(Translated by https://www.hiragana.jp/)
タッグマッチ - Wikipedia コンテンツにスキップ

タッグマッチ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
タッグマッチ

タッグマッチTag Match)は、プロレス試合しあい形式けいしき一種いっしゅである。タッグチーム・マッチTag Team Match)が正式せいしき名称めいしょう。2くみタッグチームばれるプロレスラーのチームによってプロレスの試合しあいおこな勝利しょうりチームを決定けっていする試合しあい形式けいしきである。なお、UWFインターナショナルでは、この形式けいしきダブルバウトしょうしていた。

現在げんざい日本にっぽん国内こくないではタッグマッチの呼称こしょう一般いっぱんてきもちいられることがおおくなっており、ぞくタッグことおおい。プロレス以外いがいでも、2人組にんぐみのことや、2人組にんぐみあるいは2組織そしき協力きょうりょくすることを「タッグ」「タッグをむ」など比喩ひゆてき用法ようほうとしてもちいられる。

概要がいよう[編集へんしゅう]

タッグtag)は、本来ほんらいおにごっこのことで、動詞どうしとしては、おに相手あいてれることを意味いみする。これからてんじ、タッグマッチにおいて交代こうたいのためにタッチすることから、タッグマッチとようになった。

タッグマッチにたいし、単独たんどくプロレスラー同士どうしによる試合しあいは「シングルマッチ」とばれる。

プロレス以外いがい格闘技かくとうぎでもキックボクシングZSTなどでタッグマッチがまれているケースがある。

人数にんずう[編集へんしゅう]

通常つうじょうは2人組にんぐみのチーム同士どうしによって試合しあいおこなわれる。3人組にんぐみや4人組にんぐみ、あるいはそれ以上いじょうなどの人数にんずうのチームによって試合しあいおこなわれる場合ばあいもあり、参加さんかするプロレスラーのそう人数にんずうにより、それぞれ6にんタッグマッチ(3vs3)、8にんタッグマッチ(4vs4)などとばれる。

3にんのタッグチーム3くみによって試合しあいおこな場合ばあいもあり、この場合ばあい参加さんかするそう人数にんずうは9にんであるが、「3ウェイ6にんタッグマッチ」(DRAGON GATE)とばれることがある。

タッグチーム[編集へんしゅう]

タッグマッチをおこなうための2人ふたりもしくはそれ以上いじょうのプロレスラーによるチームをタッグチームぶ。2たい2の形式けいしきたんにタッグマッチとぶことがおおいことから、たんにタッグチームといった場合ばあい2人ふたりぐみすことがおおい。また、2人ふたりぐみをコンビ、3人組にんぐみをトリオのように呼称こしょうする場合ばあいもある。

歴史れきし[編集へんしゅう]

世界せかいはじめてタッグマッチがおこなわれたのは1901ねんのことである。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくサンフランシスコのプロモーターが考案こうあんし、同時どうじにタッグマッチの試合しあいながれを考慮こうりょした18フィート(5.48m)四方しほう正方形せいほうけいリング採用さいようされ、現在げんざいのプロレスで使用しようされるリングのルーツとなった[1]

1930年代ねんだいまで、サンフランシスコ以外いがい地区ちくではリングについて統一とういつされた基準きじゅんく、独自どくじのリングで試合しあいおこなわれていたが、タッグマッチを考慮こうりょして次第しだい現在げんざいのようなリングに統一とういつされた。以降いこう、タッグマッチや試合しあい形式けいしきのスタイルにかんしては各国かっこくかく団体だんたいによって多種たしゅ多様たようなスタイルが模索もさくされている。

日本にっぽんでは、プロレスブームの発火はっかてんとなったのが力道山りきどうざん木村きむら政彦まさひこVSシャープ兄弟きょうだいのタッグマッチだったこともありなじみふか試合しあい形式けいしきである。全日本ぜんにほんプロレスしん日本にっぽんプロレスなどでタッグマッチのリーグせんおこなわれているほか、プロレスと関係かんけいない雑誌ざっしとうでも、「政権せいけん交代こうたいけて強力きょうりょくタッグ結成けっせい」などと、コンビ同義語どうぎごとしてタッグという言葉ことばもちいられることがある。

ルール[編集へんしゅう]

2くみのタッグチームは、リングのたいかくにそれぞれ配置はいちされたあかコーナーとあおコーナーにわかれ、1人ひとりはリングじょう相手あいてレスラーと試合しあいおこない、のレスラーはかくコーナーに設置せっちされたタッグロープ(タッチロープ)というひもにぎって、エプロンばれるリングロープの外側そとがわ待機たいきする。

日本にっぽんやアメリカにおける基本きほんてきなルールでは、待機たいきしているレスラーが試合しあいおこな場合ばあいは、タッグロープ(タッチロープ)をにぎった状態じょうたいでリングじょう試合しあいおこなっているレスラーのからだ一部いちぶれなければならない。この行為こういをタッチという。タッチはレフェリーによって確認かくにんされなければ正式せいしきにはみとめられない。

試合しあいけんのない選手せんしゅどういちチームの選手せんしゅをフォールしている対戦たいせん相手あいてりつけたり、レフェリーってカウントをめたりすることもあり、これを「カット」とぶ。さらに試合しあいすすんでくると試合しあい権限けんげんがない選手せんしゅ場外じょうがい乱闘らんとうおこない、試合しあい権限けんげんがある選手せんしゅがフォールにはいたびにリングないはいってきて「カット」をおこない、自軍じぐん選手せんしゅ敗北はいぼく阻止そしする。厳密げんみつにはルール違反いはんであり、レフェリーがめる場合ばあいもあるが、試合しあいげる演出えんしゅつとして「暗黙あんもく了解りょうかい」として事実じじつじょうみとめられている(とく試合しあい権限けんげんのない選手せんしゅ同士どうし場外じょうがい乱闘らんとうかんしてレフェリーはとく危険きけんとみなす以外いがい完全かんぜん無視むししている)。

ただし、UWFインターナショナルでのダブルバウトの場合ばあい、これらのカットや2人ふたりがかりの攻撃こうげき一切いっさい禁止きんしされている。そのため、タッグパートナーの出番でばん一切いっさいいままおわってしまう場合ばあいもありうる。

ルチャリブレでは、試合しあいけんった選手せんしゅがリングがいさいに、コーナーに待機たいきしている選手せんしゅがリングないはいるとその時点じてん試合しあいけんうつるというルールを採用さいようしている。日本にっぽんではルチャリブレをその源流げんりゅうDRAGON GATE大阪おおさかプロレスみちのくプロレスなどがこちらのルールを採用さいようしている。

実際じっさいのタッグマッチではルールにのっとって試合しあいおこなわれることはまれで、タッグチーム同士どうしによってリング内外ないがいわず試合しあいおこなわれる。状況じょうきょうによってはノータッチのままうやむやなうちに交替こうたいしたり、自分じぶんたたいておとし、レフェリーにタッチしたかのようにおもわせる「そらタッチ」もある(きちんとおと選手せんしゅはむしろ真面目まじめとさえいえる)。

また、デスマッチ場合ばあい試合しあいけんにかかわらず、だれだれをフォールしても有効ゆうこうとなる、「トルネード方式ほうしき」が適用てきようされ、おもだい日本にっぽんプロレスでのデスマッチ採用さいようされている。

さらにアイスリボンではレフェリーに「ダブル」と宣言せんげんすれば2人ふたりがかりの攻撃こうげきみとめられる。

変則へんそくタッグマッチ[編集へんしゅう]

レスラーの力量りきりょうがある場合ばあいなどにハンディキャップ・マッチとして、1人ひとりたい2にん1人ひとりたい3にんなどの試合しあい形式けいしきられる場合ばあいがある。これを変則へんそくタッグマッチといい、ぞくハンディキャップ・マッチなどともばれる。

アンドレ・ザ・ジャイアントヘイスタック・カルホーンといった昭和しょうわちょう巨漢きょかんレスラーの試合しあいでは定番ていばん方式ほうしきであった。

また、アントニオ猪木いのきは1980年代ねんだい前半ぜんはん国際こくさい軍団ぐんだんとのこうそうにおいて、ラッシャー木村きむらアニマル浜口はまぐち寺西てらにしいさむ相手あいてに1たい3の変則へんそくタッグマッチをおこなった。浜口はまぐち寺西てらにし乱入らんにゅうはらてた猪木いのきが「こうなったら3にんまとめてかかってこい!」とったのが実現じつげんしたかたちだが、あまりにも国際こくさい軍団ぐんだんにとって屈辱くつじょくてき批判ひはんた。なお、この試合しあいではカットプレーは厳重げんじゅう禁止きんしされた。

さらに当初とうしょ通常つうじょうのタッグマッチで予定よていされていた出場しゅつじょう選手せんしゅだれかが欠場けつじょうとなったものの、代替だいたい補充ほじゅうしなかったため、結果けっかてき変則へんそくタッグマッチとなる場合ばあいもある。

エリミネーションマッチ[編集へんしゅう]

通常つうじょうはフォールやギブアップなどがまった時点じてん勝負しょうぶけっするが、そこで勝負しょうぶけっせず、けとなった選手せんしゅのみを退場たいじょうとして試合しあい続行ぞっこうする試合しあい形式けいしきがある。これをエリミネーションマッチイリミネーションマッチ)という。

この試合しあい形式けいしきでは、勝負しょうぶけっするのは相手あいてのタッグチームを0にんにした時点じてん勝利しょうりとなる。またトップロープをえて場外じょうがいちた場合ばあい(オーバー・ザ・トップロープ)、その選手せんしゅ退場たいじょうとすることもおおい(ごくまれ自分じぶんからわざでトップロープしに場外じょうがい相手あいて攻撃こうげきして失格しっかくとなる選手せんしゅもいる。また、スライディングなどでトップロープしでなければ場外じょうがいちてもOKというルールを採用さいようしている団体だんたいもある)。

日本にっぽんにおけるはつのエリミネーションマッチは、1984ねん6月14にち全日本ぜんにほんプロレス後楽園こうらくえんホール大会たいかいおこなわれた全日ぜんじつ正規せいきぐんジャイアント馬場ばばジャンボ鶴田つるた天龍てんりゅう源一郎げんいちろうプリンス・トンガくみたいシン軍団ぐんだんタイガー・ジェット・シン上田うえだすけ鶴見つるみ五郎ごろうバズ・タイラーくみ)により4たい4形式けいしき試合しあいとされており、その、1980年代ねんだい後半こうはんしん日本にっぽんプロレスでは5たい5の軍団ぐんだん対抗たいこうせん形式けいしき頻繁ひんぱんおこなわれている。

ルールの性質せいしつじょう実力じつりょく拮抗きっこうしている場合ばあい人数にんずうひらくほどすくないチームが不利ふりになり逆転ぎゃくてんむずかしくなる。そのため、これとはぎゃくちとなった選手せんしゅから退場たいじょうしていき、全員ぜんいん退場たいじょうした時点じてん勝利しょうりとなるぎゃくエリミネーションマッチという試合しあい形式けいしきもある。この試合しあい形式けいしきではオーバー・ザ・トップロープは採用さいようされず、ケージマッチなどのエスケープ方式ほうしき全員ぜんいん金網かなあみから脱出だっしゅつすれば勝利しょうり)でおこなわれる場合ばあいもある。

変則へんそくエリミネーションマッチ[編集へんしゅう]

  • キャプテンフォール・エリミネーションマッチ
それぞれのチームのリーダーあるいは特定とくてい選手せんしゅからフォール、ギブアップをとった時点じてん勝負しょうぶ決着けっちゃくする試合しあい形式けいしき。キャプテンがフォール、ギブアップをうばわれると、たとえ選手せんしゅのこっていても敗北はいぼくとなり、ぎゃくにキャプテン以外いがい選手せんしゅがフォール・ギブアップをうばわれた場合ばあいはその選手せんしゅ失格しっかくとなるが試合しあい続行ぞっこうされる。
  • レレボス・アウストラレアノス
上記じょうきのキャプテンフォール・エリミネーションマッチの変則へんそくばんおもルチャリブレの6にんタッグでおこなわれる。キャプテンからフォール、ギブアップをとるか、キャプテン以外いがいのすべての選手せんしゅからフォール、ギブアップをとれば勝利しょうりとなる。
  • レレボス・スイシーダ
最初さいしょはタッグマッチで試合しあいおこない、試合しあい決着けっちゃくすると勝者しょうしゃチームはけとなり、敗者はいしゃチームの選手せんしゅ同士どうしがシングルマッチで決着けっちゃくおこな試合しあい形式けいしきおおくの場合ばあいコントラ・マッチ形式けいしきおこなわれる。
  • トライアスロン・サバイバー
2002ねんしん日本にっぽんプロレスおこなわれた試合しあい形式けいしき最初さいしょは6にんタッグマッチで試合しあいおこない、試合しあい決着けっちゃくすると、それぞれの勝敗しょうはいかかわった選手せんしゅ(フォール、ギブアップをとった選手せんしゅととられた選手せんしゅ)が退場たいじょうのこった選手せんしゅでタッグマッチをおこなう。タッグマッチが決着けっちゃくすると同様どうようにそれぞれ勝敗しょうはいかかわった選手せんしゅ退場たいじょうし、最後さいごのこった選手せんしゅでシングルマッチをおこない、勝利しょうりすうおおいチームをちとする。アイスリボンおこなわれている「さくらしきイリミネーションマッチ」はこれの変形へんけいルールとなっている。
  • 鷹木たかぎしきイリミネーションマッチ
DRAGON GATEおこなわれている、エリミネーションマッチに時間じかんバトルロイヤルをわせた試合しあい形式けいしき最初さいしょはシングルマッチで試合しあいおこなわれ、90びょうごとにのこりの選手せんしゅ入場にゅうじょうする。当初とうしょは「なにわしきイリミネーションマッチ」とばれていたが、コントラ・マッチの結果けっか吉田よしだしきイリミネーションマッチ」に改名かいめいされ、さらに「鷹木たかぎしき」に改名かいめいされた。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]