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スリーピー・ジョン・エスティス

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
スリーピー・ジョン・エスティス
出生しゅっしょう名めい John Adam Estes
生誕せいたん 1899年ねん1月がつ25日にち
米国べいこくテネシー州しゅうリプリー
死没しぼつ (1977-06-05) 1977年ねん6月5日にち（78歳さい没ぼつ）
米国べいこくテネシー州しゅうブラウンズヴィル
ジャンル ブルース
職業しょくぎょう シンガー、ギタリスト
担当たんとう楽器がっき ギター
活動かつどう期間きかん 1929年ねん - 1941年ねん
1962年ねん - 1977年ねん
レーベル ビクター・レコード、デッカ・レコード、ブルーバード・レコード、デルマーク・レコード、テスタメント・レコード、ヤズー・レコード
共同きょうどう作業さぎょう者しゃ ヤンク・レイチェル、ハミー・ニクソン、憂歌団ゆうかだん

スリーピー・ジョン・エスティス (Sleepy John Estes 1899年ねん1月がつ25日にち - 1977年ねん6月5日にち) は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくテネシー州しゅう出身しゅっしんのカントリー・ブルースのシンガー、ギタリストである。枯かれたヴォーカル・スタイルが特徴とくちょう。また、多おおくのレコーディングに参加さんかしたヤンク・レイチェルのマンドリン、ハミー・ニクソンのハーモニカの音色ねいろも、エスティスのサウンド形成けいせいに貢献こうけんした。

来歴らいれき[編集へんしゅう]

エスティスの本名ほんみょうはジョン・アダム・エスティスといい、テネシー州しゅうリプリーの小作こさく人じんの家庭かていに16人にん兄弟きょうだいの一人ひとりとして生うまれた。生年せいねんには1899年ねん説せつの他ほか、1904年ねん説せつもあり[1]、正確せいかくなところは不明ふめいである。幼少ようしょう期きより畑はたけ仕事しごとをしてすごした。

6歳さいのころ、野球やきゅうをしていた際さいに友人ゆうじんの投なげた石いしが目めに当あたるという事故じこに見舞みまわれ、右目みぎめを失明しつめい[2]。もう一方いっぽうの目めにも障害しょうがいが残のこる[1][3]。

やがて幼おさないエスティスは音楽おんがくに興味きょうみを持もつようになり、父親ちちおやよりギターを習ならう。自分じぶんで空あき缶かんなどからギターを自作じさくし、人前ひとまえで演奏えんそうするようになっていった[1][3]。15歳さいのとき、家族かぞくとともにブラウンズヴィルに移住いじゅうした。

初はつレコーディングは、1929年ねん、メンフィスで行おこなわれたビクターのセッションだった。このセッションには、既すでに後ごの盟友めいゆうヤンク・レイチェルが参加さんかしている。エスティスは、翌よく1930年ねんにかけて、数すう回かいに渡わたるレコーディング・セッションを経験けいけんし、"Diving Duck Blues" などの作品さくひんを生うむが、その後ご暫しばらくレコーディングの機会きかいには恵めぐまれなかった。

しかし1934年ねんエスティスはシカゴへ移住いじゅう。翌年よくねんハミー・ニクソンとともにデッカ・レコードのセッションに臨のぞんだ。これ以降いこう、頻繁ひんぱんにレコーディングをするようになり、徐々じょじょに人気にんきも得えるようになった。1937年ねんと1938年ねんには、ニューヨークでのレコーディングも経験けいけんしている。

その後ごも活動かつどうは続つづくが、アフロアメリカン社会しゃかいでのカントリー・ブルースの流行りゅうこうが下火したびになったのを受うけ、1941年ねんのブラウンズヴィルでのセッションを最後さいごに、彼かれは音楽おんがく活動かつどうから身みを引ひいた。故郷こきょうブラウンズヴィルで再ふたたび小作こさく人じんとしての生活せいかつに戻もどったとされている[3]。

1948年ねんにオラネル、1952年ねんにはサン・レコードで単発たんぱつ的てきなレコーディングをしたものの、活動かつどうの再開さいかいにはつながらなかった。

1962年ねん、エスティスはカントリー・ブルースの人気にんきが再燃さいねんする中なかで研究けんきゅう者しゃたちによって"再さい発見はっけん"され、再ふたたび演奏えんそう活動かつどうをするようになった。この頃ころには、彼かれは以前いぜんは見みえていた左目ひだりめの視力しりょくも失うしない「全盲ぜんもう」となっていた。彼かれはニューポート・フォーク・フェスティバルなどに出演しゅつえんし、デルマーク・レコードから新作しんさくアルバムも発表はっぴょうした。1964年ねんのBroke and Hungryには、デビュー前まえのマイク・ブルームフィールドが参加さんかしている。1964年ねんと1968年ねんには、ヨーロッパ・ツアーも行おこなった。

1970年代ねんだいに入はいってもエスティスの活動かつどうは続つづいた。1972年ねんには、ライ・クーダーのアルバムBoomer's Storyに収録しゅうろくされた自身じしんの曲きょく"President Kennedy"のカヴァーにおいて、ボーカルとギターを担当たんとうした[4]。

日本にっぽんでもブルース・ブームが起おこり、1973年ねんには彼かれのデルマーク盤ばんThe Legend of Sleepy John Estes（邦題ほうだい「スリーピー・ジョン・エスティスの伝説でんせつ」）がオリコン・アルバム・チャートに食くい込こむヒットを記録きろくした[5]。

エスティスの墓標ぼひょう (2008)

この人気にんきを受うけ、1974年ねんには「第だい1回かいブルース・フェスティバル」出演しゅつえんのため、ハミー・ニクソンとともに初はつ来日らいにち。カントリー・ブルースマンの来日らいにち公演こうえんは、このときの彼かれが初はじめてであった。二人ふたりは1976年ねん12月にも再度さいど来日らいにちを果はたし、「BLUES is A-LIVE JAPAN TOUR 1976」と銘打めいうったツアーで憂歌団ゆうかだんと日本にっぽん各地かくちで共演きょうえんした[6]。このときの音源おんげんはライブLPBLUES is A-LIVEとしてリリースされ、のちにビデオ化かもされている。

エスティスは来日らいにち公演こうえんの僅わずか半年はんとし後ごの1977年ねん6月5日にち、脳のう梗塞こうそくにより死去しきょ[7]。テネシー州しゅうダーラムヴィルのエラム・バプティスト教会きょうかいに埋葬まいそうされた[8]。

ニックネームの由来ゆらい[編集へんしゅう]

エスティスのニックネームの"スリーピー（眠ねむそうな人ひと）"の由来ゆらいには複数ふくすうの説せつがあるが、最もっとも有力ゆうりょくと思おもわれるのは、彼かれが日にち中ちゅうであってもところ構かまわずうとうとしてしまう習性しゅうせいがあったからとするものである[1][9]。その原因げんいんとしては、彼かれがいわゆる「居眠いねむり病びょう」と言いわれるナルコレプシーを患わずらっていたか血圧けつあつ障害しょうがいがあったから[3]、あるいはてんかんを持もっていたとする説せつがある[10]。演奏えんそうしているとき以外いがいは寝ねてばかりいたとする資料しりょうもある[11]。

この他ほか、エスティスが幼少ようしょう期きに目めを負傷ふしょうしたことにより、表情ひょうじょうが眠ねむっているように見みえたとする説せつもある[1]。

ディスコグラフィ[編集へんしゅう]

オリジナル・アルバム[編集へんしゅう]

編集へんしゅう盤ばんなど[編集へんしゅう]

映像えいぞう作品さくひん[編集へんしゅう]

  • 2005年ねん SHOWBOAT CARNIVAL 1976日にち比ひ谷野やの音おん＋BLUES is A-LIVE JAPAN TOUR 1976 (Dead Flowers)

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e Musician Biography - Sleepy John Estes Biography
  2. ^ Sleepy John Estes at All About Jazz Archived 2009年ねん1月がつ18日にち, at the Wayback Machine.
  3. ^ a b c d The Blindman: John Adam "Sleepy John" Estes
  4. ^ Ry Cooder - Boomer's Story (Vinyl, LP, Album) at Discogs
  5. ^ オリコン：スリーピー・ジョン・エスティスのプロフ
  6. ^ スリーピー・ジョン・エスティス、ハミー・ニクソン with 憂歌団ゆうかだん: BLUES is A-LIVEライナーノーツ
  7. ^ On This Date (June 5, 1977) Sleepy John Estes - The Music's Over
  8. ^ 'Sleepy' John Adams Estes (1899 - 1977) - Find A Grave Memorial
  9. ^ Delmark Records biography
  10. ^ Albums by Sleepy John Estes - Rate Your Music
  11. ^ SLEEPY JOHN ESTES by Georges Adins (From Jazz Journal, August 1963 p. 8-11)

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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