スルホニウム

スルホニウムイオンの一般いっぱん式しき

スルホニウム (英えい: sulfonium) とは、陽ひイオン H₃S⁺ のこと。または硫黄いおう化合かごう物ぶつのうち一般いっぱん構造こうぞう式しきが R¹(R²)(R³)S⁺ と表あらわされる化合かごう物ぶつ群ぐんのこと（R¹, R², R³ は水素すいそまたは有機ゆうき基もと）。

命名めいめい

• スルホニウム H₃S⁺ の置換ちかん体たいとして命名めいめいする。
  • 例れい：(H₃C)₃S⁺：トリメチルスルホニウム
• 置換ちかん基もと名めい「スルホニオ」${\ce {(R^1(R^2)S+-)}}$ を用もちいる。
  • 例れい：(H₃C)₂S⁺CH₂CH₂COO⁻：ジメチルスルホニオプロピオナート
• 代置だいち接頭せっとう辞じ「スルホニア」を用もちいる。

スルホニオ基もと

${\ce {R^1(R^2)S+}}$- と表あらわされる1価かの置換ちかん基もとをスルホニオ基もと (sulfonio group) と呼よぶ。

合成ごうせい

スルフィドにハロゲン化かアルキルを作用さようさせるとスルホニウムが得えられる。

${\ce {{R^{1}-S-R^{2}}+R^{3}-I->R^{1}(R^{2})(R^{3})S+\cdot I-}}$

反応はんのう

スルホニウム化合かごう物ぶつは、スルフィドを脱だつ離はなれ基もととした求もとめ核かく置換ちかん反応はんのうを受うける。

${\ce {R2S+CH3 + Nu- -> R2S + H3C-Nu}}$

スルホニウム中心ちゅうしんに隣接りんせつした炭素たんそ上じょうに水素すいそがある場合ばあい、十分じゅうぶんに強つよい塩基えんきを作用さようさせると硫黄いおうイリド（スルホニウムイリド）に変かわる。

${\ce {{R_{2}^{1}S+CH2R^{2}}+(Base)^{-}->{R_{2}^{1}S+C^{-}HR^{2}}+(Base)\cdot H}}$

このスルホニウムイリドはリンイリドと異ことなり、カルボニル基もとと反応はんのうするとエポキシドを生成せいせいさせる（コーリー・チャイコフスキー反応はんのう）。

関連かんれん項目こうもく

• オキソニウムイオン