この項目 こうもく では、プロレスの試合 しあい 形式 けいしき について説明 せつめい しています。タッグマッチを行 おこな うためのプロレスラーのチーム については「タッグチーム 」をご覧 らん ください。
タッグマッチ
タッグマッチ (Tag Match )は、プロレス の試合 しあい 形式 けいしき の一種 いっしゅ である。タッグチーム・マッチ (Tag Team Match )が正式 せいしき 名称 めいしょう 。2組 くみ のタッグチーム と呼 よ ばれるプロレスラーのチームによってプロレスの試合 しあい を行 おこな い勝利 しょうり チームを決定 けってい する試合 しあい 形式 けいしき である。なお、UWFインターナショナル では、この形式 けいしき をダブルバウト と称 しょう していた。
現在 げんざい の日本 にっぽん 国内 こくない ではタッグマッチの呼称 こしょう が一般 いっぱん 的 てき に用 もち いられることが多 おお くなっており、俗 ぞく にタッグ と呼 よ ぶ事 こと も多 おお い。プロレス以外 いがい でも、2人組 にんぐみ のことや、2人組 にんぐみ あるいは2組織 そしき が協力 きょうりょく することを「タッグ」「タッグを組 く む」など比喩 ひゆ 的 てき 用法 ようほう として用 もち いられる。
タッグ (tag )は、本来 ほんらい は鬼 おに ごっこ のことで、動詞 どうし としては、鬼 おに が相手 あいて に触 ふ れることを意味 いみ する。これから転 てん じ、タッグマッチにおいて交代 こうたい のためにタッチすることから、タッグマッチと呼 よ ぶ様 よう になった。
タッグマッチに対 たい し、単独 たんどく のプロレスラー 同士 どうし による試合 しあい は「シングルマッチ」と呼 よ ばれる。
プロレス以外 いがい の格闘技 かくとうぎ でもキックボクシング やZST などでタッグマッチが組 く まれているケースがある。
通常 つうじょう は2人組 にんぐみ のチーム同士 どうし によって試合 しあい は行 おこな われる。3人組 にんぐみ や4人組 にんぐみ 、あるいはそれ以上 いじょう などの人数 にんずう のチームによって試合 しあい が行 おこな われる場合 ばあい もあり、参加 さんか するプロレスラーの総 そう 人数 にんずう により、それぞれ6人 にん タッグマッチ(3vs3)、8人 にん タッグマッチ(4vs4)などと呼 よ ばれる。
3人 にん のタッグチーム3組 くみ によって試合 しあい を行 おこな う場合 ばあい もあり、この場合 ばあい は参加 さんか する総 そう 人数 にんずう は9人 にん であるが、「3ウェイ6人 にん タッグマッチ」(DRAGON GATE )と呼 よ ばれることがある。
タッグマッチを行 おこな うための2人 ふたり もしくはそれ以上 いじょう のプロレスラーによるチームをタッグチーム と呼 よ ぶ。2対 たい 2の形式 けいしき を単 たん にタッグマッチと呼 よ ぶことが多 おお いことから、単 たん にタッグチームといった場合 ばあい 、2人 ふたり 組 ぐみ を指 さ すことが多 おお い。また、2人 ふたり 組 ぐみ をコンビ、3人組 にんぐみ をトリオのように呼称 こしょう する場合 ばあい もある。
世界 せかい で初 はじ めてタッグマッチが行 おこな われたのは1901年 ねん のことである。アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく サンフランシスコ のプロモーターが考案 こうあん し、同時 どうじ にタッグマッチの試合 しあい の流 なが れを考慮 こうりょ した18フィート (5.48m)四方 しほう の正方形 せいほうけい のリング が採用 さいよう され、現在 げんざい のプロレスで使用 しよう されるリングのルーツとなった[1] 。
1930年代 ねんだい まで、サンフランシスコ以外 いがい の地区 ちく ではリングについて統一 とういつ された基準 きじゅん は無 な く、独自 どくじ のリングで試合 しあい が行 おこな われていたが、タッグマッチを考慮 こうりょ して次第 しだい に現在 げんざい のようなリングに統一 とういつ された。以降 いこう 、タッグマッチや試合 しあい 形式 けいしき のスタイルに関 かん しては各国 かっこく 各 かく 団体 だんたい によって多種 たしゅ 多様 たよう なスタイルが模索 もさく されている。
日本 にっぽん では、プロレスブームの発火 はっか 点 てん となったのが力道山 りきどうざん ・木村 きむら 政彦 まさひこ VSシャープ兄弟 きょうだい のタッグマッチだったこともありなじみ深 ふか い試合 しあい 形式 けいしき である。全日本 ぜんにほん プロレス ・新 しん 日本 にっぽん プロレス などでタッグマッチのリーグ戦 せん が行 おこな われているほか、プロレスと関係 かんけい ない雑誌 ざっし 等 とう でも、「政権 せいけん 交代 こうたい に向 む けて強力 きょうりょく タッグ結成 けっせい 」などと、コンビ の同義語 どうぎご としてタッグという言葉 ことば が用 もち いられることがある。
2組 くみ のタッグチームは、リングの対 たい 角 かく にそれぞれ配置 はいち された赤 あか コーナーと青 あお コーナーに別 わか れ、1人 ひとり はリング上 じょう で相手 あいて レスラーと試合 しあい を行 おこな い、他 た のレスラーは各 かく コーナーに設置 せっち されたタッグロープ(タッチロープ)という紐 ひも を握 にぎ って、エプロン と呼 よ ばれるリングロープの外側 そとがわ で待機 たいき する。
日本 にっぽん やアメリカにおける基本 きほん 的 てき なルールでは、待機 たいき しているレスラーが試合 しあい を行 おこな う場合 ばあい は、タッグロープ(タッチロープ)を握 にぎ った状態 じょうたい でリング上 じょう で試合 しあい を行 おこな っているレスラーの手 て や体 からだ の一部 いちぶ に触 ふ れなければならない。この行為 こうい をタッチという。タッチはレフェリーによって確認 かくにん されなければ正式 せいしき には認 みと められない。
試合 しあい 権 けん のない選手 せんしゅ が同 どう 一 いち チームの選手 せんしゅ をフォールしている対戦 たいせん 相手 あいて を蹴 け りつけたり、レフェリー を蹴 け ってカウントを止 と めたりすることもあり、これを「カット」と呼 よ ぶ。さらに試合 しあい が進 すす んでくると試合 しあい の権限 けんげん がない選手 せんしゅ が場外 じょうがい で乱闘 らんとう を行 おこな い、試合 しあい の権限 けんげん がある選手 せんしゅ がフォールに入 はい る度 たび にリング内 ない に入 はい ってきて「カット」を行 おこな い、自軍 じぐん の選手 せんしゅ の敗北 はいぼく を阻止 そし する。厳密 げんみつ にはルール違反 いはん であり、レフェリーが押 お し留 と める場合 ばあい もあるが、試合 しあい を盛 も り上 あ げる演出 えんしゅつ として「暗黙 あんもく の了解 りょうかい 」として事実 じじつ 上 じょう 認 みと められている(特 とく に試合 しあい の権限 けんげん のない選手 せんしゅ 同士 どうし の場外 じょうがい 乱闘 らんとう に関 かん してレフェリーは特 とく に危険 きけん とみなす以外 いがい は完全 かんぜん に無視 むし している)。
ただし、UWFインターナショナルでのダブルバウトの場合 ばあい 、これらのカットや2人 ふたり がかりの攻撃 こうげき は一切 いっさい 禁止 きんし されている。そのため、タッグパートナーの出番 でばん が一切 いっさい 無 な いまま終 おわ ってしまう場合 ばあい もありうる。
ルチャリブレ では、試合 しあい 権 けん を持 も った選手 せんしゅ がリング外 がい に出 で た際 さい に、コーナーに待機 たいき している選手 せんしゅ がリング内 ない に入 はい るとその時点 じてん で試合 しあい 権 けん が移 うつ るというルールを採用 さいよう している。日本 にっぽん ではルチャリブレをその源流 げんりゅう に持 も つDRAGON GATE 、大阪 おおさか プロレス 、みちのくプロレス などがこちらのルールを採用 さいよう している。
実際 じっさい のタッグマッチではルールに則 のっと って試合 しあい が行 おこな われることは稀 まれ で、タッグチーム同士 どうし によってリング内外 ないがい を問 と わず試合 しあい が行 おこな われる。状況 じょうきょう によってはノータッチのままうやむやなうちに交替 こうたい したり、自分 じぶん で手 て を叩 たた いて音 おと を出 だ し、レフェリーにタッチしたかのように思 おも わせる「空 そら タッチ」もある(きちんと音 おと を出 だ す選手 せんしゅ はむしろ真面目 まじめ とさえいえる)。
また、デスマッチ の場合 ばあい 、試合 しあい 権 けん にかかわらず、誰 だれ が誰 だれ をフォールしても有効 ゆうこう となる、「トルネード方式 ほうしき 」が適用 てきよう され、主 おも に大 だい 日本 にっぽん プロレス でのデスマッチ で採用 さいよう されている。
さらにアイスリボン ではレフェリーに「ダブル」と宣言 せんげん すれば2人 ふたり がかりの攻撃 こうげき が認 みと められる。
レスラーの力量 りきりょう に差 さ がある場合 ばあい などにハンディキャップ・マッチとして、1人 ひとり 対 たい 2人 にん や1人 ひとり 対 たい 3人 にん などの試合 しあい 形式 けいしき が取 と られる場合 ばあい がある。これを変則 へんそく タッグマッチ といい、俗 ぞく にハンディキャップ・マッチ などとも呼 よ ばれる。
アンドレ・ザ・ジャイアント 、ヘイスタック・カルホーン といった昭和 しょうわ 期 き の超 ちょう 巨漢 きょかん レスラーの試合 しあい では定番 ていばん の方式 ほうしき であった。
また、アントニオ猪木 いのき は1980年代 ねんだい 前半 ぜんはん の国際 こくさい 軍団 ぐんだん との抗 こう 争 そう において、ラッシャー木村 きむら 、アニマル浜口 はまぐち 、寺西 てらにし 勇 いさむ を相手 あいて に1対 たい 3の変則 へんそく タッグマッチを行 おこ なった。浜口 はまぐち ・寺西 てらにし の乱入 らんにゅう に腹 はら を立 た てた猪木 いのき が「こうなったら3人 にん まとめてかかってこい!」と言 い ったのが実現 じつげん した形 かたち だが、あまりにも国際 こくさい 軍団 ぐんだん にとって屈辱 くつじょく 的 てき と批判 ひはん も出 で た。なお、この試合 しあい ではカットプレーは厳重 げんじゅう に禁止 きんし された。
さらに当初 とうしょ 通常 つうじょう のタッグマッチで予定 よてい されていた出場 しゅつじょう 選手 せんしゅ の誰 だれ かが欠場 けつじょう となったものの、代替 だいたい 補充 ほじゅう しなかったため、結果 けっか 的 てき に変則 へんそく タッグマッチとなる場合 ばあい もある。
通常 つうじょう はフォールやギブアップなどが決 き まった時点 じてん で勝負 しょうぶ は決 けっ するが、そこで勝負 しょうぶ を決 けっ せず、負 ま けとなった選手 せんしゅ のみを退場 たいじょう として試合 しあい を続行 ぞっこう する試合 しあい 形式 けいしき がある。これをエリミネーションマッチ (イリミネーションマッチ )という。
この試合 しあい 形式 けいしき では、勝負 しょうぶ が決 けっ するのは相手 あいて のタッグチームを0人 にん にした時点 じてん で勝利 しょうり となる。またトップロープを超 こ えて場外 じょうがい に落 お ちた場合 ばあい (オーバー・ザ・トップロープ)、その選手 せんしゅ を退場 たいじょう とすることも多 おお い(ごく稀 まれ に自分 じぶん から飛 と び技 わざ でトップロープ越 ご しに場外 じょうがい の相手 あいて に攻撃 こうげき して失格 しっかく となる選手 せんしゅ もいる。また、スライディングなどでトップロープ越 ご しでなければ場外 じょうがい に落 お ちてもOKというルールを採用 さいよう している団体 だんたい もある)。
日本 にっぽん における初 はつ のエリミネーションマッチは、1984年 ねん 6月14日 にち に全日本 ぜんにほん プロレス の後楽園 こうらくえん ホール大会 たいかい で行 おこな われた全日 ぜんじつ 正規 せいき 軍 ぐん (ジャイアント馬場 ばば ・ジャンボ鶴田 つるた ・天龍 てんりゅう 源一郎 げんいちろう ・プリンス・トンガ 組 くみ )対 たい シン軍団 ぐんだん (タイガー・ジェット・シン ・上田 うえだ 馬 ば 之 の 助 すけ ・鶴見 つるみ 五郎 ごろう ・バズ・タイラー 組 くみ )により4対 たい 4形式 けいしき の試合 しあい とされており、その後 ご 、1980年代 ねんだい 後半 こうはん の新 しん 日本 にっぽん プロレス では5対 たい 5の軍団 ぐんだん 対抗 たいこう 戦 せん の形式 けいしき で頻繁 ひんぱん に行 おこな われている。
ルールの性質 せいしつ 上 じょう 、実力 じつりょく 差 さ が拮抗 きっこう している場合 ばあい 、人数 にんずう 差 さ が開 ひら くほど少 すく ないチームが不利 ふり になり逆転 ぎゃくてん が難 むずか しくなる。そのため、これとは逆 ぎゃく に勝 か ちとなった選手 せんしゅ から退場 たいじょう していき、全員 ぜんいん が退場 たいじょう した時点 じてん で勝利 しょうり となる逆 ぎゃく エリミネーションマッチという試合 しあい 形式 けいしき もある。この試合 しあい 形式 けいしき ではオーバー・ザ・トップロープは採用 さいよう されず、ケージマッチなどのエスケープ方式 ほうしき (全員 ぜんいん が金網 かなあみ から脱出 だっしゅつ すれば勝利 しょうり )で行 おこな われる場合 ばあい もある。
変則 へんそく エリミネーションマッチ[ 編集 へんしゅう ]
それぞれのチームのリーダーあるいは特定 とくてい の選手 せんしゅ からフォール、ギブアップをとった時点 じてん で勝負 しょうぶ が決着 けっちゃく する試合 しあい 形式 けいしき 。キャプテンがフォール、ギブアップを奪 うば われると、たとえ他 た の選手 せんしゅ が残 のこ っていても敗北 はいぼく となり、逆 ぎゃく にキャプテン以外 いがい の選手 せんしゅ がフォール・ギブアップを奪 うば われた場合 ばあい はその選手 せんしゅ は失格 しっかく となるが試合 しあい は続行 ぞっこう される。
上記 じょうき のキャプテンフォール・エリミネーションマッチの変則 へんそく 版 ばん で主 おも にルチャリブレ の6人 にん タッグで行 おこな われる。キャプテンからフォール、ギブアップをとるか、キャプテン以外 いがい のすべての選手 せんしゅ からフォール、ギブアップをとれば勝利 しょうり となる。
最初 さいしょ はタッグマッチで試合 しあい を行 おこな い、試合 しあい が決着 けっちゃく すると勝者 しょうしゃ チームは勝 か ち抜 ぬ けとなり、敗者 はいしゃ チームの選手 せんしゅ 同士 どうし がシングルマッチで決着 けっちゃく を行 おこな う試合 しあい 形式 けいしき 。多 おお くの場合 ばあい 、コントラ・マッチ 形式 けいしき で行 おこな われる。
2002年 ねん に新 しん 日本 にっぽん プロレス で行 おこな われた試合 しあい 形式 けいしき 。最初 さいしょ は6人 にん タッグマッチで試合 しあい を行 おこな い、試合 しあい が決着 けっちゃく すると、それぞれの勝敗 しょうはい に関 かか わった選手 せんしゅ (フォール、ギブアップをとった選手 せんしゅ ととられた選手 せんしゅ )が退場 たいじょう し残 のこ った選手 せんしゅ でタッグマッチを行 おこな う。タッグマッチが決着 けっちゃく すると同様 どうよう にそれぞれ勝敗 しょうはい に関 かか わった選手 せんしゅ が退場 たいじょう し、最後 さいご は残 のこ った選手 せんしゅ でシングルマッチを行 おこな い、勝利 しょうり 数 すう の多 おお いチームを勝 か ちとする。アイスリボン で行 おこな われている「さくら式 しき イリミネーションマッチ」はこれの変形 へんけい ルールとなっている。
DRAGON GATE で行 おこな われている、エリミネーションマッチに時間 じかん 差 さ バトルロイヤルを合 あ わせた試合 しあい 形式 けいしき 。最初 さいしょ はシングルマッチで試合 しあい が行 おこな われ、90秒 びょう ごとに残 のこ りの選手 せんしゅ が入場 にゅうじょう する。当初 とうしょ は「なにわ式 しき イリミネーションマッチ」と呼 よ ばれていたが、コントラ・マッチの結果 けっか 「吉田 よしだ 式 しき イリミネーションマッチ」に改名 かいめい され、更 さら に「鷹木 たかぎ 式 しき 」に改名 かいめい された。