『制作せいさく』（"L'Œuvre"）などがそうであった。モーパッサンの短編たんぺん小説しょうせつも定期ていき的てきに掲載けいさいされた。独特どくとくな挿絵さしえや劇評げきひょうでも知しられていた。作品さくひんを掲載けいさいした人物じんぶつには演劇えんげき評論ひょうろん家かのルネ・ブルム、詩人しじんのAlexandru Bogdan-Pitești、作家さっかのアベル・エルマンがいて、挿絵さしえなどはテオフィル・スタンランやアルベール・ギョームが描えがいた。

1914年ねんまで定期ていき的てきに発行はっこうされ、第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせんの開始かいしで休刊きゅうかんになった後のち、1938年ねんまで継続けいぞく的てきに発刊はっかんされた。

ジル・ブラスにまつわる逸話いつわ

美術びじゅつの分野ぶんやの「フォービズム」（野獣やじゅう派は）の名称めいしょうは、1905年ねんのパリのサロン・ドートンヌのアンリ・マティスらの作品さくひんをジル・ブラスの評論ひょうろん家か、ルイ・ヴォークセルが「あたかも野獣やじゅう（フォーヴ、fauves）の檻おりの中なかにいるようだ」と評ひょうしたことに由来ゆらいする。このコメントは1905年ねん10月がつ17日にちのジル・ブラスの記事きじとなり、一般いっぱんに使つかわれるようになった。

1887年ねんに劇げき作家さっか、ヴィクトリアン・サルドゥーのオペラ、オペラ "La Tosca" の通とおし稽古けいこを見みた記者きしゃが、初演しょえんの朝あさにそのプロットを掲載けいさいし、サルドゥーから損害そんがい賠償ばいしょうの訴訟そしょうがおこされた 。

1888年ねんに掲載けいさいされた小説しょうせつが「公共こうきょうの道徳どうとくに反はんしている」として作家さっかのカミーユ・ルモニエは起訴きそされ罰金ばっきん刑けいを受うけた。

掲載けいさいされた主おもな小説しょうせつ

• エミール・ゾラ - 「金きむ（かね）」（"L'Argent" :1891年ねん）、「ボヌール・デ・ダム百貨店ひゃっかてん」("Au Bonheur des Dames":1883年ねん）、「生いきる歓よろこび」（"La Joie de Vivre":1884年ねん）、「大地だいち」（"La Terre" :1887年ねん）
• ギ・ド・モーパッサン - 「オルラ」（"Le Horla"） 「軽かるはずみ」（"Imprudence"）、「ベロムとっさんのけだもの（La bête à maît' Belhomme）、L'Inconnue、
• モーリス・ルブラン -「ある女おんな」（"Une femme" :1893年ねん）

画像がぞう

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  （挿絵さしえ）T.スタンラン(1897)
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  （挿絵さしえ）アンリ・ジェルボー(1896）
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  （挿絵さしえ）T.スタンラン(1897)
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  （挿絵さしえ）J.-A. グリューン(1900)
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  (1903)