ダックスフント

ダックスフント

原産地げんさんち	ドイツ
特徴とくちょう 出産しゅっさん数すう 4-8 匹ひき 寿命じゅみょう 12.7 年ねん
主要しゅよう畜犬団体だんたいによる分類ぶんるいと標準ひょうじゅん FCI Group 4 Section 1 Dachshunds #148; Standard 148a; Miniature 148b; Rabbit 148c 標準ひょうじゅん AKC Hound 標準ひょうじゅん ANKC Group 4 – (Hounds) [miniature wire-haired 標準ひょうじゅん] CKC Hounds [Standard long-haired Stamdard smooth-haired Standard wire-haired miniature long-haired miniature smooth-haired miniature wire-haired 標準ひょうじゅん] JKC 第だい4グループ 標準ひょうじゅん NZKC {{{nzkcgroup}}} [long-haired smooth-haired wire-haired miniature long-haired miniature smooth-haired miniature wire-haired 標準ひょうじゅん] UKC Scenthound Breeds 標準ひょうじゅん
イヌ (Canis lupus familiaris)

ダックスフント（独どく: Dachshund）は、ドイツ原産げんさんの犬いぬ種しゅ。ジャパンケネルクラブ（JKC）の登録とうろく名めいは英語えいご読よみによるダックスフンドだが、ドイツ語ごでは文節ぶんせつ末尾まつびの d は濁にごらないため「フント」。

ドイツ語ごのアナグマを表あらわすダックス（Dachs）と、犬いぬを表あらわすフント（Hund）を合あわせた「アナグマ犬けん」を意味いみする。巣す穴あなの中なかにいるアナグマを狩かる目的もくてきで手足てあしが短みじかく改良かいりょうされた。なお、ドイツ語ごフント（Hund）は 英語えいごで猟犬りょうけんを表あらわすハウンド（hound）と同根どうこん。フランス語ふらんすごではteckel。Teckelもドイツ語ご（北部ほくぶドイツ語ご）でダックスフントのこと。ドイツ語ごではDackel（Dachshundの短縮形たんしゅくけい）とも言いう。

ジャパンケネルクラブ登録とうろく頭数とうすうは、記録きろくの残のこる1999年ねんから2007年ねんまでは1位い、2008年ねん以降いこうは3位い。 また、アメリカでも人気にんきがあり、アメリカンケネルクラブでの登録とうろく頭数とうすうは常つねに10位い以内いないに入はいる。

容姿ようし・性格せいかく

特徴とくちょう的てきな容姿ようしは胴どう長短ちょうたん足あしの体型たいけい。

顔かおは面長おもながで、尾おは長ながく、耳みみは下したに垂たれる形かたちをしている。鼻孔びこうが開ひらいて空気くうきを取とり入いれやすい形状けいじょうで、マズルが長ながく鼻腔びこう内ないの面積めんせきが広ひろいため、嗅覚きゅうかくに優すぐれている。鼻はなの色いろは基本きほん的てきには黒くろだが、一部いちぶはレバー色しょく、淡あわいピンク色ぴんくいろもいる。

また、胸むねが十分じゅうぶんに発達はったつしている。骨ほね端はしが突つき出でているので、前まえから見みると楕円だえん形がたをしている。あばらはよく張はって腹部ふくぶにつながっている。 短たん脚あしで、体長たいちょうは長ながいが、引ひき締しまった体格たいかくである。非常ひじょうに筋肉質きんにくしつであり、向むかう気きが強つよい頭部とうぶの保持ほじと、警戒けいかい心しんに富とんだ表情ひょうじょうを見みせる。 長ながい体からだに対たいして短みじかい脚あしであるため、モタモタしたりする場合ばあいもあるが、歩あゆみ様さまが制限せいげんされるほどではない。

生うまれつき友好ゆうこう的てきで落おち着つきがあり、神経質しんけいしつであったり攻撃こうげき的てきであったりということはない。情熱じょうねつ的てきで辛抱強しんぼうづよい。ただ元々もともとが猟犬りょうけんであるがゆえに、時ときとして攻撃こうげき的てき・負まけず嫌ぎらい・頑固がんこ・活発かっぱつ・やんちゃ・遊あそび好すきといった性格せいかくを見みせる。

毛もう質ただし

毛もう質ただしは大おおきく分わけてスムースヘアード、ロングヘアード、ワイヤーヘアードの3種類しゅるいがある。

スムースヘアード

毛もう質ただしは堅かたく、短みじかいのが特徴とくちょうである。また、毛けの流ながれは滑なめらかで光沢こうたくもあり、密生みっせいしている。

ロングヘアード

毛もう質ただしは柔やわらかく、光沢こうたくがあって長ながい。
わずかにウェーブした毛けは、顎あごの下部かぶ、胴どうの下部かぶに比くらべて、耳みみの先端せんたん、前肢ぜんしのうしろ側がわが特とくに長ながく、尾おのうら側がわが最もっとも長ながい。

ワイヤーヘアード

被ひ毛けは顎あごと眉まゆ、耳みみを除のぞいて、全体ぜんたいに密生みっせいした短みじかい粗あらい剛毛ごうもうが、下毛しもげとともに全身ぜんしんを覆おおっている。
顎あごにはひげがなければならず、眉まゆは毛深けぶかく、耳みみはスムーズな短たん毛げである。

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  スムースヘアード
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  ロングヘアード
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  ワイヤーヘアード

毛色けいろ

ダックスフントは、多おおくの毛色けいろがあることで知しられている。また、毛もう質ただしごとに分類ぶんるいされる。

スムースヘアードとロングヘアードについては2色しょくと単色たんしょく、その他たのカラーに大おおきく分わけられる。

2色しょくは濃こいブラウン（チョコレート）又またはブラック。それぞれにタン又またはイエローの斑まだらが、目めの上うえ、マズル及および下しも唇くちびるの側面そくめん、耳朶じだの縁えんの内側うちがわ、前ぜん胸部きょうぶ、脚あしの内側うちがわ及および後部こうぶ、足あしの上うえ、肛門こうもんの周まわり、そこから尾おの下した側がわの3分ぶんの1又または半分はんぶんに見みられる。ブラック&タン、チョコレート&タン、ブラック&クリーム等とうと呼よぶことが多おおい。 また、単色たんしょく（ソリッド）は、レッド、レディッシュ・イエロー、イエロー（クリーム）、チョコレート。非常ひじょうに散在さんざいした黒くろの毛け（シェーデッド）がある犬いぬでも単色たんしょくとして分類ぶんるいされる。その他たの色いろはダップル（斑まだら）とブリンドル（濃こい縞しま）等とうがある。

ワイヤーヘアードについては、上記じょうき以外いがいにもワイルド・ボアー・カラー（野猪やちょ色しょく）、デッド・リーフ（枯葉かれは色しょく）、ソルト・アンド・ペッパー（ごま塩しお色しょく）などもある。

近年きんねんはパイボールド、ソリッド、ブルーなど新あたらしく毛色けいろが作出さくしゅつされている。これらは特殊とくしゅ色しょく、レアカラーとも呼よばれる。異い毛け種しゅ間あいだでの交雑こうざつは認みとめられておらず、本来ほんらいは血統けっとう書しょは発行はっこうされない。また、血統けっとう書しょ以外いがいにも後述こうじゅつの「乱らん繁殖はんしょく」や「遺伝いでん性せい疾患しっかん」と直結ちょっけつする問題もんだいとされることもある。

サイズ

ダックスフントのサイズは、スタンダード・ミニチュア・カニンヘン(カニーンヘン、カニヘン)の3つに分わかれ、各国かっこくの協会きょうかいにおいて、理想りそうのサイズが定さだめられている。 なお、仔犬こいぬ時じの血統けっとう書しょにおいて、ミニチュア・カニンヘンと明記めいきされていても、成長せいちょうするにつれて、各かく協会きょうかいの規定きていとする体型たいけいと異ことなることはある。

	スタンダード	ミニチュア	カニンヘン
ジャパンケネルクラブ	体重たいじゅう9 - 12キログラム	生後せいご15か月げつを経過けいかした時点じてんで測定そくてい 体重たいじゅう5.0キログラム以下いか 胸囲きょうい35センチメートルが理想りそう	生後せいご15か月げつを経過けいかした時点じてんで測定そくてい 胸囲きょうい30センチメートル以下いか 体重たいじゅう3.2 - 3.5キログラムを理想りそう
ドイツテッケルクラブ	胸囲きょうい35センチメートル以上いじょう 9キログラムまで	胸囲きょうい30 - 35センチメートル以内いない 3 - 4キログラムまで	胸囲きょうい30センチメートル以下いか 3キログラム以下いか
アメリカンケネルクラブ	7.3 - 14.5キログラム	5キログラム以下いか
イギリスケネルクラブ	雄ゆう11.25キログラム（25ポンド）以下いか 雌めす10.35キログラム（23ポンド）以下いか	雄お雌めすとも5キログラム（11ポンド）以下いか

歴史れきし

ダックスフントの起源きげんは古ふるく、最もっとも古ふるいものでは古代こだいエジプトの壁画へきがにダックスフントと酷似こくじする犬いぬ種しゅが刻きざまれている。

現在げんざいのダックスフントは、スイスのジュラ山岳さんがく地方ちほうのジュラ・ハウンドが祖先そせん犬けんと言いわれ、12世紀せいき頃ごろ、ドイツやオーストリアの山岳さんがく地帯ちたいにいた中型ちゅうがたピンシェル（ピンシャー）との交雑こうざつによって今日きょうのスムーズヘアード種しゅの基礎きそ犬けんが作つくられたと伝つたえられている。当時とうじは体重たいじゅう10 - 20キログラムと大おおきかったようで、シュナウザーを配はいして、更さらに他たのテリアによってワイヤーヘアード種しゅができた。またロングヘアード種しゅは15世紀せいき頃ごろ、スパニエルとの交雑こうざつによって作出さくしゅつされたが、どこでなされたのかは定さだかではない。

本来ほんらい、ダックスフントは名前なまえの表あらわす通とおり、体重たいじゅう15キログラム程ほどもあるアナグマを猟りょうるため、また、負傷ふしょうした獲物えものの捜索そうさく及および追跡ついせきのために農夫のうふなどによって改良かいりょうされた犬いぬ種しゅで、「Bracken（狩猟しゅりょう）」の時代じだいから特とくに地下ちかでの狩猟しゅりょうに適てきするよう繁殖はんしょくされてきた歴史れきしがある。 当時とうじ、ダックスフントはドイツ国内こくないにおいてはテッケルやテカル、ダッケルと呼よんでいたと言いわれている。19世紀せいき頃ごろ、ミニチュアとカニンヘン（兎うさぎという意味いみ）がスタンダードが入はいることのできない小ちいさな穴あなに入はいって、アナグマのみならず、ネズミやアナウサギ、テン類るいを猟りょうるために改良かいりょうされて誕生たんじょうしたようである。 また、この頃ころからアメリカや他たの国くにへも少すこしずつ輸出ゆしゅつされるようになったらしく、そのダックスフントの繁殖はんしょくに尽力じんりょくしていたと言いわれる最古さいこのクラブは、1888年ねんに創立そうりつされたドイツテッケルクラブ（Deutscher Teckelklub）である。

第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせんではドイツ語ごでの呼よび方かたが嫌悪けんおされ、英語えいごで「バジャードッグ」と呼よばれていた。

飼育しいく上じょうの注意ちゅうい

胴体どうたいが長ながく、腰こしや股関節こかんせつなどへの負担ふたんが大おおきいため、ヘルニアを代表だいひょうとする関節かんせつ疾患しっかんにかかりやすい。ジャンプ、高所こうしょや階段かいだんの昇降しょうこう、滑すべりやすい床ゆかや路面ろめんの走行そうこう、肥満ひまん、抱かかえ方かた等とうには注意ちゅういが必要ひつようである。 脚あしが短みじかいことから、地面じめんと腹部ふくぶが近ちかいため、腹部ふくぶを傷きずつけてしまったり、地面じめんが熱あつい時ときは熱中ねっちゅう症しょうになりやすい。 垂だれ耳みみであることから、蒸むれやすく、ダニの寄生きせいや細菌さいきんによる外耳がいじ炎えんになりやすい。

肥満ひまん（ヘルニア）防止ぼうしのダイエットや小型こがた化かを目的もくてきとして、素人しろうとによる餌えさの制限せいげんが安易あんいに行おこなわれており、その個体こたいに対たいする適度てきどな分量ぶんりょうの餌えさを与あたえられず、栄養失調えいようしっちょうから諸しょ疾患しっかんを引ひき起おこすケースも存在そんざいする。

また、ペットブームの影かげに行おこなわれた乱らん繁殖はんしょくにより、経験けいけん及および知識ちしき不足ふそくのブリーダーや素人しろうと繁殖はんしょくが問題もんだいになっている。 この犬いぬ種しゅは毛色けいろの掛かけ合あわせがアルビノ等ひとしの疾患しっかんと関係かんけいがあることはよく知しられているが、てんかん、股関節こかんせつ形成けいせい不全ふぜん、PRA（進行しんこう性せい網膜もうまく萎縮いしゅく症しょう）等とうの遺伝いでん性せい疾患しっかんを受うけ継ついだり、障害しょうがいを持もって生うまれてくる場合ばあいも少すくなくない。

そして、飼かい主ぬしの事情じじょうで保健所ほけんじょ、保護ほご施設しせつ等とうに持もち込こまれる問題もんだいも重かさなり、動物どうぶつ愛護あいごの観点かんてんから「繁殖はんしょくを行おこなう者ものは充分じゅうぶんな経験けいけんと知識ちしきを有ゆうするべきである」「素人しろうとは繁殖はんしょくさせてはいけない」という考かんがえが広ひろまっている。 2006年ねん6月がつより、動物どうぶつ愛護あいご法ほうの改正かいせいによって動物どうぶつ取扱とりあつかい業ぎょう未登録みとうろくの者もの（ペットショップでない個人こじん）は有償ゆうしょうでの犬いぬの譲渡じょうとができなくなった。

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