チュルブスコの戦たたかい

チュルブスコの戦たたかい Battle of Churubusco
チュルブスコの戦たたかい
戦争せんそう：米べい墨ぼく戦争せんそう
年月日ねんがっぴ：1847年ねん8月がつ20日はつか
場所ばしょ：メキシコシティ連邦れんぽう地区ちく
結果けっか：アメリカ軍ぐんの勝利しょうり
交戦こうせん勢力せいりょく
アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく	メキシコ合衆国がっしゅうこく
指導しどう者しゃ・指揮しき官かん
ウィンフィールド・スコット	マニュエル・リンコン ペドロ・マリア・アナヤ
戦力せんりょく
8,497名めい	3,800名めい
損害そんがい
戦死せんし139名めい 負傷ふしょう865名めい 不明ふめい40名めい	戦死せんし263名めい 負傷ふしょう460名めい 捕虜ほりょ1,261名めい リンコン、アナヤ各かく将軍しょうぐん、ラミレス・アレラーノ将軍しょうぐん代行だいこうを含ふくむ。 捕獲ほかくされた大砲たいほう10門もん、2本ほんの軍旗ぐんきも失うしなった。 不明ふめい20名めい
米べい墨ぼく戦争せんそう テキサス砦とりで パロ・アルト レサカ・デ・ラ・パルマ カニョンシト サンタフェ モンテレー 第だい一いち次じタバスコ ロサンジェルス ドミンゲス・ランチョ サンパスカル エルブラジト リオ・サンガブリエル ラメサ カニャダ モラ エンブド プエブロ・デ・タオス ブエナ・ビスタ サクラメント ベラクルス セルロ・ゴード トゥスパン 第だい二に次じタバスコ コントレラス チュルブスコ モリノ・デル・レイ チャプルテペク メキシコシティ ウアマントラ プエブラ

チュルブスコの戦たたかい（チュルブスコのたたかい、英えい:Battle of Churubusco）は米べい墨ぼく戦争せんそうのコントレラスの戦たたかい直後ちょくご、1847年ねん8月がつ20日はつかに起おこった戦闘せんとうである。チュルブスコにおけるメキシコ軍ぐんの敗北はいぼくで、アメリカ軍ぐんはメキシコシティまでわずか5マイル (8 km) を残のこすのみとなった。

背景はいけい

メキシコ軍ぐんはコントレラスとサン・アントニオでの敗北はいぼくに続つづいてチュルブスコの村落そんらくまで後退こうたいした。サン・アントニオからの後退こうたいの間あいだ、メキシコ守備しゅび軍ぐん（第だい1防御ぼうぎょ線せんあるいは時ときとして「中央ちゅうおう軍ぐん」、N・ブラボ将軍しょうぐん指揮しきの約やく2,000名めい。内訳うちわけは700名めいの「イダルゴ」隊たい、500名めいの「ビクトリア」国防こくぼう大隊だいたいおよびA・ゼレセロ大佐たいさとJ・G・ペリディゴン・ガレイ大佐たいさの指揮しきする800名めい）は、アメリカ軍ぐんウィリアム・J・ワース将軍しょうぐん師団しだんのクラーク旅団りょだんに側面そくめんを衝つかれた。アメリカ軍ぐんは将軍しょうぐん代行だいこうのペリディゴン・ガレイを含ふくみ約やく500名めいを捕虜ほりょに取とり、5門もんの大砲たいほうを捕獲ほかくした。アメリカ軍ぐんはその後ごの攻撃こうげきのためにコントレラスから来きた部隊ぶたいとの統合とうごうを始はじめた。

メキシコ軍ぐんはサンタ・マリア・デ・チュルブスコのフランシスコ会かい修道院しゅうどういんで抵抗ていこうを試こころみた。この修道院しゅうどういんは周まわりの地形ちけいに比くらべて高たかさの利点りてんは無なかったが、小ちいさな川かわがあって橋はしが1つ架かかっており、アメリカ軍ぐんはまずこれを破やぶる必要ひつようがあった。修道院しゅうどういんの石壁いしかべに加くわえて、攻撃こうげきに先立さきだってメキシコ軍ぐんが掘ほり始はじめていた不完全ふかんぜんな一連いちれんの塹壕ざんごうも防御ぼうぎょに一役ひとやく買かっていた。防御ぼうぎょ部隊ぶたいは「インデペンデンシア」と「ブラボス」の大隊だいたい（その90%は戦闘せんとう経験けいけんが無なかった）と聖ひじりパトリック大隊だいたいからの1,300名めいだった。援軍えんぐんとして送おくられたトラパとラゴス大隊だいたいの部隊ぶたいも幾いくらかはいた。この部隊ぶたいには大砲たいほうが7門もんあった。

大砲たいほう3門もんは右手みぎてに、2門もんは中央ちゅうおうに、残のこり2門もんは左手ひだりてに据すえられた。「インデペンデンシア」大隊だいたいは上部じょうぶ壁かべ、橋はしに繋つながる右側みぎがわ面めん、防御ぼうぎょの無ない南みなみと北きたの側面そくめんおよび戦場せんじょうに面めんした2つの日干ひぼし煉瓦れんがづくり小屋こやを割わり当あてられた。「ブラボス」大隊だいたいと聖ひじりパトリック大隊だいたいは左手ひだりて、バリケードの後うしろに配置はいちされた。チュルブスコ川がわに沿そった支援しえんとして、ペレス旅団りょだん2,500名めい（第だい11戦列せんれつ、第だい1、第だい3および第だい4軽けい歩兵ほへい連隊れんたい）がいた。

戦闘せんとう

アメリカ軍ぐんウィリアム・J・ワースとデイビッド・E・トウィッグスの各かく師団しだん、総勢そうぜい5,000名めいによる最初さいしょの猛攻もうこうはうまく撃退げきたいされた。マニュエル・リンコン将軍しょうぐんの副ふく指揮しき官かんペドロ・マリア・アナヤが左側ひだりがわ面めんに来きた特とくに激はげしい攻撃こうげきを撥はね返かえした。橋はしが敵てきの手てに落おちそうになったときに、民兵みんぺいの3つの小しょう集団しゅうだんが到着とうちゃくして防御ぼうぎょ隊たいを支援しえんした。激はげしい戦たたかいが3時じ間あいだ続つづき、「インデペンデンシア」大隊だいたいは何なん度ども後方こうほうに緊急きんきゅう伝令でんれいを送おくっていたが、そこで弾薬だんやくが尽つき掛かけた。この弾薬だんやく不足ふそくは防御ぼうぎょ部隊ぶたいが使つかっているライフル銃じゅうに合あわない口径こうけいのものが送おくられてきたためだった。もし弾薬だんやくの口径こうけいが正ただしいものであったならば、防御ぼうぎょ部隊ぶたいはもう少すこし長ながく抵抗ていこうできていたはずだった。

メキシコ軍ぐんの大砲たいほうのうち2門もんは熱ねつで溶とけ、もう1門もんもその架台かだいから落おちてしまった。「インデペンデンシア」大隊だいたいのフランシスコ・ペニュニュリ中佐ちゅうさは一いち握にぎりの兵士へいしを率ひきいて銃剣じゅうけん突撃とつげきを行おこない敗北はいぼくした。ペニュニュリと彼かれに付ついていたルイス・マルティネス・デ・カストロ大尉たいいは、後のちに修道院しゅうどういんの門前もんぜんにある記念きねん碑ひに軍ぐん葬そうの礼れいで葬ほうむられた。

「ブラボス」大隊だいたいの士官しかん達たちは修道院しゅうどういんの壁かべの上うえに3度ど白旗はっきを掲かかげようとした。しかし、聖ひじりパトリック大隊だいたいの者もの達たちは捕虜ほりょになった場合ばあいに待まち受うける運命うんめいを怖こわれ、そうすることを妨さまたげた。それでも聖ひじりパトリック大隊だいたいのうちの72名めいは最終さいしゅう的てきに捕虜ほりょになり、指導しどう者しゃジョン・ライリーを含ふくみ脱走だっそう罪つみで軍法ぐんぽう会議かいぎに掛かけられた。

フランクリン・ピアースの旅団りょだんは砲火ほうかの下したで川かわを押おし渉わたるり、ジェイムズ・シールズの旅団りょだんも続つづいて、メキシコ軍ぐんの右側みぎがわ面めんに回まわった。左翼さよくではワース師団しだんの部隊ぶたいも川かわを渉わたるることに成功せいこうし、メキシコ軍ぐん防衛ぼうえい線せんの背後はいごに達たっした。修道院しゅうどういんの中なかの者もの以外いがいの抵抗ていこうが崩くずれたが、修道院しゅうどういんは今いま暫しばらく持もち堪こたえた後のちに降伏ごうぶくした。

アメリカ軍ぐんのジェイムズ・M・スミス大尉たいいが修道院しゅうどういんの壁かべに上のぼり、その部隊ぶたいが防御ぼうぎょの無なくなった修道院しゅうどういんに入はいったときに過激かげきなことをしないようにさせるために降伏ごうぶくの白旗はっきを掲かかげた。トウィッグス将軍しょうぐんが数すう分ふん後ごに到着とうちゃくし、軍隊ぐんたいの礼れいでメキシコ軍ぐん指揮しき官かん達たちを出迎でむかえ、アナヤ将軍しょうぐんに武器ぶきを渡わたすよう求もとめた。メキシコの史料しりょうでは、アナヤが「もし弾薬だんやくが少すこしでもあれば、貴き方方かたがたはここに居いられなかっただろう」と答こたえたということである。

戦たたかいの後のち

ニューヨーク州しゅうからの志願しがん兵へい1個いっこ旅団りょだんがこの修道院しゅうどういんを宿舎しゅくしゃにし、9月7日にちまでそこに留とどまった。彼等かれらがそこを明あけ渡わたすとき、持もてるだけのものを教会きょうかいから戦利せんり品ひんとして持もち出だし、建物たてものの聖域せいいきを汚よごし、菜園さいえんを破壊はかいした。

スコット軍ぐんはチュルブスコでの勝利しょうりの後のち、メキシコシティまでわずか5マイル (8 km) を残のこすのみとなった。1ヶ月かげつ後ご、失敗しっぱいに終おわった休戦きゅうせんと交渉こうしょうの後のちで、メキシコシティはアメリカ軍ぐんのために陥落かんらくした。

大衆たいしゅう文化ぶんかの中なかで

テレビのミニシリーズ『南北戦争なんぼくせんそう物語ものがたり 愛あいと自由じゆうへの大地だいち』（原題げんだい："North and South"）、および映画えいが"One Man's Hero"の中なかで、この戦闘せんとうの一部いちぶが描えがかれた。

関連かんれん項目こうもく

• 米べい墨ぼく戦争せんそう

参考さんこう文献ぶんけん

• Ramsey, Albert C. The other side; or, Notes for the history of the war between Mexico and the United States, New York: John Wiley 161 Broadway and 13 Paternoster Row, London, 1850