スマホATM

スマホATM（スマホエーティーエム）は、ATMにおいて、キャッシュカードに代かわりスマートフォンを用もちいて取引とりひきを行おこなうもの。2017年ねんにauじぶん銀行ぎんこう（当時とうじじぶん銀行ぎんこう）がセブン銀行ぎんこうATMにて初はじめて採用さいようし、以降いこう、広ひろがりを見みせている。

導入どうにゅう経緯けいい

国内こくないでは2000年代ねんだいに、ICキャッシュカード内うちのICチップへ生体せいたい情報じょうほう（主おもに静脈じょうみゃく情報じょうほう）を書かき込こむ形かたちの生体せいたい認証にんしょうATMが登場とうじょうした。しかし、2020年代ねんだい以降いこう、それを廃止はいしし、スマホATMへ変更へんこうする動うごきがある。ゆうちょ銀行ぎんこうは、2023年ねん5月がつ14日にちを以もって指ゆび静脈じょうみゃく認証にんしょうを取とり止やめ、翌よく5月がつ15日にちからスマホATMサービスを開始かいしした。

静脈じょうみゃく認証にんしょう方式ほうしきを取とり止やめることについて、ゆうちょ銀行ぎんこうは「顧客こきゃくの利用りよう状じょう況きょうなどを踏ふまえて判断はんだんした」と説明せつめいしている。同おなじく2023年ねん5月がつ13日にちに手てのひら静脈じょうみゃく認証にんしょう方式ほうしきのATMサービスを終了しゅうりょうした三菱みつびしUFJ銀行ぎんこうは、ピーク時じの2007年ねんに比くらべて利用りよう者しゃが3分ぶんの1程度ていどに減少げんしょうしていること、キャッシュカード偽造ぎぞう防止ぼうし技術ぎじゅつの高度こうど化かで手てのひら静脈じょうみゃく認証にんしょうの必要ひつよう性せいが薄うすれたこと、ATMへ専用せんよう装置そうちを取とり付つけることへの費用ひよう負担ふたんを挙あげている。

静脈じょうみゃく認証にんしょう方式ほうしきは、金融きんゆう機関きかんによって指ゆびもしくは手てのひらのどちらかを利用りようする形式けいしきが採とられ、両者りょうしゃに互換ごかん性せいがなかったためコンビニATMへの導入どうにゅうは静脈じょうみゃく認証にんしょうを導入どうにゅうしている一部いちぶ金融きんゆう機関きかんが設置せっちしているものに留とどまっていた。さらにキャッシュカード本体ほんたい（ICチップ内ない）に静脈じょうみゃく情報じょうほうが登録とうろくされるため、カードが発行はっこう・更新こうしんされるとその都度つど登録とうろくのために店舗てんぽへ来店らいてんする必要ひつようがあるなど、利用りよう者しゃにとっても利便りべん性せいに欠かける点てんがあった。

詳細しょうさいは「生体せいたい認証にんしょう#日本にっぽんの銀行ぎんこうATMの動向どうこう」を参照さんしょう

これに対たいしスマホATMは顧客こきゃく・銀行ぎんこう双方そうほうに下記かきの利点りてんがある。

• 顧客こきゃく - 自身じしんのスマートフォンのみで登録とうろくが済すみ、来店らいてん不要ふようである
• 銀行ぎんこう - アプリの開発かいはつ負担ふたんはあるものの、店頭てんとうやATMへの生体せいたい情報じょうほう登録とうろく／読取よみと装置そうちの設置せっちが不要ふよう

また背景はいけいとして、iOSのTouchID／FaceID、Androidの生体せいたい認証にんしょうシステムといった、標準ひょうじゅん的てきな生体せいたい認証にんしょう機能きのうを持もつスマートフォンが利用りよう者しゃの間あいだに普及ふきゅうしたことが挙あげられる。

2017年ねんより、消費しょうひ者しゃ金融きんゆう系けいカードローンの借かり入いれ・返済へんさいにおいても、スマホATMが利用りよう可能かのうとなった。

操作そうさ内容ないよう

スマホATMは、キャッシュカードを使つかわずにATMでの入にゅう出金しゅっきんが可能かのう。操作そうさ方法ほうほうは概おおむね以下いかのとおり。

• 前提ぜんてい

1. 自身じしんが口座こうざを持もつ金融きんゆう機関きかんのアプリを、スマートフォンにインストール
2. アプリを用もちいて本人ほんにん認証にんしょうを行おこなう。インストールしたスマートフォンが口座こうざ名義めいぎ人じん自身じしんのものであることを証明しょうめいするため

• 取引とりひき

1. ATMにて「スマートフォンでの取引とりひき」等とうを選択せんたく
2. スマートフォンで銀行ぎんこうアプリを立たち上あげ、取引とりひき内容ないよう（入金にゅうきんor出金しゅっきん）を選択せんたくし、金額きんがくを入力にゅうりょく
3. ATM画面がめんに表示ひょうじされるQRコードをアプリで読よみ取とる
4. コンビニATMの場合ばあいは、企業きぎょう番号ばんごうをATMへ入力にゅうりょく
5. 暗証あんしょう番号ばんごうをATMへ入力にゅうりょく
6. 入金にゅうきんまたは出金しゅっきんを実施じっし

イオン銀行ぎんこうは、QRコードの代かわりにNFC機能きのうを用もちいる

特徴とくちょう

スマホATMは、従来じゅうらいのキャッシュカードを用もちいた方法ほうほうと比較ひかくし、以下いかのメリット・デメリットが存在そんざいする。

メリット

• キャッシュカードの持もち歩あるきが不要ふよう
• アプリ起動きどう時じにスマートフォンの生体せいたい認証にんしょうを伴ともなうため、盗難とうなん時じに不正ふせい利用りようされる危険きけん性せいが低ひくい
• 認証にんしょう要素ようそとして「記憶きおく情報じょうほう（知識ちしき情報じょうほう）」「所持しょじ情報じょうほう」「生体せいたい情報じょうほう」の3要素ようそを用もちいており、キャッシュカード（記憶きおく情報じょうほうと所持しょじ情報じょうほうの2要素ようそ）よりも頑健がんけん性せいが高たかい

「多た要素ようそ認証にんしょう」も参照さんしょう

デメリット

• 本人ほんにん認証にんしょう等とうの初期しょき登録とうろく操作そうさが必要ひつよう
• キャッシュカード取引とりひきより操作そうさが煩雑はんざつである
• 入金にゅうきんと出金しゅっきんのみの対応たいおうである。振込ふりこみ等ひとしの取引とりひきには対応たいおうしていない
• 対応たいおうがコンビニATMのみで、自じ行くだりのATMはスマホATMに対応たいおうしていない場合ばあいがある（後述こうじゅつ）

導入どうにゅう金融きんゆう機関きかん

スマホATMの導入どうにゅう金融きんゆう機関きかん等とうは、以下いかのとおり。

ネット銀行ぎんこう

• auじぶん銀行ぎんこう - 日本にっぽん初はつ対応たいおう。2017年ねん3月がつ27日にち開始かいし、セブン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。2020年ねん8月がつ24日にち、ローソン銀行ぎんこうATMにも対応たいおう。ローソン銀行ぎんこうとして初はじめてのスマホATMサービス。
• 住じゅう信しんSBIネット銀行ぎんこう - 2020年ねん10月がつ29日にち開始かいし、セブン銀行ぎんこうATMとローソン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。
• PayPay銀行ぎんこう - 2021年ねん4月がつ5日にち開始かいし、セブン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。2021年ねん11月29日にち、ローソン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。
• みんなの銀行ぎんこう - 2021年ねん5月がつ28日にち開始かいし、セブン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。
• UI銀行ぎんこう - 2022年ねん10月がつ17日にち開始かいし、セブン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。
• GMOあおぞらネット銀行ぎんこう - 2023年ねん5月がつ15日にち開始かいし、セブン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。

地方銀行ちほうぎんこう等とう

• 西日本にしにほんシティ銀行ぎんこう - 2022年ねん2月がつ7日にち開始かいし、セブン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。
• きらぼし銀行ぎんこう - 2022年ねん5月がつ16日にち開始かいし、セブン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。
• 島根銀行しまねぎんこう(スマートフォン支店してんのみ) - 2022年ねん9月がつ26日にち開始かいし、セブン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。2022年ねん11月21日にち、ローソン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。
• 四国銀行しこくぎんこう - 2022年ねん10月がつ17日にち開始かいし、セブン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。
• 福井銀行ふくいぎんこう - 2023年ねん7月がつ24日にち開始かいし、セブン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。
• 南都銀行なんとぎんこう - 2024年ねん4月がつ1日にち開始かいし、セブン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。
• トマト銀行とまとぎんこう - 2024年ねん4月がつ2日にち開始かいし、セブン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。ウォレット機能きのう「WalleToma（ウォレトマ）」へチャージした残高ざんだかをスマホATMで出金しゅっきんする形式けいしき。

以上いじょうの銀行ぎんこうは自じ行くだりのATMはスマホATM非ひ対応たいおう。

• （予定よてい）ふくおかフィナンシャルグループ（福岡銀行ふくおかぎんこう・熊本くまもと銀行ぎんこう・十じゅう八はち親和銀行しんわぎんこう） - 2025年ねん1月がつ開始かいし、セブン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。2025年ねん3月がつ、福岡銀行ふくおかぎんこうATMに対応たいおう。2025年ねん4月がつ、熊本くまもと銀行ぎんこう・十じゅう八はち親和銀行しんわぎんこうATMに対応たいおう。自じ行くだりATMへの対応たいおうは初はじめて。

北越銀行ほくえつぎんこうは、2018年ねん2月がつ1日にちに地方銀行ちほうぎんこうとして初はじめてスマホATM（セブン銀行ぎんこう）の対応たいおうを開始かいししたが、第だい四よん北越銀行ほくえつぎんこうに合併がっぺい改称かいしょう後ご、2020年ねん12月30日にちを以もって取とり扱あつかいを終了しゅうりょうした。

北越銀行ほくえつぎんこう、西日本にしにほんシティ銀行ぎんこう、きらぼし銀行ぎんこう、四国銀行しこくぎんこう、福井銀行ふくいぎんこうの各かくアプリは、NTTデータの金融きんゆう機関きかん向むけバンキングアプリ「My Pallete」をベースとしている。

島根銀行しまねぎんこうのアプリは、SBIグループのSBIネオファイナンシャルサービシーズが提供ていきょうしている。南都銀行なんとぎんこうのアプリはSBIネオファイナンシャルサービシーズと日本にっぽんIBM、およびSBIグループと日本にっぽんIBMが共同きょうどう出資しゅっししたSBI FinTech Incubationが開発かいはつした。

トマト銀行とまとぎんこうのウォレット機能きのう「WalleToma（ウォレトマ）」は、アプラスが提供ていきょうする「BANKIT」をベースとしている。

その他た銀行ぎんこう

• イオン銀行ぎんこう - 2018年ねん9月がつ20日はつか開始かいし。自じ行くだりATMのみ対応たいおう。国内こくない初はつのNFC機能きのうを用もちいた方式ほうしき。対応たいおうOSはAndroidのみ。イオン銀行ぎんこうATM全すべてが対応たいおうしているわけではなく、公式こうしきホームページなどで対応たいおう可否かひの確認かくにん要よう。2023年ねん2月がつ15日にちからフィッシング詐欺さぎ対策たいさくのため新規しんき登録とうろく及および機種きしゅ変更へんこう登録とうろくが停止ていしされている。
• セブン銀行ぎんこう - 2020年ねん4月がつ20日はつか開始かいし。
• ブラジル銀行ぎんこう在日ざいにち支店してん - 2022年ねん8月がつ22日にち開始かいし、セブン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。
• ゆうちょ銀行ぎんこう - 2023年ねん5月がつ14日にち開始かいし。自じ行くだりATMのみ対応たいおう。セブン銀行ぎんこう、ローソン銀行ぎんこうの両りょうATMには非ひ対応たいおう。ファミリーマート及およびデイリーヤマザキ内うちのゆうちょ銀行ぎんこうATMは対応たいおう。

ローソン銀行ぎんこうは、自じ行くだり口座こうざからはスマホATMを使用しようできない。

消費しょうひ者しゃ金融きんゆう系けいカードローン

• 三井みつい住友すみともカード（SMBCモビット） - 2017年ねん5月がつ15日にち開始かいし、セブン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。2022年ねん3月がつ28日にち、ローソン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。
• SMBCコンシューマーファイナンス（プロミス） - 2017年ねん9月がつ26日にち開始かいし、セブン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。2020年ねん8月がつ24日にち、ローソン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。
• 新生しんせいフィナンシャル（レイク） - 2018年ねん5月がつ10日とおか開始かいし、セブン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。
• アイフル - 2018年ねん5⽉21⽇開始かいし、セブン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。2020年ねん9月がつ14日にち、ローソン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。
• オリックス・クレジット - 2022年ねん3月がつ22日にち開始かいし、セブン銀行ぎんこうATMに対応たいおう。

関連かんれん項目こうもく

• コンビニATM
• 生体せいたい認証にんしょう
• 多た要素ようそ認証にんしょう

外部がいぶリンク

• セブン銀行ぎんこう - スマホATM
• ローソン銀行ぎんこう - スマホATM(QR入にゅう出金しゅっきん)
• ゆうちょ銀行ぎんこう - ゆうちょ通帳つうちょうアプリ ＞ ATM⼊出⾦